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Re:続・日米の「愛人関係」
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投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 24 日 22:50:06:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: あっしらさんへ=続・日米の「愛人関係」 投稿者 まっくす 日時 2004 年 3 月 23 日 20:16:00)


まっくすさん、レスありがとうございます。

日本を拠り所に生きていることもあり、私も、日本が歴史的に内在させてきた“力”の顕在化が今後の世界を変えうると思っています。ただ、その“力”が時々刻々と衰えているという思いも強く持っています。
(西欧や米国は、江戸期のような生活様式が近い歴史として存在せず、“彼ら”との接触密度も高いことから、アンチテーゼとして立ち上がるのは難しいとみています。ドイツや東欧には期待しているところもあります。逆説的に言い方にもなりますが、日本に近代市民意識がそれほど確立せず近代的理性に基づく説明体系もものにされていないことは、不幸中の幸いだったと思っています。「利口の壁」が低いという意味です)

では、時々刻々衰えているかもしれない日本の“力”を回復させ、現今の価値観のアンチテーゼになりえたり、ポスト産業資本制世界のアルナタティブになりえるために必要なものは何か?と問われれば、「高度経済成長期的価値観ではない国民経済主義による国家社会の確立」だと応えることになります。
“彼ら”がポスト産業資本制の過渡期としてグローバリズム(金融主義的市場原理志向制度の世界化)を打ち出していること、さらには、エロスを急速に失いつつある産業資本制の発展段階にあることを考えると、産業資本制を基礎に国民経済主義に基づく国家社会の存在意義は極めて高いと言えます。
現在の発展段階でどういう政策をとれば、企業も高額所得者も低中所得者もいい目に会えるのか、そして国家財政も破綻しないで済むのかをリアルに示すことで、世界の潮流に棹を差すことができると思っています。
そして、その認識は、さらに進んで「開かれた地域共同体」を志向する萌芽になるとも思っています。逆に言えば、現状の潮流のままで「開かれた地域共同体」を志向する動きは多数派のものにはならないと思っています。

まっくすさん:「私は庶民いのちの人なので、その庶民の直覚を社会へ還元するしくみを作れないものかと考えています。もはや(支配層がおこぼれとして与えてくれる)自由主義や民主主義では「間に合わない」と感じるからです。今回、非力をかえりみず投稿したのも、そうしたことを話せないかなと考えたからでした。」

庶民の直観的な判断はすごいものがあると思っています。
長々としたもっともらしい正当化論理を繰り出す支配層のそれよりもずっと妥当です。

まっくすさん:「行き場を失った理想は、自由意志で合目的な生き方という近代個人主義のプロパガンダと野合しました。今ではプロパガンダであることすら忘れ去られ、その浸透度は、団塊世代の子供たちのレベルで、援交などというニヒリズムで表現されるレベルにまで深化しています。この強力な「欲望解放」主義の前には、時の勢いを借りた「右」よりの戦術も無効です。欲望を抑圧する風にしか響かないからです。」

与えられた条件のなかでエロス(生)をまっとうしようとする庶民を押さえ込む手段は、「左」であれ「右」であれ、理屈のなかには存在しないと思っています。

(暴力による強制には有効性があるかもしれませんが、それは「欲望解放」を最大の儲けのネタとしている支配層には採り得るものではなく、タナトスのなかにエロスを見出すものの繁殖を促し自分たちを危機に陥れる可能性もあります)

与えられた条件を否定し生きる条件を新たにつくりだそうとすることが理想だとすれば、理想を失った人たちは、与えられた条件のなかに理想を捨てる言い訳を見つけ出し、それを支えにエロスを追求することになるはずです。
理想を捨てきれなかった人たちは、理想を抱え続けることにエロスを感じたり、理想を抱くことを理想化する方向に進み、現実のなかでエロスをまっとうすることを忌避する態度に陥ったりします。

エロスをまっとうしながら理想を現実化せんとする構えを持ち続けることの難しさはわかっているつもですが、そのような生き方が“普通”にならなければ方向転換は無理だと思っています。

支配層が欲望を成就する姿に憧憬を抱いてもらうことこそが、“彼ら”の「庶民層を自分達の感性に引き寄せ、手段化された庶民層がそうは受け取らずに自由意志で目的的に生きているという“錯誤”で喜々として手段化される道を歩む仕掛け」を確かなものにする決め手です。

まっくすさん:「「分断と対立」戦略は、既に病膏肓というか、殆どの人に自覚症状がないくらいに深化され、一人ひとりの内部に定着しています。ただ、「日本が一方的に愛人関係を求めることになる相手は米国の支配層」だという認識に違和感を感じます。それは建前上そうなのであって、「愛人関係」は日本が求めているのではなく、米国の支配層が必要としていると私は考えています。」

米国の支配層が日本を必要としているという“論理”(判断)には同意します。

日本のバカバカしいまでの凄さは、米国支配層の必要を慮って、必要を超えた対応をしたり自分が求めているものであるかのように振る舞うことです。
コートを脱げばという心遣いを受け止めると、パンティまで脱いでしまう傾向があると思っています。
それを日本の支配層が率先して行い(一部にはそうなるよう意図的に唆すヤツもいる)、庶民のある範囲もそこまでしなければダメかもと思ってしまう流れがあったのではないでしょうか。

