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ジュゴン保護再勧告/世界自然保護会議 [沖縄タイムス]
http://www.asyura2.com/0403/ishihara8/msg/559.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 11 月 26 日 21:14:07:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: 反対派への排除激化 業者、水中で“危険行為”[琉球新報] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 11 月 21 日 07:46:22)

<2004年11月25日 夕刊 1・5・4面>
ジュゴン保護再勧告/世界自然保護会議

 バンコクで開かれている世界最大の自然保護団体、国際自然保護連合(IUCN)の総会、世界自然保護会議は二十五日、米軍普天間飛行場の移設をめぐり、ジュゴンなど希少野生生物保護と環境影響評価(アセスメント)の見直しを日米両政府に求める勧告案を採択した。


軽視許さぬ世界の目/ジュゴン保護再勧告にNGO


 「ジュゴンの生息海域を守れ」「再勧告の意義は重い」。二十四日、ジュゴンなど沖縄の希少生物の保護勧告を採択した第三回国際自然保護連合(IUCN)総会。日米両政府に対し、ジュゴン保護区の設定など、具体的行動を取るよう強く求めた。二〇〇〇年の前回会議に続く異例の再勧告。県内、国内から参加した非政府組織(NGO)関係者らは「今回こそ軽視は許されない」と両政府に勧告履行を訴えた。

 勧告は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設について、白紙撤回を含む複数案の検討や、すでに着手しているボーリング調査をアセスの対象にするよう求めた。

 米政府に対しても、希少野生生物生息地での基地建設に際し、米軍の環境管理基準に基づく日米協議などを要請した。

 現地を訪れているWWFジャパン(世界自然保護基金日本委員会)の花輪伸一自然保護室主任は「世界最大の自然保護団体が二度続けて勧告することの意義は、国際条約と同等の重みを持つ」と指摘。「(前回勧告から)四年間で保護策にほとんど進展がないと判断された結果の再勧告。日米政府は責任をもって履行すべきだ」と訴えた。

 日本自然保護協会の吉田正人理事は「抗議活動をしている多くの人に勇気を与える勧告だ。八十九カ国の千三百人から集まった署名も含め、国際的な世論を日米両政府は無視することはできない」と期待を込めた。

 県内から参加しているジュゴン保護キャンペーンセンターの宮城康博代表は「二度目の勧告は極めて異例。日本政府は保護策を取っていると主張したが、IUCNは認めなかった。国際社会の厳しい指摘を日米両政府は重く受け止め、ボーリング調査をただちに中止すべきだ」と強調した。

 辺野古移設の環境アセスに計画中止の選択肢がないことや、ボーリング調査が対象外になっていることに関して、「会議参加者の間から『信じられない』という声が相次いでいる」という。

 辺野古沖で連日、抗議活動をしている沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の東恩納琢磨団長は「世界が辺野古に注目し、ジュゴンの保護区をつくるという具体的な政策を求めている。画期的な勧告だ」と歓迎。「採択を希望の光とし、あきらめずに阻止行動を続けていく」と力を込めた。


[ことば]


 国際自然保護連合(IUCN) 1948年設立。79カ国、112の政府機関、807の自然保護団体、約1万人の科学者らでつくる世界最大の国際自然保護団体。本部はスイス。

 総会の世界自然保護会議で採択される勧告は、国際条約に等しい価値を持つとされる。日本政府への再勧告は、石垣島白保のサンゴ保全勧告に続き2例目。新石垣空港は再勧告後、建設場所が変更された。


     ◇     ◇     ◇     
「百万人の力」反対派も歓迎/辺野古調査阻止へ決意


 米軍普天間飛行場代替施設の建設に伴うボーリング調査に反対し、阻止行動を展開している座り込み参加者は、IUCNの勧告採択を歓迎し、日米両政府の真摯な対応を求めた。

 座り込みテントから、海上阻止行動の様子を見守っていた宮城啓さん(30)=那覇市、アルバイト=は「大きな意義がある。豊かな海を守れという声を無視しての調査強行は許されない」と歓迎。同時に「採択された中で、現場海上で作業船が足場の周りを取り囲んでいるのは見るに堪えない」と憤った。

