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分析:影の闇殿の保守虚妄論の虚構
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投稿者 Ddog 日時 2008 年 6 月 20 日 01:45:30: gb2b4T9TetGkU
 

(回答先: 現憲法による現憲法擁護発言 投稿者 彼岸楼 日時 2008 年 6 月 19 日 05:36:24)

《影の闇氏が指摘している南州残影とは、1989年、即位後の朝見の儀における発言『国民と共に日本国憲法を守り、国運の一層の進展と世界平和、人類の福祉の増進を切に希望して止みません』のことでしょう。 これを右翼の論客達がどう受けとめたのか推測が難しいのですが、何かしら“思想家”江藤淳の心中には突き刺さるものがあり、江藤淳なりの折り合いのつけ方として上梓したのが『南州残影』(1998)ではなかったのではないか、そう推論することは可能でしょう。つまり、影の闇氏の言説はその時点で“思想家”江藤淳が抱懐していただろう文脈(思想)に基準した考察であり、曲解とは少し粗雑な論評の感を禁じ得ません。》

彼岸楼殿、別に横レスでもなんでもなく、元々、彼岸楼殿の問いかけに答えたものです。

嗚呼!「即位後の朝見の儀における発言」あったかもなぁ。確かに20年ほど前にチラリとそんな議論が起きたような・・・、申し訳ないが記憶に残っていない。保守の論壇ではさほど取り上げられなかった気がします。当時、保守派の論客が、昭和から平成に移る時に、国賊文化人やマスコミとの間で繰り返し論じられたのは、昭和天皇の戦争責任といった議論にもならない、低次元の雑談であった。

はて、江藤淳の著作に憲法擁護発言に言及していたかなぁ?100冊以上の江藤淳の著作全部を読んではいないが、少なくとも即位直後の平成元年に出版された「天皇とその時代」(PHP:1989)には、某か言及しているのではないかと思い、本日読み直し検証した。ところが、まったく触れられていない。歯牙にもかけられてはいない。

批判も肯定もするどころか、1行も言及していない!江藤氏の思想行動からすれば、1行程度でも心中には突き刺さるものがあれば、「現天皇陛下による現憲法擁護発言」に某か触れてもおかしくはない。216Pのあとがきまで読んでも触れられて無い!

「南州残影」出版直後の昨日読んだ「南洲随想」にもまったく「現天皇陛下による現憲法擁護発言」は触れられておりません。この2冊は戦後政治の矛盾点、自民党政治マスコミ憲法皇室について触れられた短編を一冊に纏めた形式をとっています。

「何かしら“思想家”江藤淳の心中には突き刺さるものがあった」のなら、この2冊に1行ぐらい言及すべきはずだがまったく無い。本当に、影の闇殿や彼岸楼殿は江藤淳の著作をどの程度読み込まれたのか疑問です。今から釘を刺しておくが、反論に「言及できないほどのショック」と書いたらそれは詭弁であると断言する。

それ故、影の闇説は捏造とまでは言わないが、影の闇殿が勝手に推論することは可能であっても、全く根拠とはならない。全くの的外の推論であることも断言する。

西郷を取り上げるのは、私の中では司馬史観が血肉となってしまっているので、江藤淳の南洲公像を論評することは、司馬史観で論評するような気がするので私も避けたいところだ。江藤淳にとっても同じであったが故に、避けてきたのかもしれない。

昨日から本日にかけ、更に1冊の本を読んだので紹介したい。
講談社現代新書「幕臣たちの明治維新」安藤優一郎(2008年3月)書評にも取り上げられた大変面白い本だが、司馬遼太郎、江藤淳に欠落している幕末明治の視点について詳しく書かれた、大変面白い本でした。是非読まれたし。
この本は欠落した視点、欠落した明治史に焦点があたっています。幕臣達の明治時代の視点です。

八百万石の徳川が七十万石の静岡藩へ減俸され、3万人強の幕臣達のその後と、その思想について、司馬、江藤両氏の著作ではわずかに触れられたに過ぎませんでした。

明治時代、人を軽蔑する場合、「開化(ひらけ)ぬ奴」という言葉が流行ったそうです。その開けぬ奴=保守主義者と最も江戸庶民の軽蔑の対象とされたのが、旧徳川家臣団のうちで、明治政府に残った人達だそうです。

私はこの本を読むまで、旧徳川家臣団で、明治政府の役人へ再雇用してもらえたのは、榎本武陽や勝海舟など有能なエリートだけであったと思っていましたが、事実は異なるようです。

