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(回答先: 第1部機密(5) 基地被害逃げ腰の政府 自治体の腐心と溝 [琉球新報] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 13 日 08:21:08)
「これは懐かしい」。外務省が永久非公開とする文書「日米地位協定の考え方」を作成し、省内の担当者が“バイブル”のように使用していた一九七〇年代当時を知る元外務官僚の一人は、記者の示した「考え方」を手に取り、ゆっくりとめくった。
沖縄返還に深くかかわった担当事務官が中心となり、難解な日米地位協定の解釈を理解できるように、と後輩への思いを託してまとめられた一冊の文書だ。
元官僚は、復帰による協定解釈拡大の目的でまとめられたものではないと重ねて否定するが、文書の存在を認めたことは、協定発効後十年が経過した当時から外務官僚までもが、協定解釈に多くの課題や矛盾点を抱いていたことと結び付く。
約半年でまとめられた「考え方」の土台になった一つの資料に「擬問擬答集」がある。各省庁が法律の制定や条約、協定の締結時に、国会での答弁用としてまとめたものだ。
米軍基地の提供責任を負うもう一つの官庁、防衛施設庁にも外務省作成の「擬問擬答集」は存在した。元幹部は「『考え方』は見たことがないが、擬問擬答集は使用していた」と語る。
別の防衛庁筋は「『考え方』はまだ生きているものだと思う。死ぬもんじゃない。そういうたぐいのものだ。だから秘なんだろう」と指摘する。
作成経緯を知る当時の関係者の証言で、七三年作成の「考え方」から十年後の八〇年代には、増補版が書かれている可能性も出てきた。
「考え方」は、作成から三十一年を経ても「死ぬ」ことはなく、省内で生きていた。
「増補版 地位協定の考え方」の存在をある外務省幹部にぶつけると、「協定の解釈は国会答弁で申し上げている」と言及を避けられた。
川口順子外相は「考え方」自体についてさえ、「文書の存在を聞いていない」(十三日の閣議後会見)と述べ、肯定も、否定もしなかった。
ある政府関係者は「日米安保がかかっている交渉だ。知事会や政党がいくら改定案を形にしても、国を動かすトップが動かなければどうにもならない。地位協定は外務、防衛、法務、警察、環境など多くの省庁に関係している。それだけの役所を動かして米国と交渉をやるには、官邸の力が必要だ。一内閣が命をかけなければできない」と話す。
多省庁間にまたがる地位協定こそ、内閣主導の形で改定を実現できるような取り組みが必要との指摘も出ている。
「改定なんてありえないと分かっている。でももし将来、日米が改定交渉をやることがあれば、担当してみたい
という思いはあった」。協定の矛盾が示された当時の“バイブル”を前に、元外務官僚は三十年前の思いを静かに語り、文書を閉じた。(地位協定取材班)
http://www.ryukyushimpo.co.jp/special/unequal/040115.html#040115