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(回答先: Re: 如往さんへのレス:田中宇氏の「小泉訪朝」や「イラク攻撃」について 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 9 月 26 日 17:26:23)
ビルダーバーグさん、こんにちわ。
『世界は独裁者ばかり』以降の投稿を拝読させてもらっています。
「9・11」をどう認識するかで、現実の世界の見え方は大きく変わってくると思っています。
その意味で、9・11米国権力機構関与説を採っているものとして、イラク攻撃を突破口とした“中東地域政治構造変革運動”は、アフガニスタン攻撃と同様不可避だと考えています。
(あれだけの“演出”を行ったのですから、大山鳴動ネズミ一匹というわけにはいかないという見方をしています)
>IT化した軍事兵器の威力に舞い上がっているラムジーらのハードライナーどもが、
>人種差別意識もあって、いけ好かないイラクヤイラン、北朝鮮などをなぎ倒したい、
>とはしゃいでいる、と見るべきでしょう。彼らは有色人種やイスラム教徒などと、対
>等の立場でこうしようなどしたくないのです。一発、はり倒して、彼我の力の差を見
>せつけてから、米国に屈服させようということでしょう。もちろん、こんな、粗雑な
>戦略しか持たない(というか持てない)ハードライナーどもは、数年以内に破綻し、
>失脚するでしようが。
結論を先に書くと、ビルダーバーグさんが解釈する内容でアメリカ国家権力を振り回そうとする勢力は、米国の国家権力を仕切る地位に就くことはできません。
大人のおもちゃとして最先端兵器システムを実戦で試してみたいという権力者の思いや米国権力者の価値観のなかに人種差別意識があることを否定しません。
W.ブッシュ大統領自身もユダヤ人嫌いで貧乏人嫌いのようです。
「対等の立場で交渉などしたくない」のは、優越意識を抱いている国家統治者のある種共通の構えでもあります。(そのためにも、優越意識を実体化するために、軍備増強や経済力向上に励む必要があります)
とりわけ、戦後世界構造を築きそれを支えてきたと自負している米国が、「対等の立場で交渉などしたくない」と考え現実にもそれを貫いてきたことは、国際政治に関心があるものであれば誰もが認めることです。
(日本の統治機構に属している人であれば、イヤというほどそれを実感させられているはずです)
しかし、ブッシュ政権の政策根源を「一発、はり倒して、彼我の力の差を見せつけてから、米国に屈服させよう」という狙いに求めることはできません。
なぜなら、どの国家も、「彼我の力の差」をきちんと認識し、国家存続のために許容できる範囲の屈服はしてきたからです。
「ハードライナーどもは、数年以内に破綻し、失脚するでしよう」という見方は共有できます。
ブッシュ政権という性格が21世紀初頭のアメリカ国家権力を差配する立場でならないと考えた“わけ”を考えるべきだと思います。
>あれだけ”派手”な暗殺をやったのが巨大陰謀組織(CIAなど)とすれば、その目
>的は「ケネディ家やジョンソンらへのみせしめ、警告」としか考えられません。ひっ
>そり、病気にみせかけて毒殺でもしておけば、「ケネディ暗殺神話」も生まれなかっ
>たでしょう。
ケネディ大統領を邪魔だと考えた勢力も、「ケネディ暗殺神話」というか「ケネディ神話」は有効だと判断したのでしょう。
陰湿な毒殺ではなく、派手で悲劇的な最期が、「ケネディ神話」を増幅したのですから...
>9.11アタックも依然として分からないことばかりですが、全世界を影で操る超陰
>謀組織があるとすれば、もっと別の形でタリバン政権を潰し、親米カイライ政権を簡
>単に作れた、と思います。イラクについても、とっくにフセイン政権を倒せたでしょ
>う。
「全世界を影で操る超陰謀組織」があるという見方はしていませんが、全能の超陰謀組織はユダヤ・イスラム的な神ということであり、人の組織である限りどれほどの力を持っていようとも、現実の歴史過程以外の方法で、タリバン政権を潰し親米カイライ政権を簡単に作れたとは思えません。
イラクのフセイン政権については、91年の湾岸戦争で倒すと結論すれば倒せたのに、倒さないという結論を出しただけです。
>全能の、神のような秘密組織が実在するとすれば、世界史は彼らのシナリオ通りに動
>いていく筈です。フセインを倒すのに、正規軍でバクダッドに侵攻する、などという
>のは、シナリオとしても最悪。西部劇時代やアラモ砦の攻防を思わせる「19世紀の
>プロット」です。こんなプロットしか作れない連中(ダブヤ一派ですが)に超陰謀な
>どできるとは思えません。
神のような秘密組織が実在しないからこそ、“表の実行力”が駆使され、それでもシナリオ通りに動かないのです。(戦後日本が実質的に世界最高の産業国家になってしまうというシナリオはなかったはずです)
“陰謀”も含めてですが、政策は現実のなかで常に見直され、試行錯誤しながら実現されていくものです。
イラクは近代法国家ですから、「金利という概念が通用しないイスラム圏を近代資本主義のエリアに変えるのが米国の目的(正確には世界を支配している金融寡頭ファミリーの目的)という主張」の対象外です。
(「“利息の取得を禁止するイスラム法国家”を近代資本主義のエリアに変えるのが米国の目的(正確には世界を支配している金融寡頭ファミリーの目的)という主張」に訂正させてもらいますが...)
ビルダーバーグさんは「イラク攻撃はない」という立場ですが、ビルダーバーグさんも“最悪”という「正規軍でバクダッドに侵攻する」というシナリオを実行に移そうとしている“わけ”が重要だと思われます。
(W.ブッシュ政権は、あれだけ拳を振り上げてしまったのですから、イラクを査察を受け入れたからもうイラクを攻撃しないでは済みません)
端的に言えば、W.ブッシュ大統領自身は知性的に劣っていると思いますが、政策立案スッタフは知性的に上位でしかもポッと出ではなく米国権力中枢や政策立案組織で長年鍛え上げられてきた人たちなのです。
“超陰謀”があるかないかは別として、表の権力を握っている人たちが“超陰謀”を策動するわけでも、W.ブッシュ政権(“ダブヤ一派”)が突出して自前で政策を決定しているわけでもありません。
W.ブッシュ政権は、支配層多数派が要求している政策の実現に“失敗”すれば、切り捨てられることになります。