彰義隊へ参加した者を除く恭順を示した旧幕臣へは、新政府は3つ選択肢を提示していた。
実に寛大な提案であった。明治新政府も勘定方や陸軍部隊として有能な官吏、訓練された即戦力部隊を必要としていた。@政府に恭順して朝臣となる。つまり再雇用。A徳川家にお暇願いを出し農業・商業従事者となる。B無禄覚悟で静岡へ移住する。以上3つであり、@を望めばほぼ認められたとの事実には驚いた。

旧幕臣はこの三択を求められたが結果はどうであったか、@を選べば俸禄、屋敷はそのまま(後に多くは減俸された)のかなりの好条件であったが、上級武士を除き、新政府に仕えることを良しとはしない空気は非常に強かったとのこと。「武士の意地」なのだろう。

武士的価値観の「二君に仕えず」からすると(この場合保守的価値観)節操も無い裏切り者と呼ばれ、徳川びいきの江戸庶民からは白眼視され、野菜や魚まで売ってもらえなかったようなことまで、記録されている。

p116からの西南戦争と江戸っ子気質は目から鱗の部分がある。明治10年薩摩士族の暴発である西南戦争が始まったのであるが、徳川びいきの江戸っ子であった新東京市民は、かつて江戸を占拠した占領軍であった薩摩武士団を大多数が応援していたのである。

西郷人気はピークであった。西郷といえば、幕府を倒した張本人で、江戸っ子からすれば、確かに江戸を戦禍から守りは下が、不倶戴天の敵であったはずである。

ところが、新政府への不満反感を西郷一人が背負い、異常人気であった。できたばかりの女子師範学校では西郷は女学生の人気の的で、西南戦争を伝える新聞は奪い合いで読まれ、西郷軍を皆応援していたという。西郷人気は東京市民にとって割り切れない感情の捌け口となり、西郷軍が敗れ去った後は、言論へと向かい、自由民権運動へ繋がっていくのである。

そして、西南戦争前後、反政府の論陣に立ち、西郷を弁護応援していたのが、かつての幕臣で、静岡より東京へ戻り新聞や出版言論界の主流を占めていた。

何たる皮肉か・・・・。これは、新東京市民を日本人、西郷をマッカーサー、薩摩藩士軍を米軍に例えるならば、第二次世界大戦後の日本の構図と同じではないか!

明治時代、保守的な思想を持った人間ほど反政府側であった。また、明治22年は徳川氏が江戸に入城し300年となり、東京開市300年祭を旧幕臣達の結束による実行団体(親睦団体である)江戸会が結成された。急速な西洋化(今日のグローバリズム)が進んだ明治時代にあって、岡倉天心、フェノロサに限らず日本の伝統や価値観を大切にしたい思想は、明治人の気質へ受け繋がれて行った。グローバリズムに流される今日の日本における江戸趣味江戸ブームへと繋がる思想でもある。

保守思想を語る時に矛盾を感じる影の闇殿の主張もまあ、「理解力不足」のようであるからしかたがないが、保守とは何かの答えはここにある。

保守とは、気分であって思想ではない。「守りたい気分」である。それゆえ矛盾を内在するものである。影の闇が思考の迷路にはまり込み、江藤淳並の頭脳を持ち得なかった為に「虚妄」などという安易な言葉で理解しようとした理由であった。

彼岸楼殿、この投稿でも私が影の闇殿の思考を粗雑に検証したと言い切れますか?
もっとも、私も影の闇殿の脳細胞とリンクしているわけではないので、私の一方的な論考であることは認めましょう。

ならば、影の闇殿の、江藤淳に対する保守思想の論考も、一個人による見解であると、謙虚な態度が必要である。

影の闇殿の「江藤淳が保守思想の破綻による自殺である」とか、司馬遼太郎先生に対する侮辱的な態度、傲慢極まりない論評は、読書人として看過できるものではございません。

PS司馬先生について。

影の闇殿の友達が、「竜馬がゆく」を読み赤軍派や、新左翼に走ってしまっったとのことです。影の闇殿はお友達に恵まれず、お可哀そうですね。

取引先であった社長さんで、地方の商工会議所の会頭で強烈なファンの方がいて印象的でした。お医者さんやら経営者の方と話題を探すとき、その本棚を見回して、坂の上の雲など置いてあると、司馬先生の話をします。すると皆さんそれぞれの司馬史観を持っていました。司馬遼太郎先生の本は皆さん何かしら読んでいますね。

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」に感化され、革命戦士となって北朝鮮から帰ってこれず泣いている馬鹿どもは、自分自身でシナリオを書いた喜劇役者であった。少なくとも司馬先生は彼らの人生のシナリオを書いていない。

司馬遼太郎ファンの圧倒的多数は、この理不尽な社会で必死に生きてる我々サラリーマン世代であろう。新左翼として社会の底辺を這いずり回っている連中の中にも司馬先生の本を愛読していても不思議ではない。なぜなら司馬先生は国民的作家だから・・・。

 

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