http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/221.html
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手白澤温泉
〒321-2717栃木県日光市川俣870−2
Tel:0288−96−0156
http://www.teshirosawa.co.jp/
地図
http://www.teshirosawa.co.jp/annai/syuhen_map.pdf
http://maps.google.com/maps?ll=36.862344,139.400652&spn=0.020739,0.031071&z=14&key=ABQIAAAA5hRny4_y1bCbfMkDq2GfzxTrsJ1zXGs35tTSrOBZNXNq3HkGeBT2V3NTQd9-whPYQtmy6xPDCKPjMA&mapclient=jsapi&oi=map_misc&ct=api_logo
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Na-HCO3・SO4型)
52.2℃、pH=6.9、湧出量300L/min
成分総計=624mg/kg、
Na^+=103.1mg/kg、Ca^2+=21.7、Cl^-=3.1、HS^-=2.6、SO_4^2-=92.5、HCO_3^-=210.4、陽イオン計=130.4、陰イオン計=309.5、メタけい酸=131.5、メタほう酸=7.7、硫化水素=3.7 <H9.5.8分析>
http://www.teshirosawa.co.jp/oyu/oyu.html
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__________ !ハj } l :!癶、____ ここが温泉かぁ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∧ ハ川 :!ヽ∧ ̄ ̄ ̄ ̄
r' ハj从ノ r' }
_________.{ {/⌒ハへ! :!____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ '、 jヽ,ノ癶_,ノ、j ̄ ̄ ̄ ̄
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,. . . .;:゙ 、 ,, _ ___ | 7.:.:ヽ.:.:.:.:.ヽ _, _
. . . . . . .; . .''゙`';'゙;: :..'';;, ̄ ̄ | ⌒ヽ,j.:.:.:.:.:.: ノ ))  ̄
. . . . . . . . . . .,.゙';’; ; ;,' :| `丁 ¨´
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秘湯を訪ねて 松田忠徳
鬼怒川温泉から、日光市営バスに乗り込む。 川治(かわじ)温泉を過ぎると、車窓の外は重なり合う山また山の風景に変わった。バスは鬼怒川沿いの曲がりくねった山道をなおも登る。ハイライトは吸い込まれそうな深い渓谷、 瀬戸合峡(せとあいきょう)だ。周囲の峰々が幽玄の美をかもし出し、水墨画の世界を思わせる。バスに揺られること1時間45分、終点の 女夫淵(めおとぶち)温泉に着いた。
ここは鬼怒川の源流部に近い。目指すは奥鬼怒の秘湯群の中でも最深部に濃い湯煙を上げる手白沢温泉である。鬼怒川本流沿いの八丁の湯、加仁湯(かにゆ) 、日光沢温泉とは谷が異なり、支流の手白沢の溪畔に位置する。標高約1500メートル、奥鬼怒四湯の中で一番の高所に湧く。しかも手白沢へは、マイカーで来た場合でも女夫淵から歩かなければならない。環境保全のために環境省がマイカーの乗り入れを禁止しているからである。女夫淵から手白沢まで片道6キロ。2時間の登りの山道を自分の足だけを頼りに歩かなければならないのだ。だが、ブナ、カツラ、ナラなどの原生林のなか、野鳥のさえずりに耳を傾けたり、道端の山野草を愛でたりしながらの軽登山で流す汗は格別のものだ。
加仁湯の手前で林道を分かれ、ブナが生い茂る山道を更に登ると、沢音が耳もとに届いてきた。手白沢の渓流である。やがて樹間に茶系色の平屋の建物が現れた。 本物の自然のよさが分かり、そのうえ料理にもこだわりのある方が主なお客さんですね。一見、何もない。ところが自然に関心のある方には、木があり、花があり、鳥がいて、昆虫がいる・・・」と、一軒宿「手白沢温泉」三代目の主、宮下千早さんは言う。
片道2時間も山道を歩かなければならない秘湯の宿といっても、平成9年に全面改築されたという6室から成る館内は、実に洗練されている。昭和10年の創業当時からの、ひなびた雲上の温泉の面影はこれっぽっちもない。下界の気のきいた湯宿が、山の上の別天地に引っ越した感じなのである。
夕食も地場の食材をふんだんに使ったフランス風料理で、一皿ずつ供されるといった具合だ。テレビも新聞もない。だが心身を再生させるためにこれほどうってつけの温泉宿は他にないだろう。 肝心の風呂だが、これがまた凄い。サワラの白い木造りの脱衣室から、ワイドな窓ガラス越しに内風呂と露天風呂まで見通せる。御影石で縁取りされた大浴槽から、ふんだんに山の湯があふれている。白い湯の花が浮かぶ単純硫黄泉のシルクのような感触は、この雲上の秘湯まで歩いてやって来た女性への最高のご褒美だろう。
女性露天風呂にはいっさい囲いが無い。本物の自然に抱かれている証拠といっていいだろう。一方、女性風呂より大きな男性露天風呂には、頭上の半割りの丸太から豪快に山の湯が落下していた。目の前に立ちはだかる 大割山 ( おおわりやま ) を眺めながら湯船に身を沈める。するとここまでの道のりが、一瞬のうちに忘却のかなたに消え去ってしまったように思われた。
手白沢温泉「手白澤温泉」
(栗山村、日帰り入浴不可、0288-96-0156)
鬼怒川支流手白沢沿いにある一軒宿で、奥鬼怒4湯のなかでは唯一日帰り不可なのでここに泊まりました。(オフ会幹事さんが春頃から予約していました。感謝。)
ふつうは加仁湯経由のアプローチとなり、ブナ平経由の遊歩道か手白沢林道経由。当日は前者をチョイス。ブナ林のなかの気持ちのいい山道を40分ほど歩くと標高約1,500mの高所にある宿に到着です。以前は素朴な山の宿だったそうですが、'97年に改築リニューアル。手白沢の渓流を前景に広葉樹の林を背負う瀟洒な建物は、すばらしい佇まいをみせています。
温泉を利用した床暖房も完備していますが、テレビはありません。女性好みの意匠が凝らされ、料理は和洋折衷の創作料理風。松田教授のいわれる”新・秘湯の宿”の範疇に入るかと。部屋数はわずかに6しかなく、紅葉時期の土曜につき当然全館満室。ほとんどが年輩の女性グループで、”新・秘湯の宿”がどういう客層に支持されているかを実感。
天井の高いモダンな廊下の奥に男女別の浴場があります。対岸の山肌を望む窓の広い明るい浴室に、石枠タイル貼15人くらいの浴槽をシンプルに配置。石の湯口から50L/minほども投入で浴槽端の上面排湯口からの流し出し。槽内注排湯はなくかけ流しでしょう。洗い場2、カランはなく、壁から突き出た石の湯口から木臼に源泉がドコドコと惜しげもなく注がれています。シャンプーあり、ドライヤー貸し出しあり。当日の泊まり客はほとんど女性だったので、男湯は贅沢にも我々だけで独占状態でした。
露天はすばらしいロケーションです。すぐ目の前を流れ下る手白沢の源流方向に根名草山(2329.7m)の荒々しい山容が印象的。周囲はまさに紅葉の盛り。これほど開放感あふれ絵になる露天もめずらしいです。深山の一軒宿ゆえ、露天から仰ぐ星空もすばらしく、この掲示板の常連さんが見事な星空の写真を撮られてました。
岩組タイル敷12人以上の浴槽に、クリーム色の硫黄系の析出の出た木樋の湯口から30L/minほどを投入で、湯面に突き出た排湯パイプから排湯。こちらも槽内注排湯はなくかけ流しかと。
お湯は内湯でやや熱め、露天でややぬるめ。とくに内湯の鮮度感は抜群です。かすかに青味がかって白濁したお湯には、白い湯の花が盛大に舞っています。たまご味+微重曹味に弱しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭。ヌルツルはほとんどないですが、とてもやわらかで湯ざわりのいいお湯です。清涼感のある絶品の温泉臭と湯あがり涼やかな上品な浴後感は、高峰や稲子湯など信州の山の湯に近いものを感じました。
宿泊料金もさほど安くはなく予約も取りにくいので、奥鬼怒4湯のなかでは最も入浴難易度の高いお湯ですが、泊まる価値は充分にあるかと思いました。女夫渕までナワバリにしている”クロ”という賢い温泉犬もいます ^^)
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/utubo_totigi2/utubo_totigi2_07.htm
手白沢温泉へのアクセス
奥鬼怒温泉郷は歩きが基本です
奥鬼怒温泉郷の入り口は女夫渕温泉前のバス停からです
お車は同バス停の市営駐車場(無料)がご利用になれます
遊歩道というハイキングルートを2時間から3時間を歩きます
手白澤温泉は送迎をやっておりません。ご了承くださいませ。
自転車好きの方はスーパー林道のデコボコ道を漕いで登ってこられます
このスーパー林道は一般車は通行できません。かに湯のバスに道を塞がれてしまいます(笑)
真冬はスーパー林道が除雪されてるので雪見ハイキングが楽しめます
スーパー林道は我々の生活用道路としも使用しているため、その際はご了承くださいませ
云うまでもありませんが、林道よりも遊歩道のほうがお勧めです
真冬のスーパー林道は対岸の雪山がとても綺麗です
http://www.teshirosawa.co.jp/annai/annai_access.html
手白沢温泉のこと
その昔、今のように「秘湯」ブームに火がつく前のこと。
奥鬼怒4湯と呼ばれたひなびた温泉宿や山小屋(ヒュッテ)が栗山村の奥深くに点在していた。その栗山村(マタギの里とも呼ばれていた)の路の行き止まり・夫婦淵から徒歩約2時間位の場所に、あるその温泉場は、手前から八丁の湯・次に蟹湯・その奥に日光沢温泉最奥にあるのが今回の「手白沢温泉」である。
当時は電気もなく電話もなくまったく人里離れた本当の秘湯の要素が満ちていた。が、あるテレビ局の探訪番組が環境を変えてしまった。
それから秘湯ブームになったのは言うまでもないことだ。奥鬼怒4湯には電気が通じ電話が入り客は押しかける。まかない切れないから設備を増やす。便利な様に改築する。秘湯が秘湯でなくなった。八丁の湯は立派なログハウスになり洋室ベッドで客を迎える。蟹湯は改築し3階だての普通の温泉街にある旅館になった。マイクロバスで送迎もする。
そのころ、そちらの風になびかなかったのが、日光沢温泉と手白沢温泉だった。その後手白沢は改築したが、気持ちは昔のままだと聞く。予約をしても「夫婦淵」に車を置き徒歩で来るように促される。車では来ないでと。看板も未だに「手白沢ヒュッテ」のままだ。
