★阿修羅♪ > 近代史3 > 856.html
 ★阿修羅♪
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
シューベルト 『未完成交響曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/856.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 29 日 11:59:03: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ウェーバー オペラ 『魔弾の射手』 投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 23 日 00:02:53)

シューベルト 『未完成交響曲』



ムラヴィンスキー指揮 『未完成交響曲』


Schubert Symphony No.8 "Unfinished" Yevgeny Mravinsky / Leningrad Philharmonic Orchestra 1983




Yevgeny Mravinsky
Leningrad Philharmonic Orchestra
1983.11.20, Minsk Philharmonic Hall


▲△▽▼


Schubert - Symphony n°8 - Leningrad / Mravinsky Vienna 1978


Leningrad Philharmonic Orchestra
Yevgeny Mravinsky
Live recording, Vienna, 1978


▲△▽▼


Yevgeny Mravinsky: Unfinished Symphony by Franz Schubert 1978




The Leningrad Philharmonic
Yevgeny Mravinsky, conductor
1978


▲△▽▼


Schubert - Symphony n°8 - Leningrad / Mravinsky Tokyo 77


Leningrad Philharmonic Orchestra
Yevgeny Mravinsky
Live recording, Tokyo, 1977


▲△▽▼
▲△▽▼


交響曲第7番ロ短調D 759『未完成』(Sinfonie Nr. 7 in h moll D 759 "Die Unvollendete" )は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが1822年に作曲した未完の交響曲である。


シューベルトはグラーツ楽友協会から「名誉ディプロマ」を授与された。わずか25歳でのこの授与に対し、シューベルトは返礼として交響曲を作曲することにした。しかし、シューベルトが送付したのは第1楽章と第2楽章だけで、残りの楽章は送付しなかったとされる。


そのままシューベルトはなぜか別の交響曲(ハ長調 D 944)を作曲しだし、ロ短調交響曲を完成させる前に逝去した。シューベルトの名声が確実なものとなった没後数十年を経て、残された2楽章分のみが出版されることになった。


初演は1865年12月17日、ウィーン[3]。初演された当時、シューベルトはすでに「大家」の扱いであり、未完成の理由について多くの推察が行われたが、決定的な証拠は遺されなかった。


交響曲は通常4つの楽章から構成され、その最も典型的な形が『運命』や『新世界』などに見られるアレグロ・ソナタ - 緩徐楽章 - スケルツォ - フィナーレ という形式である。シューベルトも当初はそのようなものを構想して、この交響曲ロ短調の作曲を進めていったのであろうと考えられる。しかし、シューベルトは第2楽章まで完成させ、スケルツォ(第3楽章)をスケッチまでほぼ仕上げながら、そこで作曲を中止してしまったとされているが、諸説ある。


なぜ第2楽章までで作曲を中止してしまったのかには、さまざまな説がある。例えば


「第1楽章を4分の3拍子、第2楽章を8分の3拍子で書いてしまったために、4分の3拍子のスケルツォがありきたりなものになってしまった」というもの、


また「シューベルトは、第2楽章までのままでも十分に芸術的であると判断し、それ以上のつけたしは蛇足に過ぎないと考えた」という説などである。


事実、第3楽章のスケッチの完成度があまり高くないため、シューベルトのこの判断は正しかったと考える人は多い。


もっとも、このように音楽作品を完成させないまま放棄するということをシューベルトはきわめて頻繁に行っており[4]、「未完成」であることは、この交響曲の成立に関してそれほど本質的な意味はないとする考えもある。


これとは別に、シューベルトはこの交響曲を完成させていたが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するためグラーツ楽友協会に第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、結果として楽譜が散逸した、とする説もある[5]。


シューベルトの多くの作品で見られることであるが、第1楽章の第1主題冒頭の自筆譜にかかれた記号は、アクセントなのかデクレッシェンドなのか判然とせず、今日でも見解が分かれたままである。「そのどちらでもなく」演奏することが慣例であるが、どちらかとして解釈する演奏も見られる[6]。


補筆の試み
シューベルトが残したスケルツォにオーケストレーションをほどこして第3楽章とし、『ロザムンデ』の間奏曲第1番を流用して第4楽章とする全4楽章の補筆完成版には、イギリスの音楽学者エイブラハム(英語版)とニューボウルド(英語版)による[7]ものや、SAMALE=COHRS復元2015年版[8]や、ニューボールド=ヴェンツァーゴ補筆2016年版[9]などがある。


20世紀の名指揮者・作曲家であったフェリックス・ワインガルトナーは、この曲の未完の第3楽章を補筆し、自作の『交響曲第6番』作品74の中に使用している。


2019年、マティアス・ローダーをリーダーとする音楽学者とプログラマーによるチームが AI をつかって補筆が試みられたこともあったが、完成した曲はシューベルトの曲というより、アメリカの映画音楽のようだと酷評されている[10]。
このチームはベートーベン交響曲10番やマーラーやバッハの未完成曲についても同様の作業を試みている[10]。


楽器編成
フルート 2、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、ホルン 2、トランペット 2、トロンボーン 3、ティンパニ、弦五部


曲の構成


第1楽章
Allegro moderato ロ短調、4分の3拍子。冒頭からロ―嬰ハ―ニの有名な動機が現れる。単に序奏というのではなく楽章の最後まで執拗に支配している。オーボエとクラリネットのユニゾン木管の甲高い第1主題を弦楽が支えながら第2主題に入る。通常のソナタ形式であれば、短調の第1主題に対して3度上の平行調であるニ長調で書かれる第2主題が、ここでは逆に3度下であり平行調の下属調であるト長調で書かれている。この調性関係は、ベートーヴェンの交響曲第9番の第1楽章と同じであるが、シューベルトがこの交響曲を作曲した1822年の時点ではベートーヴェンの交響曲第9番は作曲途中であり、演奏はされていない。第2主題では、伸びやかなチェロがシンコペーションに乗って歌われる。展開部は序奏を発展させる形のもの。半音階ずつ転調を繰り返す。再現部では、第2主題は提示部とは逆の3度上(平行調)のニ長調で再現される。


第2楽章
Andante con moto ホ長調、8分の3拍子。通常の演奏会ではここまでが演奏される。展開部を欠くソナタ形式。穏やかな下降音階の第1主題が提示される。コーダでは、シューベルトが好んで用いた三度転調により一時変イ長調に転調する。


第3楽章
Allegro(未完) ロ短調、4分の3拍子。20小節目までが総譜にされ、残りはピアノスケッチ(主部114小節)のみ。主部は最初ユニゾンで始まり、転調がめまぐるしく、最初の主題がすぐに同主張のロ長調で繰り返された後、すぐにもとのロ短調のユニゾンに戻り、第1楽章と同じく遠隔調(フリギア調の関係)にあるト長調へと移調する。トリオはやはりト長調であるが、16小節で自筆譜は途切れている。


楽譜の発見当時、見つかった総譜部分はほとんどユニゾンの9小節までだったため、現在流布している楽譜には補遺として9小節まで収録されているものが多い。10小節以降20小節目までの総譜は近年になって切り取られた形で発見された。


マリオ・ヴェンツァーゴ補筆構成版では第1トリオのみならず、第2トリオも『ロザムンデ』の総譜から復元している。


第4楽章
多くの補筆完成版では作曲時期や編成の類似、調性がロ短調であることから、『ロザムンデ』の間奏曲第1番(Allegro molto moderato)を基にしており、またこの間奏曲はそもそも完成されていたこの交響曲の第4楽章を流用したものである、とする説もある[5]。


その中には


「シューベルトは劇付随音楽ロザムンデを完成させるため、グラーツ楽友協会へ『第3楽章と第4楽章を返してくれないでしょうか』と自筆譜の返還を申し出たのであり、未完成交響曲は実は完成していた[11]。
完成していたことを証明するため、第3楽章の第1フォリオ(第1ページと第2ページ)のみを協会の預かりにした……」


という意見がある。


マリオ・ヴェンツァーゴ補筆構成版は「フィナーレだから失われた第1括弧部分がある」という説に基づき、バレエ音楽の前半をまず第1括弧部分として演奏し、モノディー・トータル・ユニゾン部分に差しかかると第1間奏曲冒頭に戻って最後までカットなしですべて演奏する。SAMALE=COHRS復元版は、ノーカットのヴェンツァーゴ版よりは適度なカットを施している。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC7%E7%95%AA_(%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-13993] koaQ7Jey 2020年2月06日 15:18:12 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-662] 報告
クナッパーツブッシュ

Symphony No. 8 in B Minor, D. 759 "Unfinished": Knappertsbusch Wiener Philharmoniker 1949





_____





Wiener Philharmoniker, Hans Knappertsbusch
REC : 1949

▲△▽▼

【高音質復刻】Knappertsbusch & BPO - Schubert: Sym. No.8(7) `Unfinished` (1950.1.29)


ハンス・クナッパーツブッシュ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1950年1月29日、ベルリン、ティタニア・パラストでのライブ録音
_____

Schubert Symphony No.7 (No.8) 「Unfinished」(1950rec)


1950年録音
Hans Knappertsbusch
Berlin Philharmonic Orchestra


クナの「未完成」はこの3種で全部である。いずれもブルックナー第9と同じ演奏会およびそのリハーサルである。
ベルリン・フィル
audite。21.405。RIAS録音集5枚組。
1950年1月28日、ティタニア・パラストでの放送用録音。12:03, 11:16。
TAHRA TAH 214/5と同一録音であるが、こちらは29日表記(場所表記無し)。おそらくaudite盤が正しいのだろう。
音も良く、演奏もまっとうなものである。下のライヴよりもすっきりした演奏になっている。


ベルリン・フィル
audite。21.405。RIAS録音集5枚組。
1950年1月30日、ティタニア・パラストでのライヴ録音。12:20, 11:51。
TAHRA TAH 417/8と同一録音である。TAHRA盤は同日のブルックナー第9などとのカップリング2枚組。
上の放送用録音とくらべると、ライヴらしい感興があり、起伏に富んだ演奏になっている。基本テンポも若干ゆったりしている。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm


▲△▽▼

Symphony No. 8 In B minor, D. 759, Unfinished, Knappertsbusch the Bayerisches Staatsorchester





Hans Knappertsbusch Conducts the Bayerisches Staatsorchester

バイエルン国立管弦楽団
ORFEO。C426 981C。1958年2月10日、音楽アカデミー・コングレスザールでのライヴ。11:00, 10:21
これも特に変わったところもない、まっとうな演奏である。
55年3月20日ライヴのウィンナ・ワルツ&ポルカとカップリング。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm
2. 中川隆[-13992] koaQ7Jey 2020年2月06日 15:57:48 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-661] 報告

