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「木を見て森を見ず」(日本の諺)
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英語にもYou cannot see the wood for the treesという格言がある。
部分にのみ目を奪われて全体を見失ってはならない。米国政府の狂暴な嵐がいつまでも続くわけではない。長期的に見なければならない。大切なことは世界平和の理想を捨てないことである。
米国で日本核武装論が叫ばれ始めた。昨年末、北朝鮮核武装問題が国際政治の中心テーマになってから、ワシントンの政治家の口から日本核武装論がぽつぽつと出始めていた。たとえば2002年12月上旬に訪米した熊谷弘氏(現保守新党代表)に対してブレジンスキー氏(元大統領補佐官)が「日本も核をもたなければならない」と語ったという。今年になってからは米政界関係者が来日して、日本の核武装を公然と勧めるようになったという(熊谷氏の発言は2月22日付け『夕刊フジ』「鈴木棟一の風雲永田町」に紹介されている)。
米国における日本核武装論は2月23日付け『日本経済新聞』2面に紹介された(秋田浩之記者。見出しは「米、北朝鮮をけん制/日本核武装論くすぶる/ブッシュ政権は慎重)。この記事によると――
(1)共和党の有力上院議員マケイン氏が(2月)16日の米テレビ番組で「北朝鮮危機が早急に解決しないなら、日本は核武装するほかない」と語った。
(2)ケイトー研究所のカーペンター副所長は1月初めの論文で「北朝鮮が核兵器を放棄しないなら、日韓の核保有を促すと言うべきだ」と述べた。
(3)ブッシュ政権内でも北朝鮮危機との関連で日本の核武装問題が話題になることがあるが、慎重論が主流。安保当局者は「米国は圧倒的な核戦力によって抑止力を保つことができる」と力説している。
日本国内でも「日本核武装論」が生まれ始めた。『月刊日本』で、同誌論説委員の山浦嘉久氏は「日本は超核兵器の開発を目指すべし」と主張する。また同誌で、衆議院議員の西村真悟氏(自由党)は「わが国は『非核三原則』を廃棄せよ」と主張している。
日本核武装論の議論はいまだ一部の勢力に限られているが、ワシントンから煽てられれば、燃え上がる可能性はある。
そうなれば、ワシントンの狙いどおり、北朝鮮への強い牽制にはなるだろう。それだけではない。中国、ロシア、韓国その他のアジア諸国へも強い衝撃を与えるだろう。その結果として極東の軍事情勢に大きな影響を及ぼすことが予想される。
しかし、日本核武装問題を軽々しく扱うことは正しくない。第二次大戦後の日本は「武力には武力を」「目には目を」「核には核を」の論理を捨てることから出発した。平和主義、軽武装、日米協調、国連中心主義、アジア諸国との友好――これを国の基本として生きてきた。今後もこの生き方を堅持すべきである。この5原則を捨ててはいけない。第二次大戦の悲劇から学んだことを簡単に捨ててはいけない。
繰り返す。ブッシュ政権が永遠に続くわけではない。米国政治を超タカ派の「新保守派」(ネオ・コンサーバティブ/略称ネオ・コン)が牛耳る状況がいつまでも続くわけではない。
アジアにおいて「核くらべ」を行ってはならない。われわれは忍耐強く平和を求め続けるべきである。