投稿者 くま 日時 2000 年 12 月 24 日 05:57:39:
原子力促進法案が、臨時国会閉会日の直前に、民主党が自民党と修正の上成立させるという合意をしたため、成立してしまったようだ。
後でまた民主党は非合意に回ったということだが、その民主党の寸隙の合意で法案が成立したことを思えば、僕には何やら全てが小賢しい猿芝居のようにも思える。
OECDの調査では、日本は「科学的事項について知識を持っている一般市民の割合」と「科学技術に対して関心をもっている一般市民の割合」というもので、それぞれ先進14ヶ国のうち、13位と14位になっている。
これはマスコミの「技術大国日本」という、事実の一側面のみを強調した提灯番組や報道などにたぶらかされて、市民がそれに安心し安住してしまっているからではなかろうか。そしてこの市民の科学的素養の低下を見透かしたように、原子力関連の周辺では幼稚で低劣な詐欺が横行した結果、すでに破滅的なまでに状況は悪化しているようだ。
それにしても日本の市民は、先進各国の間では、大きな困難があるのも承知の上で原子力を放棄するというのがコンセンサスになっているというのを、どう考えているのだろうか。
未だにOECDの調査などにも表れている科学的知識の低下という自覚もないまま、日本は「技術大国」であり他の国に出来ないことも可能である、と考えているのであろうか。
それとも、真の情報が届かない閉塞した情報社会のなかにあって、関心がごく身近な事に限られ、そのようなものは他人事のように思えるのだろうか。