http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/227.html
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(回答先: 米サウジ戦争としての原油安の長期化 (田中宇) 投稿者 てんさい(い) 日時 2015 年 7 月 22 日 10:38:04)
http://tanakanews.com/150422cashless.htm
田中宇の国際ニュース解説 無料版 2015年4月22日 http://tanakanews.com/
参考:
田中・現金の廃止と近現代の終焉、ハザの完全支配狙い、連中の目論見は中露の物々交換とネットにいじられて失敗します。
http://www.asyura2.com/15/cult14/msg/528.html
★現金廃止と近現代の終わり
━━━━━━━━━━━━━━
1年ほど前に「世界の決済電子化と自由市場主義の衰退」という記事を書い
た。イスラエルやフランスなどが、現金を廃止してすべての決済を電子化する
計画を進めていると知ったのが、この記事を書いたきっかけだった。その後、
イスラエルからは報道が出てこないが、フランスでは今年9月から、現金決済
の法定上限額が3千ユーロから1千ユーロに引き下げられる。
http://tanakanews.com/140627cashless.php
世界の決済電子化と自由市場主義の衰退
http://michaelsnyder.mensnewsdaily.com/2015/03/they-are-slowly-making-cash-illegal/
They Are Slowly Making Cash Illegal
外国人観光客の現金利用の上限も、1万5千ユーロから1万ユーロに下がる。
銀行は、1カ月間に1万ユーロ以上の現金の預金化や預金の現金化について
当局に通報する。イタリアやスペインも、現金決済の制限を強化しつつある。
南欧では「多額の現金を使うのは悪い人」になりつつある。今年1月の、大騒
ぎになったパリの「イスラム」テロ事件以来、フランスでは「テロ対策」の重
要性が喧伝され「テロ対策のために現金を廃止しよう」という政策が人々に受
容されるようになっている。
http://govtslaves.info/the-war-on-cash-is-here-and-theyre-slowly-making-it-illegal/
The War On Cash Is Here And They're Slowly Making It Illegal
http://tanakanews.com/150303terror.htm
テロ戦争を再燃させる
米シティ銀行の分析者(Willem Buiter)は、最近の欧州のようなマイナス
金利の時こそ現金を廃止する好機だと説いている。欧州ではQEなど金融緩和
策によって金利がマイナスになり、銀行に多額の預金をおいておくと金利を取
られて元本が減る。多くの投資家が、できるだけ資産を預金でなく、できるだ
け現金にしようとする。当局が、投資家の資産現金化を放置すると、マイナス
金利策の効果が薄れる。現金を廃止し、資金のやり取りを電子的な口座間取引
だけにすれば、人々は資金をどこかの口座に入れておくしかなくなり、口座か
ら金利または手数料の形で徴集することで、当局がマイナス金利策を確実に実
行できる。
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-04-10/citi-economist-says-it-might-be-time-to-abolish-cash
Citi Economist Says It Might Be Time to Abolish Cash
EUが今の時期に現金廃止・決済総電子化を進める、これ以外のもっと大き
