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(回答先: 国の異議申し立て退ける 諌早湾干拓差し止め仮処分【朝日新聞】 投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 1 月 12 日 15:38:48)
詰め掛けた支持者らに「勝訴」を伝える弁護団 =26日午前10時すぎ、佐賀地裁前 |
進行中の国営事業を直接差し止める決定は、極めて異例。国と漁業者らの間で激しい対立が続いている同事業に大きな影響を与えるだけでなく、公共事業全体の進め方に反省を迫る判断だ。国側は異議を申し立てる方針。九州農政局は、当面は干拓関連工事を中断することを明らかにした。
二〇〇二年十一月、漁業者や市民が干拓地と調整池を仕切る前面堤防の工事差し止めなどを国に求め提訴、同時に仮処分を申請した。その後、工事全体の差し止めに訴因変更。原告は八百六十人に増え審理が続いている。
榎下裁判長は決定理由の中で「漁獲高の減少は経済生活の面で重大で深刻な影響を与えている」と漁業被害を認定。
その上で、国が設置したノリ不作等検討委員会が「事業が有明海全体に影響を及ぼしたことが想定される」とした見解を「極めて信頼に値する」と重視。「干拓事業は有明海の漁業被害の唯一の原因とはいえないが、一定程度の因果関係は認められる」と指摘した。
「完成した部分も含めて事業全体を再検討し、必要に応じた修正を施すことが肝要。工事が進行すれば再検討自体が困難になる」と結論づけた。
また「国自らが設置したノリ不作等検討委員会が、事業の影響を検証するのに役立つとした中・長期開門調査を行っていない。因果関係の解明が難しくなる不利益を漁業者らのみが負担するのは公平ではない」と農水省の姿勢を批判した。
諫早湾干拓事業は諫早湾の奥部を潮受け堤防で閉め切り、内側に干拓農地約七百ヘクタールを造成する。総工費は約二千五百億円。二〇〇六年度中の完成に向け、既に九割以上の工事が終了している。
漁業者約二十人と福岡県有明海漁連は公害等調整委員会に有明海異変と同事業との原因裁定を求め、審理が続いている。
●「悪行厳しく断罪」 馬奈木昭雄・原告弁護団長の話
われわれの闘争が認められた。農水省は諫早湾干拓事業を続行してはならない。工事はこれで止まった。漁民や市民を全く無視した悪行が厳しく断罪された。被害を回復することをこれ以上、農水省がさぼることは許されない。これを弾みに、川辺川ダムを含む全国で繰り広げられる他の裁判も勝ち抜こう。
●「主張認められず」 九州農政局の話
決定の内容はこれまでの国の主張が認められなかったもの。決定の理由を詳細に検討し、関係機関とも相談した上で対応したい。
●「再生に取り組む」 潮谷義子知事の話
今回の佐賀地裁の決定については、国と長崎県で進められている諫早湾干拓工事に関する訴訟案件なので、コメントを言う立場にないが、有明海の再生は本県にとって極めて重要な課題の一つであり、今後も「有明海・八代海再生に向けた熊本県計画」に基づき、取り組んでいきたい。
2004年8月26日夕刊