実際はじめて訪れたとき今年の営業は今日が最後です。と言うときに訪れた。建物は古く夕飯時もそばに石油ストーブを置いておいても暖はとれず、部屋にはいっても体は温まらず山小屋の雰囲気だけは実感した。ただし、温泉だけは別格で冷えた体に弛緩の時間を充分与えてもらった。これがなにより。さらに夜空の美しかった事。都会では会うことの出来ないそれこそ今にも降ってきそうな星くず。何時までも眺めても飽きが来なかった。
それからさらに後、2回訪れている。建物は新しくなったが、温泉の良さ、夜空の美しさは以前のままだし、なによりもポリシーを持っているのが殊更うれしかった。
http://www.geocities.jp/hammer_844/newpage4.htm
昭和十年に手白澤温泉を開業し、当時は木造二階建て、部屋数は9室でした。
もちろん、現在のようなスーパー林道や遊歩道のような整備されたものではなく険しいものでした。
物資の調達も女性で20キロを背に担ぎ幾日も歩いたものです。
また、一度の荷運びでは到底間に合うはずもなく、いくつもの宿と宿の間を何往復もし、すべての荷が移動できればまた次の宿との往復を連続したものでした。
手白澤温泉は昭和57年頃までは電気が通っておらず、ランプ生活です。 一日の最初の仕事がランプのスス磨きでした。 また、冷蔵庫などもあるはずもなく、保存のための冷却手段が冬時期に降り積もった雪の利用でした。 氷室をつくり夏の盛りが過ぎるころまで持ちこたえたものです。
だんだんと時代も進み、発電機を利用することもありましたが、これがなかなか不便であり電力が安定せず明かりが暗くなったり明るくなったりという有様でした。 そんな風情を好んで歩いていらっしゃるお客様のおかげで、私どももなんとか生活してこれました。
平成9年
この年には全館を建て替え、混浴であった湯船も男湯・女湯ともに内湯(半露天)と露天風呂がご用意できることになりました。 それから十数年経ち、ここ手白澤温泉も光回線が開通しているのです。
http://www.teshirosawa.co.jp/annai/annai_history.html
手白澤温泉にいってみた 2011年 06月 11日
<写真:案内板。テントの設営はダメらしい。>
手白澤温泉は奥鬼怒温泉郷四湯のひとつで、鬼怒川温泉駅からバスで2時間ほどの山あいにある女夫淵から徒歩でしかアクセスできない湯宿である。
<写真:女夫淵へ向かうバス車内>
かつて激しい競争をj繰り広げていた日光市営バスとしおや交通は和解したようで、鬼怒川駅前から女夫淵へは、「日光市営バスの運行をしおや交通が受託した」形になっていた。八丁の湯を訪れた前回は道中ほとんど寝ていたが、今回は起きていたせいか、2時間は長かった。
<写真:最初は少しだけ起伏がある>
バスの終点女夫淵から12キロほどの道のりは遊歩道が整備されている。遊歩道入口から入って10分ほどの区間と八丁の湯から手白澤までの間は、起伏があり、重力を堪能することができるが、それ以外は、足に大きな負担がかかることはない。
<写真:途中から平らに>
<写真:コザ池の滝>
健脚ならば2時間半ほどと言われている道のりだったが、休憩を挟みながら歩いていたので、今回の目的地、手白澤温泉までは、3時間ほどかかった。
http://iyasaaca.exblog.jp/15996672/
<写真:楽ちんルート>
<写真:健脚家向けルート>
女婦淵から1時間ほどで奥鬼怒4湯で最も手前にある八丁の湯に到達する。ここで小休憩をして、いよいよ手白澤に向かう。
道はここからまた険しくなる。八丁の湯から手白澤に向かうルートは2つある。距離は長いが緩やかな楽ちんルートと、距離は短いが傾斜が急な健脚家向けルートとである。往路は厳しい方のルートを選んだ。
<写真:鬱蒼とした樗(ブナ)の原生林>
標高1,410メートル付近に到達するとブナの原生林が現れる。ブナ平である。この一帯には、樹齢100年を超えるブナ、ハリギリやオオシラビソなどの樹種も確認されている。またこの樹林帯でしか見られないガロアムシという昆虫は現代の化石と言われている稀少種なのだそうだ。
ブナ林を抜けると下り坂が始まり、宿まで600メートルほどの場所で、生活道路に合流する。携帯電話(ドコモだけ)の電波もこのあたりまで。しばらく歩くと、手白澤の渓流の音が聞こえてくる。
<写真:林の向こうが目的地の手白澤温泉ヒュッテ>
http://iyasaaca.exblog.jp/15998031/
女婦淵から徒歩で3時間、ようやく目的地に到達した。
この日は東京は35度を越える真夏日であったらしいが、標高1,400メートルほどの奥鬼怒周辺は25度ほど。冬季には零下20度まで下がることもあるらしく、その時期の旅館の稼働率は2割程度まで落ちるという。それでも奥鬼怒4湯への年間宿泊者数は3万人ほどと言う。
<写真:今は電気も水洗トイレもあり、快適>
奥鬼怒は1986年まで電線が引かれておらず、電力を自家発電で賄っていた。しかし出力が小さく、不安定であるため、蛍光灯は使えず、冷蔵庫などの家電も故障がちであったという。ほかにも電気を必要とする火災報知機も非常灯もなかった。トイレも穴を掘る染みこみ式で、電話もなかった。宿の予約は葉書でしか受付していなかったのである。
<写真:ドリンクの支払いは自己申告制>
1996年になって、東京電力とNTTが共同で、女婦渕から7キロの架線整備が行われた。投じられた経費は1億5,000万円。4つの旅館も総額800万円の負担をしている。併せて電話線も整備された。この地域が通電したことで、関東で唯一の「未点灯集落」が消滅したのである。以降、発電機は不要となり、運び屋の荷物から重油が消えることとなった。通電する前の運び屋の荷物は食料、重油など合わせて50キロにも及んだという。
電気と水、通信環境があるおかげで手白沢ヒュッテは大変快適な宿となっている。
http://iyasaaca.exblog.jp/15997429/
<写真:青みがかった乳白色の内湯。湯船は御影石で縁取りされている>
手白澤ヒュッテの最大の魅力は、薄い乳白色の温泉である。内風呂、露天とあるが、そのどちらにも贅沢に源泉かけ流しのお湯が注いでいる。
<写真:内湯といっても、外が臨める趣向となっている>
手白澤の名の由来は、絹の織物を織り続け、手が荒れてしまった絹姫が、流れる沢に手を浸したところ、もとの白い手に戻ったという言い伝えにあるのだそうだ。
温泉を発見したのは地元の民ではなく、東京渋谷で商い(一説には傘屋)をしていた宮下兵次郎という人物である。奥鬼怒によく狩りに入っていた平次郎は、ある日、塩谷郡栗山村あたりで湧出する源泉を発見した。その源泉は現在でも兵次郎の湯と言われている。
<写真:露天。温度が低めで長湯ができる>
兵次郎はどこから資金を調達したのか、1935年(昭和10年)に、ブナの古木に囲まれた原生林の一角に2階建て9室の温泉宿を建てた。当時は今市の北にある小百という部落から徒歩で入るルートしか存在せず、手白澤を利用していたのは、登山者だけであった。
<写真:湯の花とともに流れこむ>
湯宿は1997年(平成9年)に改装され、平屋6室の宿へと姿を変えた。宿には男女別に内湯と露天に、硫化水素臭がする無色のお湯(52.2℃)が毎分300リットル湧出している。加水も加温もしていないため、露天はいい塩梅の温度で長湯ができる。冬場には余ったお湯が宿の床暖房として使われている。
この宿がさらに魅力的なのは食事を素晴らしいワインとともに味わうことができることである。次回は不得手のあまり、避けてきた手白澤ヒュッテの食事の素晴らしさを紹介したいと思う。
http://iyasaaca.exblog.jp/16007693/
あまり食事のレビューをするのが得意ではないので、今まで食事を中心にしたエントリーは書いてこなかったが、手白澤温泉ヒュッテの食事とワインは出色であったので、あえて一本書いてみる。
前菜
八汐鱒(ヤシオマス、栃木県名産らしい)
独活(うど)の酢漬け
蕨(わらび)のおひたし
蕗(ふき)の煮付け
コシアブラのおひたし
サラダ、塩辛とパンに食前酒
メインは、イワナのムニエル 粒マスタードソース
ポークヒレロースト エストラゴンソースに変わった味(コンソメっぽい)がした切干大根。
デザートは、黒ごまのアイス
食事のともは、Chateau Falfas 2005でした。
メルロー55%にカベルネ・ソーヴィニヨンが30%、マルベック、カベルネ・フランがそれぞれ10%、5%という配合。平均70年の古樹から収穫されたブドウのみで作られるワインとのこと。3,000円台のワインだが、当たり年と言われる2005年のワインという事実に満足。
本来なら、
「深みのある濃いガーネットの色合いで、しっかりした粘性がある。インク、タバコ、腐葉土、シナモンなどがアクセントとなり、インパクトある香りを形成している。口に含むと、樽に由来するヴァニラやシナモンの香りを強く感じる。 味わいにおいては、タンニン、酸、ミネラルそれぞれの要素が複雑に融合している。」
とでも表現しないといけないのだろうが、なかなか難しい。
朝飯も堪能した。帰路にはかなりボリュームのあるおにぎりも用意してもらい、下山した。極上のお湯、食事を静かに楽しむことのできる手白澤温泉。足に自信がなくても宿泊できるオプションがあるのも良い。
http://iyasaaca.exblog.jp/16008072/
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′ / /`ミ、/ヘ、 ´ /
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|、 ! 、 ヽ l 代 ソ じ' ハ/
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〃 リ / ヽl > _ ィ'}ヽ /
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ノ / : l ヽ./ } l
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ヽ! ‖ 、 : / |
人 l ヽV |
ん、ヽ. | } )
さてこの日の宿泊予定地は「手白沢温泉」なのですが、温泉巡り系の多くのサイトをのぞいてみても「奥鬼怒四湯(八丁の湯、加仁湯、日光沢温泉、手白沢温泉)」のうちでこの手白沢温泉の入浴レポートは極端に少ないのです。それは上記画像の但し書きにあるような条件面もさることながら(これだけでもハードルが高いですよね)、加えてもう一つ、
駐車場から宿まで送迎なし 山道を元気に歩いても片道1時間半かかる
という地理的条件が大きく作用していると思われます(ただし一般車通行止めの林道経由で到達することもできます。でも遠回りするのでもっとかかるかも)。なお「1時間半」というのは平均歩行時間ではありません(宿のウェブサイトによるとお年寄りを意識してか2時間半と書かれています)。結構早足で歩いてのコースタイムですので(しかも休憩時間は含みません)ご了承のほどを。
さらに言えば、たとえば残りの3湯のうちどこかに宿泊してもここ手白沢温泉の独自源泉に入浴することは不可能です。となれば、
手白沢温泉を宿泊目的地として歩いて来ない限り、この湯の入湯は不可能!