ブルーノ・ワルター

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Vienna / Walter




_____







Wiener Philharmoniker
Bruno Walter
Studio recording, Vienna, 19-21.V.1936

ブルーノ・ワルター指揮 ウィーン・フィル
EMI。戦前の有名なSP録音。10:30,12:01。
EMIのウィーン・フィル150周年記念盤(CDH7 64296 2、シャルクの「田園」とのカップリング)。
名演だが、このCDでは第2楽章後半になって復刻にともなうノイズが目立つのが残念である。
2003年初め、opus蔵OPK 2032でSPから復刻されたものも入手。実によい音だ。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm


▲△▽▼

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Philadelphia / Walter


Philadelphia Orchestra
Bruno Walter
Studio recording, Philadelphia, 10 & 12.I.1946

▲△▽▼

Symphony No. 8 in B Minor, D. 759 "Unfinished": Bruno Walter Bayerisches Staatsorchester 1950





Conductor: Bruno Walter
Orchestra: Bayerisches Staatsorchester

バイエルン国立管弦楽団
ORFEO。1950年10月2日、ドイツ博物館コングレスザールでのライヴ録音。
10:30, 12:51。
ワルターは第一次世界大戦前にバイエルン国立歌劇場の監督だったので、このオケは古巣である。
同日演奏の「巨人」とカップリング。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm


▲△▽▼

Schubert: Symphony No. 7(8) `Unfinished`, Walter & NYP (1958)






Bruno Walter (1876-1962), Conductor
New York Philharmonic

Rec. 3 March 1958, at Hotel St. George, in New York

ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィル
ソニー。1958年3月3日録音。10:57,13:53。
何度聴いてもすばらしい! 第1楽章の「死」と第2楽章の「天国」との対比。




▲△▽▼

Bruno Walter: Schubert: Symphony 8 Live 1960 & 9 Live 1950



• Franz Schubert: Symphony no.8 D759 “Unfinished”
Wiener Philharmoniker R.1960

• Franz Schubert: Symphony no.9 D944 “The Great”
Stockholm Philharmonic Orchestra R.1950


Altus。1960年5月29日、ムジークフェラインでのライヴ。
ワルターのウィーン・フィルとの告別演奏会のプログラム、マーラー「美しいトランペットの鳴るところ(角笛)」「僕は菩提樹の香りを吸い込んだ(リュッケルト)」、交響曲第4番(sop:シュヴァルツコプフ)とカップリングで2枚組。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm
3. 中川隆[-13991] koaQ7Jey 2020年2月06日 16:17:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-660] 報告

フルトヴェングラー指揮のシューベルト『未完成交響曲』


Wilhelm Furtwängler Composer INDEX 2

このコーナーでは、主要な作曲家・作品別にフルトヴェングラーのディスクを掲載します。特に「スタジオ録音」と記載のないものはすべてライヴ録音です。


Schubert:Sym.No.8

1)48/10/24 BPO Titania(RISA)

2)50/10/01 VPO Copenhagen

3)50/01/19-21 VPO Musikverein(EMIstudio)

4)52/02/10 BPO Titania

5)52/03/11 RAITorinoO TorinoRAI

6)53/09/15 BPO Titania

7)54/05/04 BPO Paris opera

8)54/05/30 VPO Musikverein


▼43/05/12(ストックホルム・VPO)と44/12/12(アドミラルパラスト・BPO)の1楽章が残されている。

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu09.htm#sch8

4. 中川隆[-13990] koaQ7Jey 2020年2月06日 16:33:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-659] 報告

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Berlin / Furtwängler 1948




_____





Berliner Philharmoniker
Wilhelm Furtwängler
Live recording, Berlin, 24.X.1948


1948年
24 Oct. 1948 BPO Titania(RIAS)
Schubert: Sym. No.8
●10月24日 バッハ/管弦楽組曲3番 シューベルト/未完成 ブラームス/交響曲第4 BPO ティタニア RIAS収録

LP/PR(No8): Columbia(JP)DXM157('72) VoxTV34478('73?)
CD: Crown-JapanPAL1073(88/07) PricelessD13272('90?) WFSG TMK12681('98)

▼超名演とされながら正規盤のなかった未完成は独フ協会から正規CD(98/12)が出た。
ブラ4に比べて歪が多く音質が古ぼけているが、正規盤が登場した現在でもVOX原盤LP(TV/DXMなど)の音がベストと言える。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu12.htm
5. 中川隆[-13989] koaQ7Jey 2020年2月06日 17:03:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-658] 報告

Symphony No. 8 in B Minor, D. 759, "Unfinished": Furtwangler Vienna Philharmonic





Conductor: Wilhelm Furtwangler
Orchestra: Vienna Philharmonic Orchestra


1950年
19-21 Jan. 1950 VPO Musikverein (EMI studio Version=SP)
Schubert:Sym. No.8

●1月19-21日 シューベルト/未完成 VPO ムジークフェライン EMIスタジオ録音Matrix:2VH7190-1A/91-1A/92-1A/93-1A/94-1A/95-1A

SP/PR: DB21131-3(50/11)
CD: EMICDH7 63913 2(90?)CHS566770-2(98/03)

▽50年初頭のEMI録音はテープで収録されたといわれているが、この曲のモノラル盤に関しては針音が聞かれ、音質も暗めで、一連の50年録音の中では最も音質が悪かった。50年初頭の録音のマスター作りについての「SP原盤を空間的に再生した音を拾ってマスターにした」という説に合致するのは、この「未完成」と「名歌手」だったようだ。

オリジナルテープは残っていないと推測されたが、ART盤CHS5 66770 2は今までのSPおこしの録音ではなくオリジナルテープからの復刻と思われるが、2楽章に若干周期ノイズが聞こえるため即断できない状況。1楽章冒頭から3分間にベト7のような女性の声が聞こえ、ゴーストが多いのが気になる。この現象はオベロンでも確認でき、いくつかの50-51年録音で針音入りとなしの2ヴァージョンが確認できるミステリーとなっている。またこのCDの初版は2楽章が約3分欠落している。2000年に再販されたCDは正常でブックレットでも以前は19:44と印刷されていたものが23:56となっている。

長野S氏によればブライトクランク盤もこのテープを使ったらしく針音は聞こえない。
それでも演奏では54年パリ盤を推す


1 Oct. 1950 VPO Copenhagen Odd Fellow Palaet(Danish Radio)
Schubert:Sym.No.8

●10月1日 ベートーベン/運命 シューベルト/未完成 VPO コペンハーゲンオドフェローパレス デンマーク放送収録

LP/PR(No5): DanacordDACO114('85?)
CD: DanacordCD301('86)
未完成未発売 No8 not issued.

▼このデンマーク製のDanacord盤CDは輸入盤店で良く見かけた。カップリングは他のアーチストのブラームスの歌曲など。録音状態は直前のスウェーデン盤と同程度。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu14.htm
6. 中川隆[-13988] koaQ7Jey 2020年2月06日 17:19:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-657] 報告

Wilhelm FURTWÄNGLER conducts Franz Schubert - "Unfinished" LIVE 1952 !





Berlin Philharmonic
Wilhelm Furtwängler

Live, 1952.02.10. Berlin

1952年
10 Feb. 1952 BPO Titania(SFB)
Schubert: Sym.No.8

●2月10日 ベートーヴェン/大フーガ オネゲル/3楽章の交響曲 シューベルト/未完成 ブラームス/交響曲第1 BPO ティタニア SFB収録

LP/PR(No8): DG2535804('76)
CD: POCG3790(97/08)

>> W29(LP) and Venezia Disk V1001 copied of Japan NHK Broadcasting. This is same performance as DG. But DG the originals (POCG-3793= 453604-2) on Japan is unediting version. Old DG's CD(POCG2356=427402-2) edited to take off audience noise.
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu16.htm
7. 中川隆[-13987] koaQ7Jey 2020年2月06日 17:34:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-656] 報告

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Berlin / Furtwängler 1953







Berliner Philharmoniker
Wilhelm Furtwängler
Live recording, Berlin, 15.IX.1953


15 Sep. 1953 BPO Titania(RIAS)
Schubert: Sym.No.8

●9月15日 シューベルト/ロザムンデ序曲 未完成 ザ・グレイト BPO ティタニア RIAS録音

LP/PR(No8): ParagonDSV52101('80?)
CD: KingKICC2297('93)TAHRA FURT1017(97/07)

▼15-17日まで3日連続のシューベルト演奏会初日の実況録音。
TAHRAから97/08 第8正規盤出現。TAHRAのCDはいつもの派手な音質加工がなく平凡な仕上がり。ティタニアパラストの音質的限界を感じさせる一枚。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu18.htm
8. 中川隆[-13986] koaQ7Jey 2020年2月06日 17:43:16 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-655] 報告


Schubert "Symphony No 8 in B minor" Wilhelm Furtwängler 1954



BPO (Paris Opera)
Wilhelm Furtwängler, conductor
Paris, 04.V.1954



1954年
4 May 1954 BPO Paris Opera(INA Paris)
Schubert:Sym.No.8

●5月4日 ウェーバー/オイリアンテ序曲 ブラームス/ハイドン変奏曲 シューベルト/未完成 ベートーベン/運命 BPO パリオペラ座 ORTF収録 INAパリ所蔵

LP/PR(No8): ColumbiaJapanOZ7512(75?)
CD: SWF941-2('94) ELA901('96)

▼仏協会(SWF)盤でやっとこのパリでの演奏会が良質の音で聴け、楽器一つ一つの音が手に取るようにわかるようになった。

未完成は48年盤の評判がよいが、録音状態がいいこのパリ盤がshin-pの愛聴盤。



<SK氏のメール>
巨匠のウィーンでの最期の演奏会は 5月30日、シューベルト・プロで、ロザムンデ、交響曲第8番、第9番でした。

ハント第5版にはこの日の「未完成」が遺っている旨の記述がありますが、トレマンは載せていません。<終>

東芝新全集で H氏もこの未完成をディスコグラフィーに加えている。この「未完成」の確認情報は、79年1月の仏フ協会報にある。
http://www.kit.hi-ho.ne.jp/shin-p/furu19.htm
9. 中川隆[-13985] koaQ7Jey 2020年2月06日 17:52:39 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-654] 報告

