日本株全面安、米国株急落でリスク回避鮮明に−日経平均1000円超安も 長谷川敏郎 2018年10月11日 7:59 JST 更新日時 2018年10月11日 15:38 JST • 米S&P500種は2月来の大幅安、恐怖指数も跳ね上がる • ドル・円は1ドル=111円台へ円強含み、主要指数半年ぶり下落率 11日の東京株式相場は大幅反落し、主要株価指数の下落率は約半年ぶりの大きさとなった。米国金利の高止まりや貿易問題への懸念で米国株が急落し、リスク資産のウエートを落とす世界的な動きが波及した。電機や石油、化学、情報・通信株など広く売られ、東証1部33業種は全て安い。 TOPIXの終値は前日比62ポイント(3.5%)安の1701.86、日経平均株価は915円18銭(3.9%)安の2万2590円86銭。下落率はともに3月23日(TOPIX3.6%安、日経平均4.5%安)以来の大きさ。 アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェローは、「米国株下落は何か一つの材料というより、中間選挙前にポジションを軽くしたい時期に差し掛かる中、テクノロジー株などを巡る米中摩擦や米金利上昇、VIX上昇を機に利益確定売りやクオンツ売りが重なった」と分析。株価急落で米景気が減速に向かうわけではないが、「これだけ大きな下げになると、日米株ともすぐに戻るのは難しい。しばらく方向感が出にくく、企業業績の発表を待つしかない」と言う。 東証内 Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg 10日の米国市場では、10年債利回りが一時3.24%と高止まりする中、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.5%安、FANG+指数は5.6%安など時価総額上位銘柄に売りが広がり、S&P500種株価指数も3.3%安と8カ月ぶりの大幅安となった。米国株投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は44%上昇の22.96と4月2日以来、債券版VIXのメリルリンチMOVEも55.7と6月12日以来の高水準となった。 きょうのドル・円は一時1ドル=111円台と、前日の日本株終値時点112円98銭からドル安・円高が進行。こうした中で日本株は大きく下げて始まり、中国上海株の急落や米S&P500種Eミニ先物の下げ拡大を受け、午前半ば以降に再度売り直された。米国は中国との通商協議の一環として人民元について議論したい考えだとムニューシン米財務長官が述べた、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じる材料があった。 野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、最近の米金利の上昇傾向は「景気の良さから当局が中立金利を超え、政策金利を上げるかもしれないとの観測が背景。市場は3.24−3.25%あたりを一つの閾値(しきいち)として認識しているなら、いったんは株と債券との利回り縮小から株式の割高感が意識されやすくなる」と指摘した。米中通商問題も、「米国が中国に対し為替操作国と公言するようなら、米中対立はさらにエスカレートしやすい。貿易戦争の広がりにつながるなら、世界経済に対するリスク」とみる。 TOPIXは一時9月13日以来の1700ポイント割れ、日経平均は一時1047円安と日中ベースでは2月6日の1603円に次ぐことし2番目の下げ幅を記録した。終値水準はTOPIXが9月12日以来、日経平均が同10日以来の安値。 日本株の調整についてはこちらをご覧ください • 東証1部33業種は石油・石炭製品、鉱業、機械、精密機器、非鉄金属、証券・商品先物取引、電機、ガラス・土石製品、化学、海運などが下落率上位 • 売買代金上位ではソフトバンクグループやソニー、任天堂、三菱UFJフィナンシャル・グループ、資生堂が安く、中国の減速で通期利益計画を下方修正した安川電機も大幅安 • 半面、ドンキホーテホールディングスは逆行高、ユニー・ファミリーマートホールディングスがドンキホHに対し株式公開買い付け(TOB)を実施、20%を取得するとしており、1株6600円のTOB価格にさや寄せした • 東証1部の売買高は19億5248万株、売買代金は3兆7587億円と代金は前日から4割以上増えた、値上がり銘柄数はわずか56、値下がりは2050に達した 9月急騰分が消えた、米くしゃみで日本株の調整急−2万2500円攻防 長谷川敏郎 2018年10月11日 14:35 JST • 米国のイールドスプレッドは株価割高示唆、アロケーション調整も • チャート分析、上昇維持か一段調整か正念場と市場関係者 順調に上昇トレンドを続けてきた米国株に変調の兆しが出て、11日の日本株は日経平均株価の日中下げ幅が2月6日(1603円)に次ぐことし2番目を記録した。