というわけなのです。うーんこれはある種の入浴困難湯です。それに輪を掛けて申し添えるならば、この宿はいい意味でかなり個性的でして(あとで書きますが)、それを良しとするお客が引きも切らないためかなり予約が取りにくいんです。ちなみに宿の規模としては全6室のみということで、旅館としてはかなり小規模。今回は日曜日宿泊ということで予約が取れましたが、土曜日泊ということになると時にはかなり前からフルブッキングということもあるようで、特に紅葉の頃は「すでに予約で満室」という週末もそこそこあるのだそうです。
この温泉の存在自体は登山絡みでもう30年くらい前から知っていましたが、まさか「山に登らなくなってから来ることになるとは」思いもしませんでした。かつては「ここに行くとしたら日光白根山−根名草山の縦走時しか考えられないよなー」と思っていましたから‥。
さてノスタルジーにひたるのはこれくらいにしておいていざ現地に向かいましょう。と、その前に腹ごしらえ。
日蔭地区のお蕎麦屋さんに急遽遅めランチでピットイン。
お蕎麦は2口くらい食べちゃったところではたと思い出して撮影したので麺が乱れてます(お許しあれ)。
ちなみにこちらのお蕎麦屋さんは民宿もやっていて、ここには「まごころ温泉」という露天風呂もあるんでしょうか?というわけで立ち寄り入浴について聞いてみると、「以前はやっていたんですけれどね、でもそうなると入浴のお客さんの車が駐車場をふさいじゃうんで食堂の営業に支障が出ちゃったんですよ。だからすみませんが今は受け付けていないんです」とのことでした。ちなみにこの時食堂のお客はわれわれだけでしたから、たぶんこの方針は確固たるものであると思われます。みなさん、「そこを何とか」という言葉を心の中だけにとどめましょう。
それにしても旧栗山村の時は何とも思いませんでしたが、現日光市と併合した今となっては、ここの住所は
日光市日蔭
という、何とも意味深なイメージになっちゃったわけですね。このすぐ下流に「日光市日向(ひなた)」があるだけに‥(昔はポリバス共同湯があったらしいんですよね、間に合いませんでしたが)。
さ、ここからは一般車進入終点の女夫淵(めおとぶち)温泉を目指します。10年前に比べれば随分道路の改修が進み走りやすくなりました。昔バイクで来たときは女夫淵到着時点でクラッチを握る左手がだいぶへたってましたが(その日のうちに帰らなきゃいけないのに)、今ならたぶん大丈夫でしょう。
女夫淵の公共駐車場に到着したのは14:10頃。ここで荷物をリュックに移し替え、トイレ等の準備も終えて14:35に歩き出しました‥が!本来の山道は歩道崩壊のため完全通行止め、どうやら尾根を越える形での巻き道を行かねばならないようです。
くっそー、ここはホントのスタート地点じゃなかったというわけね。
現在の歩道は左上画像のように「一気の階段」からスタート(登りが続く)。で、そのあと一気に下って吊り橋を渡ると本来の歩道に戻ります。
このあとは、多少の上下はあれどほぼ平坦な道です(ただし沢の上流へ向かうので基本的には全て微妙に登り坂なのは当然です)。
というわけでほぼ1時間で最初の「八丁の湯」へ到着。ログハウス部分とかつての宿泊棟とのアンバランスが何だか不思議。
ま、へたるほどの行程&標高差じゃないんで全然大丈夫ですが、Takemaはなぜだかすでに首タオル(笑)。
ここからは一般車通行止めのスーパー林道の支線をとことこと歩いていきます。進むこと10分弱で大きな橋が見えたと思ったら、その奥に大きな鉄筋コンクリート造りの「加仁湯」が見えてきました。
奥鬼怒4湯の中である種一番商売っ気があるように思える加仁湯は宿の規模も圧倒的に大きく、宿泊客を乗せた観光バスが何台も入ってくるくらいです。また下流の温泉宿と提携した日帰りツアーなども受け入れているようで、ここが奥鬼怒の宿だとは思えないほど。しかし何だかなぁ感は否めないところ。ちなみに上記の日帰りツアーは下流の提携宿に泊まった人を対象にしているので「このツアーにだけ便乗して‥」というのはできないはずです。念のため。
でも、これから向かう手白沢温泉はこことも一線を画す宿なのです。加仁湯の真ん前からは再び登山道に入ります。
指導標には「あと1.7km」の表示があります。しかしここからブナ平までは短いとはいえ急登が続き一汗かかされます。ブナ平まで登ってしまえばあとは緩い登り坂と少しの林道歩きがあるだけなのですが、急登を終えてブナ平の森の中を歩いているうちに、いきなりそれはやってきたのであります!
仕方なく傘を差して歩き出します。あー、あと15分くらいで宿だというのに、最後の最後で降られちゃいました。しかもこの雨、かなり「怒涛系の本降り」でありまして、森の中ではまだ良かったんですが、林道に出てからは直撃を受ける&跳ね返りで膝から下はぐっしょり濡れてしまいました。
林道もご覧のように「川」になってます。
もっとも天気予報でも「今日は降ります」と言われていたので、一応「想定内」ではありました。だから傘も折り畳みではない大きめのものを持参していましたし、リュックもそれぞれザックカバーの外防水(=おしんこどん)と大型ビニール袋で内防水仕様にしたTakemaとで、実害はズボンだけという最小被害にとどめることができたわけです。
宿に着いたあたりから雨の降り方が弱くなってきたように思えたのは気のせいだったでしょうか(苦笑)。
というわけでとにかく手白沢温泉に到着!ではでは「ときめきの滞在」を楽しんじゃいましょう!
http://achikochi.takema.net/kokunai4/09teshirosawa/09teshirosawa04.htm
さて部屋に入り、濡れた服を着替えたらさっそく温泉なのでありますが、ついでにこちらのお宿をうろうろいたしマショー。宿の創業は1935年、現在の建物は1996年新築です。しかしこの建物がまた何ともすごいです。普通の温泉宿ではなかなか見られない凝った造りなんですね。
外観はちょっとロッジ風。玄関外にベンチが置かれているのは、雨の場合など建物の中で雨具を脱いだりしないで済むので有難いはずです。ただしTakemaは喫煙所として利用していましたが(笑)。
広い広い玄関部分。あえてソファーなどを置かないようにしているようで、その広さが際だっています。で、その手前の靴箱ですが、下の2段には温泉を通した塩ビ管が通されており、濡れた靴で到着しても翌朝には乾いているようにという心遣いが有難いです。ちなみにこの日、この段に置かれていたのはわれわれの靴と‥ん?一番下の段にいるのは?(右上画像マウスオン)。
こちらの宿の温泉犬「クロ」(そのままですな)でした。暖かいパイプの上ですっかり寛ぎモードです。われわれが滞在している間ほとんどここから動きませんでした。鎖でつながれているわけでもなく、行動範囲は女夫淵温泉にまで及ぶという話を聞いたことがありましたが、全く活動意欲が見られなかったところを見ると結構老犬なのでしょうか?
さてお部屋は全室トイレ付き(ウォシュレット装備。わたしゃ使いませんが)。一部屋10-15畳でかなーり広々しています。しかーししかし!
「山の中の温泉にわざわざ歩いて来たからには、下界のしがらみを忘れて湯っくりくつろいでほしい」というのがこちらの宿の狙いなのでしょう。いろいろご意見はあるところでしょうが、ここまで徹底していればよろしいのではないでしょうか。
ちなみに建物は平屋建てながら廊下の天井が高い高い!真冬はどうなっちゃうんだろうと心配になりますが、実はこちらの建物をぐるりと観察してみると、おそらくは「かなりの源泉湯量を床暖房に回しているに違いない」という推測に至りました。自噴湯300リットル/分をとことん利用しているということですね。
さて続いては「この宿の本分」、お風呂なのであります。立ち寄り入浴ができない宿ですから、ここはきっちりと湯をタンノーしなければ!
この日は満室とはいえ部屋数がそもそも6室しかありませんから、夕食前の、混雑して当然の時間にも貸し切り湯を楽しむことができちゃいました。このページを作るにあたり先客さんのサイトを拝見していたら、結構連泊の方が多いんですね。なるほどその手があるかという感じです。何年かしたら連泊で再訪してみようかな。
大変広い脱衣場で服を脱ぎますが、服を入れる籠は全て横並びになっていて、棚になっているわけではありません。これってかなりありがたい話で、混んでいる宿の脱衣場で偶然着脱衣の場所がかち合ってしまうとお互い気を遣いながらあーだこーだを余儀なくされますよね。ここではそれがないというのがすごいです。
まずは右上画像にマウスオンしてください!こ、この給湯システムはこれまでどこでも見たことがありません!壁から突き出た湯口から、常時ひたすら源泉100%の湯が流し込まれています。こちらの源泉が豊富なのはわかりますが、この洗い場の湯使いにはかなりぶったまげました。そもそもこちらの宿の設計は一体どんな方がおやりになったんでしょう?
考えてみればここの宿は全てのスペースがかなり広く取られています。入口ロビーしかり、部屋だって基本は15畳だし(ただしわれわれが泊まった角部屋の壱号室は10畳だったみたい?それでも十分でしたが)、そしてこのあとのページで出てくる食事スペースだってとてつもなく広く、全てがたった6部屋の宿の施設とは思えません。
しかも平屋にもかかわらず天井を高く取り廊下を吹き抜けにするというある種奇抜な発想、それをおそらくは温泉熱による暖房(水蒸気が出ないので室内に湿気が籠もらない)を前提にしているからできるわけですよね。現在の建物になってからは10数年ということですが、「ふだん手の届かないところに見え隠れする傷み」がほとんど見られなかったのはすごいことです。「慣れから来る雑なお手入れ」もほとんど見えませんでしたし(部屋の窓のサッシも奥まできちんと清掃されていました=こういうこと大事)。
続いて露天風呂へ。こちらも広いわー。ただこの時間もまだ霧が出ていたので周囲の展望というか遠望がイマイチ。こちらは明朝の晴天を期待して再訪することにいたしましょう。
なお、廊下の途中には無人の飲み物販売機が設置されていました。お客は勝手に冷蔵庫を開けて飲み物を取り、代金は真ん中のカゴの中に入れていくというシステムです。不特定多数の日帰り客を迎えいれたりしたら一発で破綻するシステムなのでしょうが、ここではしっかり機能しています。わたしがビールを購入した時点ですでに結構な額の小銭が入っていましたが、最初の段階で「お釣り分」のお金も入れてあるんでしょうね。
さらにちょっと読みにくいとは思うんですがお値段もかなり控えめというか安い!ビールは300円(しかもキリン・アサヒ・サッポロの3銘柄揃い踏み)、ペットボトルは150円、缶ジュースに至っては街場の自販機よりも安い100円です!