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮のシューベルト『未完成交響曲』


 LD「アート・オヴ・コンダクティング」で、彼とベルリン・フィルとのこの曲冒頭部のリハーサル風景が収録されている。


Furtwangler rehearsals Schubert Symphony No.8 in 1951



rare footage of W. Furtwangler rehearsing Schubert's Unfinished Symphony


from 1951



バスの導入からヴァイオリンのきざみ、そして第1主題へとずっと指揮棒が3拍子を振り続けているのがわかる。これを見たあとは、バスの導入句をフェルマータ気味にしたり、それに続く部分が別テンポになっていたりする演奏を聴くと、違和感を感じるようになってしまった。(何もカラヤンだけでなく、そういうのが結構多い。)

ウィーン・フィル----1950年1月、Musikverein、スタジオ録音
EMI。11:38,12:23。
ベートーヴェン第7番と同月録音なので、録音方法も同じである。
(→こちらを参照)
http://classic.music.coocan.jp/sym/beethoven/beethoven7-m.htm#1950rec


諸井誠氏が、この演奏のテンポを一定に保とうとする意図を指摘し、「すべてを十全に心得た上での禁欲的な演奏」と評価している。

 Referenceシリーズ輸入盤CDH7 63913 2(モーツァルト第40番とカップリング、写真左、譲渡済み)で長く聞いてきたが、2000年3月に、ART処理されたReferenceシリーズ輸入盤CHS5 66770 2(ウィーン・フィルとのスタジオ録音集3枚組、写真右)を入手した。

しかし何とこの盤の「未完成」は第2楽章の冒頭3分ぐらいが欠落している! ブックレット表記からして第2楽章が8分7秒と表記されている(それに伴い全曲時間も19:44と表記)ので、欠陥ではなく最初からそのように製造されているのだ。これが収録された2枚目のディスクの容量が足りないからというわけでもない(まだ6分以上余裕ある)。全く何故なのか理由不明である。

他の収録曲は、ハイドン「驚愕」、モーツァルト第40番、リスト「前奏曲」、シューマン「マンフレッド序曲」、ベルリオーズ「ラコッツィ行進曲」、メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」、ケルビーニ「アナクレオン序曲」、グルックの序曲2曲、ヴェーバーの序曲3曲、シュトラウスの皇帝円舞曲・ピツィカートポルカ。モーツァルト「魔笛」から夜の女王のアリア2曲。


2000.5.1。
 上の欠落について、この記事を読んだ方からメールをいただいた。その方は同じ「CHS5 66770 2」を入手したが全く問題なかった、という。タイム表記も正しく第2楽章12:18、全曲23:56となっているとのこと。
 どうやら、1998年発売後すぐにEMIはこの間違いに気づいて発売延期としたのだが、私は何故かその「貴重な」不良品をつかまされてしまった、ということのようである。


2000.8.10。
 私も正常品を入手した。HMVに注文した際に、上の件を担当者にメールして送付前に確認してもらったのである。一件落着!

2005年、日本のDeltaレーベルからSP復刻盤が出た(DCCA 0011)。ベートーヴェン第7番、ケルビーニ「アナクレオン」序曲もSP復刻で収録している。

2011年1月、フルトヴェングラー生誕125周年でSACD化された。このSACDは、上記Reference盤3枚組と同じ曲が、同じカップリングで3枚分売で出ている。



ベルリン・フィル----1948年10月24日、ティタニア・パラスト、ライヴ録音
クラウン(パレット) PAL-1073。
11:09, 11:37。

あの有名なEMI盤ブラームス第4番と同日の演奏である。今は廃盤。
音は悪いがドラマティックな演奏である。

正規音源からの再発売を期待する。
..と書いていたら、没後55周年の2009年にauditeレーベルから発売されたRIAS録音集12枚組BOX(21.403)でついに正規発売された。


ベルリン・フィル----1952年2月10日、ティタニア・パラスト、ライヴ録音
DG。OIBP化国内盤。
12:01,12:09。


同日演奏のブラームス第1番と大フーガもDGからCD化されている。
2002年発売のORIGINAL MASTERSシリーズ6枚組輸入盤474 030-2にも収録。


トリノRAI交響楽団----1952.3.11, トリノ、ライヴ
TAHRA FURT 1080/1。
11:35,12:01。

慣れていないオケとのフルトヴェングラー特有の手作り感がある。
この日はカップリングされているジョコンダ・デ・ヴィートとのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲も演奏している。4日前のコンサート「ブラームス第1&V協」もあわせての2枚組である。


ベルリン・フィル----1953年9月15日、ティタニア・パラスト、ライヴ録音
TAHRA FURT 1017(写真左)。
11:47,11:40。

同日演奏の「グレイト」とカップリングである。
auditeから出たRIAS録音集(21.403、写真右)にも収録されている。



ベルリン・フィル----1954年5月4日、パリ・オペラ座、ライヴ録音
TAHRA。FURT 1023/4。
12:30,11:56。

同日の「運命」、ハイドン変奏曲、オイリアンテ序曲とカップリング。
大学時代所有していたチェトラのLPとは段違いの音質。

この日のコンサートは吉田秀和氏が聴いている。

内田光子が「レコ芸」誌上で、

「シューベルトは死が身近になると良い演奏ができる。死の年のフルトヴェングラーの未完成は素晴らしい」

というようなことを言っていた。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm
10. 中川隆[-13984] koaQ7Jey 2020年2月06日 18:01:57 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-653] 報告

フランツ・シャルク


Schubert "Symphony No 8 in B minor" Franz Schalk







Berlin State Opera Orchestra
Franz Schalk, Conductor
02.III.1928


フランツ・シャルク(Franz Schalk, 1863年5月27日 - 1931年9月3日)
シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」(1929年5月録音)

イギリス、及び、日本パーロフォン・レーベルではベルリン大交響楽団、ドイツ・オデオン、及び、コロンビア・レーベルではベルリン国立管弦楽団標記であるが録音は全く同じものである。両方のオーケストラの実体はベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏会用メンバーに拠るものである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フランツ・シャルク
11. 中川隆[-13983] koaQ7Jey 2020年2月06日 18:25:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-652] 報告


トスカニーニ

Toscanini / NBC, 14 Oct 1939 NYC Live Concert, restored





Schubert-Symphony No. 8, "Unfinished"
R. Strauss-Don Juan, Op. 20
Haydn-Symphony Concertante, Op. 84
Bach arr. Respighi-Passacaglia and Fugue in C minor

Live broadcast, 14 October 1939

NBC Symphony Orchestra
Arturo Toscanini, cond.

▲△▽▼

Schubert: Symphony No. 7(8) `Unfinished`, Toscanini & NBCso (1950)




Arturo Toscanini (1867-1957), Conductor
NBC Symphony Orchestra

Rec. 12 March & 2 June 1950

アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
RCA。1950年、8Hスタジオ録音。9:34,11:27。
1992年トスカニーニ・コレクション・シリーズ、「グレイト」とカップリング。古典的なフォルム重視の名演である。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm



12. 中川隆[-13982] koaQ7Jey 2020年2月06日 18:55:49 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-651] 報告


メンゲルベルク

Schubert : Symphony No.8 in B minor "Unfinished" 1939


Willem Mengelberg (Conductor)
Concertgebouw Orchestra Amsterdam

(Rec.1939) Public Domain

▲△▽▼

Schubert “Symphony No 7 8 ‘Unfinished’” Willem Mengelberg, 1940



Conductor: Willem Mengelberg
Orchestra: Royal Concertgebouw Orchestra



ウィレム・メンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ
PHILIPS。1940年12月19日ライヴ。

同日演奏の「グレイト」とカップリング。
13:59,11:01。

頻繁にテンポを変化させながらも、造形の崩れは見られない。名演である。ただし、アセテート盤録音のため、ちょっと我慢のならない断続的ノイズがある。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm

▲△▽▼

Schubert “Symphony No 7 8 ‘Unfinished’” Willem Mengelberg, 1942


Conductor: Willem Mengelberg
Orchestra: Royal Concertgebouw Orchestra
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm



ウィレム・メンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ
Biddulph。WHL 039。1943年6月17日録音のTELEFUNKENのSP復刻。

こちらは第1楽章リピートなし。
10:59, 11:32。

音質も大変よく上のライヴよりも良い演奏だ。
前日6月16日SP録音の「グレイト」とのカップリング。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-m.htm
13. 中川隆[-13956] koaQ7Jey 2020年2月07日 14:54:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-630] 報告



カール・シューリヒト



Schubert: Symphony No.8 in B minor, D.759 - "Unfinished" Schuricht Wiener Philharmoniker





____






Wiener Philharmoniker
Carl Schuricht

カール・シューリヒト指揮ウイーン・フィル(1956年録音/IMG盤) 

この演奏はシューリヒトのファンにも滅多に取り上げられませんが、僕は素晴らしい演奏だと思っています。速いテンポで飄々と進み、フォルテもアタックも弱く軽く流しています。まるで霞のような印象なのですが、それが何とも儚さを感じさせます。2楽章も淡々として浮世離れした雰囲気ですが、儚さや寂寥感を他のどの演奏よりも感じてしまいます。

コメント
私がクラシック音楽を聴きはじめた頃(35年以上前・・・笑)は 交響曲第8番「未完成」でしたが・・・。やはり名曲です。儚く、ほの暗く、なにより美しい! そんなこの曲が大好きです。

CDは ウィーン・フィルや、SKドレスデンのような 弦の美しいオケで聴きたいですね。私が持っているのは シューリヒト盤、ワルター/ウィーン(EMI)盤、ニューヨーク盤、クリップス盤、ブロムシュテット盤、ヴァントの日本ライブ盤です。

どれも素晴らしいですが、やはり シューリヒトが一番、儚く、美しいと思います。
投稿: ヨシツグカ | 2012年7月 7日 (土) 12時54分


弦の美しいオケで行きたい・・・全く同感です。
それにしてもシューリヒト盤がお好きでしたか!
本当に儚い夢か幻を見ているかのように美しい演奏ですよね。
投稿: ハルくん | 2012年7月 7日 (土) 13時39分


シューベルトのこの未完成交響曲は、母親が私の為に買ってくれた初めてのレコードでした。

後日解説文を読み返してみると、何と!シューリヒト指揮ウィーンフィルの演奏だったのですよ!そして、解説文を書かれたのは、ハルくんさんご存知の宇野功芳先生!(笑)運命的なクラシック入門盤だったのですね!

さて、演奏の方は〜、淡々としてオケの盛り上がりも、いまひとつ物足りなさを感じて、当初はあまり印象に残らなかったのですが、聞き込むにつれて〜、弦楽器の深くそして微妙な美しさ、絶妙にブレンドされた木管金管楽器の意味深い響きに次第に魅了され、これほど浮世離れした?この世のものとは思われない儚く神秘的な音楽の虜となって、クラシック音楽ひいては〜シューベルトの音楽に開眼したのでした!