相場の先行きは米長期金利の動向次第とみる市場関係者が多い中、当面は2万2500円を維持できるかどうかが焦点となっている。 10日の米国市場では、10年債利回りが一時3.24%と高止まりする中、主要な半導体関連企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4.5%安と2月5日以来、グロース銘柄の象徴であるFANG+指数も5.6%安と3月27日以来の下落率となった。米国株投資家の恐怖心理を示し、変動性の指標であるシカゴ・ボラティリティー指数(VIX)は44%上昇の22.96と半年ぶりの高水準に達した。 街頭の株価ボード前(イメージ) Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/ Bloomberg News 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「米国では週間ベースで先週末に10年債利回りとS&P500種株価指数の益回りとのイールドスプレッドがマイナス2.78%と1月以来の水準まで上昇し、株価の割高感から調整となった」とみている。米債市場が一定水準を付けたた9日の取引を受け、「投資家はアセットアロケーションを再計算し、翌営業日に株売りを出すことが10日の米株調整につながった」と言う。 11日の東京株式市場ではTOPIXが1700ポイント、日経平均が2万3000円の心理的節目を割り込み、両指数は9月上旬をボトムとした上昇相場をほぼ帳消しにした。チャート分析上も、日経平均は投資家の短期売買コストを示す25日移動平均線、中期の75日線を次々下回り、「2万2500円を維持できるかどうかが焦点。ここを維持できれば、上昇トレンドは維持できるが、割り込むと調整が深刻化しやすい」と平川氏は予想した。 野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「金利と株が互いに落ち着きどころを探る中、市場は3.24−3.25%当たりを一つの閾値(しきいち)として認識しているなら、いったんは株と債券との利回り縮小から株式の割高感が意識され、調整圧力がかかりやすい」との見方だ。同時に10日の米市場で株安が進んだ半面、10年債利回りは低下したことにも言及、「資産市場全体から資金は流出しておらず、金利と株のバランスは依然働いている。マーケットが日柄をかけ、手探りし、消化していくというのが考えられるストーリー」と話す。 水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネージャーは、「当面は金利上昇への警戒で不安定な相場が続きそうだが、日本株は9月以降の上げが帳消しとなったことで短期急騰分のガス抜きはかなり解消されてきている」と指摘した。「企業業績ではまだ陰りがみられないことから、業績面が見直されれば、現水準からの下値は買い場とみて良いのではないか」と分析している。 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 関連ニュース 1. 日本株全面安、米国株急落でリスク回避鮮明に−日経平均1000円超安も 2. ドルは一時112円割れ、世界的な株安でリスク回避の円買いー下値限定 3. ユニファミマ、ドンキホーテにTOB実施、2120億円で20%取得へ 4. リセッション見越して中小型株処分売りは大間違い、JPモルガンが分析 5. 【個別銘柄】決算失望の安川電急落、証券株安い、ドンキホHは逆行高
日本証券クリアリング機構、緊急取引証拠金を発動 2018/10/11 15:47 保存 共有 印刷 その他 日本証券クリアリング機構は11日、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)を対象とした先物取引とオプション取引ついて、「緊急取引証拠金」を発動した。証券会社に証拠金の納付を追加で求める。 11日の株価急落を受けて発動した。証券会社は当日の午後4時までに自社のポジションに応じて追加で証拠金を差し入れる必要がある。指数先物取引で発動したのは2月初旬の株価急落「VIXショック」以来。2015年8月の中国株の下落(チャイナ・ショック)を受けた株安局面でも発動された。 類似している記事(自動検索) 日経平均、堅調か 米株高を好感(先読み株式相場) (2018/9/19 8:11) 長期金利、0.120%に上昇 「緊急証拠金」2年ぶり発動 (2018/8/1 15:04更新) 米中摩擦の激化観測が重荷(先読み株式相場) (2018/7/11 8:22) 中国リスク、下げの連鎖 海外勢「15年の急落」警戒 (2018/7/2 19:52) ビットコイン下げ加速 5日で4割超 (2017/12/22 20:30)
