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中:<施設> 更正指導きめ細かさ課題
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投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:49:00:ieVyGVASbNhvI

(回答先: 上:<心の傷> 変化、見極めに時間 朝日新聞 投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:47:51)

 
中:<施設> 更正指導きめ細かさ課題

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 さいたま市緑区の住宅街に隣接する森の中に児童自立支援施設「武蔵野学院」がある。高さ約2メートルのフェンスで囲まれているが、ふだんは正門は開いたままだ。

 29日の長崎家裁の審判後、中学1年の男子生徒(12)は、長崎県中央児童相談所の職員に付き添われ、飛行機と車を乗り継いでこの施設に入った。

 約11万平方メートルの敷地に、五つの寮のほかプールやテニスコート、田畑もある。現在、入所者は約40人。ほぼ同数の職員が敷地内で暮らす。

 男子生徒は当面、2階建ての「観察寮」にある4畳半の個室で生活する。ベッドとトイレはあるが、テレビはない。家裁が下した「強制的措置」が取れるよう、個室は外からかぎがかかる。

 午前7時起床。午後9時の就寝時間まで、心理テストを受けるほか、職員がついて工芸や工作に取り組んだり、日記を書いたりする。

 その後、経過を見ながら、寮での集団生活に移っていくとみられる。

 家裁は、男子生徒が対人関係をうまく築けないと指摘し、「対応可能なプログラムによる特殊教育課程を履修させることが相当」とした。

 院には児童精神科医1人が常駐し、臨床心理士が週に数回通う。元院長の塚田昇さんは「自然あふれる環境で、子ども同士の相互作用も働く。最初は人間不信で反抗的でも、見違えるように成長する子も多い」と話す。

 児童自立支援施設は全国に58カ所。98年の児童福祉法改正で、非行少年に加えて情緒障害児や被虐待児、引きこもりの子どもも受け入れている。

 だが、様々な境遇の子どもを抱えて対応に追われる現場からは、悲鳴も聞こえてくる。

 関東地方の児童自立支援施設でこの夏、食事の後片づけをほかの子どもに注意された1人が突然、茶わんを床に投げつけた。職員がいさめると、立ったまま両手で耳をふさいでしまった。

 この少年は発達障害の一つと診断されていた。家庭内暴力で児童養護施設に入ったが、なじめず、児童相談所の措置で移ってきた。

 自分のしたいことを邪魔されると感情的になる。園長は「ほかの子どもとトラブルが絶えない。きめ細かい指導が必要だが、児童自立支援施設のような集団生活の場では難しい」と漏らす。

 ある付添人は、強盗事件で逮捕された18歳の少年からこんな話を聞かされた。13歳の時、同じような事件を起こし、自立支援施設に入ったが、「薬を飲まされるだけだった。自分の話を聞いてくれなかった」。

 10人ほどの医師が常駐する医療少年院などと比べて専門家の数が少ないとの指摘もあるが、厚生労働省児童福祉課は「施設だけで対応が難しい場合は、ほかの病院や関係機関の支援を受けることもある」と説明する。

 子どもの臨床心理に詳しい東海女子大の長谷川博一教授は言う。「子どもをどう育て、どう更生させるか、社会全体が直面している問題だ。これを機に児童自立支援施設での医療や指導を充実させてもらいたい」
 

(朝日新聞2003年10月1日朝刊紙面)

http://www.asahi.com/special/nagasaki/031001.html

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