現在地 HOME > 掲示板
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
★阿修羅♪
|
|
(回答先: 奇形的近代化？ 投稿者 書記長 日時 2002 年 9 月 05 日 20:16:45)
『ヨーロッパ諸国でもほとんどの場合「近代化」は他国との対抗のための措置として進められた要素が大きいのです。
そして、近代化が遅れたり失敗した国々は、より強力な近代化に成功した国に占領されたり分割されたりしました。
つまり、侵略に対抗するための「近代化」は普通のことであって日本だけが特別だったわけではありません。』
近代規範樹立の嚆矢となったアメリカ独立革命，フランス革命など国内の矛盾解決(王侯貴族と富裕商人の相克）のために起きたものです。他国との対抗でおきたものでは全然ありません。白人の侵略に近代化を持って抵抗しようとしたのは日本・南米を含め有色人種です。（北米先住民は別）
『日本が、その近代化のいきさつから、対欧米民族ヒステリーに陥ったという考えは相対的にも絶対的にも事実誤認です。』
ペリーの砲艦外交に江戸奉行も庶民も激しい衝撃を覚え，恐怖とともに精神的パニックとなりました。昨日までちょんまげ、きょうからざんぎりアタマで鹿鳴館で欧米ダンスというのはヒステリー症状でしかできえない劇的な行為でした。白人諸国に侵略れ田国々の人々は激しいショック症状になり，ヒステリーとなり精神的混乱に陥るのであり，日本も例外ではありませんでした。
『 どこの国も他国の自国に対する侵略、攻撃、領土や権益や資源の強奪を心配し、しかもここが重要なのですが実際に脅かされていたのであり、常に民心を他国に対して警戒させる必要があったのです。ここでも日本だけが特別だったわけではありません。』
基本的には欧米列強が有色人種の国々に対してやっていた，ことに注意する必要があります。
『また日本人は全体としては維新以来、上下の別なく欧米文化や中国文化にかぶれ易いのです。戦前もイギリスかぶれ、アメリカかぶれ、ドイツかぶれ、フランスかぶれはたくさんおり、それらの傾向は実際に日本の政治や文化に大きな影響を与えました。軍隊内部でも事情は全く同じです。』
肯定的な点と否定的な点と両方見てください。中国とその衛星国・（実質上の）属国である韓国は、新しいものは受け入れない。新しいことをやる連中はゲスな連中という考えでした。いまでも天皇陛下万歳とやっている日本の保守層とメンタリティーはいっしょです。
『別に全体としての日本人は欧米に対して強烈なな敵愾心や憎しみを抱いていたわけではありません。』
戦前竹やり持って鬼畜米英！とやっていました。書記長は米英＝鬼畜といわんばかりの発言がおおいですが、いったいどっちなのかわりにくいお方。
『 確かに日本の国学的イデオロギーや国家神道は欧米へのリアクションによって民衆の間に強化宣布された面があります。しかし、そういう宗教やイデオロギーが欧米の侵略に対抗するために作られたわけではなく、むしろそういう世界観を持つものが旧体制に不満を感じ、いち早く欧米勢力の脅威を認識し適切な敵愾心を抱き、革命的新体制建設をなしとげたのだといういきさつはしっかりと理解するべきです。』
私の発言をよくよんでくださっているのでしょうか。尊王思想はそれ自体，神学論として独自の発達を遂げています。近代政府の規範確立の際，別途伊藤博文がこれを借用しました。彼の明治２２年の議会発言をみれば、彼が欧米に対抗する国家規範システムとしてこれを導入したことは自明です。
『要するに、当時の日本の指導層の国学的世界観は最初から近代化・欧米化のためや欧米との対抗のためにあるものではないのですから、』
だからわたしもそういっています。尊王思想は国内で孤立的に発展しました。
『維新後の日本のあり方をやれ歪んだ近代化だとか、やれ反欧米ヒステリーだとか言うのは的はずれですし失礼なのです。』
歪んだ近代化、ってわたしいいましたか？近代化自体がきわめて深刻な問題を孕んでいると認識していますし，日本の近代化は欧米の近代化とは組み立てが異なる、といっているだけです。
お言葉ですが，『失礼だ』、というのはいったい誰に対して，なぜ失礼なのですか？あなたに、ですか？米英のアダムスミス以来の古典派および新古典派資本主義，新自由主義の論理を批判した場合、わたしは米英支配層・アングロサクソン族から失礼である、といわれなければならないのですか？物事の考え方を批判することが，その考え方を持つ人に失礼というのならば、もうわれわれお互いだまっていたほうがいいじゃないんですか？歴史的現象を理解しようとする議論において、失礼だ、という言葉はあなたにまことまことに失礼ですが、｢異常」ですね。これでは客観的に洞察するという思考方法は不可能ですよね。歴史学も成立しません。歴史学徒ではなく、イデオローグになりたいのなら別ですが。ご自分の信念をこの場で一方的になにかを宣伝されたいのですか？その宣伝を邪魔されたと感じて失礼だ、といっていらっしゃるのですか？
『いわゆる天皇教と神道を分離して考えるのには無理があります。両者は密接な関係にあることは否定できません。』
｢天皇教と国家神道はまったく別物です。天皇教は建国以来の神道がベースにはなっています。しかし、天皇教と神道はちっとも似ていない｣（小室直樹）。｢天皇陛下万歳｣派の彼ですらこのように正しい説明をしています。明治近代政府は，天皇や国家と関係ある神社を徹底して弾圧・破壊・廃止したことはご存知でしょう。生き残った神社も教義変更を強制されました。八ヶ岳にある禊（みそぎ）神社に薪能をみに遊びにでかけたことがあります。神社の方(神職）にうかがうと、この神社はたいへん古いのだそうですが、東京で徹底して明治政府から弾圧され、最終的にこの地に逃げてきたとのこと，今でも靖国神社から系列外とされ，憤慨されていました。春日大社など奈良時代からの由緒あるものですが、やはり古来からの儀式は明治時代で断絶させられたそうです。今一度申し上げますが，特定の人間を神である，とする論理は本来の神道には一切包含する余地はありません。論理的に不可能な構造になっています。万物を神聖である、とみるHolistic(holism)な世界観では，この論理は不可能なのです。世界的にみて孤立した論理で、世界の三大宗教ゃヒトラーですら，ここまで言った宗教理論はありません(キリストは神の子との位置、モハメッドは預言者の位置にぎない）。数千万人という日本の巨大社会集団が，（天皇のように）特定の人間が神である、と信じさせられたのは，人類の歴史において空前絶後の事件です。このとき子供時代を送った人々は文部省や軍を通じ激しく洗脳され，今でも激しいトラウマが残っており、de-program(脱プログラム）が極めて困難となっています。 伊藤博文とその政府が数千万人の人間の精神に対し計り知れない損害を与えた罪(spiritual crime)は日本と世界の歴史の中で永劫に消え去ることはありません（日本人はおろか他のアジア人をこの論理を強いており、数億人が影響を受けた）。世界史的パラダイムで観察してください。
江戸期でも人口の９５％以上の農民や庶民の間では天皇の存在すらほとんどしられていなかった(京都の庶民ですら）、というのは最近物故された京都大学名誉教授・井上清氏(日本史専攻）の研究資料においてあきらかにされています。一覧されたらいかがでしょう。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。