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(回答先: (1) 養殖ノリ 高水温、色落ちに強い品種選抜_甦れ!宝の海 研究者たちの挑戦【熊本日日新聞】 投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 1 月 12 日 17:18:43)
タイラギのエサとなるプランクトンを培養す る研究室=佐賀県有明水産振興センター |
「タイラギを人工的に飼育することで、有明海の失われた漁場を回復する手段が分かるかもしれない」。佐賀県有明水産振興センター(佐賀県芦刈町)の研究室で、伊藤史郎専門研究員は熱っぽく語る。
有明海の二枚貝タイラギは生息場所が徐々に減り、原因不明の大量死も発生。熊本県内で最も漁が盛んだった荒尾市では五期連続で休漁状態だ。漁業者の生活は苦しく、原因究明と復活の方策が求められている。
同センターではタイラギ不漁を受け、二〇〇二(平成十四)年夏からタイラギの人工飼育の研究に着手。昨年秋、受精卵の状態から海水中を漂う幼生を経て、海底で生活を始める稚貝へと成長させることに成功した。
人工飼育に成功したのは国内二例目。タイラギを大量生産して海に放流し、増やす方策に道を開く研究成果だが、一方でタイラギ不漁の原因究明などに役立てる狙いもある。
同センターの研究グループは人工飼育をする際、ビーカーに(1)砂と泥を混ぜて入れたもの(2)泥を入れたもの(3)海水だけ、の三パターンに分けて実験。その結果、いずれも稚貝に成長したが、泥を入れたものと海水だけで飼育したタイラギは間もなく死亡。生き残ったのは砂と泥を混ぜたものだけだった。
「一回の実験結果だけだが、有明海でタイラギの生息域が狭くなった要因の一つは、底質の環境変化ではないかと推測される」と伊藤研究員。
現在、同センターでは人工飼育技術の改良を研究中。伊藤研究員は「人工飼育したタイラギを不漁解明のさまざまな実験に活用することができる。漁場の消失原因と回復策が得られるかも」と期待する。
一方、熊本県水産研究センター(上天草市)では〇一年春から、荒尾市沖の潜水漁場でタイラギの分布密度の把握、水温や塩分濃度の測定、タイラギの移植試験などに取り組んでいる。
これまでの調査で分かってきたことは、ほかの海域のタイラギを荒尾沖の潜水漁場に移植すると、荒尾産のタイラギと比べて生存率が高いことなど。「荒尾産のタイラギそのものに死亡する原因があるようだ。ストレスなのか、遺伝的なものなのか、それとも病気か…。現在、この点を探っている」と同センターの那須博史主任技師。
すしネタなどに使われ、豊饒(ほうじょう)の海の象徴的な存在でもあったタイラギ。不漁の原因究明は有明海再生の処方せんを探る一つのカギを握っているのかもしれない。