丁度あのベームが来日公演した際の’77年ライヴを聞いて、大いに感動・感銘〜これこそ!シューリヒト&ウィーンフィルの名盤に匹敵するぞ!と欣喜雀躍したものでしたよねぇ〜。

この二つの名演に接すると〜、ジュリーニ&シカゴ響の演奏は、いかにも大味で金管楽器が強すぎ人工的な印象が否めず、最近のピリオド奏法による演奏は〜、どうもテンポが早急に過ぎて情緒もへったくれもありません。むしろ、ティーレマンに期待が持てるのかな?
投稿: kazuma | 2014年8月15日 (金) 08時31分
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html

カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィル
DECCA。1956年6月3〜6日、ゾフィエンザールでの録音。
シューリヒトらしい枯淡の境地。
10:36,11:59。

DECCAの名プロデューサー、ジョン・カルショウがウィーンで手がけた最初のレコーディングであり、かつシューリヒトがDECCAに残した最後の録音である。
カルショウの著書「レコードはまっすぐに」の第16章冒頭に、この時のエピソードが書かれている。

彼(シューリヒト)とは何年か前にパリで仕事をしたことがあったが、ウィーンではもう老衰していて、シューベルトの「未完成」交響曲の第1楽章を、すべてテンポの異なる11の解釈で演奏した。オーケストラがうんざりしたのは当然のことで、理事会は私に文句を言うだけでなく、チューリヒとロンドンに電報を打って、指揮者を充分に管理できない私が悪いのだと訴えた。この「未完成」をどうにか終えると...

 うーむ、これはヒドい書き方だ。カルショウはこれより前の部分で、一時出向していたアメリカのレコード会社キャピトルが「大演奏家にも不調の時があり、それから復活して輝かしい黄昏を迎えることを理解できない」ことに困っていた、と書いている。そこでは、キャピトルがクレンペラーを「サンフランシスコで成功を収められなかった」という理由で拒絶したが、その後クレンペラーがEMIで大成功を収めたことまで指摘しているほどである。

しかし、ここでのシューリヒトに関する文章のあとには、彼もまたこのあとEMIにすぐれた録音をしていることを記していない。それは片手落ちというべきだろう。
(→シューリヒトのEMIでの初仕事はベートーヴェンの交響曲である。)
http://classic.music.coocan.jp/sym/beethoven/beethoven-m.htm

http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm


▲△▽▼


Schubert: Symphony No. 8(9) `The Great`, Schuricht & SGRso (1960)


____





Carl Adolph Schuricht (1880-1967), Conductor
South German Radio Symphony Orchestra (Stuttgart Radio Symphony Orchestra)

Rec. September 1960, in Stuttgart
14. 中川隆[-13955] koaQ7Jey 2020年2月07日 15:23:37 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-629] 報告

オットー・クレンペラー

chubert: Symphony No. 8 "Unfinished" [Klemperer] Philharmonia Orchestra




Philharmonia Orchestra conducted by Otto Klemperer
Recorded: 4 & 6.II.1963, Kingsway Hall, London

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア
EMI。1963年録音。
13:35,11:31。
クレンペラー・レガシー・シリーズでART処理された輸入盤で「グレイト」とカップリング。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm


▲△▽▼

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Bayerischen Rundfunks / Klemperer





Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Otto Klemperer
Live recording, Munich, 1.IV.1966

オットー・クレンペラー指揮バイエルン放送交響楽団
EMI。1966年4月1日、ヘルクレスザールでのライヴ。
14:25,11:23。
ART処理で正規発売。「スコットランド」とのカップリング。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm

▲△▽▼

Otto Klemperer: Broadcast 21-03-1967: Bruckner No.5 & Schubert No.8


• Bruckner: Symphony No.5
• Schubert: Symphony No.8 D.759 ‘Unfinished’

New Philharmonia Orchestra Live @ Royal Festival Hall, London
21-03-1967

▲△▽▼

Otto Klemperer Schubert - Symphony No.8 "Unvollendete" (1968) VPO


Otto Klemperer
Vienna Philharmonic Orchestra
June 16, 1968

オットー・クレンペラー指揮ウィーン・フィル
DGのVPO150周年記念CD(写真左)。
1968年6月16日、ムジークフェライン、ライヴ。
15:33,12:41。

最後の音が鳴り止んだ直後クレンペラー自身の「Schön」という声が聞こえる。
2005年夏、TESTAMENTから68年ウィーン音楽週間ライヴ8枚組SBT8 1365で再発売された(写真右)。
Paul Bailyによるリマスターで音質はより生々しくなっている。しかし、何とこの「Schön」という声が編集で消されている(怒)!
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm



オットー・クレンペラー指揮ウイーン・フィル(1968年録音/テスタメント盤)
 ウイーン芸術週間ライブBOXの中に収められています。

いくらか遅めのインテンポで淡々と進みます。俗世に背を向けたような趣は良いのですが、それにしては今一つ心を動かされません。

録音もウイーン・フィルの美しい音が充分に再現されているとも思えません。
ですので自分にとっては「普通に良い演奏」どまりです。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html
15. 中川隆[-13954] koaQ7Jey 2020年2月07日 17:29:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-627] 報告

カール・ベーム

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Vienna / Böhm 1940


Wiener Philharmoniker
Karl Böhm
Studio recording, Vienna, 1940

▲△▽▼

Karl Bohm Schubert - Symphony No.8 (1954) WPO


Karl Böhm
Wiener Philharmoniker
1954, Musikverein Grosser saal

▲△▽▼

Schubert - Symphony n°8 "Unfinished" - Berlin / Böhm 1966


_____





Berliner Philharmoniker
Karl Böhm
Studio recording, Berlin, II & III.1966

カール・ベーム指揮ベルリン・フィル
DG。OIBP化国内盤。1966年録音。
11:31,11:29。
1973年度レコード・アカデミー賞の全集からの1枚である。「グレイト」とカップリング。
古典的・模範的・ドイツ的....な名演である。ベルリン・フィルの音色がまた素晴らしい。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm


カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(1966年録音/グラモフォン盤) 

ベーム壮年期の記念碑的な交響曲全集に含まれます。
ウイーン風ではない、純ドイツ風の演奏ですが、当時のベルリン・フィルの暗く厚い響きがシューベルトの仄暗い抒情性に適していてとても魅力的です。
金管が目立つことも無く、常に弦と木管との絶妙なブレンドを
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html


▲△▽▼

KARL BÖHM DIRIGIERT SCHUBERT - DIE UNVOLLENDETE


Wiener Philharmoniker
Karl Böhm, Leitung

カール・ベーム指揮ウィーン・フィル
NHK。DVD。1975年3月18日、NHKホールでのライヴ。
同日の演奏では「マイスタージンガー前奏曲」が収録されている。画質は良くない。音はFM放送のものを使用している。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm

▲△▽▼

Schubert Symphony No.8 "Unfinished" (Karl Böhm Wiener Philharmoniker 1977)





Karl Böhm
Wiener Philharmoniker
REC: 1977

カール・ベーム指揮ウィーン・フィル
DG。12:47,12:06。1977年6月、オーストリア・ホーエンエムスでのシューベルト音楽祭(シューベルティアーデ)におけるライヴ録音。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm


カール・ベーム指揮ウイーン・フィル(1977年録音/グラモフォン盤) 

オーストリアのホーエンエムスで行われたシューベルト音楽祭でのライブ録音です。
かなり遅いテンポで、力んだところの全く見られない枯淡の境地とも言える演奏です。フォルテでも管楽器が弦と完全に溶け合っていますので、外面的な迫力は有りません。そこが素晴らしいのです。それにしても、このしみじみとした味わいはどうでしょう。黄泉の国へと誘われるかのような雰囲気は極めてユニークですが、これこそがこの曲の本質なのではないかと思えるほどです。

このコンビの日本公演も美しい演奏でしたが、録音の良さも相まって、このウイーンでのライブが更に上を行くと思います。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html


▲△▽▼

Symphony No. 8 in B Minor, D. 759 "Unfinished" Karl Böhm's Dresden Farewell Concert in 1979 (Live)





Karl Böhm's Dresden Farewell Concert in 1979 (Live)
Conductor: Karl Böhm
Orchestra: Staatskapelle Dresden
16. 中川隆[-13953] koaQ7Jey 2020年2月07日 17:47:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-626] 報告

カルロス・クライバー

Schubert - Symphony No 8 "Unfinished" - Kleiber, VPO (1978)





Vienna Philharmonic Orchestra conducted by Carlos Kleiber
Studio recording, Grosser Saal, Musikverein, Wien, Austria, September 1978


カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル
DG。OIBP化輸入盤(写真左端)。1978年録音。
13:56,10:42。

自筆譜にあたった形跡が見られる(ディミヌエンド→アクセント)。
速いテンポの中で、微に入り細にわたって表現をつけている、ずいぶん「忙しい」演奏である。
http://classic.music.coocan.jp/sym/schubert/schubert8-s.htm
17. 中川隆[-13952] koaQ7Jey 2020年2月07日 18:03:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-625] 報告
2012年7月 7日
シューベルト 交響曲第7(8)番ロ短調D.759「未完成」 名盤: ハルくんの音楽日記 
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html


「未完成交響楽」(1933年 ドイツ=オーストリア作品)



昔、クラシック音楽を聴き始めた頃には、いわゆる「三大交響曲」と言えば、「運命」「未完成」「新世界より」でした。この他にも一般によく知られた交響曲は幾つも有りましたが、こと「三大」と呼べば、やはりこの御三家だったような気がします。それにしても完成していない曲が堂々と入るのですから大したものですね。


子供の頃に、テレビでよく古い名作映画を放送していました。音楽家ものも案外と多かったです。それらの中で特に記憶に残っているのが「未完成交響楽」という映画です。大人になって、懐かしさからDVDで購入しましたが、1933年の作品でした。

随分と古い映画だったわけです。話の内容はシューベルトがハンガリー貴族の令嬢と恋に落ちるが、実らずに終わってしまう悲恋映画です。事実を幾らかモチーフにしている面も有りますが、基本的には完全なフィクションなので、間違ってもシューベルトの歴史物語とは言えません。にもかかわらず、モノクロの映像と音の悪い背景音楽が不思議と郷愁を誘います。仮に子供のころに観ていなくても、この映画にはそのような雰囲気が一杯です。

それにしても、この映画で演奏をしているウイーン・フィルの当時の音の甘さと柔らかさは、ちょっと浮世離れをしています。

未完成のままに終わってしまった音楽作品というのは、歴史上に数えられないほど存在するでしょうが、最も有名な作品は、やはりシューベルトのこの曲です。通常の4楽章形式の前半しか書かれていないのに、これほどに名曲の扱いを受けているのは驚異です。それもこれも、とてもこの世のものとは思えないような音楽の美しさからでしょう。