というわけで湯上がりタイムをしばしのんびりしたところで、いよいよ夕ご飯タイムとなりました。
http://achikochi.takema.net/kokunai4/09teshirosawa/09teshirosawa05.htm
翌朝はいい天気に恵まれました♪
さて上の画像は朝のものですが、順序的にはこれから夕食です(笑)。席にはしっかりこの日のコースメニューについて記された紙が置かれています。そしてその脇には飲み物メニューが‥ん?やたらに豊富?ええ、ワインリスト?グラスじゃなくてボトルで?
かなりのリストの中からフルボトルのワインをオーダーすることができちゃうんですね。しかもそのおよそ半数は生育時の農薬使用量を極力排除し、また酸化防止剤等の使用も抑えた「自然派ワイン」ということで、これならおしんこどんも大丈夫か?(彼女は別名「カナリアおしんこどん」と呼ばれ、防腐剤等の入った飲み物を飲むとすぐに頭が痛くなるのです)。
オーダーしたワインが出てくるまでの間、食前酒で最初の乾杯。鹿肉が美味しかったぞ。
そしてあらためて栃木産の「農民ドライ」で乾杯です。う、うまーい!ん?すでに中身がない?(飲み干したあとの画像)
前菜6品のあと、それぞれアツアツで出てきたお料理。美味しくいただきました。でもお蕎麦にはもう一工夫ほしいかな。
夕食後は「プロレス三沢リング上で死去!」のニュースをよせばいいのにYoutubeなんぞで見ようとするものだから、「DL3分、動画10秒」なんてことにもなってましたが、とにかく静かな夜を過ごしましたとさ。しかしネットにつながっちゃってるおかげで「持ち込んだ宿題=過去の旅行記レポート作成」には全く手がつけられませんでしたが(笑)。
明けて翌朝。やっぱりまずはお風呂です!
ちなみに内風呂ですが、窓が大きく取られていてヒジョーに開放的です。で、ここのすごいところは窓を全開にするとその窓は全て外側に収納され「完全半露天風呂」になるというところです。この時期なんかは窓は不要、寒けりゃ浸かればいいんですからねということなのか昨日は一晩中全開でした。多少虫が入ってきてましたが(笑)。もっと虫が多くなるこれからの時期はどうするんでしょうかね?「山ん中なんだから虫くらいいて当然です♪」となるんでしょうか?
よく見ると湯の投入は2箇所。別源泉なんでしょうが味はあまり変わりません。山の上の方のガスも取れてきました。
と、ここで朝ごはん。やっぱりTakemaはこういう朝食基本形がいいなぁ好きだなぁ。
最後の最後にもう1回入っちゃえ!(当然)。すっかり山の稜線が見えてます。今日はいい天気♪
というわけでのんびりしていたので、チェックアウトは他の皆さんがほとんど出発なさったあとでしたね(笑)。でもまぁそれが元々の計画通りなので動じません。
宿の前の庭にはルピナスが咲き始めていました。かなり大きな株がたーくさんあったので、満開の時期になるとすごいだろうなと思われます。そういえばうちの屋上でも去年はこの花が咲いたんですが今年は音沙汰なし。やはり夏の暑さで根がやられてしまったのかな‥。
宿の前には山から引いた湧き水と源泉とが同じ場所で流されていました。
さーてそろそろ手白沢温泉を出発です。朝から身体の柔らかいおしんこどん、最近は結構どこでもこのポーズを取ることが多いのですが、残念ながらTakemaには真似ができません。というわけで宿の方にお願いしてツーショットをパチリ。では出発しましょう!
ちなみにこの環境、このアクセス等を考えると、やはりこの宿に泊まるならば連泊をしたいところですね。TVもなく(PC持参すればネットは通じるけれど)、風呂上がりのビールも安く、そして何よりも静かで落ち着いた環境といい温泉。湯治をするにはお値段が高すぎますが(ちなみに13,500円/人でした。休前日だともっと高いのか?)、せめて日中からぼーっと過ごし、気が向いたら温泉へ入り、ちょっと散歩したり、昼寝したり、ビール飲んだり。また来るときはじぇったいそうしようっと。紅葉の終わったあとあたりが狙い目か?
さてここからは昨日来た山道を戻ります。昨日のブナ平は雨音しか記憶に残りませんでしたが、やっぱり木洩れ日を受けながらのゆるーい下り道はいいですねぇ。いやもっとも最後の500mは結構な下り道ですが。
というわけで加仁湯まで戻ってきました。
http://achikochi.takema.net/kokunai4/09teshirosawa/09teshirosawa06.htm
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新緑の眩しい,秘湯奥鬼怒温泉郷の「手白澤温泉(栃木県塩谷郡栗山村川俣)」 へ行ってきた。
浅草8:00発の東武特急で鬼怒川温泉着9:59。通常はここから路線バスに乗車するのだが,何回も来ているAさんが,この人数なら値段はたいして変わらないと,ジャンボタクシーを手配してくれていたのですぐにバス終点でもある女夫渕(めおとぶち)へ向かう(およそ42,3キロ)。( ちなみにバス料金は2,100円,タクシー代は割り勘でひとり2,000円)
* このタクシーの運転手さん,冬場は現役の”マタギ”になるとかで周囲の山々の名前は勿論として植物(とくに樹木)に極めて詳しい!
途中,栗山村役場(来年10月に栗山村は日光市と合併するとのこと,私見だが交通・流通面では藤原町とか今市市と一緒になったほうが良いと思う)のある青柳平でトイレ休憩,駐車場前にある「物産センター」で団子を食べたり,お茶のサービスを受けたり,早くも山菜を買い込んだりとそれぞれ忙しい。
11:40 女夫渕の村営駐車場到着。
ここからは一般車は通行禁止,八丁の湯,加仁湯は観光旅館で送迎バスがあるが手白澤温泉は山の宿なので送迎バスはない。2時間半〜3時間の鬼怒川源流沿いの山道をハイキングすることとなる。
駐車場で記念写真を撮って,出発(11:50)。
遊歩道の基点(右写真のつり橋)までの林道が途中,斜面崩壊の危険有りとの事で通行禁止となっているが,構わず柵の端から進入。
奥鬼怒温泉郷の八丁の湯,加仁湯,日光沢温泉までは奥鬼怒遊歩道としてよく整備されていて,沢沿いの緩やかな登りの歩きやすいハイキングコースである。以前は”二つ岩”と称する峡谷に阻まれ,これを高巻きする難所があり,そこを通ったことのあるAさんは「ヒーヒー言って登った,もう二度と来たくない!」と思ったと,当時の様子を話してくれた。でもいまは,この難所に鋼鉄製の立派な橋が架かっていて難なく通過できる。
対岸斜面に残雪が僅かに見られるものの,周囲は燃えるような新緑,木々も花を咲かせている。真っ先に目に飛び込んできたのが”キブシ”,ところどころに”ヤマザクラ”も「ようこそいらっしゃい」と歓迎してくれる。道端にはスミレをはじめとする可憐な山野草もいっぱい。
歩き始めてからほぼ1時間半,二つ岩の手前の川岸の岩の上で昼食。大きなオムスビ2個をペロリとたいらげる,美味しい!おいしい!
流れの中に”カワガラス”,岩の上に”キセキレイ”,低空を”ノスリ”が旋回していった。対岸の崖をシジュウカラが行ったりきたりしている。
遊歩道では,”ウグイス”,”オオルリ”,”キビタキ”が耳を楽しませてくれ,帰途日光沢温泉付近では,”イワツバメ”が群舞していた。
ヤマザクラ or オオヤマザクラ
(孫六沢出合付近)
八丁の湯で休憩,無料の”足湯”あるも,最後の登りを控えているので我慢して浸らず。
加仁湯で,いったん奥鬼怒スーパー林道(川俣から奥鬼怒温泉郷を経て尾瀬大清水を結ぶ)にでて少し下流方向へ戻り,Uターンする格好で手白沢林道に入る。
この道は手白澤温泉の私道とかで途中,温泉名の入ったペイローダーが冬場に荒れた路面の補修作業をしていた。大変な労力をかけて温泉場を守っているんだと言うことを知り感激する。
ここから手白澤温泉までダラダラした登りを約40分。”アカゲラ”のドラミングが心地よく林の中に響く,負けじと囀る”ウグイス”,”ジュウイチ”,”センダイムシクイ”,”シジュウカラ”などの声を聞きながらブナ林の中をマイペースで登る。
14:50 到着。 のんびり歩いてちょうど3時間のハイキングでした。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~yajima/tesirosawa1.htm
手白澤温泉の標高は1480m,昔は山小屋として利用されていたそうだ。今は鉄骨トラスの天井の高い1階建てで,すっきりした造りである。10〜15畳の部屋(和室)が全6室しかなく宿泊費は一部屋に泊まる人数によって異なる。閑散期に一人で泊まると18,000円,二人だと13,500円と割高になる。わたし達7人は,二部屋に分かれて泊まりビール・お酒込みで一人当たり12,840円だった。
靴置き場の棚には温泉の湯を通したパイプが設置されていて,濡れた靴を乾燥したり出かける際には温まった靴を履けるようになっていたり全館床暖房されているなど心憎いばかりの親切さとともに若い人たちがきびきびと働いていて好感の持てる宿である。
手白沢の開けた谷に建つヒュッテ 残雪の大割山(標高2304m)
大嵐山(おおあれやま)とも呼ぶ 右側に客室,左側が食堂突き当りが浴室で機能的な配置。ただしバリアフリーになっていないのがやや気になる。
■ 温泉
さていよいよ温泉。
内湯と露天風呂が男女別々にあるのだが,浴室に入ったときどうも風が入ってくると感じたのだが内湯の窓は外気温度が5℃くらいなのに全開となっていた。湯温は52.2℃と大変熱いことと硫化水素臭がしているので換気のためでもあると納得。泉種は”単純硫黄泉”,こまかな湯の花が舞う無色透明な好い湯でした。
男性用露天風呂 女性用露天風呂から大割山の眺めが素晴らしい 洗い場も豊富な温泉水のかけ流し
■ 食事
温泉での二番目の楽しみは食事!
山奥の温泉なのに食事はフレンチとの触れ込みだったが,実際は和洋折衷。ありきたりのインスタント的旅館料理でなく,美味しい料理を造ろうという料理人の気持ちが伝わってくるような味であった。
前菜 岩魚のムニエル香味ソース 伊達鶏の炙り焼き
■ また来たいね!手白澤温泉
翌朝,ピ〜ピ〜という鹿の鳴き声で目を覚ます。自然に囲まれた宿でのなんとも贅沢な目覚めである。今日も天気はよさそうだ,谷間から見上げる空は青く眩しい。 一泊で去るのが残念でたまらない,また来よっと!!