な理由があると、私は考えている。それは、EU統合による国民国家制度の終
了(縮小)との関係だ。今後EU統合が進むほど、EUにおける徴税は、各国
家でなくEUが統括して行う傾向が強まる。フランス革命で国民国家が発足し
て以来「納税」は、兵役と並び、国民が国家の主権者であることに付随する、
愛国心に基づいて喜んで行うべき義務だった。国民国家は、教育や世論形成
(マスコミ)によって国民の主権者としての自覚(愛国心、ナショナリズム)
を涵養し、喜んで納税や兵役を行うようにする。国民国家制度がうまく機能して
いると、国民は喜んで納税するので、国民の収入が現金という匿名性の高い資
産の形で得られる状況でも、収入の現金を秘匿して脱税を試みる国民が少なく、
高い徴税効率を維持できる(実際はそんなにうまくいかないが)。
http://tanakanews.com/080814hegemon.htm
覇権の起源
欧州諸国がEUに国家統合される際、同時に愛国心も統合し、従来の各国の
愛国心の代わりにEU全体の愛国心「愛欧心」を人々に植えつけられれば(愛
国心が統合可能なものか疑問だが)、人々が喜んで納税する状態を維持できる。
しかし現実を見ると、EU当局は、国家統合をいくら進めても、新たなEU
ナショナリズム(愛欧心)の創造を試みていない。EU統合は、愛国心やナシ
ョナリズムの統合を含んでいない。
EU統合の目的の一つは「欧州諸国間の戦争抑止の恒久化」だ。戦争は、各
国が自国を強化しようとして敵対的な愛国心を相互に扇動する時に起こりやす
い。愛国心の涵養と扇動は、強い国民国家を作るための策であると同時に、せ
っかく作った国民国家を破壊する戦争を引き起こしやすい諸刃の剣だ。EU統
合の際、欧州各国の愛国心を統合すると、欧州諸国間は戦争しにくくなるが、
代わりにEUは、ロシア、イスラム世界、米国など外部勢力との間で相互のナ
ショナリズムを扇動して戦争になりやすくなる。EU上層部の人々は、ナショ
ナリズムなしでEUを統合し、各国の旧来のナショナリズムを長期的に弱める
ことを画策していると考えられる。
ナショナリズムや愛国心、民族意識の超越は、究極の戦争抑止策であり、人
類史上、近現代(モダン)の終わり(まだ名前もついていない新たな時代の始
まり)を意味する。これは人類の「進化」だが、同時に、人々に喜んで納税さ
せてきた徴税制度はどうなるのかという問題を含んでいる。何も策をとらない
と、愛国心の低下と反比例して脱税が増える。現金廃止と決済電子化を進めれ
ば、国民が愛国心を発露して納税の手続きをわざわざとらなくても確実に徴税
でき、とりあえずの対策ができる。
欧州内でも、ドイツや英国は、現金利用について規制を設けていない。EU
を主導する独仏のなかで、現金利用について放任派のドイツと規制派のフラン
スが齟齬をきたしている。これが過渡期の役割分担なのか、フランスの試みに
対してドイツが否定的であるのかはわからない。
米欧マスコミでは、現金廃止・決済総電子化が、テロ対策(犯罪防止)や、
徴税効率の向上の観点から好意的に語られることが多いが、政治的な観点から
は、与党や当局が、反政府的な野党や活動家の行動を監視してスキャンダルを
起こしたり言論封殺に使うことが考えられるので、民主主義の阻害要因になる。
与党や当局は、全国民がいつどこで何にお金を使ったかデータベースを検索し、
野党や反政府派の行動を監視することが容易になる。与党は、台頭しそうな
野党政治家を事前に潰し、政権交代を防げる。野党は、電子決済のデータベー
スを検索できないので与党のスキャンダルを暴けず、この点で民主主義が弱体
化する。
http://www.opendemocracy.net/transformation/jem-bendell/what-happens-to-democracy-in-cashless-society
What happens to democracy in a cashless society?
