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(回答先: 米国はデフォルトしても“損”はありません 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 15 日 16:01:04)
1ヶ所レスを忘れていましたので追加します。
>ニクソン・ショックもプラザ合意も諸外国の対米ドル建て債権の減価と言う意味では
>デフォルトと類似の効果があったと言えますが、これらはあくまでもルールに基づく
>政策の変更です。約束を破ったのではありません。
大した変動幅ではありませんが、ここ数ヶ月のドル安傾向放置にもそのような意図が含まれていると思っています。
しかし、そのようなルールによる対外債務の負担軽減は一時的な効果はあるとしても、産業活動力を基盤的に劣化させた国民経済にとって短期以上の効果はありません。
米国は、自国通貨が国際商品の基準価格になっている基軸通貨であることで、その他の国に比べれば大きな効果が得られます。
さらに言えば、世界最大の輸出市場であることから、製品輸入価格も為替レートの変動ほどは上昇しないというメリットもあります。
しかし、輸入製品のなかには競争しようにも生産すらできない製品もあるほど産業活動力が劣化していますから、徐々に輸入価格は上昇していきます。
このような変動は、貿易収支&経常収支の赤字幅を拡大し、財政の赤字幅も拡大することになります。
輸入財で競争状態にあるのならばドル安が貿易収支の改善に貢献しますが、競争以前の状態であれば、ドル安は対外債務の積み上げスピードを速めることになってしまいます。
「プラザ合意」は、レーガノミックスで産業空洞化が進んだ後というかその後始末というかたちで行われた人為的なドル安政策ですから、債務を軽減できたかも怪しい結果をもたらしました。
(金融主義を払拭した産業主義的価値観に基づき、「プラザ合意」とレーガノミックスの歴史的順序を入れ替えて実施していれば、現実のような膨大な“双子の赤字”には至らなかったと考えています)
国際金融活動の利益を考える限り、絶対的ドル安政策を採るわけにはいきません。
そうであれば、優位な進出先であるメキシコや中国などへの製造拠点の移転とそれに伴う産業空洞化を“資本の論理”の範囲では止めることができません。
米国政権も、ドル水準の切り下げが対外債務問題の解決には貢献しないことを学んでいると思っていているからこそ、残された方策はデフォルトしかないと予測しています。
※ 前にも書きましたが、返済できないものをずるずると積み増しして債務を履行していることのほうが問題であり、米国政府の過剰債務問題は早急に解決のめどをつけなければなりません。
いちばんいいのは、デフォルトと一般には認識されない方法で対外債務とりわけ公的機関保有債権を切り捨てることだ思っています。