シューベルトが何故この交響曲を第3楽章スケルツォの冒頭のスケッチでペンを置いてしまったのかは不明です。あの美しい2楽章に続くのに相応しいスケルツォ楽章がどうしても書けなかったのは、何となく分るような気もします。しかし、もしも後半の3、4楽章が完成していたら、「グレート」にも匹敵する長大な作品になったことでしょう。但し、引き替えに「未完成」という有名なタイトルを失うことにはなりますが。

僕はもちろんこの曲は大好きです。けれどもこの曲の魅力は演奏に極端に左右されるように思います。気に入った演奏で聴くと大変な名曲に感じますが、もしも気に入らない演奏で聴くと、退屈極まりない曲に感じてしまいます。それでは、それを左右するのは何かということですが、ごく簡単に言えば、「この世のものと思えないような音」を聴かせてくれれば好き、逆に音が単なる楽器の音に聞えてしまう場合は嫌い、ということです。たとえば第1楽章のフォルテで金管が強奏したりすると、すぐに耳が拒絶反応を起こしてしまいます。弦と管がしっかりと柔らかく溶け合った音を出してくれないと駄目なのです。そこに古き良きウイーンの情緒が加われば最高ですね。第2楽章の神秘的な美しさもブルックナーやシベリウスの世界に匹敵します。古典派と浪漫派の境界の時代にこんな音楽を書いたとは全くもって驚きです。

では、そういう基準で愛聴盤をご紹介してみます。


ブルーノ・ワルター指揮ウイーン・フィル(1936年録音/EMI盤) 




SP盤からの復刻ですので、当然音質は古めかしいのですが、あの「未完成交響楽」で聴いた懐かしい雰囲気をそのままに味うことが出来ます。ウイーンで生まれてウイーンで死んだシューベルトの音楽を演奏するウイーン・フィルの夢見るように甘く柔らかい音は何物にも代えられません。その音は戦後のウイーン・フィルをもってしても、もはや出すことは出来ないのです。参考ですが、オーパス蔵の復刻盤よりも東芝GR盤のほうが好みの音でした。


ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウイーン・フィル(1950年録音/EMI盤) 

フルトヴェングラーの「未完成」は演奏が物々し過ぎるので余り好みではありません。但し、ウイーン・フィルとの演奏はベルリン・フィルほどの激しさは有りませんし、弦楽器中心の響きですので好ましく思います。音の柔らかさは戦前のワルターほどではありませんが良く感じられます。年代を考えるともう少し録音が良くてもよいと思いますが、逆にレトロさが出ていることでもあり、良しとしておきます。

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1953年録音/audite盤) このベルリンでのライブ演奏はRIASボックスで持っているものです。個人的にはフルトヴェングラーが「未完成」で聞かせる強烈なフォルテやアタックはこの曲には余計だと思っています。フレージングもくどすぎて、ウイーンの洒落っ気が全く感じられません。このボックスには1948年の演奏も収録されていますが、印象は同じです。録音が良い分、こちらを取るべきです。


カール・シューリヒト指揮ウイーン・フィル(1956年録音/IMG盤) 






DECCA音源ですが、僕はIMG盤で所有しています。この演奏はシューリヒトのファンにも滅多に取り上げられませんが、僕は素晴らしい演奏だと思っています。速いテンポで飄々と進み、フォルテもアタックも弱く軽く流しています。まるで霞のような印象なのですが、それが何とも儚さを感じさせます。2楽章も淡々として浮世離れした雰囲気ですが、儚さや寂寥感を他のどの演奏よりも感じてしまいます。

ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィル(1958年録音/CBS盤) 




ワルターの代表盤の一つです。これがアメリカの楽団の音だとは信じられないほどに柔らかく美しい響きを醸し出しています。ロマンティックな雰囲気も最高です。ウイーン・フィル以外のオケとこれほど美しい演奏が可能なのはワルターだけでしょう。ウイーン・フィルを超えるかと聞かれれば、そうとは言えませんが、これはステレオ録音ですし、不滅の価値を持っていると思います。



ブルーノ・ワルター指揮ウイーン・フィル(1960年録音/Music&Arts) 

マーラー生誕100年記念コンサートにワルターが招かれて指揮した時の演奏です。メインのマーラー4番の前に演奏されました。このコンサートはワルターとウイーンフィルの最後のコンサートです。マイクが近いので、楽器の分離が明確で、室内楽的なアンサンブルを楽しめます。時にバランスのおかしな箇所も見受けられますが、録音も悪くありません。歴史的なコンサートということを抜きにしても、素晴らしく味わいのある演奏です。



イシュトヴァン・ケルテス指揮ウイーン・フィル(1963年録音/DECCA盤) 

若くして亡くなる前に極めて評価の高かったケルテスでしたが、この「未完成」はいただけません。ウイーン・フィルを締め上げてダイナミックスの大きな演奏をさせているところは同郷のショルティさながらです。フォルテの音は硬く威圧的に感じられ、トロンボーンの強奏は耳をつんざき騒々しいです。弱音部ではウイーン・フィルの美しい音が聴けるのですが、前述の欠点が音楽全体を台無しにしていて残念です。


カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(1966年録音/グラモフォン盤)

 

ベーム壮年期の記念碑的な交響曲全集に含まれます。ウイーン風ではない、純ドイツ風の演奏ですが、当時のベルリン・フィルの暗く厚い響きがシューベルトの仄暗い抒情性に適していてとても魅力的です。金管が目立つことも無く、常に弦と木管との絶妙なブレンドを響かせています。この曲の場合は余り立派な造形性はマイナスに思えますが、ベームはそれを少しも感じさせません。個人的には同じベルリン・フィルでは「グレート」以上の名演だと思っています。



オットー・クレンペラー指揮ウイーン・フィル(1968年録音/テスタメント盤) 

ウイーン芸術週間ライブBOXの中に収められています。いくらか遅めのインテンポで淡々と進みます。俗世に背を向けたような趣は良いのですが、それにしては今一つ心を動かされません。録音もウイーン・フィルの美しい音が充分に再現されているとも思えません。ですので自分にとっては「普通に良い演奏」どまりです。



カール・ベーム指揮ウイーン・フィル(1977年録音/グラモフォン盤)
 


オーストリアのホーエンエムスで行われたシューベルト音楽祭でのライブ録音です。かなり遅いテンポで、力んだところの全く見られない枯淡の境地とも言える演奏です。フォルテでも管楽器が弦と完全に溶け合っていますので、外面的な迫力は有りません。そこが素晴らしいのです。それにしても、このしみじみとした味わいはどうでしょう。黄泉の国へと誘われるかのような雰囲気は極めてユニークですが、これこそがこの曲の本質なのではないかと思えるほどです。このコンビの日本公演も美しい演奏でしたが、録音の良さも相まって、このウイーンでのライブが更に上を行くと思います。


ギュンター・ヴァント指揮ミュンヘン・フィル(2000年録音/Profile盤) 

ブルックナーを得意とするヴァントの音造りはこの曲にも適していると思います。管弦楽的な音よりも自然音に近い音が望ましいからです。1楽章はウイーン風の甘い情緒こそ有りませんが、繊細なフレージングと美しい響きが素晴らしいです。贅沢を言えば、金管の響きがもう一つ抑えられていれば更に満足できますが、凡百の指揮者よりはよほど優れています。2楽章はゾクゾクするほど瑞々しい美しさに包まれていて、現実離れした世界に我々を誘います。


ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送響(2000年録音/RCA盤) 

東京初台のオペラシティでのライブ録音です。メインのブルックナー9番の前に演奏されました。僕は、このコンサートに行ったのですが、仕事で遅刻してしまい「未完成」は聴き逃しました。同じ年の演奏なので、ミュンヘン盤と基本的解釈は変わりません。暗い北ドイツと明るめのミュンヘンとのオケの音色の違いが有るだけです。優劣は付けがたいですが、今回聴き比べた限りではミュンヘン盤のほうが良いような気がしました。


この他に、記憶に残るのはまずムラヴィンスキー/レニングラードPOです。
2楽章の途中で通常フォルテで演奏する部分を逆にぐっと音量を抑えて、まるで地獄の淵を覗かせるような緊張感を感じさせました。しかしシューベルトとしてはエクセントリックに思うので好みません。


ケルテス/ウイーンPOも定評有りますが、情緒に溺れない指揮ぶりがやはり好みでは有りません。

Cクライバーも同じように好みでは有りません。

カラヤン/BPOは最初のDG盤をLP時代に聴きましたが、曲の良さを全く感じませんでした。

ジュリーニ/シカゴ響なんてのも有りましたが、オケの迫力ある音が曲に不釣り合いでした。


ということで、この曲の自分の好みは余り一般的では無いかと思います。

最も好きなのがワルター/ウイーン・フィルの1936年盤。

2番目がベーム/ウイーン・フィルの1977年ライブ盤。

3番目がシューリヒト/ウイーン・フィルの1956年盤。

以上となります。恐らくは皆さんの好みと、だいぶ異ってしまうのではないでしょうか。

http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/d759-2979.html
18. 中川隆[-13951] koaQ7Jey 2020年2月07日 18:13:10 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-624] 報告

クラシック音楽 一口感想メモ
フランツ・ペーター・シューベルト( Franz Peter Schubert 1797 - 1828)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/シューベルト

シューベルトは作品の完成度が高まってきた矢先にたった31歳で亡くなってしまった。

曲が長くて冗長さのある場合が多いこと、また同じ曲の中で楽章により出来不出来が激しいために、とっつきにくいところがある。

同年齢比較ではモーツァルトとベートーヴェンに匹敵するような大作曲家ではあると思うが、この2人と比較してしまうとややマニアックな扱いの作曲家である。
若い時にも傑作はあるが、30歳を過ぎてからの最晩年の傑作群はハズレなしの史上最高峰の作品ばかりであり、せめてあと数年長く生きてくれたらと残念に思わざるを得ない。

