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(回答先: 与野党(自・公・民)合意『裁判員制度』―「刑事司法改革関連3法案」衆院通過へ[JANJAN] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 4 月 24 日 00:38:13)
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http://www.ishidalaw.gr.jp/ronsetu/lsc/lscindex.html
特集 「日本司法支援センター」の意味するもの
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http://www.spgf.org/jp/news/2004a/news040405.htm
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“ 司法ネット 政府の監督下に置く危うさ
弁護士 石田 省三郎 ( いしだ しょうざぶろう ) ”
政府から 「 総合法律支援法案 」 が国会に提出された。弁護士らによるサービスをより身近に受けられるようにするため、全国に利用拠点を設け、ネットワーク化することを柱とするもので、裁判員制度の導入と並んで司法制度改革の目玉と位置づけられている。
この拠点は、経済的に苦しい人々の訴訟を支援する法律扶助や、逮捕直後から国費で弁護士をつける被疑者国選弁護の担い手になるとされる。これらの制度の拡充・創設は、日本弁護士連合会などもかねて主張してきたところであり、今回の法案は一般に賛意をもって受け止められている。
しかし、法案が目指そうとしているものは、弁護士業務のみならず、司法の基本的あり方に重大な影響を及ぼし、三権分立を基本理念とするわが国の体制からみても、多くの問題をはらんでいると考える。
法案によると、総合的法律支援の中核となる組織として新たに 「 日本司法支援センター 」 を創設する。そしてこの組織が、法律扶助、法律相談、国選弁護人の指名、法律業務の研修などを行うとされている。
もっとも問題なのは、このセンターが独立行政法人になることだ。 「 官から民へ 」 という時代の流れに逆行するからだけではない。センター理事長の指名や役員の解任は法相の権限となり、さらに業務方法書や法律事務取扱規定など、業務にかかわる基本的事項については、法相の認可を受けなければはらない。このように、法律支援事業は完全に法務省の、つまり政府の監督の下に置かれることになるのである。
総合法律支援が 「 国の責務 」 と位置づけられ、多額の予算が計上される以上、それは当たり前の措置だと思われるかも知れない。
しかし、司法にかかわる業務は本来、政府から独立したところで実施されるべきものだ。三権分立の理念からしてもそうだし、何よりも、弁護活動は国家の監視などから自由な立場で行われてこそ、初めて依頼者の利益を守ることができる、という観点に立っても当然のことである。
法律支援事業の監督は弁護士の個別具体的な業務への介入を意味しないと言っても、業務を行う構成員が組織に取り込まれる限り、真の独立はあり得ない。
そして、私が一番危倶 ( きぐ ) するのは、刑事弁護制度にその影響が顕著にあらわれるという点である。
わが国の刑事裁判のうち 60% 以上が国選弁護事件である。現在の国選弁護制度は最高裁の予算のもとで行われ、国選弁護人の推薦は弁護士会によってなされている。弁護人の推薦に法務省が関与したり、その活動が政府によって監視・監督されたりすることはない。
ところが新しい制度は、国選弁護制度を運営する主体を、法相の監督や認可の下におこうとしているのである。つまり、刑事裁判で相対立する検察官と弁護人が、ともに政府の統制を受けることになる。これでは、検察官と対峙 ( たいじ ) する被疑者・被告人の弁護の実質が失われてしまうのは明らかだ。市民の権利の守り手たる弁護士が、かえって依頼者である市民の敵対者となる可能性がある。
法律支援の業務は今まで通り、弁護士会や法律扶助協会で十分対応できる。法案の背後にある目的は、本来自由で独立した活動が求められる弁護士業務を、国家管理のもとに置くことにある。それは、市民の利益には決してならない。 ”
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