投稿者 Cabton 日時 2000 年 12 月 25 日 10:43:30:
回答先: Re: 「事実」の提示が必要 投稿者 くま 日時 2000 年 12 月 25 日 01:47:40:
誠意あるご返答ありがとうございます。
OECDがエネルギー問題に触れる場合、しばしば石油企業と原子力企業のロビイストの
駆け引きの場になるという認識があったものですから指摘してみたものです。東大生産
技術研究所といえば原発推進論者が多いような気がしますが(生産技研内に核物理学研究
部門を持つため)、原発とは無関係ということにして、一方、先進国の水準というのも
どのように算出されたのかわかりませんが、比較して日本人一般に理数系素養に欠けて
いるというデータが出てくることに疑問がなきにしもあらずです。
教育効果の比較ならば、対象と結論は自ずと限られていて、一般市民とは限らないような
気がしますが、当該記事を探してみないと小生もなんともいえませんので、論拠をあかして
頂いたことに感謝しておきます。
>『「原発」や「核燃」の問題は、Cabtonの言われているような科学の問題ではありません。
>「利権」と「私欲」の問題・・・』
というのは、小生にもそのようなものだという認識はありますが、スレッドの主旨では
科学の問題として提起されているのではなかったのでしょうか。
いや、実際に現状の電力消費の無駄を省くことや、蓄電プラントや水素燃料実用化など
努力すれば必ずしも原発のみが解答とは限らないことは小生も理解しています。
高速増殖炉の冷却用にナトリウムを使用することは、必ずしも高速増殖炉の本質を指摘する
ことにはなりません。むしろ論議をややこしくするだけなのでは? 早い話ナトリウムの
代替品があるかないかという話になってしまいます。
(センサー部の損壊原因になったのがキャビテーション発生による微細衝撃波によるものだと
すれば、そのメカニズムはまだ科学の最先端でもまだ常識とはいえない未解明なものであると
いうもので、では設計技術が高度になれば問題は解決するのか、という別の議論の分岐に
入り込む要素になってしまう、という意味です)
ともかく冷却手段に予想以上の開発コストがかかるという意味で「人間の手に負えない」と
いうのが技術関係者の本音ではないかと思います。純粋に技術的な問題だとすれば推進派にも
充分な反駁の余地が恐らく今後も残るでしょう。
恐らく、高速増殖炉には「コストがかかる」ことを指摘するのは重要です。安全性を追求して
いけばなんとかなるという論理を助長していくからです。過去、そういう経過を辿っている
のも事実ですから。実際、割に合わない努力だということが歴然とした今日では、安全性の
追求を止めてしまえ、という方が実際的であると言うのが小生の趣旨です。
フランスが高速増殖炉を断念したのは、使用済み核燃料の集積場としての活用に世論の反発が
高まったということで、世界中の原子炉の廃棄物が押し寄せてくる事態と責任関係の
問題だと承知しています。即ち、日本でも同様な筈なのに、世界各国から押し付けられるのを
世界の期待に応えたい、などという妙な理念にすりかえる我が国の政治家を擁護する積もりは
毛頭、小生にはなく、公共事業投資が100%利権に関わることは承知しています。
放射性廃棄物を出さない「理論上は安全な筈」の核融合炉の場合、現時点では一概に開発
努力を否定するのは時期早尚かと思います。未解明な問題が山積していますから、結果的に
存在理由がなくなる可能性も充分高いと思いますけれども、案外にクリーンエネルギーとして
活用できるかもしれません。そういう余地も残しておくのが科学的な知識にもとづく態度という
ものではないかと思うのです。
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わざわざメールのご紹介を頂きましたが、表現はともかく文意においては小生、特に反論も
する気持ちもありませんので言及致しませんが、お許し下さい。