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(回答先: 小泉純一郎氏の研究 【首相指名直前の毎日新聞の小泉紹介記事】 投稿者 【毎日新聞記事】 日時 2003 年 12 月 07 日 04:30:39)
http://www.president.co.jp/pre/20010604/03.html
プレジデント 2001年６／４号
"民活の師"加藤寛氏が語る
「改革断行内閣」の未来
わが教え子
小泉純一郎君へ
「喩えるなら佐々木小次郎のように、電光石火の"燕返し"で構造改革を遂行すべし」と、恩師であり、郵政民営化の助言者でもある加藤寛氏は語った。
小泉首相の人柄と、新政権への提言を聞いた。
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加藤寛 ＝ 談
LIAISON AGENCY inc/USA/東京特派員
鴨志田孝一 ＝ 撮影
photo by Koichi Kamoshida
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小泉首相が慶應義塾大学経済学部の学生のころ、私のところへ二、三度、質問に訪ねてきたことがある。これが、私と小泉君との出会いだ。もう40年ほど前のことで、質問の内容までは覚えていないが、あのころ私が担当していた経済原論の講義に関するものだったと思う。小泉君は慶應在学中にロンドン大学へ留学するなど、まじめで勉強家だった。4月末、ある新聞で小泉君が私のゼミの学生だったと報じられたが、ゼミの学生ではない。のちに政界へ進んだ卒業生の中では、橋本龍太郎君と小沢一郎君も勉強家だった。彼ら二人と比べると、小泉君は勘を働かせてスイスイといくタイプで、試験などでも、勘が当たったときはすごい力を発揮した。
小泉君の人柄を喩えるなら、佐々木小次郎ではなかろうか。剣豪小説に描かれる彼は、切れ味鋭い「燕返し」によって、突如歴史の表舞台へ登場した。その颯爽とした登場のしかたや、一匹狼の印象が、私には小泉首相と二重写しに感じられる。
卒業後、小泉君の結婚式に恩師として招かれたとき、私は政治家の結婚式に招かれたのが初めてだったので、どういうお祝いを差し上げたらいいものか見当がつかず、自分の著作を2、3冊持っていった。今思うと、怪訝な顔をされても仕方ないところだが、彼はじつに嬉しそうな顔をして、「ありがとうございます。読ませていただきます」と受け取ってくれた。
その後、小泉君と直接的な関わりを持つのは、彼が郵政民営化論を持論として展開するようになる直前だった。私は1984年の1月に『郵貯は崩壊する──頭取のいない「国家銀行」のゆくえ』を山同陽一氏と共著で上梓した。国鉄、電電公社、専売公社に続く、最後の大きな砦が郵貯の存在だった。この本は国会でも取り上げられて、激しく非難されたが、小泉君は、おそらく、この本に感じるところがあって、「先生の言うとおりに民営化をやります」と、協力と助言を求めてきた。
あれから15〜16年たつが、その後、彼は終始一貫、郵政民営化論を主張し続けている。私も政府の委員の仕事を長く務めて政治の内側を見てきたから、 小泉君のような立場になった人間にとって、それがいかに困難を伴うか想像がつく。正しいと信じるところを貫く正義感。それが小泉君の人生の柱になっていると、私は思う。
経済財政担当大臣となった竹中平蔵氏は、大蔵省の財政金融研究所にいたときからの知己で、のちに私が学部長を務めた総合政策学部に招聘した。そうした縁もあって、大臣就任に際して相談を受けた。竹中氏はずいぶん迷っていたし、とくに自分に政治力がないことを気にしていた。私は、ここで受けなかったら、竹中は口だけで実際には何もできないと言われ、悔しい思いをするよと説得し、政治力に関しては塩川正十郎氏を頼りなさいとアドバイスした。
ある評論家が小泉内閣を、塩川氏が財務大臣に選ばれたからマイナス30点と発言していたが、政治をよく知らない人の発言だ。私が昨年まで10年間、政府税制調査会の会長を務めていた間、すべてをお膳立てしてくれたのが塩川氏だった。税制についてもとても詳しく、 彼が根回ししてくれたら、党税調の重鎮である山中貞則氏ですら、何も言いださないほどだった。柳沢伯夫金融担当大臣を含めた3人の経済担当チームは、日本経済の構造改革へ向けた最強の布陣だと私は思う。
小泉首相は「聖域なき構造改革」をスローガンに掲げた。経済・財政分野に関しては、すでにメニューが出揃っている。
第一に税制改革。日本の間接金融はすでに行き詰まり、直接金融主流への構造改革が急務となっている。所信表明演説にもあったように、証券市場活性化のためには、個人投資家の積極的な市場参加を促す税制措置が必要だ。これを直ちに実行する。第二にNTTの完全資本分離化。日本が景気を回復しながら株価を上げるためにも、IT産業を発展させるためにも、NTTを分割して競争状態をつくり出す必要がある。この改革には2年ほど時間がかかるかもしれない。第三に地方分権。郵政民営化論の弱点は250兆円もの郵貯資金をどう使うかというビジョンがはっきりしていないところにある。そこで郵貯資金を地域に分割して、現在150兆円ある地方交付税のかわりに、地域振興の財源に充てる。郵貯の中央集権体制が崩れれば、 特殊法人の改革も自動的に進んでいく。この改革には3年ぐらい時間がかかるだろう。
経済・財政の具体的な施策は、経済チームに任せておけばいい。小泉君の役割は、佐々木小次郎のように電光石火の改革を打ち出して、国民の期待と関心をつなぎとめておくことだ。 （談）
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題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。