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(回答先: Re: 日本はともかく、米国は... 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 15 日 15:16:21)
レスありがとうございます。
(そんなことはありえないと納得できる論理が欲しいと言えば欲しいのです(笑))
>言うまでもなくそれは国家経営の失敗を意味し、政権の崩壊は勿論のこと、国際社会
>で別枠管理されます(まあ、米国の場合大き過ぎるので他国のデフォルトと同等の扱
>いにはなりませんが)。そんなことは共和党もブッシュ大統領も誰に諭されなくとも
>常識としてわきまえているはずです。
>「経済支配層に遠慮して増税ができずデフォルトしました、ついては新たなグローバ
>ル・システムを作ります」ではほとんど漫画の世界です。自国と世界を大混乱に落し
>入れるような馬鹿げた政策を押し通すほど現政権は無能でも傲慢でもないでしょう
>し、その後のグローバル・信用システムの青写真など、デフォルトを起して信用を無
>くした張本人に描けるはずもありません(我が国はともかく、欧州が相手にしません)。
ブッシュ大統領本人はわかりませんが、共和党もブッシュ政権も有力シンクタンクも、常識を超えた知性を持っていますから、常識的に考えられているデフォルトが及ぼす不利を不利としない策を持っているはずです。
予言めいた説明になりますが、「対テロ戦争」のなかでデフォルトを実施する際には、「誰が戦後世界をつくり、誰が戦後世界の復興を助け、誰がこれまでの戦後世界の経済成長を支え、誰が戦後世界の平和と自由を維持し、そして、今、これだけの犠牲と資金を費やして自由と文明のために戦っているのは誰なのか」という問いかけが、世界に向けてとうとうとなされるはずです。
「米国政府の債務は世界のためである」と高らかに宣言されたとき、“それは、米国政府の国家経営の失敗だ”と正面切って反論できる国家が果たしてあるでしょうか?
世界最大の経済規模と世界最強の軍事力を基礎としている米国と米国経済に依存しながら自国の経済成長を発展させようとしている諸国の関係を考えれば、国家経営に破綻した米国政府やそれと一体であったIMF、さらにはBISが提案する“新しい国際決済システム”は受け入れられることになると予測しています。(米国政府は表に出なくともよいのです)
そして、そのシステムは、米国という一国家に直接依存するものでもなくなりますから、「その後のグローバル・信用システムの青写真など、デフォルトを起して信用を無くした張本人」という問題もクリアできます。
>今後10年間における米国の財政黒字額見通しは見直しこそされましたが、依然高水準
>にあります。それに基づいて減税プログラムが立てられているのです。我が国のよう
>に「とりあえず財源はいいから減税しろ!」というのとは全然違います。今次の対テ
>ロ戦争が長期化し、財政見通しが変われば当然それに沿った見直しに向けた議会から
>の突き上げが来ます。必要なら増税も視野に入って来るでしょう。良く御存知の通
>り、90年代前半に米国の財政赤字が持ち直す契機となったのは、景気の上向きではな
>く、増税です。
90年代前半のクリントン政権の増税は、高所得者増税・低所得者減税の増税策です。
これが、米国経済の“90年代の繁栄”の基礎となりました。(いわゆる実体経済と金融経済の両輪がうまく機能する条件となったわけです)
米国の財政黒字見通しは、「デフレ不況」と「対テロ戦争」がまったくといっていいほど織り込まれていないものです。
もちろん、レーガン政権が軌道修正したように増税も行われると思っていますが、それは、債務返済のためではなく、埋められない財政赤字を補填するための増大だと考えています。
>同じアメリカ国民が州の健全財政は必要だが、連邦は赤字垂流しで良い、となるはず
>がありません。財政危機と言われる状態になった場合、デフォルトを選ぶか、財政の
>立て直しを選ぶかは議論の余地がないほど米国民にとっては明確な事です。
これから本格化すると予測する「対テロ戦争」のなかでは、理性は吹っ飛びます。
>国際金融筋、石油メジャーを始めとする産業界、有力メディアなど米政権に一定の影
>響力を持つ層は確かに幾つも存在しますが、その内の何らかの勢力に抗えずデフォル
>トを起こすというのは考えられないシナリオです。
ブッシュ政権は、「対テロ戦争」と「対外債務デフォルト=新国際決済システムへの移行」を主要な役割として誕生したものだと思っています。
社会保障関連の積み立ても取り崩すという今年の予算教書とその後の財政赤字増加ぶりを見ればわかろうかと思われます。
前述のように、デフォルトしたからといって、米国民の生活水準がことさらひどくなるわけではありません。
“ブラジル危機”でも書きましたが、デフォルとしてその後乗切れるアテがあるのなら、過剰対外債務に苦しむ国家はデフォルトしたほうがいいのです。
米国は、軍事力はともかく、世界最大の経済規模であることから乗切れるアテがあります。
日本の統治者が、「これからの10年は、1日1日がかつての日米開戦前夜である」という気構えをしなければ、日本の将来を危ういものにしてしまいます。