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(回答先: Re: 投資の失敗の結末 投稿者 日時 2002 年 11 月 21 日 22:54:36)
「 」さん、こんばんわ。
>生産性向上投資の結果、売り上げも利益も上昇して給与も借金返済も完了すれば大成
>功だが、今の場合のように設備投資による過剰供給の結果、売り上げが増加せず、実
>質的な生産性が上昇しない場合、その失敗のツケは、最終的には金融機関の不良債権
>という形になる。
(一部修正しました)
バブル崩壊後10数年に渡る不況と不良債権問題は、時期を区切って考える必要があります。
「バブル崩壊」で生じた不良債権は、“生産性向上投資”ではなく、将来的な需要規模や価格変動の見通しを誤った結果とした生じたものです。
流通業界は、高級品が売れる状況や不動産価格が上昇している状況を見て、高級巨艦店舗の建設や店舗網拡大を行いました。
そごうがその代表ですが、大手流通はどこもが似たような経営を行いました。
小売業にとって店舗は設備投資ですから、同じ店舗面積でも高価なものを造ったわけですから、“生産性下降投資”を行ったと言えます。
不動産業界は、不動産価格の上昇を期待して、地上げやドッジボールをしながら土地の取得に励みました。
ゼネコンも、開発型建設会社を旗印に開発用の土地の取得しました。
製造業のなかにも財テクに走った愚かな会社は少なからずあり、それによって利益を失うことになりましたが、過剰な生産性向上投資を行ったわけではありません。
(バブル期の顕著な投資実態は、北米やアジア諸国への投資増大です)
その後の「反動不況」は、いわゆる逆資産効果による消費減少と不良債権の急増大に慌てふためいた銀行の貸し出し抑制によって生じたものです。
この期間に不良債権処理を行っていれば、現在、そのために投じた国費も半分くらい回収し、デフレ不況という経済状態にもなっていなかったと考えています。
しかし、政府は、過剰債務に苦しむゼネコン救済策になる色合いが濃い公共投資や地価や株価の下落阻止を中心とした政策をとり続け、回復の芽を育てることができませんでした。
そして、「デフレ不況」に突入する決め手になったのが、97年の消費税引き上げ&公的負担増大という愚かな政策です。
「反動不況」時期から“超円高”と相俟って生産性の低下に見舞われていましたが、デフレ不況に突入することで、さらに生産性を低下させることになると同時に、債務の過剰化が現出することになったわけです。
今次の経済問題は、バブル崩壊以降でも、きちんと区分しながら論じる必要があると考えています。