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(回答先: Re:日本教と望ましい神格とについて 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 7 月 02 日 15:47:36)
明治維新の目的は、幕藩体制(=連邦制)を廃止して天皇を中心とした中央集権国家を作ることでした。
その直接の原因はアヘン戦争にあります。
江戸時代までの日本は、儒教、道教、孫子等の軍事理論を含めて大半の政治思想や行政運営の技術を中国から導入したものをアレンジして使っていました。
ところが、日本にとって最大の教師でありアジア最強の国家である中国がイギリスと戦って惨敗してしまった。
中国でさえ勝てないのに、同じ装備を持ったヨーロッパの軍隊が日本に押し寄せたらひとたまりもない。吉田松陰(彼は長州藩の軍を指導する参謀総長の役目をもっていた)を始め、日本中の軍事専門家はそれぞれの立場で対策を考えました。
そして出した結論は。
「1)、海軍力では外国軍は遥かに勝っている。彼等は海に囲まれたこの日本列島のどこにでも自由に、陸軍部隊を上陸させる力を持っている。
2)、今のような幕藩体制で各藩がバラバラに戦っていたのでは各個撃破されてしまう。
3)、またどこかの藩が外国軍と連合して攻めてきたらどうするか。
よって外国軍による侵略から日本を守るには、統一された指揮の下に行動する中央軍を編成しどこから攻められても対応出来る体制を作ることだ」
しかし、ここで問題が出来ます。「誰が、統一軍の指揮を取るのか?」ですね。
例え「御飾り」にせよ、どこからも文句が出ないような身分・肩書きを持った人物が必要です。だから皇室を引っ張り出し、「天皇に指揮権がある」ということにしたんです。
明治以降の日本における天皇の役割。それは天皇を中心軸として国民を結束・団結させる事です。
だから皆んなが拝みやすいように、「天皇の血筋は万世一系だ」とか「古来からの日本文化の継承者だ」とか、いろいろもったいぶった権威をつけたんですね。
最後に。
天皇家の歴史が胡散臭いものであることは僕も認めます。ただこれからの日本にとって、やはり天皇制は維持するべきだと思います。
ただし。
天皇の権威は認めますが、権力は認めません。
国民の代表ではありますが、支配者ではない。
むしろ「国家の権威」と「国家権力」を分離させることに天皇の役目があると考えています。
横レス失礼しました。