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(回答先: 昨秋からの「ヒト狂牛病」騒動の顛末……について 投稿者 佐藤雅彦 日時 2002 年 5 月 16 日 07:54:36)
御丁寧な御反論、敬服いたしました。僕の書き込みが拙速だったようです。
ただ、ふたつほど書いておきたいと思います。
メディアは当時、「パニックを煽る」ほど狂牛病や、今回問題になった"新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病"の患者のことを報じていません。共同通信の人間がその患者のことを報じようとしたところ圧力がかかって報道できなかったという話すらあるほどです。そして、週刊文春のその患者に関する記事を見るかぎり、疑いをいだく要素はたしかにあったと思います。また、疑いを抱いた時点で記事にするのも、危険度や重要度からいって責められるようなものではないと思われます。このへんは「メディアリテラシー」にも関ってくることで、情報の受け手のほうのフレシキビリティも問題にしたいところですが、僕個人の意識としては黙っているより、書いてくれたほうが「情報」という点でありがたいと思います。何も知らない、ということは恐いことですから。どんな些細な材料であろうと、それを判断し選択する自由くらいは与えてほしいと思います。
「牛肉」産業に関る人々のことですが、彼らには何も責められるところがないのでしょうか。肉骨粉一つにしても、乳牛などの育て方一つにしても、「効率・生産性」第一主義におちいっていて(競争に勝つには他の道は選べないという現実があったにはしても)、そのほかのものは無視するような危険な風潮はありはしませんでしたか。
BSEの問題で浮上した最も反省すべきものは、そういうまさに危険な「人類の浅知恵の所業」というものではなかったでしょうか。これはBSEが肉骨粉によるものでなかったとしても、あまりに「結果オーライ」でこれまでやり過ぎてきた、という問題はとても重要なものとして残ると思うのです。そして、実際に「人狂牛病」が存在する以上、また人にとって最も基本的なものの一つの「食」にまつわるものである以上、今度のBSEの件で現実に辿ったプロセスが最善であったなどという気は当然ないのだけれど、人として大騒ぎするのは仕方がないことなのでは?
これには国の行政などが、これまでも散々期待を裏切り、もはや信用できないものになっているという現実も今回の場合要素としてあります。実際、行政は肉骨粉などの扱いについてもひどいことをしていたではありませんか。
このへんのことも関連産業の方々には考えてほしいことだと思います。業界をあげて、「まっとうな」、「効率・生産性」第一主義ではない仕事ができる、競争ができる、という可能性も出てきたということも考えていただき(まだ問題はいろいろ残っているでしょうけど)、今回のことを前向きにとらえてほしいと思います。それではすまない事態も多々あることでしょうが、こういう問題が持ちあがった以上それは何処の業種にでも起こりうる、仕方のないことだと考えていただきたいです。
それにしても、"煽った人間たちは悪い"という考え方は、このBSEの政府の対処の無能さぶりを隠すことにもなりませんか。逆にいえば、行政などがしっかりしていれば、少しくらいの「煽り」など害にはならぬものです。
ともあれ、いい勉強になりました。ありがとうございます。