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(回答先: これからの日本の行方はイバラの道。それでも進むしかありません。 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 7 月 29 日 05:27:24)
27日に「議論が盛り上がっていますね」という半畳(こういう言葉も死語でしょうね。チャチャ=茶々=という意味です)を入れたばっかりですが、さらに”議論の輪”が膨らんでいるようですね。まあ、ここでディベートに参加している人は、日本の平均よりは、はるかに知的レベルが高く、知識も豊富な人たちであることはメイクシュアーでしょう。それだけ、わが国の将来への危機感が深い、ということでしょう。
最近、不勉強で、経済の専門的な議論には、ちょっとジョインしにくい小生ですが、ざっとみたところ、かってのレーガノミックスのサプライサイド理論でも、デフレ基調が変えられないことが最大の問題なのではないでしょうか。あっしらさんが、どこかでデータに基づいて解析していましたが、日銀が通貨供給量を増やして、市中出回り通貨を増やそうとしても、どこかのブラックボックスに吸い込まれて、設備投資も消費活動も上がらない、マネーサプライだけは増える、ということが続いているわけでしょう。通貨供給量を増やせば、基本的にはインフレ基調になるはずですが、タンス預金か何かで、皆、死蔵されているようですね。となると、現状は「心理的不況」ともいえそうです。ただ、日本では個人ベースで1400兆円のストックがある、という説は、浅井隆氏や副島隆彦氏らの本を読むとウソで、1400兆円の中には、住宅ローンの未払い分など、バランスシートでいえば、資産と負債に”両建て”しなければならない分も丸ごとカウントされているようで、実際の「可処分資産」は600兆円もない、といいます。となると、「日本はまだまだリッチ」といえるのかどうか、も疑問なし、としません。国家のバランスシートなどチェックしにくい、というのもこういう問題ともからんでいて、そもそも、企業と違って、「国家のハランスシートはこう作れ」というガイドラインはあるのでしょうか。財務や国税関係の法律が一応の目安になっているのでしょうが、副島氏が一時、しきりにアタックしていましたが、日本国家が今、債務超過なのかどうか、もよく分からないし、日銀のバランスシートも公表されているものが、裏がないのか、もよく分からない。例えば、卑近な例ですが、車検の費用のうち、国庫に入る納付金の会計なども全く未公開だ、と副島氏は怒っていましたよ。まあ、国家こそ、最大のブラックボックスでしょう。それは、別に小泉なら知っている、という意味や権力が隠している、という意味ではなく、おそらく、全体像は財務省や日銀もつかんでいないのでしょう。さらに、アングラマネー、ロンダリングされたマネー、国がつかめない脱税分などを含めれば、バランスシートも損益計算書も作れるレベルにはないのでしょう。匿名希望氏(主計官クラスでなく、ずっと若いキャリアの人だと思いますが)には、ぜひ、それこそ匿名で、こういう点についてのデータと解析を本にまとめて、出版していただきたい。
それから、国家を超える権力機関がない、という小生の見解を少し補足します。まあ、IMFは「国家の監査法人」といえなくもないですし、韓国などは、数年前、IMFの管理下に入って、徹底的に国家財政や企業経済を調べられました。しかし、さすがに聡明な「匿名希望氏」も指摘しているように、国連にしろ、IMFにしろ、米国をチェックすることができず、また、米国の意向を無視しては、何もできないところが、限界です。匿名希望氏のいうように、これは米国のドルが基軸通貨であり、また、世界最大の軍隊と最新ハイテク兵器や核兵器を保有しているためでず。この点については、以前、マルクス経済学の見方のひとつとして、「基軸帝国主義」という概念を紹介しました。キャリアの中には、マル経を良く勉強している人もけっこういる、と聞きます。
元東大教授の大内力さん(故人のはずです)の本や鈴木鴻一郎さんの本を夏休みに読んでみて下さい。