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http://www.asyura.com/2003/dispute5/msg/163.html
引き続きあっしら氏に挑む
投稿者 せいがく 日時 2002 年 11 月 19 日 13:37:02:

あっしらさん、こんにちは。
http://www.asyura.com/2002/dispute4/msg/220.html
の続きです。
知識の欠乏を省みず、あっしらさんに胸を借りていると自覚していますが、せいがく論とあっしら論がどう噛み合い、互いにどういう位置付けになるのかを知るのはかなり重要なことだと考えています。と、いうのは、私は意識的に世に流布する構造改革論を擁護しており、これがあっしらさんに葬り去られたら、今の経済政策は間違いだと断定できるためです。あっしらさんの経済論理が誤っていると指摘する力は元よりありませんので、せめて構造改革・供給サイド整備論を崩して戴きたい、私としては抵抗できるところまで抵抗してみたい、そんな気持ちです。

>貯蓄が投資に回り経済が拡大方向に動けば、屋根裏の10人のうち何人かもしくは全員が供給活動に入ります。

>マインドが変わって、貯蓄を取り崩しながら消費に励むことにも同意します。

>それでも、貯蓄を取り崩し終わったところで“繁栄”は終わります。

>その間に進んだ生産性の上昇で財的豊かさは高まりますが、貨幣的側面から見れば、元の100人の“停滞した社会”に戻ります。

>輸出の拡大や通貨的富の流入という外部要因がなければ、“拡大的繁栄”は持続できません。

>財的豊かさの実現はできても、「閉鎖経済社会」での貨幣的繁栄はありません。

「財的豊かさ」(=生活水準の向上)の実現が経済の目標だと思います。だから、これができるなら経済運営は成功と言えます。100人の経済から10人を取り除く事によってそれができるならやった方が良い。ただ、限られた貨幣量の中で財的豊かさが拡大するということは、財・サービスの単位当たりの価格が下落する’デフレ’を意味しますから、幾ら実質GDPが増え、好景気であってもそのデフレが将来悪影響を及ぼす事が有り得る。だから、財的豊かさの拡大に伴って、通貨当局が適宜通貨量を増大してやれば良いと思います。消費側、供給側共に人々のマインドが前向きに変わっているわけですから、今みたいに通貨が銀行部門で滞って経済に還流してゆかないこともないでしょう。こうすれば、財的豊かさを拡大しつつ、デフレにはならず、物価変動がほとんどない経済になるのではないでしょうか。管理通貨制の下、’通貨的富’を外国から奪う必要などなく、端に通貨発行量を中央銀行が増加させれば良いのではないでしょうか。

>「信用創造」により、100しかない貯蓄で300といった貸し出しができますから、投資=需要が拡大します。
>しかし、100人でも1億人でもいいのですが、供給力は生産性の上昇がない限りそれがアッパーリミットになります。

「供給力は生産性の上昇がない限りそれがアッパーリミットになる」というのは分かります。その通りでしょう。しかし、今の問題は、供給力のアッパーリミットよりもかなり下で縮小均衡しており、その均衡がさらに縮小を続けそうなことが問題なのであって、供給力のアッパーリミット問題は今憂慮すべきこととは思いません。

>大事なことは、このケースでは「信用創造」で需要が膨らんでいるわけですから、金利5%だとしても、元の貯蓄(100)に対しては15%の金利を支払うことになります。
その債務が履行できなくなれば、バブル崩壊になります。

大事な部分なのでしょうが、ここの意味が良く分かりませんでした。

>供給余力があっても、財的豊かさは実現できても通貨的豊かさが実現できるとは限りません。

>利潤追求とは通貨的豊かさの追求ですから、財的豊かさが実現できる経済条件でもデフレ不況になるという視点が重要です。

ここには異論があります。少なくとも国民にとっては財的豊かさ(サービスも含む)が重要なのではないでしょうか。利潤を追求する企業や金融資本家にとってすらも、表面的な通貨の蓄積額が多ければ良いというものではなく、財やサービスとの交換価値を高く維持した「交換手段の蓄積としての」通貨を積み上げて行くのでなければ意味がないと思います。前述した通り、財的豊かさを高めて行ける経済条件が整ったならば、通貨は後追いでただ単に発行すれば良いだけの話ではないでしょうか(紙に印刷するだけの話ですから)。何か大きな思い違いをしていますでしょうか?

>閉鎖経済社会における生産性上昇の本質は、100人でやっていたことが90人でできるようになったということです。

>だったら、100人がこれまでの90%の労働時間で同じ賃金を得るという変更でもいいのではないでしょうか?

100人でやっていたことが90人でできるようになったことの意味は大きいと思います。おっしゃるように労働時間を10%削減しても良いし、別の財・サービスを産み出す力に振り向けても良い。どちらにしても、その分だけ「豊かになった」といえます。そうなるだけのテクノロジー(供給力)は整っている。にもかかわらず繁栄とは程遠い現状になっているのは、経済の仕組み(ブラックボックス)に問題があるのではないか。銀行で旧勘定と新勘定を分けるごとく、企業も勝ち組と負け組を整理する、経済の好転に合わせて通貨の出まわり量を増大させてゆく、これではうまく行かないのでしょうか。

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