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<解説>日米地位協定の外務省機密文書 [琉球新報]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 01 日 23:25:15:dfhdU2/i2Qkk2
 

<解説>日米地位協定の外務省機密文書 [琉球新報]

外務省
 
 外務省機密文書「地位協定の考え方」は、協定運用における実質的な「逐条解説書」といえる外務官僚の“虎の巻”だ。表紙右上に「秘 無期限」の印が押され機密扱い。無期限とは、情報公開の「対象外」を意味し、存在自体が否定されてきた。
 国会審議などで存在が指摘され、公開要求や記述内容が追求された。だが、外務省は同文書について「存じていない」(川口順子外相)とのスタンスを堅持してきた。
 「-考え方」は、沖縄返還に伴う在沖米軍基地への地位協定適用などに対応するため、1973年4月に外務省条約局とアメリカ局が、条項別に「法律的側面の現時点における政府の考え方を総合的にとりまとめた」(はしがき)ものだ。
 公海上での米軍演習地域の設定や核問題など、締結時には想定されなかった在沖米軍・施設への地位協定適用を「本来、改定で対応すべきを、解釈で乗り切るために策定した」(外務省高官)とされる。いわば“解釈改定書”だ。
 文書には具体的な事例が多数盛り込まれ、米軍優位の協定内容への疑問や過去の国会での政府答弁の矛盾、問題点も赤裸々に紹介されている。
 また、同文書で「非公開」が前提の日米合同委員会の合意内容、地位協定に関する「擬問擬答集」「地位協定逐条説明」「条・条ペーパー」など多数の機密文書の存在も明らかになった。
 外務省は「地位協定の解説書はない」とし、改定論議をかわしてきた。
 同機密文書の存在が公になったことで、暗礁に乗り上げてきた地位協定改定問題での論議の活発化が期待されている。
(編集委員・前泊博盛)


◇   ◇
平時における内容が伴わず/本間 浩・法政大教授

 「地位協定の考え方」で目立つのは、外務省が平時に米軍が駐留することで地位協定を結ぶことになったと意識している点だ。基地をどういう基準で設置し、運用するかという問題は、結局米との力関係によって確定された。米国の世界戦略に引きずられ、本来の平時における地位協定の内容が伴っていない。
 17条の米軍人の犯罪容疑者の身柄拘束と引き渡し問題では驚きを覚えた。米側からの引き渡しについて、両国の相互協力原則の例外と位置づけている。例外であるなら、厳格な制約原則を明確にしないと適用できないが、そうなっていない。
 24条の駐留経費負担では、この「-考え方」が出る前の政府答弁は、基地の提供は日本政府の責任、運用に関する費用は米側が負担するという解釈だった。しかし、新しい建造物を造ることに、日本側の負担に問題はないとしている。
 当時は円高ドル安の時期。駐留経費の水膨れ分について日本に負担させようとした米側の意図が、協定の文言解釈に反映し、従来一貫していた日本側の解釈が根こそぎ改められている。米側につけいるすきを与える危険な対応の仕方と言わざるを得ない。(談)(国際法)

◇   ◇
日米合同委に「透明性」必要/明田川 融・法大講師

 機密文書「地位協定の考え方」は、地位協定全体について政府の考え方が包括的に述べられている点が一番の特徴だ。
 文書の中で芋づる式に、ほかの「擬問擬答集」「逐条説明」、沖縄や本土の基地の取り決めなど(非公開の)日米合同委員会の合意も、注書きで明らかになっている。
 文書の中で、外務省がある程度は原則に従おうとしている姿勢と、実際の運用の中では必ずしもそうならず、米側にかなり配慮した、そんなせめぎあいが見受けられる。特に24条の経費では、それがかなり表れている。
 核を積んだ艦船の寄港や通過は、この文書の中では、事前協議の対象との解釈で政府の考え方は一貫していると書いている。しかし、実際の運用や交渉の場では、必ずしも米国に対し日本政府は貫けていない。
 基地の使用条件は、協定もさることながら実施段階が沖縄には一番密接に関係している。日米合同委員会という密室で決められ、なおかつ政府を拘束する合意内容を、もう少し透明性をもたせ、基地の運用実態の解明のためにも、その公開を求めていくことも必要だ。(談)(日本政治外交史、占領史)(琉球新報)
[1月1日0時25分更新]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040101-00000001-ryu-oki
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おまけです。
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『さらば外務省!』 栗山尚一 ―― 「外務省員洗脳の書」の読まれ方
http://www.asyura2.com/0311/bd32/msg/251.html
投稿者 なるほど 日時 2003 年 12 月 05 日 06:25:34:dfhdU2/i2Qkk2

『さらば外務省!』天木直人 講談社 のP64から転載します。
(転載開始)

栗山尚一 ―― 「外務省員洗脳の書」の読まれ方

 外務省の体質を体現する、もう一人の人物にも言及しておかなくてはなるまい。ほとんどの主要ポストにおいて、斉藤邦彦の前任者であり続けた栗山尚一である。
 私は内閣安全保障室に出向していた時期に、わが国の安全保障政策に関係する仕事に携わったことがある。言うまでもなく、戦後のわが国の安全保障政策といえば、日米安全保障条約に基づいた日米同盟が基本となっている。
 この日米安全保障条約の功罪ほど論議を呼ぶテーマはない。いったい日米安全保障条約とはどういう条約なのか。どういう経緯を経て締結され、どのような役割を果たしてきたのか。そしてその将来像はどうあるべきか。
 日米安保条約に関しては賛成、反対、中立と様ヵな立場から議論されその解説書も数多くある。それらの多くを読んでいくうちに気づいたことは、賛成の立場から書かれている書物の多くが、日米安全保障条約を締結したことは正しかったという賛辞の単純な繰り返しであるのに対し、反対の立場から書かれている書物は様ヵな角度から丁寧に事例を引用しその非を論ずるものが多いということである。
 そんな中で私は、同僚からホッチキスで綴(と)じられた十数ページの薄っぺらいタイプ打ちの冊子を渡された。
「市販の解説書をいくら読んでも役に立たないよ。外務省の職員が読むべき解説書はこれだけさ。いわばバイブルだ。他の解説書を読むとむしろマイナスになる」
 この冊子こそ、栗山が条約課長の時代にものした日米安全保障条約についての「外務省員洗脳の書」なのである。それは日米安保条約の全体を解説するというよりも、主としてこれまで国会でどのような論戦がなされ、政府としてどう答えてきたかという虎の巻のようなものである。しぼらく読み進んだところで私は、「あっ」と声を上げんばかりに驚いた。
 それは日本が実際に軍事攻撃された場合、果たして米国は自ら血を流して日本を防衛してくれるのかという根本的疑問に関するくだりであった。栗山は言う。


「米国は日本と共通の価値観を有する信頼できる唯一の国である。そのような国に対して助けてくれないかもしれないなどと疑念を抱くこと自体、誤りであり米国に対して失礼である」

 これが外務省条約課長の教えなのである。いかなることがあっても、常に米国に盲従していく外務官僚の原点が滑稽(こっけい)なまでにここに表れている。
 これが外務省職員のバイブルだというのだ。まさか国民は、わが国の外交がこれほどまで長の浅いものだとは想管していまい。しかしこれが、日米外交の偽らざる実態のである。
http://www.kodansha.co.jp/

(転載終了)
http://soejima.to/

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