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(回答先: Re: 日本の近代化は人工的宗教を梃子(てこ)としたため反・列強陣営を有効に組めなかった。 投稿者 ケイト 日時 2002 年 9 月 04 日 18:02:58)
>ただ,欧米の近代化は,個人の行動の自由を拡張することが目的でしたが、日本の近代化は,欧米列強の帝国主義に対する防衛として、つまり、欧米への反応=リアクションとしての行動(民族的kヒステリアとなった)であった点があることは間違いなく、その点も非常に注意を向ける必要があるでしょう。欧米の帝国主義から自己防衛するため、宗教を楯にしたのです。その点、イスラム原理主義とアメリカ帝国主義の戦いは,それと同じ形式を踏んでいるとみることもできる余地がないわけではないでしょう。日本のファシズムの狂気はもとをただせば,山崎闇斎一門が持っていた天皇ファナティズムを原基としています。
ヨーロッパ諸国でもほとんどの場合「近代化」は他国との対抗のための措置として進められた要素が大きいのです。
そして、近代化が遅れたり失敗した国々は、より強力な近代化に成功した国に占領されたり分割されたりしました。
つまり、侵略に対抗するための「近代化」は普通のことであって日本だけが特別だったわけではありません。
日本が、その近代化のいきさつから、対欧米民族ヒステリーに陥ったという考えは相対的にも絶対的にも事実誤認です。
どこの国も他国の自国に対する侵略、攻撃、領土や権益や資源の強奪を心配し、しかもここが重要なのですが実際に脅かされていたのであり、常に民心を他国に対して警戒させる必要があったのです。ここでも日本だけが特別だったわけではありません。
また日本人は全体としては維新以来、上下の別なく欧米文化や中国文化にかぶれ易いのです。戦前もイギリスかぶれ、アメリカかぶれ、ドイツかぶれ、フランスかぶれはたくさんおり、それらの傾向は実際に日本の政治や文化に大きな影響を与えました。軍隊内部でも事情は全く同じです。
別に全体としての日本人は欧米に対して強烈なな敵愾心や憎しみを抱いていたわけではありません。
確かに日本の国学的イデオロギーや国家神道は欧米へのリアクションによって民衆の間に強化宣布された面があります。しかし、そういう宗教やイデオロギーが欧米の侵略に対抗するために作られたわけではなく、むしろそういう世界観を持つものが旧体制に不満を感じ、いち早く欧米勢力の脅威を認識し適切な敵愾心を抱き、革命的新体制建設をなしとげたのだといういきさつはしっかりと理解するべきです。
要するに、当時の日本の指導層の国学的世界観は最初から近代化・欧米化のためや欧米との対抗のためにあるものではないのですから、維新後の日本のあり方をやれ歪んだ近代化だとか、やれ反欧米ヒステリーだとか言うのは的はずれですし失礼なのです。
わたしはイスラム原理主義についてはよく知りませんが、同じことが彼らにも言えるのではないでしょうか。
それに、いわゆる天皇教と神道を分離して考えるのには無理があります。両者は密接な関係にあることは否定できません。