昨日の運転手さんが加仁湯まで迎えに来てくれ,帰りは鬼怒川温泉へは戻らず,山越えして大笹牧場→霧降高原→日光経由で今市で東武特急に乗車することに変更。
9:30 帰路に着く。加仁湯までは昨日登って来た手白沢林道ではなくブナ平を縫う遊歩道を下る。日光沢温泉にでる手前はかなりの急坂で,ここを往路にしなかったのは正解であった。
加仁湯から,イワツバメの群舞に驚きまたヤマザクラに別れを惜しみながらスーパー林道を女夫渕方向へぶらぶらと歩むうちにタクシーがやってきた。10:40 奥鬼怒温泉郷発。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~yajima/tesirosawa2.htm
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08年11月 片道2時間半の山歩きを強制される宿泊先である手白澤温泉ヒュッテに宿泊。確かに徒歩での行軍は疲れるし、これじゃ癒しじゃないじゃないか!とも思うのですが、帰宅後、すぐにリピートしたくなった宿です。滞在中はきわめて快適でした。
いわずと知れた外観。建物が遠方から見えたときの安堵感といったら、もう…
ちなみにこれは夜の玄関スペース。宿の有名犬クロがお休みしていました。木材で統一された床やら壁やらはピカピカでとってもきれいでした。ちなみに宿には一番乗りでした。頑張って歩きましたから…
宿に到着後はまずすぐにお風呂へ。そして入浴後に缶ビールを自分で取り出してググッと。ビールの種類はいくつか選べたので、一番搾りをゲットしました。
冷蔵庫は廊下にあって、勝手に取るシステム。お金も布の下に勝手に置いておきます。これまた一番乗りでした。盗む人などいない牧歌的な環境にあるのですね。最後に部屋の様子を。
これは夕食後に布団を敷いてもらった状況。部屋が広いからテーブルを移動するだけで、布団が敷ける。テレビもないけど読書とお風呂に専念できる非常に静かな環境でした。良かった〜
http://tokasumi-onsen.blog.so-net.ne.jp/2009-01-26-2
今度はお風呂の様子を。これもネット上ではさんざん紹介されているので今更という気もしますね。これまたブログの練習、練習。お風呂はもちろん源泉掛け流し!!ドバドバと湯船から溢れています。
男女交替がないので、男湯のみ。内風呂です。窓が完全に開放されているので、半露天?のような感じです。この画面の右側に露天風呂が続くわけです。
露天風呂の様子。内風呂から出たところです。基本的には透明のお湯ですが、ちょっと白っぽい湯の花が浮いていて、なんとなく白くも見えます。露天はかなり温めでした。でも長湯にはこのくらいでないと。内風呂での長湯は私には無理…妻は熱い内風呂が好みだったようです。まったく正反対だな…
露天の入浴時目線。左側に内風呂への入り口が続きます。背後に雪をかぶった山を愛でながらの入浴になりました。一人で独占できると本当に満足な露天です。ちなみに初雪を体験したのも翌日早朝でした。何やら、雪が降っているのではなく、どこからか舞ってきているのだと宿の方がおっしゃっていました。
カランはありませんから、この新鮮なお湯を利用することになります。これも豪快で気分は最高!
コメント
カランじゃなく、ぶっとい樋のようなものからお湯がドバドバ!
こんな贅沢もあるんですね。こんなのは体験したことがないので、是非とも行きたい。
しかし、片道2時間半ですか…。うーん、厳しい。行程にはかなりの登り下りがあるんでしょうか?
行くなら、還暦前ですね。
体じゅうの贅肉に「お前は、筋肉なのだ!」と言い聞かせて、がんばろうかな…(ーー;)
by ふくらすずめ (2009-02-03 22:34)
写真のような贅沢なお湯の使い方は、多分なかなか感じられない豊かさを示してくれるように思います。
徒歩での行き方には、姑息な方法もあって…
前日に、八丁湯か加仁湯に宿泊して、そこでお昼過ぎまでダラダラする(超過料金とかかかるかもしれませんが)という方法。この二つの宿までは宿泊なら、バスで送迎してくれますから。加仁湯からなら歩いて30分くらいで手白澤に着きますよ。でもあくまで姑息な方法。
もし女夫淵から歩いても、大変なのは、最初の階段+山越え。これが15分くらいかかるかも。でもこれは最初で最大の難関で、帰りもこれがあるのが憂鬱です。あとは往路でやっかいなのは加仁湯から直後のブナ平にいたるまでの階段での登りです。これも実質は10分くらいなのですが。それ以外はどちらかというと平坦な道です。うちのような体力力勝負に向かない夫婦でも踏破できたので、大丈夫だと思いますよ。それを経験しても、やはり宿泊する価値はあります。
by to-gasumi (2009-02-05 22:08)
http://tokasumi-onsen.blog.so-net.ne.jp/2009-01-27
そして夕食です。
最初に用意されていたサラダと前菜、漬物、食前酒。前菜は、ウドの白い部分を酢漬けにしたものが清々しくて美味。意外な味でした。それ以外はいわゆる山菜中心ながらどれもかなりいけました。このあとすぐにガーリックトーストが来ます。つまみが増えたぞ〜と二人で大喜び。
岩魚のムニエルヴァンブランソースというものです。もちろん美味い。
牛ヒレステーキマディラソース。この段階でもまったくごはんのおかずにせず、飲み続けています。ちょっとだけ自分の姿が映っていますが、そういう写真しかありませんでした。ブログ用の写真って、意識しないと撮れないもんですね〜
最後はごはんとおそば。ごはんに添えられた蕗味噌も、蕗の味が濃厚でうまい。左後方に、空となった四季桜の4合瓶が立っています。この段階では別のお酒を飲んでいますので、四季桜は空です。
最後にデザート(シャーベット)とコーヒーで〆。山の宿で優雅な、ちょっとしたコースを、気楽に、かつリーズナブルな日本酒を味わいながら堪能できたという印象。夕食は多くの人が絶賛するように、非常に満足できました。もう一度食べたい…
食事所は簾らしきもので仕切られ、個室的な雰囲気を保っているし、この日の客層も1組を除いては、とても静かに夕食を楽しむというグループばかりだったので、落ち着いた雰囲気で快適でした。他人の目を気にするようなことはほとんどなく、ゆっくり食事ができたなあと思います。人気がある秘密を身をもって知ることができました。
http://tokasumi-onsen.blog.so-net.ne.jp/2009-01-28
まずは朝食から。
漬け物(梅干しときゅうりやミョウガの漬け物)、川魚の甘露煮(ガリが添付)、水菜のサラダ、温泉卵、キノコのおろし和え、以上がおかずとなります。で…妻は、温泉卵が嫌い、ミョウガも嫌い、ガリも嫌い、梅干しも大嫌い…ということで、大変な朝ご飯となったようです。つまりおかずがない…というか、巨大な甘露煮と格闘して、事実上はこれでごはんを食べるということに。単調な味には、さすがに困ったようです。
私はどれも大好物で、温泉卵はいつものように妻の分も含めて二つ食べました(これは温泉宿に宿泊したときの我が家の慣例です。ちなみに妻は生卵と半熟卵が食べられません。要するに黄身がしっかりしないとダメなのです)。
感想
お酒のメニューです。洋食のコースのような夕食なのに、ワインという選択肢は我が家ではありえず、ビールも飲まずに、いきなり日本酒に。4合瓶も良心的ですが、四季桜の生純米が大きめのコップ1杯で来るので、お奨めです。4合瓶を空けたあと、これを追加して、最後まで飲み続けていました。こういうことだけでも、なんだか夕食がより一層すばらしく感じてしまう飲んべえ夫婦でした。
深夜の露天風呂では、降り注ぐような満天の星を見上げました。怖いくらいでした…
そして翌日、女夫淵温泉までの帰路は、紅葉を愛でながら、基本的に下りとなる遊歩道を、名残を惜しみつつ辿っていったのでした。大自然を満喫するのには最適。本当に山の中にひっそりとたたずむ一軒宿ですから。さりとて、設備は、十分快適に宿泊できるだけのものを備えている、そんな宿でした。
簡単には辿り着けない分、より一層再訪してみたい気持ちが強くなりました。でも冬は無理だろうなあ…遭難しそうで。
http://tokasumi-onsen.blog.so-net.ne.jp/2009-02-02
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今回紹介する『手白澤温泉』は、最近巷に溢れる「秘湯の宿」という言葉を具現化したような宿であり、「秘湯=人里から離れた秘められた湯」という言葉の定義であるとするならば、正に『手白澤温泉』こそ正真正銘の秘湯の宿だと呼べると思います。
その理由はなぜか・・・?
実はこの『手白澤温泉』、奥鬼怒四湯と呼ばれる山中の温泉宿の中でも最奥部に位置し、最寄りのバス停・駐車場からのアプローチは基本的に徒歩のみ、しかも森の中の遊歩道を歩いて2時間半もかかるという深山幽谷の地に位置しています。
果たして、わざわざそんな苦労をしてまで足を運ぶ価値が本当にある宿なのか・・・?
