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(回答先: Re: 明治維新は何故天皇を必要としたか。 投稿者 Silent Tears 日時 2003 年 7 月 03 日 20:19:04)
アヘン戦争(1840-)との対比は、「なぜ日本が植民地化を免れたか?」という視点で、明治維新論のひとつのテーマですね。唯物史観からは、「江戸期に手工業が(アジア諸国との比較において)高度に発達していたから」などの答えが当然のように返ってきますが、もちろん、アヘン戦争が思想的にも危機感を与え、幕府の政策にも尊攘運動にも影響したことは間違いありません。
しかし、書いておられるような「誰が、統一軍の指揮を取るのか?」という発想は、明治以降の政治的説明ではないですか。少なくとも、アヘン戦争の当時において、絶対王政のイデオロギーがあったとすれば、むしろ幕府の強化論でしょう。少なくとも、当時の尊攘論は、儒教思想と結びついた封建的な思想ですね。朝廷が攘夷を放棄した後に、尊攘論は討幕論に急速に転化しますが、これも、実体は公武合体論(実体は雄藩連合の政治論)です。