ロマン派に分類されているが、曲の構成はかっちりしており、ベートーヴェンと同時代であることから、聴き方としては古典派に近いと思う。

交響曲

交響曲第1番 ニ長調 1813 D82
2.5点

どの楽章も主題の部分は古典派音楽としてかなり魅力的で才能を感じるのに、そこからの発展がかなり単純なことしかできておらず、音楽が進むにつれて残念なことになる。

交響曲第2番 変ロ長調 1814-15 D125
2.5点

形式も内容も1番より上かもしれないが、ただの18世紀古典派からベートーベン的な世界に脱出を計り始めている代償か、旋律や音楽の魅力は少し落ちてる気がする。

交響曲第3番 ニ長調 1815 D200
2.0点

作曲技術は上がっているのが分かる。しかし、快活で聞きにくくはないものの、音楽的な内容は薄く、心に響かない。

交響曲第4番 ハ短調『悲劇的』 1816 D417
2.0点

成長してがっちりした風格が出てきたのの、冗長な感も強くなっていて残念。短調の曲としてベートーベンやモーツァルトよりはるかに劣る。

交響曲第5番 変ロ長調 1816 D485
2.5点

後半が少しモーツァルトやハイドンを思い出させる。2人の若い時期の作品レベルに近く、たいした作品ではない。最終楽章が少し魅力あり。

交響曲第6番 ハ長調 1817-18 D589
2.5点

ハ長調らしい堂々とした曲調。アンダンテは美しい。他の楽章は悪くないのに聞いた後に記憶に残らない。

交響曲第7番 ロ短調『未完成』 D759
5.5点

シューベルトの器楽曲の入門には間違いなくオススメ。1楽章のスマートな美しさ、歌心にあふれたフレーズ、2楽章の天国的な美しさ、絶妙なメロディーや転調といい、端的なシューベルトが楽しめる。未完成なので曲の長さがちょうどいい。完成していたら長くて聞くのが大変だったろう。


交響曲第8番 ハ長調『ザ・グレート』 1825-26 D944
3.0点

高く評価する人も多い曲だが、自分には若いときの交響曲よりははるかに充実していて、旋律の魅力はそれなりにある者の、長さに見合った内容や未完成交響曲のように魅力にあふれた曲とは思えない。

大作曲家の名交響曲群と同列とするのは過大評価だろう。
他の多くのシューベルトの曲は好きだが、この曲は苦手である。

協奏曲

ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲 ニ長調 1816 D345
2.8点

ヴァイオリン協奏曲として華やかに書けていてなかなか優秀である。モーツァルト等の強い影響を感じる。しかし、それ以上のものは感じない。


ヴァイオリンと弦楽のためのロンド イ長調 1816
3.0点

爽やかな古典派音楽で、あまりシューベルトらしさが感じられない。独奏ヴァイオリンが大半の場面でずっと表で出ずっぱりである。音楽的な内容は割と大人っぽいため、本格的な曲だと感じられる。

ヴァイオリンと管弦楽のためのポロネーズ 変ロ長調 1817 D580
2.0点

優雅で心地よいがそれだけである。独奏とオケの絡みはいまいちであり、音楽はモーツァルト以前のような素朴さである。


弦楽四重奏曲

弦楽四重奏曲第1番 ハ短調/変ロ長調 1811 D18
3.3点

伴奏は初期らしいシンプルさではあるが、バランスがよいため悪くない。少なくともつまらなさは全然感じない。そして、旋律にシューベルトらしいしなやかな旋律の良さがあり、単なる古典的な均整の取れたムード音楽でなく、どの楽章も聴き応えが十分にある。期待していなかっただけに、出来の良さに驚いた。

弦楽四重奏曲第2番 ハ長調 1812 D32
3.3点

1楽章は運動的な曲で工夫の意志を感じるが、成功とは思えない。2楽章は泣きのシューベルト節を全面に出した歌曲のような曲で、印象的で素晴らしい。3楽章は割と良い。4楽章はシューベルトの通例のように、頑張ってはいるがパンチが弱い。

弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 1813 D36
3.5点

1番2番よりずっと巨大な曲。ベートーヴェン的な構築性と強靭で壮健な力強さを全面に出した曲。巨匠的な響きに満ちており、非常に頑張っている。そして、その努力はほぼ完全に成功していると思う。若さゆえの複雑さの不足はあり、名曲の域には達することが出来ていないにせよ、この巨匠性は天才しか出せないものであり、見事な作品である。

弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 1813 D46
3.3点

音に緊密な緊張感があり、高貴さがあるという巨匠性は3番同様に現れている。しかし、短調の響き方の問題からか、伴奏の単純さなどの若書きの欠点がやや気になってしまった。最終楽章がうまく高揚感を持たせられており、優れているのは良いところ。

弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 1813 D68
3.3点

1楽章は跳ねるようなリズムに極端に支配された曲であり珍しい。実験的と言ってよいほどである。2楽章はいきなり終楽章であり、極端ではないもののやはりリズムが重要である。シューベルトにしては高揚感に優れた2楽章がなかなか良いため、聴後感がよい。

弦楽四重奏曲第6番 ニ長調 1813 D74
3.5点

柔らかい歌謡性が主要な雰囲気を作っている曲。歌謡的な才能の豊かさには舌を巻く。ものすごい名作というにはまだ素朴すぎる感じはするものの、かなり素敵な曲として聞き入ってしまう。魅力の点では後年の作品に匹敵するかもしれない。素朴だが素直に自分の強みを活かしている。

弦楽四重奏曲第7番 ニ長調 1811 D94
3.5点

2楽章がとても美しいメロディー。これだけでも聴く価値がある。その他にも、冒頭でいきなり短調になるなど工夫が感じられる1楽章はなかなか面白いし、3楽章や.4楽章は普通の曲であるが、曲全体の価値を落とさない程度にはよく出来ている。ビアノよりも弦楽の方にシューベルトの適性があると感じさせられる。

弦楽四重奏断章 ハ短調 1814 未完 D103
3.5点

ハ短調の荘重で本格的で悲劇的な曲として、予想外の出来で驚いた。かなりの聴き応えであり、こういう曲も若い時から書けたのかと驚いた。音の密度はいまいちだが音感がよい。

弦楽四重奏曲第8番 変ロ長調 1814 Op.168 D112
3.3点

同じ時期の曲と比較して、かなり複雑で大人びた曲である。優美であるが古典的すぎる作風からの脱却を計っているように思える。その過渡的な作品であるがゆえに、魅力でいえば一歩引いたものになっているというのが率直な感想である。頑張っている感が出てしまっているし、複雑でよくわからない。曲がすんなり理解できない。ベートーヴェンの影響かなと思う箇所はある。とはいえ、天才的な作曲センスは相変わらず楽しめる。

弦楽四重奏曲第9番 ト短調 1815 D173
3.5点

1楽章は、真剣な短調曲であり、まだ内容の緊密さはないにしても、そこそこの満足は得られる。2楽章は短調の曲らしい、愛おしさにあふれた緩徐楽章であり、シンプルではあるがロマンチックであり、あのモーツァルトの短調の曲にかなり近い世界を構築できていると思う。3楽章や4楽章も簡素な書法ながら心に迫るものがあり十分に全体のバランスを取った曲になっている。

弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 1813 D87
3.3点

優雅な曲から大人の曲に脱皮しようと背伸びしているのが、いかにも伝わってくる曲。ぎこなちさを感じてしまう。ベートーヴェン的な立派な堅さを少し帯びている。時にモーツァルト的な優美なセンスも見せている。やはり発展途上を楽しむ曲と思った方がよいと思う。

弦楽四重奏曲第11番 ホ長調 1816 D353
3.5点

まだ19世紀に書かれただけあって、古典的な均整が非常にしっかりと取れている作品である。20分とシューベルトにしては短くて、全ての楽章において緩みがない。個性が強くみられるわけではないが、ハイドンやモーツァルトにも匹敵するような古典派弦楽四重奏に聞こえた。古典的な完成度が高く、書法は密度が高くなっている。音に自分らしさを確立してきた自信を感じる。

弦楽四重奏曲第12番 ハ短調『四重奏断章』 1820 D703
3.5点

順番に聞くと、急に立派な作品になって驚く。ベートーヴェンにもひけを取らなと言ってもいいくらいに、重厚で規模が大きく、力の篭った力作である。強く訴える力を音楽に与えているのが印象的だ。場面のコントラストが強く、少し聞き疲れする感じもある。管弦楽的な響きの充実がある。後期の偉大さを見せた作品の一つであり、未完成なのが残念だ。

弦楽四重奏曲第13番 イ短調『ロザムンデ』 1824 D804
3.8点

音の濃密さ、ロマンチックな情緒と陰影の深さ、音のなめらかなつなぎなど、前作までとは大きく異なり、別の作曲家かと思うほどの成長を見せている。
このようなメロディーを楽しませる正統派の弦楽四重奏曲は少ないため、重宝されているのはよくわかる。弦楽四重奏曲への作曲者の個性の適性の良さは相変わらずである。メロディーと音と情緒の濃密さに心を委ねて聴くとあっという間に時間が過ぎていく。聴き方がベートーヴェン以前とは全然違う曲である。

弦楽四重奏曲第14番 ニ短調『死と乙女』 1824 D810
3.8点

全部の楽章が短調であり、全体としてはかなり暗澹とした気分にさせられる曲である。もちろん部分では多くの救いがあり、美しさにはっとする場面は多い。1楽章は特に立派であり、多くの素材を使っており幅広い世界を表現しており、交響的な充実感がある。13番で主役だったシューベルトらしい甘いロマンはここでは脇役であるベートーヴェン的な厳しさをもうすこしロマン派に近い情緒表現で使っているイメージだ。もちろんシューベルトらしい柔らかさと歌謡性は残っており、むしろこの曲独自のそのバランスが魅力になっている。個別部分の表現の濃厚さはすごい。2楽章の変奏曲の魅力は特に心惹かれる。

弦楽四重奏曲第15番 ト長調 1826 D887
3.8点

急な転調などで陰影を与えて心を撃つことで晩年のシューベルトらしい感動を与える。しかし多用されるトレモロが煽る不安定さは心にせまる。しかしたまにみせる管弦楽的な響きについては、効果的かというと個人的には疑問符がつく。副題付きの2曲と比較すると、わかりやすさや親しみやすさで一歩譲る。密度や内容でいえば一歩もひけをとらない作品である。晩年らしい達観の世界が、ここでは珍しく鬼気迫るような迫力に達しているのが良い。

その他の室内楽曲

ヴァイオリンソナタ(ソナチネ)第1番 ニ長調 1816 D384
3.5点

一見爽やかなだけの工夫のなく繰り返しが多い古典派音楽のようだが、もう一度聴きたいと思わせる魅力がある。リートの名手だけに純度の高い歌心がうまく込められており、ヴァイオリンソナタは相性の良い形式のようだ。

