【エルサレム支局30日】
イスラエル軍は30日未明、前日にヨルダン川西岸ラマッラのパレスチナ自治政府議長府に突入した軍事作戦の一環として、西岸の自治区ベイトジャラへの侵攻を開始した。ロイター通信は目撃者の話として、同軍とパレスチナ側が銃撃戦を展開したと伝えた。ベイトジャラは自治政府が治安・行政権を握る「完全自治区」で、AP通信によると、隣接する自治区ベツレヘムにもイスラエル軍の戦車部隊が迫っているという。
【エルサレム30日=当間敏雄】
イスラエル軍によるヨルダン川西岸ラマッラへの侵攻と、それに続くパレスチナ自治政府議長府制圧で事実上の監禁状態になったアラファト自治政府議長は29日夜、唯一の通信手段となった携帯電話で関係各国指導部と連絡を取り、事態打開を模索した。自治政府筋によると、議長執務棟は、発電機を含む電源が破壊された。アラファト議長は3階建ての執務棟の2階部分でしか身動き出来なくなっている模様。電話線も切断され、携帯電話だけが頼りだ。
一方、イスラエル軍報道官によると、軍は議長府施設で、オスロ合意(1993年)で禁じられている対戦車ミサイルを含む多数の兵器や電話盗聴装置などを押収した。
(3月30日13:47)