 座り込みを指揮する平和市民連絡会事務局長の当山栄さん(64)は「画期的内容で大きな励みになる。世界的なバックアップを受けて、私たちも今まで以上に県、施設局、政府に強く訴えることができる」と力を込めた。

 命を守る会の金城祐治代表(69)は「こちらにとって百万人の力になる」と期待しつつ、「日米両政府がお互いに責任を押し付けあってごまかさないか心配だ。地球規模で環境汚染を考え、しっかり保全していく第一歩にしてほしい」と話した。


掘削作業できず/辺野古沖


 米軍普天間飛行場代替施設の建設に伴う名護市辺野古沖でのボーリング調査で、那覇防衛施設局は二十五日正午現在、海底掘削に向けて機材設置など準備を進めている。施設局は「波が高く、本日は掘削作業を行わない」と説明した。


[解説]
日米政府の怠慢指摘/普天間移設に影響も


 二〇〇〇年に続く勧告採択は、沖縄の希少生物保護が世界的な環境問題として認識されていることをあらためて示した。同時に、これまでの日米両政府の対応が不十分であることも指摘。米軍普天間飛行場の代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)に(1)中止の選択肢を含める(2)名護市辺野古沖でのボーリング調査を対象とする―ことも明記し、代替施設移設問題へも影響を及ぼしそうだ。(北部支社・岡部ルナ)

 IUCNの決議や勧告のテーマは通常、新しい課題に限られるという。ジュゴン保護策の勧告案が再び採択されたことは、日米政府の怠慢が指摘されたに等しい意味を持つ。本会議で検討することを決めたIUCNの決議担当部門も「同種に関する勧告が(二〇〇〇年に)アンマンで採択されたが、これまでほとんど進展がない」としている。

 環境省は、ジュゴンを鳥獣保護法の対象種に加えて〇一年から三年間、調査した。防衛施設庁は、〇二年から七カ所の米軍ヘリパッドとその連絡道路建設に関する継続環境調査を行った。しかし、具体的な保護策は講じられていない。

 勧告は、普天間代替施設や米軍ヘリパッド建設などによって、沖縄の希少生物がさらに絶滅の危機に追い込まれていると指摘、保護を求めた。世界的な自然保護の議論の場で、希少種保全と軍事基地の両立に疑問が呈されたともいえる。

 同勧告に法的拘束力はない。しかし、新石垣空港白保案が、さんご礁保全を求めた世界の意見で変更された経緯があり、日米両政府にとって無視できないものだ。

 二度の勧告を経て、希少種とその生息環境保全について、国際世論を納得させられる具体策を取れるのか。日米両政府の対応が問われる。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200411251700.html#no_2



http://groups.yahoo.co.jp/group/nomorewar/message/16101
><沖縄タイムス2004年11月25日 夕刊 1・5・4面>
>
>ジュゴン保護再勧告/世界自然保護会議

http://groups.yahoo.co.jp/group/nomorewar/message/16101
以下、IUCN日本委員会のサイトに掲載されている速報と勧告の仮訳です。
http://www.iucn.jp/news/041125-2.htm

======================== 引用ここから=======================================

【速報】ジュゴン・ノグチゲラ・ヤンバルクイナの保全を求める勧告」採択される

(IUCN日本委員会 バンコク、タイ)[2004/11/25]

現地時間10時30分(日本時間12時30分)、「ジュゴン・ノグチゲラ・ヤンバル
クイナの保全を求める勧告」がIUCNの総会で採択された。

事前に行われたコンタクトグループでは、文案修正に合意がとれず、オリジナ
ルの原稿が議論された。

決議案の議決に先立って、日本政府が議決の結果を問わず棄権することを表明
したほか、環境省から環境影響評価を始めたことに言及する前文の加筆が、ア
メリカ政府からは「米政府は、ジュゴン保護に高い関心を持つとともに、日本
政府の要求に応じて、環境影響評価に協力する」という趣旨の発言があった。