この真意を確かめるべく意を決して足を運んでみたというワケなんですが、これがズバリ大ありでした。
2時間半かけて歩いた先に待っていたのは、湯量豊富な極上の温泉、フレンチを思わせるような絶品創作料理、そして山奥の宿とは思えないような清潔で美しいわずか6室のみの客室と、頑張って足を運んだ者だけが味わえる至福の時間と静寂な空間を思う存分堪能することができました。
そんな大自然を満喫できる秘湯の一軒宿、『手白澤温泉(ヒュッテ)』の宿泊レポートについてこれから数回に分けて紹介していきたい思います。
今回は先ず宿に向かう道のりを中心に紹介します。
前泊地の『向瀧』を9時過ぎに出発し、会津西街道を奥鬼怒方面に向け爽快にひた走ります。
川治の手前で県道に入った後は、女夫淵温泉の駐車場を目指して山道をひたすら奥へと上って行きます。
走れど走れどなかなか到着しないあたり、未だ見ぬ秘湯への憧れが高まってくるアプローチでした。
奥鬼怒4湯の玄関口となる女夫淵温泉に到着したのは12時の少し前、広々とした無料の駐車場に車を停めて身支度を整えます。平日のため比較的車の数は少なかったですが、奥鬼怒四湯方面から戻って来た人、これから足を運ぶ私達のようなハイカーの姿で賑わっていました。
案内板に沿って、『手白澤温泉』に向けいざ出発です。
ゲートのある出発地点の橋の先からは一般車は通行禁止となっていますが、八丁湯・加仁湯温泉への送迎車やタクシーなどは通行することができます。但し、実際には通行禁止にもかかわらずマイカーで乗り入れてしまう不埒な輩もいるようです。
『手白澤温泉』への道のりは2つあり、車も走れる整備された林道を歩いて行くコースと、多少アップダウンのある川沿いの遊歩道を歩いていく自然満喫コースとに分かれます。少しでも楽に早く宿に向かいたい人は林道コース、ハイキングも楽しみたいという人には遊歩道コースをたどる形になりますが、私達はもちろん遊歩道コースを歩くことにしました。遊歩道コースはこちらの階段を上って行きます。
5分ほど歩くと、鬼怒川源流部に掛かる吊り橋の姿が見えてきました。吊り橋を渡ってからは、比較的歩き安いいかにも遊歩道といった道をのんびりと先へ進みます。
歩き初めてからは出会う人の姿も少なく、川のせせらぎや蝉の鳴き声など、自然の音だけが心地よく耳に響き渡ります。
歩き始めて約50分、ちょうど休憩のしやすい河原を見つけたので昼食を取ることにしました。
コンビニで買ったパンとおにぎりだけですが、この上ないご馳走の様に感じられるから不思議です。
真夏でも標高の高い山の中だけあって、涼しい風が川面を吹き抜けホッとひと息つくことができました。
大自然の中の絶品ランチを満喫した後は、いくつかの橋を渡りながら川沿いの道を上流に向かってひたすら歩いていきます。遊歩道の途中途中に案内板が立っているので、特に地図など持たなくても迷う心配はありません。
出発しておよそ1時間50分(昼食休憩30分含)、温泉好きの気持ちを疼かせる奥鬼怒四湯最初の宿、『八丁湯』に到着しました。湯浴みを楽しみたい気持ちを何とか抑えながら、休むこと無く先を急ぎます。
宿の軒下には、看板犬の「ちび」が昼寝を楽しんでいました。「ちび」とは名ばかりのどでかい老犬の姿は愛嬌たっぷりです。
『八丁湯』から歩くこと約10分、今度は関東屈指の白濁湯を湛える宿として人気の高い『加仁湯』の姿が見えて来ました。シンプルな外観ですが、客室数50室を越える設備の整った大型旅館です。団体客の姿も多いということで宿泊したいという気持ちは今のところありませんが、魅力的な露天風呂にはいつか必ず浸かってみたいものです。
『加仁湯』の先で林道コースと遊歩道コースが交差しますが、私達は最後まで初志貫徹の思いで遊歩道を上って行きます。『手白澤温泉』へはあと1.7km、およそ40分の道のりです。彼女はまだまだ余力充分、運動不足気味の私はだいぶ疲れがたまって来ました。
しばらく行くと、「ブナ平」と呼ばれるブナの原生林地帯が広がります。東北地方のそれには及びませんが、なかなか幻想的な原生林を楽しむことができるため頑張って遊歩道を歩いて来ました。
「ブナ平」を抜けてしばらく行くと、林道へと合流します。ここで遊歩道は終点となり、宿まではもうひと頑張りです。最後はのんびりと歩きたいところでしたが、山の天気は変わりやすく空にはカミナリ雲が発生しつつありました。ゴロゴロという雷鳴を気にしつつ早足で宿に向かいます。
小さな沢を一つ越えると視界が開け、ようやく前方に『手白澤温泉』の姿が見えて来ました。石垣の上には、雰囲気の良い瀟洒な山の宿が佇んでいます。女夫淵温泉を出発して3時間、休憩時間が30分であったので予定通り2時間半で到着となりました。
こちらが秘湯中の秘湯、『手白澤温泉(ヒュッテ)』の玄関です。評判どおり、清潔感溢れる魅力的な外観でした。頭上に掲げられた『テッユヒ泉温澤白手』の看板もいい味わいを出しています。
中に入ると、この宿のアイドルでもある「クロ」が凛々しい姿で出迎えてくれました。こちらの「クロ」、いたずらに愛想を振りまくワケでもなく、また頭などを撫でてもさほど嫌がるワケでもなく、しっかりと自分を持ったいかにも利口そうな犬といった印象です。時には女夫淵温泉まで一人で歩いて行って、宿泊客を先導しながら戻って来ることもあるらしく、正に愛すべき看板犬の姿です。
こちらのフロントにてチェックインの手続きを済ませ、鍵を受け取って客室へと向かいます。山の宿ながら明るく清潔感漂う館内の姿に先ずは好印象でした。平屋づくりの建物ですが、天井が高く開放感抜群の廊下も清々しい雰囲気に満ち溢れていました。
廊下に沿って、6室ばかりの客室が並んでいます。今回宿泊する客室名はシンプルに「参番」−。
選ばれしわずか6組だけの至福の一夜がこれから始まります。
ハイキングなどを時々楽しむことはあっても、温泉宿に2時間半もかけて歩いて向かうという体験は初めてだったんですが、近過ぎもせず、遠過ぎもせず、宿に到着する頃に程良く疲れが貯まるという絶妙なアプローチは秘湯気分を盛り上げるには充分な演出であるような気がしました。
実際に歩いてみてそれほどハードな登山道という感じはしませんでしたが、どうしても歩くのが苦手だという人はタクシーで宿に向かうことも可能です。(送迎等は一切無し)但し、自分の足でたどり着いてこその満足度であると思うので、林道コースであっても歩いて足を運んでみることをオススメしたいと思いました。
コメント
ワタシなら迷いなく林道コースです(笑)ハイキングコースはクマが出そうです〜。鈴持って行かないと。。
それにしても、秘湯とは思えない施設ですね、清潔で手入れが行き届いていて、とてもスッキリしています。お食事も美味しいのなら、言う事なしですよね〜。
2008/11/22(土) 午後 7:20
あらら、ちろっこさんも楽チンコースの選択ですね(笑)。
でもこちらのお宿、女性の人気が高いんですよ〜☆
宿泊客の半分以上は女性でした。
っていってもわずか6組しかいませんでしたが・・・(^_^;)
周囲は山の中の大自然、館内はピカピカ、お風呂は極上、そして料理は絶品と、正に文句の付けようのない素晴らしさでした☆
あ〜、思い出したらまた行きたくなってしまった!!
2008/11/22(土) 午後 9:07
http://blogs.yahoo.co.jp/demio_for_life/46885962.html
森の中を2時間半かけて歩いた到着した『手白澤温泉』に待っているのは、頑張って足を運んだ者だけが味わえる至福の一夜です。そんな旅人達の快適な滞在をサポートするのはやはり温泉と客室〜。
山奥に存在する温泉宿の印象といえば、何となく風雪に耐え忍んだ鄙びた外観や、およそ清潔感とは無縁の古びた館内をイメージしてしまいますが、こちらの『手白澤温泉』に関していえばそういった心配は一切ご無用、お風呂も客室もとにかく手入れの行き届いた「気持ちよさ」に溢れる空間が提供されています。
もちろん、あくまで山の宿であるため下界の豪華な旅館とは比べる由はありませんが、無駄を極力そぎ落としたシンプルな美しさと快適性は、私が温泉宿に求める癒しやくつろぎを味える環境の条件を十分に満たしていました。今回は、そんな『手白澤温泉』の宿泊した客室と極上の温泉を堪能することができるお風呂の様子について紹介したいと思います。
客室に入ると、山の宿らしく入口付近はゆとりのある空間が広がっています。上着を掛けられるフックやザックを置くことのできる棚などが備わり、機能的で非常に便利な作りでした。棚の上には備え付けのタオルと浴衣、当然ながら巾着などはありません。
こちらが客室の様子です。全6室の客室は全て飾り気の無いシンプルな和室、15畳もあろうかという二人では持て余してしまいそうなゆとりある空間でした。もちろんテレビは置かれていないので、鳥や虫達の声、せせらぎや風のさざめきなど必然的に自然が奏でる音に耳が傾きます。
窓の外に目をやると、うっすらと絵葉書の様な森の姿が広がっています。自分たちが歩いてきた道を眺め、途中の行程を思い出しては悦にひたってしまいました。テーブルの上には食事の案内や、クロにエサをあげないようにとの注意書きが置かれています。
こちらは客室の洗面所。非常に冷たい水が出るので、湯上がり後などにガブガブと飲みまくってしまいました。
トイレはシャワートイレではありませんが、特に不満はありません。
ただスリッパが昔懐かし過ぎるような感じも・・・。
最後に夜に布団を敷いた状態です。夏場ということで、窓が少しでも開いているとたちまち虫が入り込んで来るので注意が必要です。窓を開けてせっかくの星空を眺めたい思いと、虫の侵入だけは防ぎたいという思いでずいぶんと心の葛藤がありました。
部屋の設えに特筆すべき点はありませんが、掃除の行き届いた至極快適な環境に何の不満もありません。
また、夏場でもエアコン要らずの環境は寝苦しい熱帯夜続きの毎日から開放されて非常に助かりました。
できれば夏場に1週間くらい滞在して、俗世間を離れた山の中の別荘暮らしを楽しんでみたいものです。
続いてはお風呂の紹介です。
何を目当てにこの宿に足を運ぶかは人それぞれだと思いますが、私は何といっても開放感抜群のお風呂を大いに楽しみにしていました。奥鬼怒四湯の他の温泉宿と違って日帰り入浴客を受け付けていないため、混雑とは無縁の贅沢な湯浴みが保証されているのも嬉しい限りです。タオル片手に早速廊下の一番奥に位置するお風呂へと足を運んでみました。
廊下の突き当たりの右側が男性用、左側が女性用となっていますが、先ずは男湯から紹介します。
脱衣所は明るいフローリングが印象的な開放感あふれる作り、ピカピカに磨かれていて気持ちの良い空間です。服を脱ぎらながらも、ガラスの向こう側に見える魅力的なお風呂の姿が気になって仕方ありません。
はやる気持ちで浴室への扉に手をかけました。こちらが内湯の様子です。
ほのかに漂うイオウの香り、うっすらと濁った肌触りの良いマイルドな湯、窓を全開にして半露天風呂感覚で楽しむ開放的な湯小屋と、噂には聞いていたもののこれほどまでに素晴らしいお風呂だったのかと、改めて感動の思いがよぎりました。
広く取られた窓の外には、四季を彩る美しい自然が広がります。
そして、このお風呂の名物でもある洗い場の様子がこちらです。カランでもシャワーでもなく、洗い場に備わる湯口からは絶え間なく温泉が湧き出ていて、体を洗う際はこちらの湯を利用します。シャンプーなどすると完全にイオウの香りが髪についてしまうとは思いますが、そんな小さなことは気にせず豪快に楽しみたいものです。ちなみに全く利用しませんでしたが、他に冷たい水の出るシャワーが1つだけ設けられていました。
湯船の縁に腰を掛け、出たり入ったりを繰り返しながら極上の湯浴みを満喫させてもらいました。奥の扉の向こうには露天風呂が待ち構えています。こちらが露天風呂の様子です。野趣満点の作りでありながら、葉っぱ一つ浮いていない手入れの行き届いた素晴らしい露天風呂です。
比較的熱めの内湯に比べると露天の湯はやや温め、長湯を楽しむのにも最適な温度といった印象でした。
お風呂の下を覗くと、サラサラと手白沢が流れています。
湯口の近くに身を寄せ、とろけるようなあまりの心地よさにこのまま何時間でも入っていたいような思いが頭をよぎります。
・・・・・が、実はこの時あるモノとの壮絶な戦いを強いられる状況にありました。そうです、この季節の名物?とも云える永遠の宿敵、アブとの戦いです。山の宿だけあって、日中はまさしくアブの天国状態!