電子決済は、誰と誰の間でいついくら決済されたか政府当局が把握できるが、
これは当局が決済システムを運営もしくは監督している場合だ。電子決済の
中でもビットコインなど、決済当事者以外の人が決済の内容を知ることができ
ないよう暗号化をほどこしてある場合は、むしろ現金よりも当局による決済の
把握が困難だ。だから、ビットコインに対して人々が悪い印象を持つような策
が、諜報機関やマスコミによって行われている。ウィキリークスが、正義感に
基づく当局関係者の悪政暴露の匿名性を暗号化技術によって高め、米当局がウ
ィキリークスを攻撃しているのと同じ構図だ。
業界別に見ると、すでにレンタカー代金やホテルの宿泊代といった人々の移
動(旅行)に関する決済は世界的に、犯罪防止策としての個人特定を理由に現
金払いが歓迎されずカード決済が奨励され、人々の移動が監視されている。イ
ンターネットや携帯電話など通信の分野も同様だ。現金廃止は、こうした監視
をさらに強化する。米国ルイジアナ州では、中古品の売買を現金で決済するこ
とを禁止する州法が2011年から存在している。中古品は誰でも売れるので、
徴税と治安維持(監視)の両面から、記名式決済が義務づけられてる。この
傾向は今後広がるだろう。
http://www.corbettreport.com/the-criminalization-of-cash/
The Criminalization of Cash
グーグルなどが、全人類の電子メールやブラウザの閲覧履歴、スマホ保有者
の今いる場所の位置情報などを盗み見することを、米当局(NSAなど)に許
可している(もしくはグーグル自身が諜報機関として機能している)ことも含
め、全人類の活動の全体が、米国や自国の当局によって監視される状況が強ま
っている。
http://tanakanews.com/150117google.php
覇権過激派にとりつかれたグーグル
http://tanakanews.com/120125SOPA.htm
米ネット著作権法の阻止とメディアの主役交代
http://tanakanews.com/130617NSA.htm
全人類の個人情報をネットで把握する米軍諜報部
人類は、この状態に「慣れる」「がまんする」しかない。年寄りにとっては
「とんでもない」ことだろうが、若い世代は生まれた時から監視されるのが当
然なので違和感が少ない。「プライバシーは死んだ。二度と戻ってこない」と、
情報工学のハーバード大教授(Margo Seltzer)が今年のダボス会議で語って
いる。人類は「進化」でなく「退化」している(進化、退化という二元論は
インチキくさいが)。なぜこんな状況になっているのか。一つ考えられるのは
「経済成長の鈍化」との関係だ。
http://www.rawstory.com/rs/2015/01/privacy-is-dead-and-its-never-coming-back-harvard-professors-say/
Privacy is dead and it's never coming back
18世紀末以来、国民国家革命(諸国の独立)と産業革命(経済成長)とい
う2つの革命が、欧州から世界に広がったのが人類史上の近現代だった。ナシ
ョナリズムで強化された民主主義の国民国家が、匿名決済の現金利用に象徴さ
れる自由市場経済を維持して経済成長するのが近現代の世界のモデルであり
(自由市場経済の対照物として計画経済の社会主義も発案された)、これらが
失敗して経済成長が鈍化するとナショナリズムの扇動が悪化して戦争が起きる
仕掛けだった。しかし近年、先進諸国はもはや成熟して経済成長できない。米
国や日本では、通貨を無制限に増刷して株価を吊り上げ、これを経済成長だと
偽っている。
http://tanakanews.com/150301bank.php
QEやめたらバブル大崩壊
近現代モデルの発祥の地である欧州では、国民国家やナショナリズムを捨て
るEU統合が進められ、現金の廃止が試みられている。もう一つの先進国で、
覇権国でもある米国は、世界の経済成長の主軸が中国などBRICS・新興諸
国に移転することに合わせ、国際政治の構造を多極型に転換する隠れ多極主義
を推進している(近現代は「米英覇権の時代」でもあった)。これらの転換は
おそらく、近現代のモデルに基づく先進諸国の経済成長の時期が終わりつつあ
ることと関係している。
BRICSや新興諸国の多くは一応、国民国家のモデルを使っているが、先
進諸国よりモデルに対するこだわりが少ない。多民族なので国民国家モデルに
適合しにくい国も多い。中国は民主主義でないし、自由市場主義だが社会主義
を掲げている。BRICSが主導する今後の世界の経済成長には近現代のモデ
ルが適用しにくく、長期的に別のモデルが形成されていく可能性がある。その
意味で今後、近現代が終わりになるかもしれない。
(私は以前、ナショナリズムを統合しないのでEU統合は近現代の終わりを意
