(回答先: イスラエル軍、西岸侵攻を拡大〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 30 日 14:42:47)
【エルサレム海保真人】
シャロン・イスラエル政権によって議長府執務室に29日から「幽閉」されたアラファト・パレスチナ自治政府議長は、94年にチュニスからパレスチナ自治区入りして以来、最大の危機を迎えた。隔離策は少なくとも数週間の長期に及ぶとみられ、かなりの忍耐力を強いられそうだ。
議長府の部屋を片っ端から壊され、警護役の親衛隊を拘束され、72歳のアラファト議長はかなりの心労と屈辱感を受けているようだ。トイレに行くにもイスラエル兵の許可がいるという。30日未明、米テレビCNNの電話インタビューを受けた議長は「あなたはパレスチナを統治できるのか」と聞かれ、「パレスチナの指導者アラファトと話すときはきちんと話せ」と記者を怒鳴りつけた。「イスラエル軍の兵器はすべて米国製だ」などと話した後、「間違えるな。公平になれ」と興奮状態で叫び、電話を切った。
議長は82年、当時のシャロン・イスラエル国防相の指揮によるレバノン侵攻でベイルートを追われ、チュニスに拠点を移した。その後、93年のオスロ合意(パレスチナ暫定自治合意)調印によりパレスチナの地に戻り、自治政府の体制を築いた。積年の敵・シャロン首相がいま、再び目の前に立ちはだかっている。
自治政府側はシャロン首相の次なる策を、自治区から外国への議長「追放」かと危ぐしている。だが、イスラエル政界筋によれば、首相はそこまで決断しておらず、今回の隔離策は祝祭週間初日の自爆テロに激怒した国民向けに強烈な報復策を示し、議長の面目をつぶすのが狙いだという。
アラファト議長は29日朝、「彼ら(イスラエル)に我々パレスチナ人が一人として、ひざまずいたり降伏しないことをわからせてやろう」とあくまで抵抗する構えを示した。首相の隔離策に対し議長がいつまで屈服せずにいられるかは、我慢比べになる恐れもある。
[毎日新聞3月30日] ( 2002-03-30-13:54 )