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◎インドがカシミールで空爆 武装「侵入者」に対抗
【ニューデリー26日共同】インド軍筋によると、インド空軍は
26日朝(日本時間同午前)、パキスタンと接する北西部ジャム・
カシミール州のカルギル地区などにパキスタン側から侵入した武装
集団に対し、戦闘機や武装ヘリを投入した掃討作戦を実施した。
領有権をめぐって両国が敵対するカシミール地方では、実効支配
線を挟んだ双方の砲撃や武装集団によるテロなどが恒常的に起きて
いるが、空軍力まで投入した作戦は極めて異例。現在のところ、攻
撃は実効支配線のインド側にとどまっているが、パキスタン側の反
発は必至で、両国関係が極度に緊張することも予想される。
同筋によると、インド空軍は26日午前6時半(日本時間同10
時)ごろ、州都スリナガルの空港からカルギル地区などに向け戦闘
機や攻撃用ヘリを発進させ、「侵入者」に対する攻撃を実施した。
投入された戦闘機やヘリの数などは明らかにされていない
空軍はスリナガルの空港を接収、民間機の発着を全面禁止した。
インド側は最近、パキスタンが5月に入って武装集団数百人をイ
ンド側に侵入させ、さらに数百人の侵入準備を進めていると非難を
強めていた。
バジパイ首相は24日、シャリフ首相と電話会談した際、パキス
タン側からの武装集団の侵入は「信頼醸成措置などで(2月に)合
意したラホール宣言に反する」と抗議、「あらゆる必要な措置を講
じる」と警告していた。
インドとパキスタンは1947年の分離・独立以来、カシミール
地方の領有などをめぐり3回の戦火を交えた。インド側は、90年
春からジャム・カシミールに「パキスタン領内で訓練された武装集
団が侵入を繰り返している」と非難している。 (了)
[共同 5月26日] ( 1999-05-26-15:58 )
◎インドに自制を訴え
パキスタン外相
【ニューデリー26日共同】イスラマバードからの報道によると、
パキスタンのアジズ外相は26日、インドが同国北西部ジャム・カ
シミール州のカルギル地区などにパキスタン側から侵入した武装集
団の掃討作戦に戦闘機などを投入したことについて、インド、パキ
スタン「双方の自制が必要だ」と述べ、これ以上緊張を激化させな
いようインド側に訴えた。
外相は、インドが実効支配線を越えてパキスタン側を攻撃しては
いないとの認識を示した上で「われわれの側を攻撃すれば、自己防
衛のため必要な措置を取る」と警告した。必要な措置の具体的内容
には言及しなかった。
シャリフ首相は同日、政府、軍幹部との緊急会議を開き、情勢を
分析している。
(了)
[共同 5月26日] ( 1999-05-26-16:56 )