味しないとか、BRICSの勃興は近現代の範疇を出ない「モダンの出戻り」
だといった趣旨を書いた。しかし今考えると、EUがナショナリズムを放棄す
ると考えれば近現代の終わりだと言えるし、BRICSが今後もずっと近現代
の規範を重視し続けるかどうかわからない。今は多極型世界への転換の初期で
あり、転換した後の状態がまだ見えてこない)
http://tanakanews.com/100907modern.php
多極化とポストモダン
現在、国民国家の重要性が低下するとともに、民主主義が重視される傾向も
低くなっている。米国の2大政党制は911以来、両党が好戦策を競い合って
違いが減り、無意味になっている。日本は鳩山政権が倒されて以来、自民党が
官僚傀儡化を強めて政権に戻り、官僚独裁制が強化されている(311震災は
官僚復権のまたとない好機となった。「がんばれ東北」が延々と喧伝されるの
は、その本質が「がんばれ官僚」だからだ)。米国も日本も民主主義が形骸化
しているが、これは民主主義の国民国家制を維持しても経済成長できなくなっ
たことと関係している。
民主主義が必要ないなら、政府や与党が国民への監視を強め、政権交代を抑
止してもかまわないことになる。経済成長が鈍化すると暴動や犯罪が増えるの
で、それを抑止する「防犯」のためにも国民への監視強化が必要だ。次の時代
の経済成長を担う中国など新興諸国は全体的に、強い政府が国民を監視する体
制が好きなので、監視強化は大歓迎だ。新興諸国は徴税体制が弱いので、現金
の禁止で徴税効率を上げられるのも歓迎だ。民主主義や言論の自由、プライバ
シーの尊重は今後、近現代から次の時代への移行とともに、終わっていく可能
性がある。
とはいえ、現金廃止・決済総電子化は、人々の「できるだけ実体がある、自
立した価値を持つかたちの財産を好む」という経済行動原理に反しており、失
敗するという指摘もある。現金廃止は、超モダンな電子マネーによる資産備蓄
につながるのでなく、近代以前の金地金備蓄を煽りかねないという見方だ。次
回はそれについて有料配信で分析する。
●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)
◆イランとオバマとプーチンの勝利
http://tanakanews.com/150420iran.php
【2015年4月20日】すでに国際社会はイランとの関係強化に着々と動い
ている。4月2日の暫定協約後、イランが絡んだ地政学的な動きがあちこちで
噴出している。多くは、イラン核問題の解決を前提に、以前から出されていた
構想だ。イラン核問題の本質が「核兵器」でなく、核問題を口実にイランが絡
む転換・多極化を防ごうとする「地政学」であることが見て取れる。特に目立
つのは、ロシアとの関係強化だ。倫理的な善悪から見ても、従来の「米国とイ
スラエルが善で、ロシアとイランが悪」という二元論から、米国がオバマと軍
産に分裂した上で「オバマとロシアとイランが善、軍産イスラエルが悪」に転
換している。
◆加速する日本の経済難
http://tanakanews.com/150414japan.php
【2015年4月14日】日本経済は見かけ上、株高やベースアップで景気が
好転しているかのようだが、株高はQEによるバブル膨張であり、全体の賃金
は下がっている。実質的に日本経済は悪化し続けている。機関投資家の多くは、
株高がQEによるバブルだと知っている。日銀がQEをやめようとすると、米
連銀がQEをやめた(日銀に引き継いだ)時のようにうまくやめられず、QE
終了が日本国債市場の崩壊、流動性危機から金利急騰を招きかねない。日本は
すでに、QEを続けても破綻、やめても破綻という事態に入り込んでいる懸念
がある。
◆イラン核問題の解決
http://tanakanews.com/150406iran.php
【2015年4月6日】ISISやアルヌスラと本気で戦っているのはイラン、
イラク、アサド政権、ヒズボラといったイラン系の諸勢力だけだ。彼らがISIS
に負けると、中東の混乱がひどくなり、大規模な米地上軍が再び中東に駐屯
せざるを得なくなり、米国が軍産イスラエルに牛耳られる状態が永続化する。
これを防ぐには、核問題を解決してイランを強化すればよい。だからオバマは
イラン核問題を全力で解決し、ネタニヤフはそれを全力で阻止しようとした。
- 日本をだしに中国の台頭を誘発する (田中宇) てんさい(い) 2015/7/22 10:52:56
(3)
- QEの限界で再出するドル崩壊予測 (田中宇) てんさい(い) 2015/7/22 10:58:11
(2)
- まだ続く地球温暖化の歪曲 (田中宇) てんさい(い) 2015/7/22 11:01:25
(1)
- ISISと米イスラエルのつながり (田中宇) てんさい(い) 2015/7/22 11:04:22
(0)
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