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並走日本車から身乗り出し29発 外交官襲撃で目撃証言
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イラク北部で11月29日に起きた日本人外交官2人の殺害事件で、現場近くのディジュレ警察署が得た銃撃の模様の目撃証言が5日、分かった。武装グループは、並走する車から身を大きく乗り出して照準を定める高度な手口だったという。訓練を施された者の犯行とみられ、反米勢力によるテロ行為である疑いが一層強まった。また、襲撃現場に向かう途中で、2人が道路脇の売店に立ち寄り、果物を買っていたとの証言も確認された。
ディジュレ警察筋が朝日新聞の取材に明らかにした。証言したのは、道路脇で土木作業をしていたイラク人男性。奥克彦・在英大使館参事官(45)=11月29日付で大使に昇格=と、井ノ上正盛・在イラク大使館3等書記官(30)=同1等書記官=の四輪駆動車が農地に突っ込んだ現場から南約10キロで目撃した。
それによると、午前11時ごろ、目の前の路上を四輪駆動車が走り、その左側をトヨタクラウンとみられる白い乗用車が高速で並走していた。窓から男が上半身を完全に外に出して撃ち続けていたという。
同警察によると、四輪駆動車の前方エンジンフードにも銃弾が数発貫通した穴があった。銃撃犯は、車高が高い四輪駆動車の車内を撃つために高く銃を構えた体勢をとっていたとみられる。四輪駆動車が時速150キロ以上で逃げれば、農地に突っ込んだ場所までは3〜4分間。犯人はその間に29発を車に命中させた。
同警察は使われた銃はカラシニコフ銃とみている。弾倉は30発入りで、途中で弾倉を入れ替えた可能性が高い。特殊な銃撃訓練を積んだ人物が、標的を定めて犯行に及んだことが推定できる。
戦前のイラクで、そうした訓練を施していたのは、民兵組織のサダム殉教者軍団▽共和国特殊防衛隊▽フセイン体制を支えていたムハバラードと呼ばれる巨大な治安情報機関――などだ。
当初、米軍広報官は「(2人は)売店に立ち寄ったところを銃撃された」と発表した。朝日新聞が街道沿いの商店に確認したところ、29日朝、日本人2人が四輪駆動車から降りたという目撃証言は確かにあった。
現場から60キロ南のバラドの街道沿いに果物店が8店ほど並ぶ場所で、銃撃の約1時間前の午前10時ごろ、2人は果物店でナツメヤシの実1袋5キロ、バナナ1キロ、ミカン1キロを買い、5000イラクディナール(約280円)を払った。その品物が車内にあったことはディジュレ署も確認した。
2人が立ち寄った果物店の店主サラーム・アブドラ・ハラフさん(29)は「日本人2人のうち1人はアラビア語を話した」と語り、アラビア語専門の井ノ上書記官を覚えていた。2人は背広姿で、ナンバープレートのついていない四輪駆動車に乗っていたことから、「日本の情報関係者」だと思ったという。
買い物の際に「発砲」はなかった。近くには簡単なレストランなどもあり、2人は電子カメラで店を撮影するなどし、約20分後に出発したという。この付近は車の運転手が休憩をとる場所で、武装グループはそこで2人に目をつけ、追跡し、集落などがとぎれる銃撃現場付近で犯行を決行した可能性も出てくる。
(12/06 17:18)
http://www.asahi.com/international/update/1206/011.html