トランプ氏:急落は「異常」なFRBが原因、対中貿易戦争でない Justin Sink、Shannon Pettypiece 2018年10月11日 14:32 JST ? トランプ大統領はFOXとのインタビューでも米利上げを批判 ? 2月以来の米株大幅安に通商協議停滞は「問題ではない」と大統領 トランプ米大統領は10日、今年利上げを続けている米連邦準備制度を「異常だ」と批判した。米株式相場がこの日、2月以来の大幅下落を演じたのを受けてコメントした。 トランプ大統領は10日夜のFOXニュースとの電話インタビューで、相場急落はトランプ政権と中国との通商対立が理由ではないと言明。「私が問題視するのは連邦準備制度だ。彼らは正気を失い、金利を上げている。ばかげたことだ」と語った。 さらに、通商協議の行き詰まりは「問題ではない」と述べ、「私見では、問題は連邦準備制度にある。彼らは異常だ」と語った。 トランプ大統領はこの日早く選挙集会のためペンシルベニア州に到着した際にも連邦準備制度を批判。「彼らは非常に引き締めている。常軌を逸した」と述べ、株価急落については「われわれが長く待ち構えていた調整だ」と発言していた。 連邦準備制度理事会(FRB)のミシェル・スミス報道官は、トランプ大統領の発言についてコメントを控えた。 トランプ大統領は「FRBは常軌を逸した」と発言 (出所:Bloomberg) 原題:Trump Says Blame ‘Loco’ Fed, Not China Trade War, for Sell-Off(抜粋)
ドルは一時112円割れ、世界的な株安でリスク回避の円買いー下値限定 池田 祐美 2018年10月11日 11:54 JST 更新日時 2018年10月11日 15:40 JST • 一時111円97銭と9月18日以来の水準まで下落後は値を戻す • ドル・円、リスクオフで下落も調整良いところまで来たーCIBC証 東京外国為替市場のドル・円相場は一時約3週間ぶりに1ドル=112円台を割り込んだ。米中関係悪化や米金利高への警戒感などを背景に、前日の米国株が急落し、この日の日本株・アジア株も大幅安となるなど世界的な株安を受けて、リスク回避の円買いが優勢となった。 11日午後3時23分現在、ドル・円は前日比0.1%安の112円21銭。朝方に付けた112円31銭から、一時111円97銭と9月18日以来の水準までドル安・円高が進んだ。その後は下げ渋る展開となった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%低下の1187.38まで下げた。 CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円について「米国株急落を受けてリスクオフの円買いで下げてきたが、調整としてはいったん良いところまで来ており、昨日からの下げに対して買い戻しも入りやすい状況」と指摘。「米国株はきょう、あすはまだ不安定かもしれないが、来週には企業決算が始まる。そこまで悲観的な見方は聞こえておらず、徐々に状況を好転させていく可能性が高い」と語った。 10日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比831.83ドル(3.2%)安の25598.74ドルで終了。11日の日経平均株価は大幅反落し、915円18銭(3.9%)安の2万2590円86銭で引けた。アジア株式も全面安で、中国上海総合指数は一時5.7%安まで下げ、2014年11月以来の安値を付けた。 一方、米長期金利は9日に約7年ぶりの水準となる3.259%まで上昇した後は低下に転じ、この日の時間外取引では3.142%まで水準を切り下げた。 しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、「米国株もドル・円もいったん上値を見た感が強い。大きく見れば110−114円のレンジの期間に入る」と分析。「米長期金利が3%を割ってくれば、もう少しドル・円は下に行くだろうが、まだ3.1%台。ドルの底値は限定されるだろう。基本的に12月の米利上げを念頭に相場が動くので、下は111円20銭ぐらいが良いところ」と述べた。 トランプ米大統領の発言に関する記事はこちらをご覧下さい。 ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.1549ドル。一時1.1572ドルと3日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。ポンド・ドル相場は0.1%高の1ポンド=1.3215ドル。一時1.3244ドルと9月21日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEUの首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏が、合意は手の届く範囲にあると発言したことがユーロやポンドの支えとなった。 ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「英国のEU離脱交渉の話は日替わりだが、昨日のバルニエ発言は良い方向の話で、ポンドやユーロの上昇によるドル売りが出ている」と述べた。 ジャンク債投資家も動揺−4日で6060億円流出、ETFが中心 Gowri Gurumurthy 2018年10月11日 9:48 JST 4日から9日にかけての流出額はここ数カ月で最大規模 ベンチマーク指数の利回りも過去3カ月で最高水準に上昇 ジャンク債の投資家の間で、金融市場の広範な売りに伴う不安が高まりつつある。 JPモルガン・チェースが10日のリポートでリッパーのデータを引用したところでは、投資家は今月4日から9日にかけて高利回り債ファンドから54億ドル(約6060億円)の資金を引き揚げた。同様の期間の資金流出額としては過去2番目に大きかった2月(63億ドル)以降で最大だった。 上場投資信託(ETF)を中心に資金が引き揚げられ、SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド債ETFは9日に1月以来で最も多額の資金が流出した。iシェアーズ iBoxxハイイールド社債ETFも1日としては過去最大の流出額を先週記録した。いずれのETFも10日は市場価格が2016年11月以来の安値水準で取引された。 米国債利回りが7年ぶりの高水準に上昇し、ブルームバーグ・バークレイズ米国ハイイールド社債指数が過去4営業日にわたり下げる中で、高利回り債ファンドから資金逃避が起きた。同指数の利回りも過去3カ月で最高水準の6.50%に急上昇した。ブルームバーグが集計したデータによれば、高利回り債のクレジット・デフォルト・スワップ指数も4カ月ぶりの大幅な低下に見舞われ、7月5日以来の低水準となった。 ブルームバーグ・インテリジェンスの高利回り債ストラテジスト、ノエル・ヘバート氏は「企業利益がやがて問題となろう。追い風が消え、既に最大限のバリュエーション(評価)や関税といった逆風下にあって、株価が打撃を受ければ、テクニカルが良好でも、高利回り債は悪影響を受けるだろう」と指摘した。 Cash Cascade Biggest high-yield bond ETFs saw acceleration in outflows this week 原題:Junk-Bond Slump Spreads as Investors Yank Billions From ETFs (1)(抜粋)
リセッション見越して中小型株処分売りは大間違い、JPモルガンが分析 Joanna Ossinger 2018年10月11日 8:06 JST • 中小型株はピーク前と底打ち後に大型株をアウトパフォーム • こうしたリターンがリセッション時のアンダーパフォーマンスを圧倒 Photographer: Bloomberg/Bloomberg リセッション(景気後退)前後に中小型株を避けることは大きな間違いかもしれない。 JPモルガン・チェースのストラテジスト、エドゥアルド・レクバリ氏らはリポートで、米国の中小型株は歴史的に、リセッションに絡む下落局面で大型株に対してアンダーパフォームしてきたが、その差は景気サイクル全体を通じた中小型株の秀でたリターンに比べるとかすむと分析。景気後退局面は差し迫っていないが、予想より早くリセッション入りする場合に備えてリスクを抑制するよう投資家に促していると述べた。 JPモルガンの分析によれば、過去5回のリセッションを振り返ると、ラッセル2000指数の高値から底打ちまでの平均下落率は39.2%。これに対しS&P500種株価指数は34%だった。 しかし、ピーク前の1年間と底打ち後の1年間のパフォーマンスでは、中小型株が大型株をはるかに上回る。ラッセル2000指数のリターンはS&P500種をピーク前で18.2ポイント、底打ち後で30.4ポイント上回った。ストラテジストらはリポートに、「リセッションを見越して中小型株を避けるのは損をする戦略だ」と記した。 原題:JPMorgan Says Dumping Small Stocks at Recessions a Huge Mistake(抜粋) 株、一時1000円安 中国株安で強まる不透明感 証券部 坂部能生 2018/10/11 15:41 日本経済新聞 電子版 日経平均株価は午後の取引にかけて一段安となった。下げ幅は一時1000円を超え、節目の2万2500円を割り込む場面もあった。日経平均の終値は前日比915円18銭(3.89%)安の2万2590円86銭。下げ幅は3月23日以来半年ぶりの大きさだった。 午後に下げ幅を広げるきっかけとなったのは中国株の下落だ。2015年の人民元安ショック後の安値を割り込むと、海外投資家とみられる売りが膨らんだ。荒れ相場は当面継続するとの見方が出ている。 