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(回答先: 「核燃料サイクル費用割高」10年前に試算、公表せず(朝日)【長期的な判断から必要がある=軍事転用かな】 投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 7 月 03 日 22:32:50)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
「ないと思っていたが、探してみたらロッカーにあった」。そんな信じがたい説明とともに、10年前につくった重要な資料が経済産業省から出てきた。
原発の使用済み燃料を再処理するか、そのまま埋めるか。その二つの方式のコストを比べた資料が隠されていたのだ。
日本は核燃料サイクル政策をとっている。原発の使用済み燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを使おうというものだ。このコストを計算したら、再処理せずに使用済み燃料を捨てる直接処分方式より2倍近くも割高となった。
今年3月の参院予算委員会で経済産業省幹部が「試算はない」と答弁した。真っ赤なウソをついていたことになる。
エイズの資料が厚生省に埋もれていたことを思い出す。最近では低い出生率の公表が遅れた。都合の悪い資料は隠しておいて政策を押し通す。原子力政策への信頼がまたも失われたのは間違いない。
国の原子力委員会は原子力長期計画の改定作業を始めたところだ。その焦点は10年前と同じく、まさに二つの方式のコスト比較である。これによって、青森県六ケ所村でほぼ完成した再処理工場をどうするかの判断に大きな影響が出る。
原子力委員会はちょうど計算を始めるところだったが、まず今回見つかった政府の試算を検証すべきだ。
10年前を振り返れば、この試算がもつ意味の大きさがわかる。
94年当時、「サイクル路線はコストが高い」という見方が広がり、サイクルから撤退する国も出ていた。国内でも旧通産省内でサイクルへの疑問が生まれ、推進派の旧科学技術庁とは足並みが乱れていた。今回の試算結果を論議した政府の会議でも、結果を公表してもいいとする通産省に対し、科学技術庁や電力業界は「社会が混乱する」と反対した。
六ケ所工場は前年に着工されたばかりで、建設費は7600億円の見通しだった。その後何度も修正され、2兆円を超えた。高速増殖原型炉もんじゅは運転開始の直前だった。
当時、試算が公表され、コストがきちんと論議されていたら、日本の原子力政策は違っていたかもしれない。そう考えると、資料隠しの罪はきわめて重い。
資料隠しが発覚した後も、政府は核燃料サイクルが必要との姿勢を変えていない。原子力委員会がコストの論議をしようとしている一方で、サイクルの開始へ向けた手続きは着々と進んでいる。
六ケ所工場では、今夏のウランを入れる事前試験に続き、来年には本物の使用済み燃料を使った試験が予定されている。とくに使用済み燃料を入れると、機器が強い放射能を帯び、サイクルの後戻りができなくなる。
少なくとも一連の試験はしばらく凍結すべきだ。その間に将来の方向をじっくり考えればいい。「一度決めた路線だから」と惰性で進めるのでは、さらに信頼を失うだけだ。