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●昨年秋、日本でBSEの牛発症例が初めて報告された直後に、
十代少女の「ヒト狂牛病」発症疑惑が噴出し、狂騒的な社会不安が起きました。
●その後、この患者が「ヒト狂牛病」でなかった、という報道が今年1月に
ありましたが、詳細が分からないため、当然の事ながら“政府厚生当局の
気休めデマ”ではないかという見方が出ていました。
●しかし、この患者のその後の経過が報告されました。「症状が徐々に回復している」
とのこと。私なんぞは、狂牛病罹患のリスクと比べたら自動車に乗っていて交通事故に
遭うリスクのほうが格段に高いだろうに、と考えてしまうのですが、とにかくマス
メディアが作り出した“おっかないお祭り”は、こうした顛末を辿ったわけでした。
●AIDSなどはまさにそうなのですが、医療政策上“重要な問題”に祭り上げられた
病気の場合、「あやしい症状はいちおう、この病気の疑いありと見なしておく」
という政治的な認識操作が行なわれることがあります。“ヒト狂牛病”こと「新変異型
クロイツフェルト・ヤコブ病」も、そういう“見なし診断”が行なわれたわけでしょう。
(政治的な便宜から、疑わしい症例を「問題疾患」の分類に含める、という操作は、
医者の誤診とは一概に言えません。誤診は医者の診察能力の欠如から生まれるので
しょうけど、“見なし分類”は政策的・便宜的な振り分け操作なのですから。)
●まして発症の因果関係が充分に立証できず、それよりなにより科学的な病因論が
未確立な疾患については、“あやしい症例”を「問題疾患」と見なす政治的な
傾向が強まるでしょう。今回はそうした厚生政策が生みだした“笑えぬ笑い話”
だったといえましょう。
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http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/med/leaf?CID=onair/medwave/mdps/184380
◆ 2002.5.10 【日本輸血学会速報】
“狂牛病疑い”の患者は狂牛病ではなかった??、現在は病状が回復
(写真は発表を行なう北本哲之氏)
昨年夏に新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD)を疑わせる症状で入院、
10月に「国内初のnvCJDか」と報道された患者が、CJDではなかったことが判明した。
5月9日に行われた特別講演4「狂牛病と輸血」で、東北大学大学院医学系研究科
病態神経学の北本哲之氏が明らかにした。
この患者は海外渡航歴のない10歳代の女性で、昨夏に痙攣などの神経症状を発症。
記憶障害などnvCJDを疑わせる症状があったため、感染症予防法に基づき届け出が
行われた。CJDは感染症予防法で全数把握の対象となる4類感染症に分類されており、
7日以内に所管の保健所に届け出なければならない。
厚生労働省からの連絡を受け、厚生科学審議会クロイツフェルト・ヤコブ病等
専門委員会の委員が、この患者を9月20日に診察した。北本氏によると、この時点
で委員会には「nvCJDではないという感触があった」という。だが、週刊誌などの
報道を受け、昨年10月に開催された参議院厚生労働委員会で、坂口力厚生労働大臣
が、「nvCJD疑い」の患者がいることを公式に認める答弁を実施。患者に海外渡航歴
やヒト乾燥硬膜移植歴などがないことから、「国内で(狂牛病に罹患した牛肉を食べ
て)感染した患者が発生した」との印象が一般市民の間に広まった。
しかしその後、患者の病状は徐々に回復。北本氏によると、「てんかんに対する
治療に効果がみられたので、おそらくてんかんに伴う後遺症だったと考えている」
という。なお、nvCJD疑いで報告された患者はもう一人おり、現在までに通算二人
がサーベイランス上はnvCJDとして報告されている。この点について、「40歳未満
のCJD疑い患者は、自動的に(nvCJDとして)報告される。この患者も結果的には
nvCJDではなかった」と北本氏は説明した。
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【参考資料】
●ヤコブ病感染か?首都圏の10代女性
http://www.asyura.com/sora/gm2/msg/132.html
●患者の存在初めて認める 厚労相、感染の可能性低い
http://www.asyura.com/sora/gm2/msg/135.html
●週刊新潮のひどい誹謗記事について
http://www.asyura.com/sora/gm2/msg/192.html
●<狂牛病>感染と報じられた女性「新型ヤコブ病でない」厚労省(毎日新聞)
http://www.asyura.com/sora/gm3/msg/57.html