画像の拡大 「中国株の下げをみた海外のヘッジファンドが日本株にも売りを出した」。大手証券会社のトレーダーはこう解説する。中国の上海総合指数は11日、一時、前日比5%安となり、2014年11月以来約4年ぶりの水準まで下落した。コマツや花王、ファナックといった「中国関連」とされる銘柄は午後の取引時間中にこの日の安値を付けた。 市場では中国景気の先行きに対する不透明感は強まっており、米国株の急落をきっかけに中国株も下落。さらに日本株にも波及した。10日に今期の業績見通しを下方修正した安川電機では、中国の投資見合わせも重荷となった。 この日、株安はアジア全体に広がり、台湾市場でも主要な指数が6%安と約1年半ぶりの水準まで下落した。史上最高値を更新していたインド株も下げがきつい。ベトナムや韓国の株価も大きく下げている。 下値では押し目買いが入り、取引終了にかけてはやや下げ幅を縮めた。ただ、大和証券の北岡智哉チーフストラテジストは「経験則では急落から最低1カ月は相場が荒れやすく、警戒する必要がある」と話す。大手証券のトレーダーは「米国株が落ち着くまでは、積極的に株を買えない」とこぼしていた。 ビジネス2018年10月11日 / 15:30 / 2時間前更新
焦点:日経平均一時1000円安、グロース銘柄の「マグマ」噴出 3 分で読む [東京 11日 ロイター] - 日経平均.N225が一時1000円安となった。米金利の上昇で割高感が意識された米国のグロース銘柄への投げが止まらず、米ダウ.DJIが急落。トランプ米大統領による米利上げけん制発言や安川電機(6506.T)の業績予想の下方修正も不安心理を増幅させた。ファンダメンタルズを拠りどころとした日本株の上昇期待に逆風が吹きつけた形となり、さらなる株安に備える動きも出ている。 <流動性枯渇が一因か> 「マグマがいつ噴出してもおかしくはなかった」。野村証券のクオンツ・ストラテジストの高田将成氏は、10日のダウ急落の契機として、ハイテク・IT関連など成長期待の高いグロース系銘柄に積みあがったロング・ポジションの巻き戻しを挙げる。グロース系銘柄から、バリュエーションの低いバリュー銘柄への資金シフトが粛々と進んでいた中、この日に「駆け込み的な」グロースの投げが出たという。 一般的に低金利環境下の株式市場では、投資家の資金はグロース銘柄に流入する傾向がある。だが、10年米国債利回りUS10YT=RR>は9日に一時3.26%台まで上昇。米国のインフレ懸念が高まる中、グロース銘柄に流入した資金が逆回転を起こしつつあった。 10日のグロース株の急落は全体相場に波及し、ボラティリティーが上昇。リスク・パリティー系ファンドやCTA(商品投資顧問業者)の機械的な売りにつながったとみられている。 野村証の高田氏は「類似の事例は2007年の『パリバショック』。当時もファクター間の変動がマーケットの流動性枯渇につながった。一部ヘッジファンドの破綻の可能性も否定できず、調整が長引くリスクもある」とみる。 また、この日はトランプ米大統領が利上げを続ける米連邦準備理事会(FRB)に対し、「異常」だと発言。改めて中央銀行の政策を批判したことも、米国株の急落を目の当たりにした投資家の不安心理を強めた。 中央銀行の独立性が脅かされ、実体経済に対し利上げが遅れる「ビハインド・ザ・カーブ」の状況となれば、米金利がさらに上昇し、株価の調整が深まるリスクが高まる。 JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は「余計な財政出動など大統領自らがまいた種で景気が拡大し、インフレ懸念が強まり米金利の上昇につながった。景気がスローダウンした時の責任を全てFRBに押し付けしようとしているのはトルコと同じ」と話す。 <リビジョン指数はマイナス圏> 日本株の支えとなっていた企業業績に対しても、暗雲が漂い始めつつある。東証1部上場銘柄の9割以上が値下がりする全面安商状となる中、安川電機(6506.T)は一時7%安。年初来安値を更新した。 同社は前日に19年2月期の業績予想の下方修正を発表。想定為替レートを1ドル105円から110円と円安方向に見直したにもかかわらず、中国のスマートフォン関連需要の一服や半導体関連の設備投資の弱含みを受け、業績予想の引き下げを迫られた。 9月日銀短観での大企業・製造業の2018年度の想定為替レートは107.40円。足元のドル/円JPY=は112円台と、実勢レートは円安水準にある。だが、安川電機の決算発表を受け、円安による業績押し上げ効果に対する過度の楽観ムードは後退しつつある。 アナリストらによる業績予想も、慎重な見方が継続したままだ。データ・ストリームによると、企業業績に対するアナリスト予想の変化を示す「リビジョン・インデックス」は、TOPIXでマイナス1.06%(10月10日時点)。2月以降はゼロ%を挟んだ動きが続いていた。 米S&P500.SPXはマイナス0.85%。今年7月以降はプラス圏で推移し、上昇する局面があったが、10月に入り再びマイナス圏に転じた。 