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◎仲介活動で「時の人」に 人権活動家のアクノフ氏
【ビシケク17日共同】キルギスの日本人技師拉致(らち)事件
で、人質解放交渉の仲介人としてイスラム武装勢力との折衝に当た
っている人権活動家トゥルスンベク・アクノフ(40)氏が、脚光
を浴びている。
民間団体「キルギス人権擁護運動」の指導者を既に8年間務める。
ソ連崩壊後のチェチェン、アゼルバイジャン・ナゴルノカラバフ自
治州、タジキスタンなど各紛争地域で、収監された市民、ジャーナ
リストらの解放に奔走してきた。
周辺の人々によると、1959年、キルギス南部バトケン地区の
教師の家庭に生まれ、ビシケクの農業大学を卒業。その後数年間、
同大学の共産青年同盟の書記を務めた。現在は外国の人権団体や地
元実業家の経済的支援を受けているとされるが、なぞの部分がある
のも確か。
「批判的な新聞を閉鎖するなど言論の自由を制限した」などとア
カエフ政権を批判、無許可集会を組織するなど4回の逮捕、拘束歴
を持つ。
今回の事件でも、武装勢力を交渉相手と認めないキルギス政府と
の間で不協和音もささやかれた。しかし、15日武装勢力との接触
後にビシケクに戻ると、事件対策を統括するジャヌザコフ安全保障
会議書記に真っ先に招かれるほどに。
一方で、次期議会選出馬の意向もうわさされるなど、野心家との
評価もある。今回の活動を将来の出馬に向けたスタンドプレーとや
ゆする声が出ているのもこのためだ。 (了)
[共同 9月17日] ( 1999-09-17-19:22 )