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「寮付き・日払い」の仕事を渡り歩き、とうとう路上生活へ そんな人々が、コロナ禍で真っ先になんの補償もなく放り出された。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/766.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 1 月 06 日 22:41:56: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: URは保証人ナシ!保証料もナシ!ご本人確認のみ 投稿者 中川隆 日時 2021 年 1 月 04 日 20:07:27)

このオッサンは今起こっている現実を何も知らない:
「寮付き・日払い」の仕事を渡り歩き、とうとう路上生活へ
そんな人々が、コロナ禍で真っ先になんの補償もなく放り出された。

出会った一人一人が、この「失われた30年」の、そしてこの国の雇用破壊の歴史の生き証人だった。

例えば私が会った中には、20代から約20年、全国各地の「寮つき・日払い」の工場などを転々としてきた40代のロスジェネがいた。就職氷河期で正規雇用の道がなく、派遣の仕事に就いたが最後、そこから抜け出せない人というケースだ。

仕事を失うたび、同時に派遣会社の寮も出されるので、次の仕事も「寮つき派遣」しか選択肢がない。その上、職探しの間にわずかな貯金が尽きてしまうと「寮付きの上、日払いOK」の職を探すようになる。日給の一部でも日払いにしてもらえればその日の食事をとることができるからだ。

そんなふうに生活していると、次の仕事も「寮付き・日払い」しか選択肢がなくなる。安定した住まいを確保したくとも、初期費用など貯まらないから綱渡りのように「寮付き・日払い」の仕事を渡り歩くしかない。

そんな生活を約20年続けてきた彼は、コロナによってとうとう路上生活となった。そうして「新型コロナ災害緊急アクション」にSOSをくれたことで、生活保護を申請。20年にわたる自転車操業のような生活からやっと脱出できると胸を撫で下ろした。

鍵のかからない個室で熟睡できない生活が10年以上
ネットカフェ生活を10年以上続けていたという人もいた。

その生活を知らない人は、「好きでやってる」「気楽でいいよな」なんて言う。しかし、足や腰も伸ばせず、鍵のかからない個室で熟睡できないという生活が10年以上続くことを想像してほしい。私たちがタンスを開けるのと同じ動作をするごとに彼らにはロッカー代がかかり、風呂にも洗濯にもいちいち出費が発生する暮らし。

そればかりか毎日、「今日の寝床、明日の仕事」に気を揉む日々。そんな人たちがコロナで仕事を失い、緊急事態宣言でネットカフェが休業になったと同時に寝床まで失った。「もうこんな生活は終わりにしたい」「精神が削られる」。疲れた様子でそう口にした人と多く出会った。そんなネットカフェ生活者は、都内だけで4000人。この層が放置されていたこと自体が異様なことなのだ。

女性からのSOSも多く受けた。飲食店や宿泊、小売、風俗、キャバクラ、ヨガやジムのインストラクターなど職種は幅広かった。働く女性の半数以上が正規雇用で、男性を100として女性の賃金が74であるこの国で、女性が困窮するのは当然のことだった。

しかもコロナ禍は、非正規女性が支えるサービス業にまず打撃を与えた。住まいを失う女性の中には、シェアハウスに住む人も少なくなかった。非正規だと賃貸物件の入居審査に落ちることがあることは前述したが、シェアハウスであればそれほど審査が厳しくない上、初期費用も低く抑えられる。が、一部シェアハウスは少しの家賃滞納であっという間に追い出される。

「何かあったらホームレスになる層」を放置すれば国が滅ぶ

コロナ以前から、不安定層からのSOSはあった。「仕事を切られた」「怪我で入院。治療費がかかった上、その間、仕事ができずにアパートを追い出された」。それぞれ個別の事情から住まいも職も所持金も失った彼ら彼女らは、ネットで見つけた支援団体にメールしたり、炊き出しの現場に現れたりしていた。それが、コロナによって多くの人に一斉に、経済危機が訪れた。結果、立場の弱い人たちが、生きる土台を崩された。

今、政治に望むのは、コロナ禍を機に、これまで破壊されてきた雇用の安定をはかってほしいということだ。「何かあったらホームレスになる層」をこれほど増やし、そしてこれ以上放置しておけば、それは確実にこの国を滅ぼしていく。

政府は今年度から地方自治体の「AI婚活」を支援するらしいが、未婚率を下げ、少子化を食い止めたいのであれば、雇用の安定をはかることがAI婚活なんかよりもずーっと重要なことだと私は思う。しかし、国は一向にこの根幹部分に手をつけようとはしない。

携帯がないことが、社会参加の壁に
一方で、公的支援のアップデートも必要だ。

例えばコロナ禍で、民間の支援は大幅に進化した。例えばSOSをしてくる半分近くが携帯がすでに止まっているかもうすぐ止まるという状態。よって、本人がフリーWi-Fiのある場所にいる時にメールしてくるのだが、フリーWi-Fiがない場所では連絡がとれない。フリーWi-Fiが文字通り命綱になっていることから、コロナ禍の中、都内の炊き出しでは「フリーWi-Fiを飛ばす試み」やスマホの充電サービスが始まった。

また、携帯がないことは社会参加の壁になる。例えば、仕事。通話できる携帯番号がないと難しいのは不動産契約も同じだ。一方、料金滞納で携帯が止まると他の携帯会社と情報が共有され、再契約が難しくなることもあるらしい。「携帯なんて贅沢だ」と言う人もいるかもしれないが、今、もしあなたが携帯を失ったら、日常生活のあらゆる場面に支障が出るはずだ。すでに携帯は社会的IDになっている。

ということで、7月には、「つくろい東京ファンド」がNPO法人ピッコラーレ、合同会社合同屋と協働し、本人負担ゼロで通話可能な電話番号を付与した携帯電話を渡すという「つながる電話プロジェクト」を開始。最長2年間まで無料で使ってもらうシステムで、独自に通話アプリを開発したのだ。

生活保護の窓口は、追い返されると死ぬ確率がもっとも高い場所
それだけではない。同つくろい東京ファンドでは、20年12月、「フミダン」というシステムも開発した。コロナ禍で生活保護申請をする人は4月には25%増。その後一時は落ち着いたが、9月に2ヶ月ぶりに増加に転じている。そのような状況で起こるのは、役所が申請する人を減らすため「若いから働ける」などと追い返すという「水際作戦」だ。

しかし、生活保護の窓口は、そこで追い返されると死ぬ確率がもっとも高い場所である。そのような水際作戦をさせないために開発されたのが「フミダン」。申請を希望する人がオンライン上でフォーム入力をすることで申請書の作成ができ、それを最寄りの福祉事務所にFAXできる機能を備えたウェブサイトだ。この年末年始に試験運用が始まる。

このように、民間の支援は日々アップデートしている。現場のニーズを拾い上げ、それを次々と形にしている。

もうすでに、自助も共助も限界に達している
その一方、コロナで職を失う人が増え続け、自殺者が急増する中、新総理に就任した菅氏が繰り返したのが「自助」という言葉だった。

しかし、「所持金ゼロ円でホームレス」という状態は、公的支援にも家族や友人にも助けを求めず自助を極めた結果であるし、12月、大阪で親子が餓死したと見られる状態で発見されたが、家族で「共助」をしようとすれば時に一家心中や共倒れ型の餓死に繋がってしまうことはこれまでも見てきた通りだ。もうすでに、自助も共助も限界に達している。  

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