同インデックスは、アナリストらによる業績予想の上方修正数から下方修正数を引いたものを、全予想数で割って算出。下方修正数が上方修正数を上回ればマイナスになる。現状では日米ともに市場側は、業績の先行きに対しなお慎重な見方であることを裏付ける。 <プット買い膨らむ> ミョウジョウ・アセット・マネジメントCEOの菊池真氏は「半導体業界と中国市場の減速は当然、安川電機にだけ影響がある話ではない。昨年大きく増加した受注が下向きのトレンドとなったところに、米中貿易戦争が追い打ちを掛けている」と指摘。「時価総額でみると、景気敏感株が全体に占める割合は米国よりも日本は高く、米国株と比べ見劣りする形となりやすい」と話す。 オプション市場では、きょうが10月限のSQ(特別清算指数)算出前の最終売買日。期先の11月限は権利行使価格帯2万1000円のプット(売る権利)の出来高が膨らんだ。「米VIX指数.VIXの20超えは『危険水域』。日経平均も7月安値までの調整はあり得るとの見方から、プット買いが膨らんだ」(国内証券トレーダー)という。 外為市場では、近く米財務省が発表する見込みの為替報告書に対する関心が強まっている。日米間では物品貿易協定(TAG)の協議入りが決まったが、なお米国が為替を通じ日本に圧力を掛けるシナリオへの警戒感は解けていない。円高が進み業績懸念が強まれば、当然ながら日本株を取り巻く環境も厳しさを増していく。 Yaskawa Electric Corp 3020.0 6506.TTOKYO STOCK EXCHANGE -195.00(-6.07%) 6506.T 6506.T.SPX 長田善行 編集:田巻一彦
トップニュース2018年10月11日 / 11:45 / 37分前更新 焦点:米株が急落、市場で広がる「調整局面」突入懸念 Noel Randewich 2 分で読む [10日 ロイター] - 10日の米国株急落を受け、投資家の間では調整局面突入を懸念する声が広がり始めた。 株式市場の調整局面は高値から少なくとも10%下落した場合と定義されることが多い。一方同日のS&P総合500種指数.SPXは、米国債利回りの上昇や米中貿易摩擦の激化を巡る懸念から、前日比3.29%下落。1日の下落率としては今年2月以降で最大となり、9月20日に更新した過去最高値からは約5.0%下がった。 ブルダーマン・アセット・マネジメントの副会長兼チーフ市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「恐らく調整局面の始まりだ。最終的には業績次第で、大きく懸念されるのは第3・四半期決算の結果ではなく、第4・四半期と(来年)第1・四半期の業績見通しがどうなるかだ」と語った。 10日はS&P情報技術株指数.SPLRCTが4.77%下落し、2011年以降で最大の下げを記録した。このため近年の株高をけん引してきたハイテク部門で、調整局面に入る事態がひときわ強く心配されている。 こうした中、トランプ米大統領は遊説先のペンシルベニア州で記者団に対し、利上げを続ける米連邦準備理事会(FRB)は「狂ってしまった」と指摘。株式相場は「長く待たれていた調整だが、FRBがやっていることには賛同できない」と述べた。11月6日の中間選挙を控えたトランプ氏や与党・共和党にとってみれば、有権者の退職貯蓄を直撃する株価下落はまさに最悪のタイミングと言える。 投資家も、FRBがどこまで積極的に利上げするかはらはらしており、FRBが歴代の議長の下で運営してきた政策手法で今後も市場を下支えするかどうかに懐疑的な見方も出ている。 S&P総合500種指数は2月上旬、前月の高値から10%下落して10年にわたる強気相場が終了するとの懸念が強まったが、大規模な法人税減税の効果や景気拡大に支えられ、米国株は持ち直して9月下旬には年初来に約10%高となった。だがその後は、米長期金利の上昇と通商政策を巡る不安から、投資家は安全資産に逃避した。 ビラー・アンド・カンパニーのポートフォリオマネジャー、サンディ・ビラー氏は「金利が上昇する際、過熱している景気に冷や水を浴びせることがあり得る。それこそが現在、起きている出来事のように見える」と話した。 米国株は2009年3月に始まった強気相場が過去最長になったと幅広く考えられている。 ガレーン・キャピタル・パートナーズのマネジングパートナー、トリップ・ミラー氏は「市場は強気相場が10年続き、その間に10%の調整はほとんど視野に入ってこなかったし、その節目が近づくたびに相場は反発してきた。今回、従来と異なるのは、10年債利回りがずっと高い水準になっている点で、市場は遅ればせながら調整を迎えつつあるのだと思う」と述べた。 <業績見通し次第> S&P総合500種指数が長期にわたる下落局面に入るかどうかは、企業が向こう数週間で発表する四半期決算で示す業績見通しに左右される。 