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(回答先: 時代錯誤の発想の転換は不要と思います 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 24 日 03:33:11)
私が独裁型共産主義のもつ現代的可能性についてここで問題
にする理由は、私の個人的な趣味に貴公を付き合わせたいから
というよりも、ここで世界に存在しうる経済システムの多様性
と相対性を示したいからです。
過去のソヴィエト経済のNEP的なあり方が廃棄されたのは
経済的な無理からではなく、資本主義的要素を恐れる当局によ
る廃止決定と弾圧という政治的な理由からからでした。
市場経済的要素とか中小規模の資本家の存在が一党独裁型共
産政権の存在基盤を脅かすということは、いつの時代のどこに
でも当てはまることではないと思います。
私は現在の中国が行っている一国二制度の試みはあなたの予
想に反して、かなりの成功を収める可能性が高いと思います。
よく言われる中国国営企業の経営の酷い実態については私は詳
しくは知りませんが、資本主義的な基準で社会主義国の国営企
業の経営とか財政を判断することがどこまで妥当なのか疑問で
す。
私はロシアや他の旧ソ連諸国の経済は、そこで復活してきて
いるというソ連時代のさまざまな仕組みのもとで安定成長し、
いくつかの国は一応大国としての面目を取り戻すと思います。
大国であるということは必ずしも経済力や生産力だけで判断
されるべきではなく、軍事力や文明の強力さ、人口・国土面積
・埋蔵資源の質量、科学力・技術力などいろいろな要因で判断
されるべきです。
日本もGDPやら一人頭の平均収入などで大国である必要は
何もないと思います。
>共産主義やそれを出発点とする独裁制を是認する立場は、人
>間と社会の本性を根本的に取り違え、のみならず、その誤り
>の修正を許さず固定化してゆくシステムです。自由主義陣営
>との拮抗がある内は表面化しませんが、本質的に反進歩主義
>であり、人民窮乏化主義です。
それが「人間と社会の本性を根本的に取り違え、のみならず
、その誤りの修正を許さず固定化してゆくシステム」になるか
どうかは為政者の考え方・やり方次第でしょう。スターリンの
ように個人の自由な判断・発想や野心・欲望の発露をシステム
や恐怖政治で抑えつけて、自分が勝手に決めた国家事業のみを
賞罰による動機付けを基礎としたノルマ制で行うだけなら、確
かにそれは非効率で人間疎外的かつ固定的なものになるでしょ
う。しかし、為政者の姿勢次第では十分に個人の欲望や力量を
生かした、状況に柔軟に対応する独裁共産経済は可能なはずで
す。
確かに、市場経済に強力な政治介入を行う経済はシステムの
上でも科学技術の生産と商品への応用の上でも「反進歩主義」
であり、また生産力と商業・所得配分を政治的にコントロール
するので国民の多数に質素な暮らしを強いる傾向があるかもし
れませんが、「だからこそ素晴らしい」のです。
果てしない利潤獲得・経済競争のために不断に新しい科学技
術を生産と商品に応用し続け、人間の生活や社会の仕組みはそ
うした新しい経済システムや生産様式、商品に合わせて作り変
えられ続ける。かくして人間とその社会は経済と科学技術に翻
弄され支配され続ける。こんなことが未来永劫続いてよいはず
はありません。特に科学技術が高度に発展した現代では、科学
技術と人間との関係を一度整理し直し、今後のその関係のあり
方を熟考しコントロールする試みをしなければならないのです
。
英米型自由市場経済主義などこうした人類史的観点からもい
かがわしいものです。
>また、アングロ・サクソン流の自由主義・民主主義の拡大努
>力につき、ある種陰謀論めいた言説により、その影の部分の
>みを強調する態度は著しくバランスを欠いたものに映ります。
私がそのことに関して言っていることは、歴史と現在に現れ
ている単なる客観的事実ですよ。ここ一年間だけを見てもはっ
きりしているではありませんか。彼らのいう自由とか民主主義
というのは、英米と異質で独立した文明と国家を破壊し、自分
たちに都合のよい価値観を押し付け、資源の権益を安定的に確
保し、地政学的に有利な地域への自分たちの政治力と軍事力を
配するための道具ななっています。今回のようなことはここ2
.300年の世界史でしょっちゅう起きたことです。
また、私はアメリカ経済は軍事的覇権を背景とする国民の国
家社会への信頼に基づく根拠なき株価と消費量に立脚する脆弱
な経済であると思ってきました。私は最近のアメリカの強引な
軍事行動と株価をはじめとする様々なアメリカ経済指標の悪化
とは無関係なものとは思っていません。「日本の公共事業によ
る財政出動」のような効果を狙って継続的に戦争を引き起こし
ている疑いがあります。私にはアメリカ経済はいかなる意味で
も理想でも標準でもあってはならないと思います。
著しくバランスを欠いているように映るどころか、はっきり
とバランスを欠いている異様で非常識な連中、それは最近の英
米支配層であり、彼らと一緒になっておかしいとも思わず侵略
のお手伝いをする英米(と日本)の政治家や官僚・軍人・市民
のことです。
>大きな構図としては、第2次大戦後に米国を中心として構築
>された世界システムが転回を継続しているということであり
>、どのようなシステムであれ、様々な摩擦や軋みが生じるの
>はやむを得ないことです。
現実には、その国、その地域、その環境、その条件、その時
にふさわしい経済運営のあり方があって、それぞれの国が独自
の経済システムを持ち、それらが外国為替とか貿易とかを通じ
て結びついてきたのでしょう。
そうした(ブレトン・ウッズ会議以来の国際的ドル機軸通貨
体制下の)「世界システム」をウインドウズ○○のような統一
的オペレーション・システムに乗せなければならない、乗せた
ほうが良い理由などあるはずがありません。
私は経済学史からも最近の英米系の経済評論家のしているこ
とからも、ある種の経済学・経営学は客観的には恣意的な論理
的根拠に基づく英米独占資本の世界征服の道具として役立って
きたものだということができると思います。陰謀とかそういう
問題ではなく、実際の現象としてそうだと言っているのです。
また、陰謀とは「隠された戦略」ですからあって当たり前の
ものです。各国の情報・諜報機関は謀略組織の役割も果たして
いることは言うまでもありません。