ヴァイオリンソナタ(ソナチネ)第2番 イ短調 1816 D385
2.8点

1番と違い音楽の密度が薄く、早く次に進まないかと思ってしまう場面が多い。美的なセンスは優れており、特に1楽章で短調の美しさを楽しめるものの、冗長すぎるのが残念。

ヴァイオリンソナタ(ソナチネ)第3番 ト短調 1816 D408
3.0点

シューベルトの仲では珍しいほどモーツァルトを感じる場面が多いのが特徴。古典的なオーソドックスな曲であり、プラスアルファはあまりないが、あまり冗長でないのは良い。

アダージョとロンド・コンチェルタンテ ヘ長調 1816 D487
3.5点

室内楽だが協奏曲のように書かれており、明るく華やかで楽しい曲。ピアノ協奏曲にもシューベルトの才能があった事が分かるだけに、もう少し長生きして本格的な協奏曲を残して欲しかったと思う。効果的な序奏と本編のロンドと両方良い。

ヴァイオリンソナタ(第4番) イ長調 1817 D574
3.0点

前の3作品はソナチネであり本作はソナタとされている通り、楽曲の規模も内容的なスケールも大きくなった。1年の成長もあるのか、より成熟感もある。名曲に分類できる内容ではないものの、作曲者の意欲を感じられるので印象は悪くない。

弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調 1817 D581
2.8点

伴奏とメロディーが完全に分離してしまっており、うまく絡んでいない感じの箇所が多いのが残念。そういう箇所は息長くメロディーを歌い継がせる能力で間を持たせている印象がある。うまく書かれている箇所も所々にある。つまらない曲ではないが今一歩。

ピアノ五重奏曲 イ長調『鱒』 1819 D667
4.0点

若々しくてすがすがしくて、平明な音楽は非常に心地よくて気持ちよい。晩年のような深みはないものの、音楽的な充実度ではひけをとらないと思う。ユニゾンを中心とした軽いピアノが、コントラバスまで入った厚めの弦楽とバランスがよい。また、ヴァイオリンが2台ないため、ピアノ四重奏曲のバランスにも近くて、弦楽が分厚すぎないのもよい。難しく考えないで楽しめる娯楽作品として優秀だと思う。

『萎れた花』の主題による序奏と変奏曲 ホ短調 1824 D802
3.5点

フルートとピアノ。フルートの音色の美しさを生かした主題と変奏曲。長大だが、主題が良いので、美しさに浸る事が出来るのでゆったりと楽しむ事が出来る。シューベルトの歌心とフルートの相性が良く、秀逸な曲だと思った。

八重奏曲 ヘ長調 1824 D803
4.0点

編成の大きさも楽曲の規模も大きいが交響曲というよりセレナードに近い。明るくて柔らかく、巨匠的な質の響きに満たされている。1時間は長いが、集中して聴くというより軽い気分でゆったり聴く娯楽曲なのでしんどいものではない。シューベルトが力を入れて書いた曲と思われ、音に充実感がありメロディーやニュアンスが豊富な傑作である。これだけ心地よい曲は滅多になく、また聴きたくなる。

アルペジオーネ・ソナタ イ短調 1824 D821
3.8点

有名曲であるが、暗い曲であり、個人的にはあまり好んでは聴きたい気分と過去には思っていた。シューベルトらしい歌心が全体を覆っていて隙がなく、中身の詰まった聞き応えのある曲である。短調ではない場面も実は多いのだが、精神的な暗さや生への憧憬を色濃く感じさせる場面が非常に多い。しかし、アルペジオーネを使った演奏だとチェロほどしつこさがないため、もう少し軽い気分で聴くことができる。シューベルトの熟練した本格的な二重奏曲がこれだけになったのは非常に勿体無いと思う。

華麗なるロンド ロ短調 1826 D895
2.8点

ヴァイオリンとピアノ。悪い曲では無いかと思うが、特段優れている所もなく、シューベルトならいつでも書けそうな曲なので、15分は少し長すぎる。長大な序奏あり。最後はのエネルギッシュに締めるので聴後感は悪くない。

ピアノ三重奏曲 変ホ長調『ノットゥルノ』 1827/28 D897
4.0点

一聴して素敵と感じる独特の歌心に満ちた美しいメロディーの変奏曲。単品のピアノ三重奏曲。いい夢を見ながらすやすやと眠る子供のよう。おとぎ話のような温かくて幻想的な曲。

ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 1828? D898
4.0点

晩年の成熟してワンランク上がった実力が発揮されている。曲の素晴らしさのわりに、知名度が低い気がする。寂寥感を常に持ちながらも、美の結晶のようなあまりにも美しいメロディーが連綿と続く。音のバランスや楽曲の活躍のさせかたが良く、ピアノ三重奏曲としての書法が優れていると思う。全く曲の長さが気にならず、むしろもっとずっと聴いていたいと思わせる。特に1楽章と2楽章は泣きそうになるほど感動的であり、密度が濃くて素晴らしい。3楽章と4楽章は比較すると軽いが、十分な聞き応えを持っている。

ピアノ三重奏曲第2番 変ホ長調 1827 D929
3.8点

1番ほどの神がかった素晴らしい感動は感じないが、壮健な精神と、堂々とした内容は素晴らしい。晩年に達した大作曲家らしい充実感のある筆致を見事に発揮している。長さも気にならない。爽快で力強い曲調だが、当然裏にはシューベルトらしい歌心も込められていて、陰影もある。ピアノ三重奏曲はメロディーを中心として、線をつなげて作られるシューベルトの音楽に合っているようだ。

幻想曲 ハ長調 1827 D934
2.5点

あまり聴き応えがある曲という印象がなかった。メロディーにインパクトがなく、編曲もいまいちであり、22分が長く感じた。ただし、冒頭の序奏はロマン派的な内容でありシューベルトにしては大胆で目新しい。

弦楽五重奏曲 ハ長調 1828 D956
3.8点

最晩年らしい充実感と、見通せないような深遠への扉を開けている曲。チェロが2本であるおかげで、低音のずっしりした重さが芯となり、弦楽四重奏の曖昧模糊とした雰囲気を避けている。空間的な広がりにも貢献している。この曲は巨匠的な充実感であり、かなり多くの素材を盛り込んで、長い曲であるにも関わらず飽きさせない。構成も良い。陰鬱さが少なく、大人になって前向きに人生を生きようとする、吹っ切れたものがあるのに感動する。

ピアノソナタ

ピアノソナタ第1番 ホ長調 1815 D157
3.0点

一、三楽章は若書きらしいありきたりさだが、二楽章がシューベルトらしい歌心が見事に込められていて素晴らしい。驚いた。

ピアノソナタ第2番 ハ長調 1815 D279
2.5点

緩叙楽章が一番よくて、スケルツォも割とよいが、いずれも一番ほどは光らない。

ピアノソナタ第3番 ホ長調 1817 D459
2.5点

5楽章の力作。全体的には音の充実感など二番までより大分進歩してる。いい曲といえるほどの楽章は無いが、どの楽章もなかなか美しい。

ピアノソナタ第4番 イ短調 1817 D537
3.0点

割としっかりと書かれていて大作曲家らしい風格が垣間見れる。短調だがあっさりしていて、心地よく楽しんで聴ける。

ピアノソナタ第5番 変イ長調 1817 D557
2.5点

未完成とされているが三楽章が最終楽章のような雰囲気を持っているので、知らずに聴けばあまり大きな違和感はない。出来はまあまあ。

ピアノソナタ第6番 ホ短調 1817 D566
3.0点

1楽章は所々美しい場面が出てくる。歌うような二楽章も魅力的。

ピアノソナタ第7番 変ホ長調 1817 D568
3.5点

完成作であり自分で出版した曲。3番から9番までの同年に書かれた作品の中でも特に非常に美しい歌心に満ちていて聞き応えがある。歌に身を任せてゆったり聴ける。

ピアノソナタ第8番 嬰ヘ短調 1817 D571
3.0点

1楽章だけ完成。特に第2主題以降が美しい。どこか寂寥感がある。自分の聞いた演奏のせいだろうか。

ピアノソナタ第9番 ロ長調 1817 D575
3.0点

ロ長調は珍しいので新鮮に感じる。力強さと明朗さがある。

ピアノソナタ第10番 ハ長調 D613
断片だけしか残ってないそうで全集にも未収録。

ピアノソナタ第11番 ヘ短調 1818 D625
3.0点

三楽章冒頭のユニゾンや一楽章の第2主題後のキラキラした部分などピアニスティックな箇所が印象的。

ピアノソナタ第12番 嬰ハ短調 1819 D655
未完成のため全集に収録なし

ピアノソナタ第13番 イ長調 1819 D664
3.5点

優美で温かみや優しさがある素敵な名曲。一楽章が非常に印象的で二楽章もかなりいい。楽章が3つでコンパクトなのもいい所である。しかし、14番以降の独自の魅力はまだなく、若書きの作品という印象は支配する。

ピアノソナタ第14番 イ短調 1823 D784
3.8点

最初は軽視していたが、よく聴くとこの曲はこれ以降にないほどの濃厚なロマンに満ちた強烈な魅力を持っている作品である。1楽章のムソグルスキーの展覧会の絵のような目新しさが耳を引く重々しさと、第2主題のショパン以降でも滅多に聞けないようなロマン的情緒が濃厚な旋律はいずれも素晴らしい。何度もなんども聞きたくなる。2楽章は平凡な旋律のようで、実は魅力がある。3楽章はふわふわと中空を彷徨うような冒頭の独特のパッセージと、ロマンでかつ落ち着いた情緒的な旋律が素晴らしい。

ピアノソナタ第15番 ハ長調『レリーク』 1825 D840
3.5点

あてもなく精神の赴くままに彷徨うような構成感の薄い音楽である。1楽章も2楽章も穏やかであるため、交響曲の未完成ほどに2つの楽章だけで十分完結している感じはない。未完結のソナタだなと感じる。とは言え、1楽章のしなやかで繊細さにゆっくりと流れに心を浸せる巨大さは良いし、それより2楽章はかなり美しい傑作の楽章であるため、心を捉えるような音楽の魅力がかなりある。

ピアノソナタ第16番 イ短調 1825 D845
3.5点

1楽章は最初は良さが分からなかったが、15番を少し密度を上げたが同系統の音楽と思ってゆったりと心を浸すように聞けば良いと気づいたら魅力的に感じるようになった。二楽章は美しい変奏曲で素晴らしい。三楽章は印象が薄い。四楽章はピアノ的な音楽でシューベルトのアレグロにしてはなかなかの盛り上げ方である。