I/B/E/S業績予想によると、S&P総合500種企業の1株当たり利益(EPS)は第3・四半期は前年同期比21%増、第4・四半期は20%増と見込まれている。 だが2019年は、今年開始された大規模な法人税減税の実施から1年が経ち、企業が今年ほどの大幅増益を再び達成できる公算は小さい。 企業経営陣の決算発表に伴う会見では、トランプ大統領の対中通商政策が各社の事業にどのような影響を及ぼすかについての具体的な見通しも出てくる。 また11日に発表される9月の消費者物価指数(CPI)で、FRBがこれまでの予想より急速に利上げを進めるとの懸念が広がるかもしれない。 アリアンツ・グローバル・インベスターズ(ニューヨーク)の米国投資ストラテジスト、モナ・マハジャン氏は「市場は、金利の上昇が最終的に住宅ローンや自動車ローン、学生ローンの金利(押し上げ)という形で実体経済に浸透する可能性を消化しつつある。現在見られるのは、市場が今後の成長が下振れする恐れに備えている姿だ」と語った。
トップニュース2018年10月11日 / 07:40 / 6時間前更新 日米で株価大幅安、円高が進行:識者はこうみる 4 分で読む [11日 ロイター] - 米国株式市場は下落して10日の取引を終えた。S&P500総合は2月8日以来の大幅安。米債利回りの上昇を背景にリスク選好度が低下する中、ハイテク株を中心に売られた。為替も円高方向に振れたことを受け、日経平均株価は一時800円超安となった。市場関係者のコメントは以下の通り。 <三井住友トラスト・アセットマネジメント シニアストラテジスト 上野裕之氏> 米国株の大幅安の背景と言われている米中貿易摩擦や米金利上昇は昨日に始まった話ではない。ダウは先週にかけて史上最高値を更新し、やり過ぎ感が出ている中、調整のきっかけに使われた。引けにかけては利益確定やアルゴリズム取引による機械的な売りも下げ幅を拡大する要因になったと思われる。 日経平均は海外の流れを引き継ぐ形で全面安となり、一時800円を超える下げとなったが、下がれば買いたいという向きも多い。これから発表が本格化する企業決算はそれほど悪くないだろうし、ドル/円も企業の想定レートに比べて円安水準で推移していることを考えれば、日本株が一段と崩れていく要素はなさそうだ。2万2000円を割り込む展開は想定しにくい。 前日、安川電機(6506.T)は2019年2月期の業績予想を下方修正した。中国関連と設備投資関連が両方絡むような銘柄はしばらくきついだろう。業種別では不動産や食品など内需・ディフェンシブ系が相対的に資金の置き場として選好されやすい。 <JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト 重見吉徳氏> 米連邦準備理事会(FRB)の利上げに対し、トランプ米大統領が反対するような発言を続けている。米国株自体は高い位置にあり、どこかで調整をしなければならなかった。財政出動の効果も、どこかではく落する。景気がスローダウンしたときに、誰のせいにするのかといった時、中央銀行のせいにするのではないかと考えていたが、全てをFRBに押し付けようとしている感覚がある。米国の長期金利の上昇を促した根底にあるのは中央銀行の政策というより、景気の過熱感と財政出動によるインフレ懸念だ。 米中間選挙までは米金利の動向を注視する相場が続きそうだ。トルコと同様、トランプ米大統領の中央銀行に対する発言でマーケットがネガティブに反応しやすい。これまでテックブームを背景に米国株が動いていた部分もあったが、ハイテクセクターにポジションが傾いていた。以前と比べ警戒感も高まっている。米国株は下げが大きかっただけに、チャートだけをみれば若干の戻りはあるかもしれないが、当面は上値の重い展開が続きそうだ。 <FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏> 金融市場では、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを積極的に推進していくという予想が根強く、米長期金利を押し上げていた。 しかし、こうした利上げ予想は、結果的に米株式市場にネガティブな材料として意識されはじめ、昨日の米国株急落につながった。また、ちょうど米企業の決算時期と重なり、米企業が自社株買いを行いにくいタイミングであることも影響したとみている。 ドル/円については、つい先日まで市場参加者の目線は114円、115円と上向きだったが、短期的には111円半ばから113円程度と下向きにレンジが調整されたとの見方をしている。 最も懸念するのは、米国と中国の緊張関係だ。両国のいがみ合いは貿易問題を超えて、お互いの体制にまで及んできたという印象がある。このままいけば、中国経済が痛手を受け、中国経済の減速により、米国経済も痛手を受けるという悪循環に陥っていきそうだ。 為替市場では、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)という不透明要素も残っている。 