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日本人が急速に子供を生み育てる力を失いつつある。そのような思いを強く持つようになって既に数年経つが、昨年当たりから嬰児に対する虐待さえ見られるようになり、「病膏肓に入る」とでも表現すべき段階に入ってきたと感じてきた。
元々、人間を含む動物の子供たちが「可愛い顔」をしているのは、成獣の攻撃性を和らげるためだ、と聞いたことがある。しかし、日本人の多くが次第に子供を「可愛い」と感じることができなくなりつつあるのではないか。
こうなった原因はおそらく一つではない。不況により経済的に子供を育てる余裕をなくした家庭が増えたということもその一つかもしれない。だがむかし現在よりもずっと貧しかった頃もっと沢山の子供を育てていた。
私はこの原因の最大のものは、日本人が社会の中で子供と接する事が余りに少なくなったことではないかと考えている。私の幼い頃(1960年代)子供たちはまちの中で遊びまわり、その遊びに時々、もう子供とは呼べない若い大人や、老年の大人も加わっていた。(遊んであげていたというべきだろうが、本当は大人たちは遊んでもらっていた。)こうして大人たちは子供と遊ぶことの楽しさを味わい、「子供は社会の宝」ということを実感していたのではないか。
しかし今、子供たちをまちの中で滅多に見掛けなくなってしまった。子供たちはどこに行ってしまったのか?少子化とはいっても勿論完全にいなくなってしまった筈はない。家庭と学校に(塾もか)囲い込まれてしまい、社会から見えなくなってしまったのか。
こうしたことはこれまで子供にとっての問題とされてきたが、実は大人たちに対しても深刻な影響を与えているように思う。子供と遊ぶことの楽しさを知らないまま、自分が子供を持ったとき、自分の子供に対しても「可愛い」と感じることができなくなった大人が増え、様々な形の虐待に繋がっているのではないか。そのように思えてならない。
ではどうしたらよいか?私には分からない。虐待した親たちを「鬼親」と弾劾したところで、もちろん問題の根本的な解決にはならない。(弾劾すること、重い刑事責任を課すことは必要だと思っている。)また、「もっと子供と遊ぼう」と呼びかけても、まちで子供に声でもかければ変質者視されかねない。
だが、根本的解決に繋がらなくても、現に虐待されている子供を救う事は緊急に必要だ。そのためには、まさちゃんの投稿http://www.asyura2.com/0401/nihon11/msg/200.htmlにあるようなシェルターを造ること、そして子供たちに向けて「親に虐待されたらここに逃げてきなさい」とメッセージを発することが必要だと思う。しかし、これもそのメッセージを受け止め得ない幼児や嬰児に対しては無効なのだが。