現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産33 > 156.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: Re: 当世給料事情/2 大手銀行 投稿者 M 日時 2004 年 1 月 27 日 23:40:57)
当世給料事情/3 地域金融機関
自らの年収半減などで経営再建の指揮をとる紺野邦武・福島銀行社長=岩下幸一郎写す
◇年収700万円のトップも−−消耗戦続く不振行
福島銀行(第二地銀、本店・福島市)の紺野邦武社長(60)=当時副社長=の脳裏を「死亡宣告」という言葉が駆け巡った。01年12月25日。金融庁が、福島銀に対して自己資本不足を解消するため資本増強を求める早期是正措置を発動、本店に預金者が押し寄せた時のことだ。
それまでに是正措置を受けた東京相和銀行など第二地銀5行すべてが破たんしていた。300円を超えていた福島銀の株価は62円まで急落、全預金量の2割に当たる1200億円が3カ月で流出した。
「このままでは、銀行がつぶれる」。ストレスで腸の調子を崩し、顔の発しんまで抱えた紺野社長は「役員の年収半減、行員のボーナスゼロ・給与25%カット」という決断をした。紺野社長の年収は1000万円。大手行なら30歳代の水準だ。547万円だった行員の平均年収(38歳平均)も385万円になり、40歳代の課長は「800万円から500万円台後半に減った」。自宅の購入を取りやめた行員もいる。
紺野社長の覚悟が伝わったのか、地元の中小企業や個人が手を差し伸べた。集まった出資金は146億円。業務純益も04年3月期には02年3月期の1・5倍に達する見通しで、危機は去った。だが、給与を元に戻すのは、まだまだ先のことだ。
◇ ◇ ◇
03年3月期に最終赤字に陥った和歌山銀行(同、本店・和歌山市)では、公的資金投入で国が取得した優先株が無配となった責任を取り、尾藤昌平前会長(72)が辞任。旧大和銀行(現りそな銀行)出身の鈴木剛夫社長(64)も年収5割カットで、1400万円だった年収は700万円と銀行業界では最低水準になった。金融監督当局からも「リスクと精神的重圧、そして給与カット。経営不振の地域金融機関のトップほど割に合わない商売はない」と同情の声が漏れる。
昨年11月末に破たんし、国有化された足利銀行(本店・宇都宮市)は、すでに行員の年収を3割カットする方針で、平均年収は570万円から400万円弱に減る。新頭取には、地銀最大手の横浜銀行(本店・横浜市)で最高財務責任者(CFO)まで務めた経歴を持つ池田憲人氏(56)が就任。池田氏の年収は「1500万円から2000万円の間になる見通し」(金融当局)という。
◇ ◇ ◇
経営が比較的安定し、年収も高水準な地域金融機関もある。横浜銀行は、元大蔵事務次官の平沢貞昭頭取(71)の年収が3000万円前後。不良債権処理の過程で役員報酬、給与カットを進め、水準自体は下がってはいるが常務で1700万円、執行役員は1500万円程度。40歳手前の課長級でも950万円に達する。
日本の銀行では格付けトップの静岡銀行(本店・静岡市)は、常務が年収2000万円前後と大手銀行と肩を並べる。部長級は1500万円前後で、地銀ではトップの水準。また「関西、中部地方の地銀には、年収5000万円の頭取もいる」(金融庁幹部)という。
銀行の数が多すぎる「オーバー・バンキング」状態の地銀・第二地銀は、景気低迷の長期化による地域経済の疲弊で資金需要が細ったまま。生き残りをかけた消耗戦は、優勝劣敗を鮮明にし、給与格差の拡大につながっている。=つづく
この連載に対するご意見、情報をお寄せください。ファクスは03・3212・4970、Eメールアドレスはt.kei.desk2@mbx.mainichi.co.jp
(毎日新聞2004年1月7日東京朝刊から)