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核燃料サイクル:試算隠し 「配慮」求めた電力業界(毎日) 
http://www.asyura2.com/0403/genpatu2/msg/272.html
投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 7 月 13 日 21:21:23:ihQQ4EJsQUa/w
 

(回答先: 原発試算隠し 再処理凍結も考慮し検討を(毎日新聞・社説)  投稿者 シジミ 日時 2004 年 7 月 11 日 08:30:12)

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040711k0000m040097000c.html
 原発の使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクルで、旧通産省(現経済産業省)と原子力委員会、電力業界がそれぞれ、再処理と地中に埋めて直接処分する場合とのコスト比較をしていたことが発覚した。いずれも「直接処分は再処理より大幅に割安」との結果だったが、隠されたままに核燃料サイクルは推進された。原子力委は原子力政策の基本を示す国の原子力開発利用長期計画(長計)の見直し作業を始めたが、重要情報の隠匿行為は、論議に大きな影響を及ぼしそうだ。

【足立旬子、小平百恵】

 94年2月。通産省資源エネルギー庁の会議室で総合エネルギー調査会(通産相の諮問機関)のワーキンググループ(WG)が開かれた。通産省、科学技術庁(当時)、電力業界、大学から関係者約20人が顔をそろえた。

 通産省がまとめた「核燃料サイクルの経済性試算について」と題した報告書に論議が集中した。

 使用済み核燃料を国内で再処理・廃棄物処分すると、直接処分した場合に比べ1キロワット時当たりの発電コストは2倍になる。「要回収」の印を押した文書には、驚くべき数字が記されていた。

 「試算が公表され、それが非常に割高だと、サイクル事業が成り立たなくなる」「日本では直接処分について議論されたことはない。話が混乱するのでご配慮願いたい」

 毎日新聞が入手した議事録の要旨によると、電力会社幹部らから、公表の見送りを求める意見が相次いだ。

 結局、通産省の試算は封印され、同年6月に核燃料サイクルの推進を掲げた長計がまとまった。

 94年はOECD(経済協力開発機構)が再処理と直接処分のコスト比較を発表した年だ。「再処理より直接処分が約1割安いが、その差は発電コスト全体から見れば無視できる」と指摘した。

 当時は、核拡散やコスト高の懸念から、核燃料サイクルへの逆風が世界的に吹いていた。サイクル推進派にとっては好都合の内容だった。だが、これを受けて実施された国内の試算はいずれも「再処理は割高」という結果で、推進派の思惑が外れる形になった。

 通産省と同時期に実施した電気事業連合会の試算は、国内再処理は直接処分に比べ3〜4割高になると出た。OECDの試算をもとにした原子力委の計算はかなり幅が出たが、中間的なケースだと再処理は直接処分より約5割高くなった。

 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は「93年は青森県六ケ所村で再処理工場の建設が始まり、核燃料サイクルに本格的な資金投入が始まった時期だ。日本は海外に比べ燃料の加工費や工場の建設費が高く、予想以上にコスト高の結果が出たのだろう」と分析する。

 一方、総合エネルギー調査会WGの委員だった太田宏次・中部電力会長は「直接処分は不明な点が多く、公正な積算が困難だったので(公表に)慎重な意見を述べた」と振り返る。電事連も「コスト比較は精度が低く、公表できるものではなかった」としている。

 原子力委の近藤駿介委員長は、8日の長計策定会議で「(審議会などは非公開だった)当時のことを現在の視点で検討するのはどうか」と指摘、事実経過の解明に消極的な姿勢を示した。

 これに対し、同策定会議の委員を務める渡辺光代・日本生活協同組合連合会理事は「原子力村のすべての関係者の姿勢が問われている。開かれた論議とか透明性とか言われても信じられない」と話す。

 使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムは、資源に恵まれない日本にとって「準国産エネルギー」。こう位置付けて、経済産業省や電力業界は核燃料サイクルを推進してきた。

 だが、10年たって事情は変わった。電力自由化時代を迎え、割高な核燃料サイクルを進めることへの疑問が、経産省、電力業界の一部にふくらんでいる。電力市場に新規参入した企業はコストが安い石炭火力発電で価格競争をしかけており、現実的な論議が必要になったためだ。

 原子力委は、長計を05年中に改定するが、最大のテーマは核燃サイクルの是非だ。再処理と直接処分のコストを改めて比較する小委員会を近く設置する。

 電気事業連合会は今年1月、再処理費用の総額を18.8兆円とする試算結果を公表した。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場を40年間稼働させた後、さらに40年間かけて廃棄する前提だが、この試算そのものの妥当性も問われそうだ。

 この試算は、2030年ごろまでに発生する使用済み核燃料の半分は再処理するが、残り半分は再処理せずに別の場所で中間貯蔵することになっている。全量再処理する場合は、費用がさらにかさむのは確実だとされる。

 一方で、再処理コストを電力料金に上乗せする議論が進行中だ。再処理工場も06年7月に完成予定で、劣化ウランを使った試運転が近く始まる。

 吉岡斉・九州大大学院教授(科学史)は「直接処分の具体的な研究がされることなく、10年間がいたずらに過ぎてしまった。再処理は凍結し、直接処分についての研究をしたうえで、核燃料サイクルの妥当性を改めて議論すべきだ」と語る。

 【ことば】再処理と直接処分 核燃料サイクルでは、原発から出る使用済み核燃料を再処理してプルトニウムやウランを取り出す。これを燃料に加工し、再利用する。日本では再処理で生じた高レベル放射性廃棄物をガラスで固め、300メートルより深い地下に最終処分することになっている。最終処分場の操業開始目標は2035年ごろとされているが、立地先はまだ決まっていない。

 一方、再処理をせずに使用済み核燃料を地下に埋める手法が直接処分だ。再処理は費用がかさむなどの理由から、米国やフィンランド、スウェーデンなどで採用されている。
毎日新聞 2004年7月11日 0時07分

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