隙を見せるとすぐに刺されてしまうという落ち着かない状態が続き、背中を岩にピッタリとつけ、顎の下まで湯船に身をくぐらせながらとにかくタオルを振り回してアブを追い払っていましたが、相手は多勢に無勢、さすがに観念にて早々に内湯へと引き返しました。せっかく素晴らしい露天風呂が目の前にあるのに入れないという状況はかなり残酷な状況です。この露天風呂を思う存分満喫するためには、やはり7〜8月は避けた方が無難であるとつくづく感じました。
さて、日中は完全にアブの支配下にあったお風呂ですが、夜から早朝にかけてはつかの間の平和が訪れます。
夜のお風呂の雰囲気もまた、アブとの戦いを忘れさせる安らぎに満ち溢れていました。
夜になると空気もいっそう涼しくなり、オレンジ色の優しい光りに包まれながらじっくりと長湯を楽しむことができます。露天風呂は真っ暗であったので写真はありませんが、頭上には満点の星空が輝き、何物にも代え難い心の贅沢を充分に満喫することができました。
翌朝もアブが目覚める前にと、早起きして爽やかな朝風呂を楽しみました。
山の稜線から朝日が昇り、キラキラと湯面が輝く様は感動的です。
翌朝は快晴。
青と緑との世界に包まれながら、このお風呂にすっかりと心を奪われてしまった自分がいました。
続いて女湯の紹介です。ちなみにこちらのお宿では男女の浴室交代はありません。脱衣所は男湯とほぼ同じつくり、脱いだ浴衣は籠に入れておくだけのシンプルなスタイルです。
扉の向こうには、男湯とはまたひと味違った作りの魅惑的なお風呂の姿が目に入ります。
シンプルな石造りのお風呂とそれに注がれる美しい湯、そして周囲に広がる山の緑−。
これぞ正真正銘の贅沢なお風呂の姿であると思います。
湯船には湯の花が舞い、いかにも温泉らしい単純硫黄泉が注がれます。phも6.9とほぼ中性で、刺激が少なく硫黄泉が苦手な人でも比較的入りやすいお湯であるのではないでしょうか。
洗い場も男湯と同じ作り、湯桶は臼と雰囲気満点です。ほとんど露天風呂と云っても過言ではないような内湯の様子。気温の下がる時期にはしっかりとガラス戸が閉じられるようです。緑に囲まれた一段高い位置に作られている露天風呂は、男湯よりも自然との一体感が強く感じられます。
やや小ぶりながらも、これを見たら入られずにはいられないような素晴らしい雰囲気の露天風呂を目にし、個人的には男湯よりもこちらの露天風呂の方が数段魅力的に映りました。手前には時々見かける金精様も鎮座しています。
私達が行った夏はもちろん、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪見と、このお風呂に入った人であれば恐らく全ての季節を体感してみたくなると思います。露天風呂が好きだという人には、是非一度味わってみて欲しいと感じる素晴らしいお風呂の姿でした。
お風呂を満喫して部屋に戻る廊下の途中には、ビールやお茶などが販売されています。冷蔵庫から取り出して箱に代金を入れておくというシステムですが、山奥にもかかわらず市価と変わらない料金設定に宿への好感度がますます高まりました。
楽しみにしていた『手白澤温泉』のお風呂、日中のアブの攻撃には思わず閉口しましたが、歩き疲れた体を癒すにはこれ以上のない素晴らしいお風呂を満喫できて大満足の思いでした。惜しむらくは男女の交代が無いということで、できればどちらも味わってみたかったというのが本音です。こうして記事を書いている間にも感動的なお風呂の様子が頭をよぎり、必ずまた再訪したいと思っています。
コメント
夏の山のお宿は虫はどうしても出ますよね。。
ワタシはホントに虫がダメなんで、夏は避けるようにしてます。
でもこちらは内湯の雰囲気がステキなので、内湯でも充分満喫できそうですよ♪
スッキリとした浴槽がまた気持ち良さそうです。
2008/11/24(月) 午後 5:09
http://blogs.yahoo.co.jp/demio_for_life/46966139.html
私は昔、登山が好きで休みの日などよく山に登ったものでした。山小屋にも何回か宿泊しましたが、苦労して登った後の食事が何とも美味しかったこと。例えありきたりのカレーであっても、レトルトのハンバーグであっても、疲れた体には何でも美味しく感じるから不思議です。もしそんな山小屋での食事が、ワインにも良く合うまるでフレンチを思わせるような絶品コース料理だったら一体どうなるか?
想像しただけで思わず笑みがこぼれてしまいそうな光景ですが、『手白澤温泉』に宿泊するとそんな想像を現実のものとして体験することができます。最終回となる今回は、『手白澤温泉』で味わう魅力溢れる食事と帰りのハイキングの模様について紹介したいと思います。
先ずは夕食の紹介です。
『手白澤温泉』の夕食は午後6時から、食事の支度ができると連絡が入ります。食事の場所は夕・朝食とも落ち着いた雰囲気の食事処にていただきます。
食前酒に杏酒と梅酒の炭酸割りが振る舞われ、先ずは前菜をいただきます。
前菜は蕨のお浸し、独活の酢漬け、煮豆、独活の葉のお浸し、蕗の煮付けの5品で、いかにも山の宿といった滋味溢れる山菜類がお皿に並んでいました。
山菜好きには非常に嬉しい内容です。
続いては自家製ベーコンのサラダです。
大好きなシーザーサラダは、香ばしい絶品ベーコンにシャキシャキの新鮮野菜とクコの実が合わさり、まるで一流レストランの味ような一皿でした。
前菜、サラダで食欲がみなぎり、次の料理に期待が高まります。
続いては宿の名物ガーリックトーストです。
厚切りのトーストはふんわりもちもちとした食感、バターとガーリックのあんばいが絶妙で最高の美味しさでした。
できればこれだけでお腹をいっぱいにしたいと思えるほどのお気に入りです。
続いては岩魚のムニエル ヴァンブランソースの登場です。
山の宿ともなると大抵は岩魚の塩焼きですが、こちらの料理は完全に極上のフレンチとなっていて、文句の付けようのない美味しさでした。
魚とくれば次はお肉です。
肉料理は牛ヒレステーキ バルサミコソースと銘打ち、つけ合わせにはオリーブオイルの利いたラタトゥイユが添えられます。
山奥で味わう至福の味わいに感動がこみ上げてくる思いでした。
こちらは酒のつまみにもなるお新香です。
はじめからテーブルの上に並びますが、私はご飯とともにいただきました。
そして柚子の風味が爽やかな一口蕎麦と共に、
蕗味噌の乗ったご飯が運ばれます。
ご飯もしっかりとお代わりし、身も心もお腹いっぱいになりました。
ご覧の様に珈琲、紅茶、お茶などはセルフで自由にいただけるようになっています。
最後はデザートに白ワインがかかった柚子のシャーベットをいただき、至福の夕食を食べ終わりました。
料理に定評のある『手白澤温泉』ですが、実際に食してみてその評判に偽りナシということが実感できた夕食でした。和洋折衷のコース料理は、質・量ともに非常に満足度の高い内容で、歩き疲れた体の隅々まで染みいるような美味しさです。2時間半かけて歩くアプローチも、きっとこの食事の満足感を高めるための演出だと言っても過言ではないことでしょう。
引き続いて朝食の紹介です。朝食は7時半から、夕食と同じ席にていただきます。
こちらが朝食のお膳です。虹鱒の甘露煮、なめこおろし、水菜とジャコのサラダ、温泉卵、夏野菜の漬物といった内容で、シンプルながらも食欲が沸き立つ内容でした。ご飯も美味しく、朝からしっかりとお代わりしてしまいました。
個室ではありませんが、食事処はテーブル毎に簾が下がっていてプライベートな雰囲気も保ってくれています。食事処にはこんな暖炉も設けられていて、秋から冬にかけては暖炉を囲んだ食後の団らんも楽しそうです。最後にゆっくりと珈琲を楽しみ、出発の準備を整えました。
チェックアウト時間は10時ですが、朝食を食べ終えてしばらくすると宿泊客が次々と宿を後にして行きます。
鬼怒沼方面に向かう人、私達のように帰る人、みんなそれぞれ笑顔で充実した滞在に満足そうでした。
クロも玄関先に座ってみんなを見送っています。そして私達も宿を後にしましたが、嬉しいことにクロが一緒に着いて来てくれることになりました。名残惜しくしつこく声をかけたことが幸いしたのでしょうか、天気にも恵まれ思いがけず楽しいハイキングの始まりです。私先を先導するように、10mほど前をクロが歩いて行きます。道の分岐に差し掛かるとちゃんと立ち止まって待っていてくれるので、何とも利口で優しい犬なんだなぁと感動しました。
『加仁湯』までの道のり、帰りは山道を避けて平坦な林道コースを向かいました。『加仁湯』を過ぎ、再び遊歩道コースに入って間もなくすると森の中に瀟洒な『八丁湯』のログハウスが見えて来ます。
『八丁湯』の看板犬のチビと『手白澤温泉』のクロは友だち同士です。日陰で寝入っていたチビもクロが近寄って来ると尻尾を振って起きあがって来ました。二人とも優しく穏やかな性格のようで、鳴き声一つあげることなく楽しそうに挨拶を交わしています。いつもこうしてふれ合っているんだなぁと微笑ましく見入ってしまいました。
歩き始めたばかりでしたが、どうしても『八丁湯』に入って行きたかったのでここで立ち寄り入浴することにしました。こちらの『八丁湯』、秘湯を守る会にも加盟している奥鬼怒きっての人気宿です。
受付で料金を支払い、お目当ての露天風呂を目指します。暖簾をくぐった先が脱衣所で、混浴であるため女性のためにカーテンなども設けられていました。脱衣所の目の前には開放感抜群の露天風呂が備わり、少し離れた場所にも野趣溢れる岩風呂が魅力溢れる姿を覗かせています。但し例によってアブの飛来が始まっていたため、これらには入らずに目的のお風呂へ向かいました。
こちらの滝のすぐ脇に、目指すべき魅惑の露天風呂が待ち構えています。アブを追い払いながら、素っ裸で階段を駆け上がります。階段を上った先にあるのがこちらの露天風呂です。雑誌などで何度と無く目にしてきた憧れのお風呂でしたが、滝を前にした評判通りの眺望と肌触りの良い温めの湯はいかにも人気の出そうな魅力に満ち溢れていました。ただ夏場ということでアブが非常に多いのと、やや清潔感にかける感じがしたので、できれば雪見の季節などに入ることができれば満足感もさらにアップしたかも知れません。
滝見の露天風呂から下を眺めるとこのような光景になります。たくさんの露天風呂に囲まれているので、露天風呂好きにはたまらない環境といった感じでした。
しばし露天風呂を満喫した後は、内湯の方も覗かせてもらいました。こちらがいかにも秘湯の宿といった鄙びた雰囲気の内湯です。木と石の素材の質感が素晴らしいお風呂でしたが、こちらにもたくさんのアブが侵入していたので、急いで写真を撮り逃げるように『八丁湯』を後にしました。
八丁湯 http://www.8tyo-no-yu.co.jp/
『八丁湯』でクロと分かれ、女夫淵の駐車場に向かって森の中を再び歩き始めました。9時に宿を出発し、途中の立ち寄り入浴を含め3時間ほど歩いてようやくゴールが近づいて来ました。往路に比べて、復路は全体的にゆるやかな下りが続いていたのでさほど疲れることもなく歩くことができました。歩くのにあまり自信がない人は、往きは林道コースで宿に向かい、帰りだけ遊歩道を歩いてみるのも一つの手かも知れません。
眩しい夏空が広がる女夫淵駐車場にたどり着き、充実した奥鬼怒温泉郷の旅の終了です。名残惜しい思いで荷物をまとめがら、必ずまた再訪しようと心に誓いました。2時間半もかけて歩いて行かなければならないと聞いただけで尻込みしてしまう方も多いと思いますが、ご覧いただいた通り、頑張って足を運んだ先には正に至福の一夜が待っていてくれます。こういう刺激的な宿の存在を知ってしまうと、今後至れりつくせりの温泉宿が何となく物足りなく感じてしまいそうな気さえしました。
次回は新緑の春か紅葉の秋にでも必ず再訪してみようと思っています。
コメント(12)
和食でもなく、完全なフレンチでもなく、いいとこ取りのお食事が魅力ですね〜♪
これだけ揃って1万円台というのは、かなりコスパ高いです。
2008/12/6(土) 午後 1:03
ちろっこさん、なるほど『手白澤温泉』の食事は正にいいトコ取りって感じの内容でした☆
見た目以上にその味が美味しかったので、ホント満足度高しです(~o~)
お湯よし、雰囲気良し、食事よしの『手白澤温泉』ですが、忘れてならない存在がやっぱり看板犬のクロの存在ですね!