米国支配層は、そういう日本を重宝だと思いながらも、得体が知れないという“恐怖心
”も持っていると想像しています。


まっくすさん:「20世紀の歴史を振り返れば、日本はいざとなると非常に怖い国だと思っているはずです(つまり、日本は強いんです)。侵略時代このかた奴隷化すべき対象としてバカにしていた非西洋の国が、曲がりなりにもロシアに勝ち、世界大戦の敗戦においても、結果的にではあれ植民地の解放につながる抵抗を示した。恐れた"彼ら"は戦後、日本を徹底的に叩きのめし、精神的に去勢した。ところが捌け口を経済活動に限定したところ、ご本尊を脅かすまでに成長してしまった。必要に迫られてプラザ合意を強制し、バブル(資産インフレ)、資産の不良債権化、自由化(規制緩和)プロパガンダと続く長期低迷を強いたが、またぞろ復活してきている。

このいくら打ちのめして死なない、この奇妙な非西洋国家を敵に回そうとは誰も考えないはずです。で、本来正妻に迎えてもいいくらいのところを、立場上有利な(プライドや人種偏見もあって)妾にしてある、というのが実相ではないでしょうか?」


日本の支配層が、前述した態度ではなく、理非と損得を明確に説明しなおかつ協力関係を確固たるものにしようとする存在であれば、日本を正妻にしてもいいと思うかもしれません。
しかし、現状の態度を見せる日本を正妻にしたいとは思わないでしょう。

「おいおい、こいつ大丈夫かよ」とか「目が覚めると何をするかわからない」と考えて、重宝な妾として扱い続けると思っています。

日本は、奇妙な非西洋・非近代国家だと思われていると推測します(笑)

まっくすさん:「よく日米安保など見せ掛けの同盟に過ぎない、アメリカはその気になればいつでも破棄できるような言説を見かけますが、どうも私にはそうは思われません。」
すぐ上の説明の延長線としても、日米同盟は必要だと思っているはずです。
日本も、正妻ではない米国との関係は軍事駐留を含む日米安保こそが紐帯だと思っているはずです。(米国が日本から軍隊を引き上げたら、建前で言われている安全保障云々ではなく、日本のことを省みることもしなくなると恐れていると思っています)

まっくすさん:「先にあっしらさんが「先に何があるかよくわからないが生きるために生きていくという庶民層」という言い方をされていましたが、この「何だかわからないけど生きるために生きている」人間ほど、"彼ら"支配層にとって都合よく支配できそうでできない、その実、気持ちの悪い存在はないのです。」

同意します。
日本がとっている態度が何に拠っているのかよくわかっていないと思っています。

自分で先を用意するわけではないが、どんなものが条件として現れても、それをうまく使いこなしてしのいでいく姿を見れば、不可解で気持ちの悪い存在に思えるはずです。

まっくすさん:「いずれの場合も通奏低音のように響いてくるのは、日本は戦略が欠如しているからダメだ、西洋的な(あるいは中国的な)戦略に学ばないと生き残れないとする、相も変らぬ自虐的な文明国コンプレックスです。しかし、事実は逆を指しているのではないでしょうか?

日本は戦う気がないから勝ってきた国なのです。だから戦略がいらないのです。挑まれれば戦うのですが、基本的には穏やかに「わびさび」の世界で充足することを知っています。大企業の重役でも、西洋外観の豪邸に坪庭や茶室を作ってしまう国民です。このキッチュな(優れて日本モダンな)混交状態こそ、未来を志向しているように私には思えるのです。

こうした国民性こそ尊重し、それを心地よく発揮できる環境をつくらない国家戦略は、絶対に受け入れられないと考えます。だからこそ庶民は「日本」そのものであり、「開かれた共同体」構想が重要なのです。わかっていただけますか?」


わかるつもりです。

深層に横たわる国民性がそう簡単に消え去るとは思っていませんが、「日本は戦略が欠如しているからダメだ、西洋的な(あるいは中国的な)戦略に学ばないと生き残れない」という理屈が、日本的エロスを圧殺したり歪める恐れはあると思っています。

日本人の心性にぴったりくるのは「開かれた地域共同体」だと思っていますし、西洋や中国の人たちも、それを論理として納得し、そこで生きることを通じて日本人的心性を醸成していくことになると思っています。


まっくすさん:「それとは別に、先のG7で最も気になったのは、EUのどこかの財務相が「抜本的な通貨制度の改革を話し合う」云々(正確な文言は思い出せません)といっていた点です。その後どこを探してもフォロー記事はなく、よほど重大なトピックなんだろうと思います。あっしらさんもbakaさんのレスに書かれているとおり、そろそろ米のデフォルト執行=借金踏み倒しが近いのもかもしれません。このあたりはどうお考えですか?」

 イスラム世界の「近代化」を終えるか、それに失敗したときが、米国の借金踏み倒しの契機になると予測しています。
 9・11以降に顕在化している世界の動きは、米国支配層が米国(米国の支配層ではなく)の自爆も厭わない決意で取り組んでいるものだと思っています。

 BISも「抜本的な通貨制度の改革」を考えています。それは間違いなく戦後世界を動かしてきたドル国際基軸通貨制の終焉です。
 イスラム世界の「近代化」とポスト産業資本制世界の制度構築を同時並行的に進めていくのが現在の“彼ら”(その知的執事)の役目です。

 米国連邦債務の利払いが5千億ドル(約50兆円)を超えてなお、米国が債務を履行し続けることは考えにくいと思っています。(米国GDPの5%が連邦政府の利払いに回ることになります)


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