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(回答先: 命の危険許さない 世代超え怒りの声次々【琉球新報】 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 9 月 13 日 16:59:05)
■ 県に政策転換迫る 予想上回る参加者 日米両政府への圧力に
市民大会会場を埋め尽くした参加者。米軍に抗議 の声は届いたか。フェンスの向こうに見えるのは 普天間飛行場=12日、沖縄国際大学グラウンド |
米軍ヘリ墜落事故に抗議する宜野湾市民大会には目標の1万人をはるかに上回る3万人(主催者発表)が駆けつけ、普天間飛行場の早期返還を強く訴えた。参加者が市内にとどまらず、県内各地から集まったことを見ても、早期返還要求の声が全県的な意思であることを明確にした。
その意思は大会決議でも示されたように、今後最低でも13年以上かかるSACO(日米特別行動委員会)最終報告に基づく名護市辺野古沖への代替施設完成後の返還を指すものではない。
SACO合意の7年という返還最終期限から既に1年が過ぎた。住民は昼夜を問わないヘリの飛行で騒音に苦しみ、住宅地をかすめて飛ぶ機体におびえる生活を余儀なくされてきた。その中で起きた民間地での墜落事故。「もう二度とヘリを飛ばしてほしくない」と小学生が大会で訴えたように、飛行場をこのまま放置することは住民としての受忍限度を超えている。
今回の市民大会は宜野湾市にとっても大きな節目となった。長年存在してきた米軍基地が社会構造に組み込まれ、市民生活でその賛否を口にすること自体が「タブー(禁忌)」(知念参雄自治会長会会長)とみられてきた面がある。しかし墜落事故で無差別の危険性を目の当たりにし、初めて基地問題で市民の意思を一つにすることができた。訪米要請などで早期返還を訴えてきた伊波洋一市長にとっても大会参加者3万人という強力な支援を得たことは、日米両政府への強い圧力となりそうだ。
住民は「貴い命と平穏なくらしを守る」(大会決議)ことを求めているだけだ。そのささやかな願いを踏みにじっている現状を一刻も早く解決するためには、日米両政府がSACO合意の“呪縛(じゅばく)”から解かれて、早期返還の方策を早急に協議する必要がある。
(中部報道部・与那嶺路代、政経部・松永勝利)
[更新 2004年9月13日 月 10:40]
■ 知事の大会不参加に怒り、失望も
「なぜそこに知事がいないのか」―。米軍ヘリ墜落事故に抗議する市民大会に参加した人々の口から出た素朴な疑問だった。
大会には3万人(主催者発表)の市民、県民が参加した。だが、そこには知事、副知事の姿はなかった。参加しない理由を稲嶺知事は「市民大会なので直接は参加しない」(3日、記者懇談)と語っていた。
その理由に、誰も納得はしない。本当の理由は何か。大会会場で聞いた。「市民大会だからってことです。それ以上のことはコメントできない」(伊波洋一宜野湾市長)、「危険な普天間基地の撤去を求める市民大会に、辺野古移設を主張し、結果として基地を放置する知事が、来ても居る場所はない」(新崎盛暉・前沖大学長)、「危険な基地撤去と安保問題を混同し、加えて普天間問題での世論に対する読み違い」(新垣勉・前沖縄弁護士会会長)。
米軍ヘリ沖国大墜落事故は、多数の市民の命を危険にさらした上、米軍は民間私有地(大学)に無断で立ち入り、事故現場を制圧。県警の捜査、消防の検証活動さえ制限し、証拠隠滅を急ぐかのような対応に終始し、主権、人命への配慮がなおざりにされた。重大な主権侵害との批判も浴びている。
市民大会で市民が求めたものは、被害の徹底調査、事故原因の究明、謝罪と完全補償、米軍機の民間地上空での飛行中止、基地の早期返還、地位協定の改定だった。
ヘリ事故に対する県民の怒りは、人命より軍事機密の保持を優先した米軍に向かうはずが、米軍の主権侵害を黙認した日本政府、「辺野古移設促進」が問題の早期解決策とし、政府に普天間の即時撤去を訴えようとしない県当局にも、矛先は向けられ、怒りの行方は分散し、迷走している。
「大会に来られない知事は、命よりも振興策が大事ってことです」(普天間高校生)、「市民の声も聞けない知事は明日辞めてほしい」(沖国大生)との声すらあった。
大会を取材したジャーナリストの長野智子氏は「東京で取材していると、稲嶺知事が県民の意見を代表していると思っていたが、大会を取材して、そうでないことが分かった」と語った。
知事の「大会不参加」は、県民世論の分裂、二分化、揺らぎなど、複雑な憶測を呼ぶ結果を招いている。
(編集委員・前泊博盛)
◆ 知事不参加に“安ど” 全県的運動の広がり見極め 政府反応
【東京】宜野湾市民大会に対し、12日の段階で政府は特段の反応を見せていない。1995年の時のように基地への反発が全県的に高まるかどうか慎重に見定める構えだ。
内閣府沖縄担当部局や防衛施設庁など沖縄にかかわりの深い一部の省庁を除くと、市民大会に対する政府の関心はさほど高くなかった。最大の理由は知事の参加がないことだ。政府関係者の1人は「正直なところ、知事が先頭に立ってやるのと、そうでないのとでは全然違う」と明かしていた。知事の参加がないため全県的な抗議運動には発展しにくい、との見極めがあるようだ。
普天間飛行場の早期返還、辺野古沖移設の再考など、大会決議が現在の政府の方針と大きく違うこともあり、「正直困惑している」(政府関係者)のが実情だ。大会を受けて、辺野古沖移設を見直すといった大胆な政策変更が生じる気配はない。
ただ事故そのものは関係省庁も重大視する。石破茂防衛庁長官や茂木敏充沖縄担当相は最近、普天間飛行場の所属機種見直しや飛行ルート制限に言及し、従来より踏み込んだ危険性低減策を取る姿勢を見せている。外務省も地位協定の運用改善へ積極姿勢を示しており、こうした対応で県民の反発を収拾できるか、見極めようとしている。