玄関で座り込んでいたクロが一緒に着いて来てくれた時はホントに嬉しくて、ワクワクしながら林道を歩きました。次回は帰りだけでなく、往きも迎えに来てくれると嬉しいんだけどなぁ・・・(^-^)
2008/12/6(土) 午後 5:08
http://blogs.yahoo.co.jp/demio_for_life/47416431.html
,.へ、 ,.へ、/ 小\____
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一昨年の10月下旬、紅葉真っ盛りの頃に温泉仲間のオフ会で行った温泉で、奥鬼怒4湯の最奥にあります。
日光沢温泉に立ち寄り入浴した後、宿泊場所として訪れました。日光沢も手白澤も、それまで入ってきた温泉の中でも別格によく感じられたのは、オフ会の楽しさや紅葉の美しさも手伝っていたのかもしれません。
何しろ、写真のヒュッテが見えてきたときから、幻想的な美しささえ感じていました。こんな山奥とは思えない、デザイナーズのようなお洒落な建物。内湯や露天まで風情たっぷりです。夕食はフレンチと和食の中間のようなコース料理です。とても美味しく、何もかも完璧な温泉宿です。
温泉は重曹泉のような性格を持った硫黄泉。薄白濁の湯は、優しい肌触り。温泉臭からは爽やかな清涼感を感じます。露天は温く、長湯もできるくらいでした。力強くはありませんが、薄白濁の気品のあるお湯という印象があります。
この夜、あの新潟大震災があり、夕食前から夕食中にかけて、ここでもかなり揺れたことが妙な思い出になってしまいました。 (2007年4月 8日 (日))
http://hiro33.cocolog-nifty.com/ichiyu/2007/04/post_d116.html
手白澤温泉再訪の念願が叶いました。5年半ぶりの再訪になります。初訪問時は紅葉の美しい季節で、温泉マニア集団のオフ会でしたから、興奮もあって、とてもよい印象と記憶が残っています。自分の中では一番気に入りの温泉という感があって、今回はそれが思い過ごしでないことを確認するという目的がありました。
お湯は、火山系の硫化水素と硫酸バリバリのものとはだいぶ違い、硫黄は香るものの、爽やかでライトな感じのする泉質です。これは、全体の1/3をHCO3が占めるからだと思いますが、硫黄や硫酸もけっこう含まれていて、じっくり浸かっていると決して緩いお湯ではないことが分かります。僕にはとても合います。
色は微白濁の透明で、白と黒の湯の華が多く浮遊しています。内湯は熱め、露天は温めに調整されています。
夕食は和とフレンチの折衷で、全て箸で食べます。けっこう美味しいのですが、ワインのメニューを見せられると、なんだか山奥の温泉宿としては違和感を覚えなくもありません。まあ、その辺はたいして重要なことではないでしょう。なにしろ、いいお宿だと思います。
手白澤温泉はやはり素晴らしいです。お湯の素晴らしさも確かめられましたが、浴室をはじめとする建築意匠にも強く惹かれます。ここで☆評価を上げようと思います。本ブログ初めての三ツ星ということになります。
末永くお付き合いしていきたい宿です。
http://hiro33.cocolog-nifty.com/ichiyu/2011/05/post-d116.html
念願の手白沢温泉にようやく宿泊することができました。その存在を知って以来何度か来ようと企画したのですが、満室のことが多くなかなか宿泊する機会がありませんでした。今回は春休みの平日だったので簡単に予約を取ることができました。
問題は3時間も雪道を歩けるか?です。
手白沢温泉はたどり着くのにもかなりハードルの高い温泉です。女夫渕温泉に車を止めてそこから歩いてしか行くことができません。林道経由で約3時間の行程です。急な上り坂はないものの普段運動をしていない身には結構辛い距離です。
女夫渕温泉から2時間半くらいで目指す手白沢温泉が見えてきました。凄く立派な外観でこんな山の中にあるのが不思議な感じです。山小屋風の素朴な建物を予想していましたが、まったく予想とは違っていました。
玄関に着くと黒い犬がお出迎えです。まったく吠えないところがさすが旅館の犬ですね。館内はまだ新しい感じのするもので、そこかしこに木材が贅沢に使用されておりとても見事な造りです。しかしここのデザインは誰が行ったのか知りませんが、とても素晴らしいと思います。
廊下は天井が凄く高いので、採光もよくとてもゆったりした空間が生まれていてフンイキはかなり良いです。部屋もかなり広くしかも床が多分温泉熱の床暖房になっていますので、暖かくなっています。畳に横になっているとホカホカして眠たくなってきます。
湯小屋は本館と繋がった別棟になっています。脱衣所も広く清潔で気持ちがいいです。ここの宿は6部屋しかないのに、この湯小屋の造りはとても贅沢な気がします。
お風呂は内湯×1と露天×1があります。内湯は12〜3人が入れる大きなもので、源泉が豪快に浴槽に注がれ掛け流しになっています。浴槽は残念ながら木製ではないですが、新鮮さ溢れる温泉がとめどなく流されていますので、とにかく浸かっていて心地のよいことこの上ありません。
お湯は薄く白濁しておりさらりとした感触ながらぬめり感も少しありお湯の成分で体中がやさしくなでられているような感じさえするくらい気持ちがいいです。灰色の湯花も大量に舞っています。まるでお湯の中で華麗な舞踏会を行っているような感じです。
露天は10人くらいが入れるもので上からと浴槽内からの2ヶ所からお湯が投入されています。それでも雪に囲まれた露天は内湯よりもお湯はぬるめになっています。浴槽の底が青い綺麗なタイル張りなっているため、お湯は青く見えますが露天はほぼ無色透明のお湯になっています。
内湯よりあっさりした感じのお湯ですが、とりまく環境が素晴らしいのでとてもよい気分でお湯に浸かることができます。3月下旬ですがまだまだ雪が多く残っており、のんびりと雪見風呂を堪能することができます。しかし、気持ちいいなあ。天気がよければ夜は満天の星を眺めながら入ることができるそうです。
こちらは女湯の内湯と露天です。ほぼ男湯と同じつくりですが、露天男湯よりがやや狭いかもしれません。
内湯の浴室のカランがまた素晴らしいです。通常の水道の蛇口からではなく木の樋から源泉が常時勢い良く注がれ、丸太をくり貫いた桶に溜められていきます。お湯の量が半端ではなく多いので見ているだけで惚れ惚れするものでホント気持ちがいいです。
ざこざこ注がれざばざば捨てられていきます。24時間ずーっとこの状態なのですから感動ものです。この源泉を頭からかぶってシャンプーをするとほんのりと硫黄臭も香り何とも気持ちがいいです。
食事は食事どころでいただきますが、これも一般の温泉旅館とは一線を画したものでスバラシイです。薪ストーブで暖められた食事どころは、ここも天井が高く気分がいいです。料理は和洋折衷のものですが、山菜や岩魚など地元の素材の良さを十分に引き出した味わい深いものです。
岩魚のムニエル味噌ソースは絶品と言っていいと思います。質量ともに満足のいくもので、こんな山の中で(失礼!)このような洗練された料理に出会えるとはちょっと信じがたい経験です。
今回の宿泊は平日(月曜日)ということもあり熊谷家の貸切でした。これだけの見事な施設を我が家だけで貸切できるとはとてもシアワセでラッキーなことだと思います。特にこのスバラシイお風呂を好きなだけ独占できますので、贅沢としか言いようがありません。思わず笑いたくなるくらいでした。
2時間半も歩いてきた価値は十分にあります。温泉宿としての居心地のよさ、そしてお湯の良さのバランスがとてもよく第一級の温泉施設だと思います。私は手放しでここを大推薦したいと思います。宿泊しながらまたここに来たいと思わせる数少ない宿の一つです。
この宿にはテレビがありません。6時に夕食が始まり7時過ぎからはお風呂へ入るかゆっくり本でも読むかしかやることがありません。我が家では各自が最低一冊ずつ本を持ち込みましたので、静かな静かな中での読書タイムとなりました。ここにいると時間の感覚がなくなってしまいます。
部屋は床暖房でぽかぽかして乾燥気味で、ついうとうとしたくなってしまいます。静寂が辺りを包み込み時々人の発する咳とかくしゃみ、あるいは本をめくる音しか聞こえません。今までどこかに置き忘れてきた貴重な時間の感覚をちょっぴり取り戻したような感じがしました。(2006/03/27/Silent & Wonderful Night)
http://kumaken.3.pro.tok2.com/onsen/tochigi/tesirasawa.html
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