NGO側からは、日本の環境影響評価法が不十分であることを説明し、また、ボ
ーリング調査が自然保護会議の真っ最中に行われていることを紹介した。

数分のやり取りの後、議決が行われた。
議決結果は、政府側は賛成70、反対4、棄権42、NGO側は賛成185、反対22、棄
権24の圧倒的多数で勧告案は採択された。(道家 哲平 Update 2004.11.25)

************************************
CGR3.REC032   2004/11/25 仮訳
日本のジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全
Conservation of Dugong, Okinawa Woodpecker and Okinawa Rail in Japan

 日本のジュゴンは,沖縄島周辺のみに生息し,分布域が狭く,個体数が少な
く,他の個体群から孤立していること,ノグチゲラ,ヤンバルクイナは,地球
上で沖縄島の山原(やんばる)の森にのみ生息する固有種で個体数が少ないこ
とにより,3種ともに絶滅のおそれのある種(ジュゴンはCR D1(日本哺乳類
学会1997), ノグチゲラはCR , ヤンバルクイナはEN(環境省2002))である
ことに留意し,

 ジュゴンの最も重要な生息海域のひとつでは,米軍の軍事飛行場と日本の民
間航空の軍民共用空港建設計画が進み,魚網による混獲が発生し,ノグチゲ
ラ,ヤンバルクイナの生息地では,米軍用の7か所のヘリパッドと軍用道路の
建設計画があり,侵入種のマングース,ノネコによる捕食が発生するなど,こ
れらの3種への脅威が高まり,絶滅の危機がさらに進んでいることを憂慮し,

IUCN第2回世界自然保護会議(2000年10月4-11日 アンマン,ヨルダン)が,
沖縄島のジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全のために,生息地にお
けるアメリカ合衆国海兵隊の軍事施設の建設と演習に関する環境アセスメント
を完遂すること,それにもとづいて,これらの種の生存のために適切な対策を
講じるよう勧告(Rec. 2.72)していることを想起し,

 日本政府が,ジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全のための調査と
いくつかの救済策を実行し,生息地における軍民共用空港,ヘリパッド,道路
の建設において,自然環境への重大な影響を避けるための最大限の努力を決意
したことを歓迎し,

 日本政府が,日本の法律にもとづいて環境アセスメント手続きを開始したこ
とを認め,

 UNEP/DEWA(2002)によって出版された研究レポート「ジュゴンの現状と国
別・地域別の行動計画」における絶滅の警告に注目し,

IUCN世界自然保護会議は,その第3回会議(2004年11月17-25日,バンコク,タ
イ)において,

1. 日本政府に対し,以下のことを要請する;

a) ジュゴン生息海域における軍民供用空港建設計画に関する環境アセスメン
トでは,ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること,また,ボーリ
ング調査,弾性波探査などの事前調査も環境アセスメントの対象にすること.
b) ノグチゲラ,ヤンバルクイナ生息域における米軍ヘリパッド建設計画に関
しては,これを環境アセスメントの対象として,ゼロ・オプションを含む複数
の代替案を検討すること.
c) 早急に,ジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保護区を設置して,保
全に関する行動計画を作成すること.

2. アメリカ合衆国政府に対し,以下のことを要請する;

a) 沖縄の希少な野生生物生息地におけるアメリカ合衆国軍の基地建設につい
て,米軍の環境管理に関する基準にもとづいて,日本政府と環境保全,野生生
物保護の観点から協議すること.
b) 要請があれば,日本政府が実施する軍事基地に関する環境アセスメントに
協力すること.

======================== 引用ここまで=======================================

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