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(回答先: Re:的確なご指摘ありがとう。お待ち申しておりました。 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 7 月 04 日 10:03:17)
お招きいただいて有難うございます。(そーか、アンブッシュされてたのか)
最初にお断りしておきますが、ここに書いているのはあくまで私個人の、独断と偏見に基づくものです。エラそーに書いていますがどこかの研究所の職員でもないし、偉い先生とコネがある訳でもありません。
丹波の山奥でクマやイノシシ相手に遊んでいた山人(中国で言えば「野人」かな)の子孫ですから、
「何も知らない田舎者の戯言。役に立たん」
と思われた時はどうぞ無視して下さい。
さて。
表舞台に引っ張り出すまでもなく、国際社会の基準からすれば何もしなくても今の日本の天皇は「国家元首」と見られていますよ。
オランダやタイの王室と同じです。
ただ他の君主制国家と違うのは、日本は国家の権威と権力が分離している「二重王権制国家」だと言うことですね。
国家の権威は元首である皇室が保持し、実際の政治権力は武士階級の代表である幕府が行使する。承久の乱によって古代律令体制が否定されてから明治維新までの約750年間の日本は、これが基本的な政治体制でした。
すぐ隣の中国や朝鮮では
「国家の権威とは、実力あってのものだ」
という皇帝(又は国王)独裁の中央集権体制が基本でしたから、日本のやり方はものすごく非常識な体制なんです。
皇帝独裁の「中央集権制」と、形式上の元首としてのみ天皇が存在する「二重王権制」。
政治体制において、中国・朝鮮と日本との違いはここにあります。
しかし結局、明治維新が来るまで日本では中央集権機構も絶対君主も出現しませんでした。
誰かが操作したわけでもない。
自然の流れのように、国家の権威は元首である皇室が保持し実際の政治権力はそのときどきの実力者が行使する、「二重王権制」が日本にとって一番合っているんじゃないかと思うのです。
「やはり」と書いたのはそれが理由です。
二重王権制については日本以外に、古代エジプトにも同様の制度があったと聞いています。
当時のエジプトでは王子達の内の長男がファラオ(国王)になり、次男は総理大臣になる。
そして次のファラオは総理大臣である次男の子供達から選んだそうです。
国で一番偉いのは当然ファラオですが、財政と行政を管理し執行する現実の利権となると総理大臣の方が上です。
国家の権威は長男に継がせ、現実的な権力は次男に継がせる。
そうすることで、後継者争いによって国内が混乱するのを防いだのです。
日本でも天皇の後継者争いから国内が分裂した南北朝時代がありました。
こうした経験から、ごく自然な流れとして、日本人は国家の権威と権力を分離させて政治を行う「二重王権制を」選択したのではないかと思うのです。
天皇が代わり、或いは王朝が次の王朝に交代するとなると国家機構の根本からひっくり返ってしまう。しかし形式上の元首だけ残しておいて実際上の権力者だけが交代するのなら、王朝の交代と較べて国内の混乱は小さくて済みます。
これが二重王権制の利点です。
他に他国の例をあげるとすれば、ネパールの童女現人神、クマリでしょうか。
(山田ミネコの「最終戦争シリーズ」に詳しい)
ネパール古代からの儀式を行う「聖なる少女」で国王よりも偉い存在。
邪馬台国の女王卑弥呼も、このクマリのような女性だったのかも知れません。
ネパールではクマリが形式上・精神上の統治者であり現実上の統治者が国王、という「権威と権力の分離」が行われています。
天皇は、何もしなくて良い。
座敷の「床の間」のように、ただ存在するだけで良い。
そこにこそ、最大の意義がある。そう思うのです。
丹波から、1000年間天皇を見てきた者(お前はバケモンか)の子孫の意見ですが、いかがでしょうか。
「エラそうにかいとるけどお前の知識は全部マンガでおぼえたものだな」
「えっ 他に何か参考になるものがあるんですかっ」