現時点ではブレグジットに対して楽観的な見方が広がっているが、いつ悲観的なものに転換してもおかしくないとみている。 ブレグジットにまつわる悲観が台頭すれば、ポンド売り/円買いのうねりが起こり、対ポンドでの円買いが対ユーロや対ドルに波及すると予想され、ブレグジットがらみの円高リスクについても注意が必要だ。 <トウキョウフォレックス上田ハーロー 営業推進室長 阪井勇蔵氏> ドルは早朝112.10円まで下落し、3週間ぶり安値を付けた。 足元でのドル/円の急落は、米国株の大幅下落によるリスク回避の円買いと、米長期金利の急低下を背景とするドル売りが組み合わさった、ダブル効果によるものだ。特に、円では投機筋が保有する先物の円売りポジションが11万4000枚(2日時点)と前週から35%も膨らんでいただけに、円を買い戻す余力がまだ十分残されているとみられ、111円台も照準に入っている。 今回の株価の調整については意外感が少ない。米国株は10月初旬まで連日最高値を更新しており、こうした一本調子の上昇の反動がいずれ来ると多くの投資家は予想していた。米長期金利が低下したのも、株からの逃避資金が流入したためだろう。トランプ大統領が指摘するように、一時的な調整の範囲内で収まるかもしれない。 一方で、米国の中国のいさかいについては、今後も株式や債券市場にとって引き続きネガティブな材料となりそうだ。 9日に発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、米国と中国の貿易摩擦悪化を背景に、2019年の世界全体の実質経済成長率の予想を3.7%と、7月時点から0.2%ポイント引き下げた。ムニューシン財務長官は10日、英紙とのインタビューで、人民元の大幅下落について注視していると述べ、中国との貿易協議に通貨問題も絡める姿勢を示唆した。 米国と中国が先が見えないつばぜり合いを続けるなかで、ドル/円も上値試しには慎重となり、下値リスクが意識されやすい環境になるとみている。 Yaskawa Electric Corp 3020.0 6506.TTOKYO STOCK EXCHANGE -195.00(-6.07%) 6506.T 6506.T <ブルーダーマン・アセット・マネジメントの副会長兼首席市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏> おそらく調整の始まりだろう。第3イニングだ。企業業績が鍵になる。大きな懸念は第3・四半期決算ではなく、第4・四半期や来年度第1・四半期の見通しがどうなるかだ。関税の影響によって、第4・四半期の見通しがかなり大幅に修正される可能性がある。これが市場の懸念の一因となっているのではないかと考える。取引高をみると、売りが売りを呼んでいることは間違いない。 <インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏> さまざまな物事の蓄積の結果だ。 債券が再び売られ始め、金利上昇観測が投資家を懸念させた。さらに現在は、市場を大きく後押ししていた企業の自社株買いの禁止期間に入っている。目先には中間選挙が控える。一般的には、民主党が下院を支配し、共和党が上院の過半数議席を維持する見通しだ。ただ民主党が上下両院で過半数を確保する場合、これまでの景気刺激策の存続が危うくなる可能性がある。これが懸念となっている。 株価急落にファンダメンタルズの問題はない。 <ガレーン・キャピタル・パートナーズのマネジングパートナー、トリップ・ミラー氏> 経済が要因ではない。経済は力強く、失業率も数十年ぶりの低水準だ。市場は10年にわたって強気相場が続いてきた。その10年間に10%の調整がみられたことはほとんどなく、それほどの大幅な調整に近づくたびに市場は反発してきた。 今回は何が違うかというと10年債の利回りがかなりの高水準になっていることだ。われわれは長年延び延びになっていた調整が起きているのだと考える。バリュエーションの調整と金利を巡る懸念が要因だろう。
ソウル株式市場・引け=大幅続落、米株安で 1 分で読む [ソウル 11日 ロイター] - 韓国 終値 前日比 % 始値 高値 安値 総合株価指数 2,129.67 - 98.94 - 4.44 2,176.16 2,186.69 2,129.67 前営業日終値 2,228.61 11日のソウル株式市場の株価は大幅続落。米株安でアジアの株式市場が軒並み下落 する中、2017年4月以来の水準に値を下げた。 総合株価指数(KOSPI)は8営業日続落し、98.94ポイント(4. 44%)安の2129.67。ここ約7年で最大の下げを記録した。 サムスン電子は4.8%安、SKハイニックスは1.9%安 。製薬のセルトリオンは5.2%安。
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