ピアノソナタ第17番 ニ長調 1825 D850
3.5点

一楽章はあてのない感じがありつつも非常に快活な曲。二楽章はとりとめのない感じの中に、しつこいほどにじっくりと情緒的な曲である。三楽章は突然にベートーヴェンぽい曲。四楽章は大作の最終楽章の威厳が皆無なチャーミングな曲ではあるが、悲しみ喜び多くの感情が混ざるため重くはないが感慨を感じる印象的な作品である。ガチャガチャとしてまとまりはないが、ある意味で強いロマン的主張を持つ楽章が並んでいる曲。

ピアノソナタ第18番 ト長調『幻想』 1826 D894
3.8点

全体に穏やかで幻想的な雰囲気が支配的である。美しい幻想性のおかげで、他のソナタとは違う大きなワンアンドオンリーな存在感がある。特に1楽章はタイトルの元になった楽章であり、幻想性をたっぷり楽しめる。またこれは全楽章のバランスが良いソナタの一つであり、最後まで各楽章の個性を楽しめる。出版社が勝手にタイトルをつけて出版したソナタとのことだが、確かにソナタ形式でありながらも組曲的な楽しさがある曲である。

ピアノソナタ第19番 ハ短調 1828 D958
3.3点

この曲は個人的には、前後の大作群と比較すると、あまり魅力を感じていない。短調と長調が交錯する長大な曲は立派ではあるけれど、驚くべき傑作群の中では「これは」という名作と言える楽章がないと思う。

ピアノソナタ第20番 イ長調 1828 D959
4.5点

全ての楽章が均等な存在感を持っており、壮大なスケール感を持っている曲である。そして、英雄的な力強さや2楽章に代表されるような感情の起伏の激しさを持っている。全曲通しての素晴らしさでは21番以上のピアノソナタかもしれない。特に終楽章のイ長調らしい明るく伸びやかな主題を高揚感を保ちながら聞かせる音楽が大変素晴らしい。

ピアノソナタ第21番 変ロ長調 1828 D960
4.0点

最後のピアノソナタ。前半二楽章の特別感は素晴らしい。平安な心の中に感動と追憶をはらみ、未来を夢見て、現実に追い立てられるような感じで深い精神性。後半二楽章は音楽としてよくまとまっているが特別感が足りておらず、前半2楽章の深さを受け止めきれていない。特に4楽章がもう少し重量級の作品であってくれれば、最高級のピアノ音楽としての手放しで賞賛できるものになっていたと考えている。全体的に薄暗い中を長く細い道筋をたどって終わりまでたどり着くように聴く曲である。

その他のピアノ曲(連弾含む)

2つのスケルツォ 1817 D593
1曲目
3.5点

ちょっとしたお宝発見を感じた優れた小品。主題も挿入部分も魅力的で、聴き入ってしまう。

2曲目
3.0点

スケルツォにしては優雅である。どの部分もセンスはあって感心するのだが強い印象には残らない。

3つの英雄的行進曲 1818-24 4手 D602

ピアノ小品 イ長調 1816-17 D604
3.0点

ロマンチックさを秘めており、はっきりしない密やか感情がふわふわと揺らぐような小品。

行進曲 ホ長調 1818? D606

ロンド ニ長調 1818 D608
3.3点

ロンドの主題にシューベルトらしい柔らかくて夢のような美しい魅力があるので楽しめる曲。

アダージョ ホ長調 1818 D612
2.5点

センチメンタルな曲盛り上がった想いを即興演奏したものをそのまま書き留めたような曲。巨匠らしさは感じない。

大ソナタ 変ロ長調 1818 4手pf D617
3.5点

明快で陰がない曲。シューベルトらしい純度の高さと透明感と優しい手触りを単純に楽しんで聴ける。冗長でなく、割と引き締まった内容である所も良い。

幻想曲 ハ長調 『さすらい人』 1822 D760
4.0点

4楽章がつながっていて20分。リスト的な外面的な華やかさを持つシューベルトには珍しい作品。英雄的で勇壮で力強く、ピアノは技巧的であり聴いていて楽しい。精神的にも自由で広々とした精神的世界を旅するような趣がある。形式の自由さとテクニック的な楽しさを存分に聞かせる音楽として、リストに大きな影響を与えていると感じる。そして音使いのセンスに優れているだけあって、エンターテイメント的にかなり楽しめる音楽となっている。

楽興の時 1823-28 D780
4.0点

シューベルトの良さがよく現れている6曲の曲集。簡潔な書法の中に、静けさと歌心、メロディーの柔らかく儚い美しさが現れていて魅力的である。最後の締めが良いため、全曲を聴くと実にいいものを聴いたと満足感を得られる。とは言え書法の簡潔ゆえの物足りなさもなくはない。

ソナタ ハ長調『大二重奏曲』 4手 1824 D812
3点

シューベルトらしい曲。完成度はなかなかで大規模。
しかし、特記するべき特徴は感じなかった。

幻想曲ヘ短調 4手 1828 D940
4.5点

切なく奥ゆかしい悲しみに満ちた主題が大変に魅力的である。純粋なる美を湛えたその主題を何度も繰り返しながら、魅力たっぷりに場面展開していく。主題が何度も再現するたびに胸が締め付けられそうになる。主題以外も、全ての場面が音楽的な密度の高さを持っており、聴くものの心を強く捉えて離さないような歌心に満ちていて隙がないことから、シューベルトのピアノ音楽の中でも最も魅力的な曲の一つであることは間違いない。連弾曲ということで聴くのを避けては絶対にいけない曲である。

3つのピアノ曲 1828 D946
3.8点

1曲目と2曲目は、晩年らしい充実感であり、諦観や歌心などシューベルトらしい素晴らしさにあふれている佳曲。ただし、少し長いので曲を把握しにくいところがある。3曲目は早いテンポでソナタの最終楽章のような曲想であり、やはりシューベルトの最終楽章がとってつけたようで面白くないという弱点はそのままこの曲にも当てはまる。

アレグロ イ短調『人生の嵐』 4手 1828 D947

4つの即興曲 1827 D899

第1曲
4.5点

ハ短調の悲劇的な主題による変奏曲。はかなく切なく美しい心に強く訴える主題が、変奏しながら何度も切なく繰り返し演奏される事で深く心をえぐられる。短調と長調の交代が絶妙であることが、大変な効果を発揮している。

第2曲
4.0点

主題はショパン的な華麗さと軽やかさを持っている。挿入部分が対照的な短調の悲しい歌であり、絶妙な効果を挙げているため、全体にまとまりが良く演奏効果が高い曲になっている。

第3曲
4.0点

軽やかながらもしっとりとした歌心に満ちた曲。特に対比される部分による変化が無いのため間奏曲のような雰囲気ではあるのだが、そんなことは関係なく、メロディーも伴奏も完璧に美しく素晴らしく、強く心に感動を与える。

第4曲
4.0点

2曲目と同様のショパン的な軽やかなパッセージによる主題が魅力。中間は暗い旋律的な場面で強い対比を与えている。中間部分はわりと長いため、一度没入してしまった所で軽やかな冒頭に戻る。


4つの即興曲 1827 D935

曲集全体
4.0点

全体で一つの巨大なソナタのような構築性がある曲集。全体を通しでし聴くと素晴らしい大作であるが、個々の曲の良さはD899に負けると思う。

第1曲
3.5点

優雅でおおらかで幻想的。広大な空間の大きさを持っていて、心をあちこちに連れて行ってくれる。4曲セットのこの曲集の開始として素晴らしい雰囲気を作っている。印象的なメロディーではないので単独での名曲性は高くないが、大規模な曲の冒頭曲として優れている。

第2曲
3.8点

1曲目と違い、歌謡性のある曲で聞きやすい。優雅さとメヌエットのような舞曲性と重厚性を兼ね備えており、優れた曲。

第3曲
4.0点

儚く美しいメロディーを味わい尽くせる変奏曲。サロン的な上品な聴きやすさが優勢だが、シューベルトらしい陰もあり深みもある素晴らしい曲。

第4曲
3.3点

跳ねるようなリズムに民族的な味がある。豊富な時間を使って即興的な驚きのある展開を見せる面白さ、主題の面白さで楽しめる作品。とはいえ、最終楽章の苦手は払拭しきれていない印象はどうしても残ってしまった。

歌曲

歌曲集「美しき水車小屋の娘」(20曲) D795, Op.25 (1823)
4.3点

冬の旅と比較すると、心を揺さぶるような深い曲は少ないが、明朗で生き生きとして、青春の輝きに満ちているとともに、話のストーリーがあるのが特徴。最後の2曲の文学的な美しい締めくくり方は最高である。冬の旅と比較して曲の出来が平均的であり、ものすごい名作は少ないが、ほとんどの曲が最後まで聴きたくなる。リート作者としてのピアノと歌唱による表出力の才能の高さには脱帽するしかなく、まさに天才である。10曲目が好き。最後の20曲目は最高であり、感動で胸がいっぱいになる。

歌曲集「冬の旅」(24曲) D911, Op.89 (1827)
4.5点

1曲目から哀しい叙情の素晴らしさに心を奪われる。暗くしんみりした曲が多い。しかし鬱屈せずに輝きと静寂のなかにドラマを持っている。ピアノの表情の豊かさと詩情、次から次へと現れるシューベルトの天才的なメロディーは凄みがある。曲のつながりがよいし、短い曲も多いので聴きやすい。正直全てが名曲という訳ではないと思う。自分がリートに慣れていないせいかもしれないが、途中で次の曲に行きたくなる曲も3分の1位ある。しかし、強く心を揺さぶり、最後まで聞きほれてしまう曲も3分の1位ある。シューベルトの才能が最も端的に結晶している傑作であり、器楽曲が好きになったらぜひ聴いてみるべきと思う。

歌曲集「白鳥の歌」(14曲) D957,965A (1828)
3.8点

前半7曲は無名の詩人の詩によるもの。有名な4曲目のセレナーデこそ素晴らしいが、その他はあまり良いと感じない。後半は6曲がハイネ。非常に劇的で大胆なのに驚く。ロマン派的な世界により近づいており、凄みがある。かなり暗い。最後の一曲はまた無名の詩人による曲で毛色が違い、明るくて天真爛漫であり、ハイネでどんよりした気分を癒やして明るくしてくれる。この曲はシューベルトの絶筆だそうだが、非常に感動的で、この曲集で一番好き。本人が歌曲集として編纂したわけではなく、一つの連作歌曲と呼ぶにはまとまりが無いと思う。

https://classic.wiki.fc2.com/wiki/シューベルト

19. 中川隆[-17345] koaQ7Jey 2021年8月08日 09:24:45 : nuwvXQTCPk : UGxwQzNyckhmQWc=[19] 報告
最美の音楽は何か? _ シューベルト『交響曲第8番ロ短調 D 759 未完成』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/262.html

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史3掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史3掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
近代史3掲示板  
次へ