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(回答先: Re: いくつかの補足 投稿者 すみません乱文です、怒らないで下さいね、もち、クソジですううううう 日時 2002 年 7 月 31 日 00:03:08)
雑駁な提起ゆえ、早速、手厳しい批判を食いましたが、当方も自信を持って提起したわけではないので「そういうものかな」という感じです。まあ経済問題は間口が広く、ほとんど日本社会、あるいは世界全体と重なり合うスケールのため、一刀両断にできるソリューションはないでしよう。また、無数のパラメーターがあるため、理論経済学的な明快きわまるソリューションを処方することもできないでしょう。小生のような「つまみ食い的知識」しかないヤジウマではない専門家の方々の更なる議論を期待します。
ついでに、資産の流動化、活性化のひとつの決め手といわれている「証券化」について少しコメントします。このサイトは実務知識を披瀝する場ではない、と思いますので、「証券化」についての哲学的洞察(に値するかどうかは分かりませんが)です。
証券化(セキュリタイゼーション)というのは、或いは昔からあった考え方なのかも知れませんが、デリバティブやそのひとつのアービトラージュ同様に金融工学的思考の産物と思われます。
欧米資本主義は、あらゆるものを金融商品とみなす「カジノ資本主義」「ギャンブル資本主義」の傾向が強く、これは「資本主義の極限形態」として理解できないことはありません。昔から、会社が順調でも、本社ビルの資産価値が上がれば、売却して別の貸しビルに引っ越す、といったことに、米国企業は何の抵抗感もありません。東京・丸の内が「三菱村」などと呼ばれてきた日本とは大違いです。
デリバティブ自身が、大雑把に言うと、企業の経営状況を反映した、キャピタルゲインや含み益を狙うのではなく、ある時点で、株価や為替相場、先物相場などが、一定の値上がり幅や値下がり幅の範囲内に収まるかはみ出るかについての予測を競うような投機(スペキュレーション)ですし、これはまさにラスベガス風のギャンブルです。
証券化も、不動産だけでなく、パテント、技術ライセンス、商標権、在庫、負債等あらゆるものが対象になります。
不動産の証券化の場合でいうと、小生の理解では、証券化する側の企業にとっての最大のメリットは、「所有権の移転があいまいなままにしておける」という点です。本社ビルを普通に売却した場合は、売却収入は損益計算書では、「特別損益」に立ちますが、その分、保有資産が減ります。借入金の担保に入れた場合も、バランスシートに記載しなければなりません。
これに対し、不動産の証券化は、ある物件を、例えば500億円と評価して、これを何口かに分けて証券として売り出すわけです。証券を購入した企業に対しては、そのビルのテナント家賃収入を原資に金利が支払われます。証券化をした企業は、10年間といった期限を事前に設定し、10年後に500億円で買い戻すわけです。
まあ、一種の土地信託ですが、10年間、証券化した企業の所有権はそのまま残りますので、バランスシートの資産の部に従前通り計上しつづけることができ、バランスシートが痛みません。しかも、金利は家賃収入でまかなえれば、キャッシュの流出も起きず、そのうえ、巨額の経営資金をゲットできる、というわけです。
不動産担保と似ていますが、バランスシートに明記しないでいい点が歓迎されているようです。もっとも、買戻し期限までに、必要資金を調達できなければ、結局、所有権は移転するわけですが。まあ、こういう、金融工学的手法ばかりが横行すると、ついには、エンロンやワールドコムのような事態を惹起するのでしょうが。