★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ53 > 556.html
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参考 逮捕後、自白しないで、精神鑑定で不起訴にならず起訴される場合。野地卓の場合。
http://www.asyura2.com/08/bd53/msg/556.html
投稿者 0_0 日時 2008 年 8 月 02 日 20:41:36: YQ201zwHWXfF6
 

(回答先: 「精神鑑定」というのは、「自白しなかった」場合に適応される道になっているようだ。 投稿者 0_0 日時 2008 年 5 月 22 日 10:14:21)

野地卓の場合。
野地卓氏は強盗殺人で起訴されている。。(2008/08/01)
狙い撃ちであり、冤罪だ。
自白もしていないだろう。容疑者には知識があると思われる。
(以下は記事全文 起訴されるまで)
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「西新女性刺殺」に関するニュース
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城南区鳥飼の刺傷事件受け 見守りや声掛け強化 情報なく不安の声 校区自治協「ちょこパト」運動も
2008年4月12日 10:47 カテゴリー:九州・山口 > 福岡


鳥飼小児童の下校を見守り、声を掛ける地域住民ら=11日午前11時すぎ、福岡市城南区鳥飼4丁目 福岡市城南区鳥飼4丁目で先月25日、女性(31)が男に刃物で刺され重傷を負った事件は、その後も犯人につながる有力な情報がなく、住民に不安が広がっている。鳥飼校区は自治協議会が防犯・防災に積極的に取り組んできただけに、事件の衝撃は大きかった。事件後、登下校時に路上で児童を見守り、声掛けをするなど、さらに態勢を強化。地域住民全体を巻き込んだ安全・安心なまちづくりを目指すという。

 11日午後、児童の下校に付き添うために鳥飼小に来ていた保護者たちは、一様に心配そうな表情。2年生女子の母親(38)は「犯人が捕まるまでは毎日、送り迎えする」。別の母親は「出掛けるとき、1年生の娘が『気をつけて』と声を掛けてくれる」と話した。

 早良署は現在、80人態勢で周辺の聞き込みなどの捜査を継続。10日には、学校の隣の鳥飼公民館など同署管内の5カ所に、犯人を等身大で描いた看板を設置、情報提供を呼び掛けている。また近隣の別府校区自治協議会の安全パトロール隊は始業式(7日)の後の3日間、従来は回っていない鳥飼校区に、青色回転灯のパトロールカー(青パト)を巡回させて防犯に協力している。

 同小の始業式以降、登下校時にはPTAや鳥飼校区自治協議会のメンバー、早良署員らが通学路に立ち、見守りや声掛けをしている。浦中重規校長(57)は、1人では遊ばないなどの指導を徹底するとともに「児童に恐怖感を与えないよう『地域の人たちが見守っているので安心するように』と伝えている」という。

 同自治協議会では3年前から、防犯防災推進部が見回りを続けている。「決まった時間、限られた人数ではカバーしきれない」とさらに昨年6月からは、地域住民にパトロールを呼び掛ける独自の「ちょこパト」運動を始めた。散歩しているときや買い物に出掛けるときなど、ちょっとした時間を使って見回りをお願いする仕組み。「ちょこパト」と印刷したベストなどのグッズを作り、住民に無料配布している。

 グッズを配布する鳥飼公民館の重村直樹館長(58)は「グッズが足らなくなるほど(住民の)反応が良く、住民の取り組みで犯罪が年々減っていただけに、今回の事件はショックだった」と話す。

 防犯防災推進部長の柴田康夫さん(61)は「事件後、住民の緊張は高まっている」といい「見回り回数を増やすことで安心感を持ってもらいたい」という。「自分のまちは自分たちで守ろうと行動することで、犯罪の抑止につなげていきたい」と力を込めた。 (地域報道センター・易永美香)

=2008/04/12付 西日本新聞朝刊=

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福岡78歳刺殺 PTA緊急パトロール
2008年4月15日 01:30 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区での女性殺害事件を受け、市教委は14日夜、現場周辺の中学校に部活動のため残っていた生徒を急きょ下校させたほか、15日以降も朝の練習を中止するよう指導。保護者らは14日夜、塾帰りの子どもの安全を確保するため地域の巡回を始めるなど、対応に追われた。

 現場に近い西新小校区自治会などのメンバーや、3月に起きた女性刺傷事件の現場に近い中央区の草ケ江小校区の父親らは、刺殺事件発生の一報を受け各校区を自主的に緊急パトロールした。

 西新7丁目2区の町内会長、深川康裕さん(50)は「住民でできることをしようと思い立った。1分でも早く捕まってほしい」と話した。

 市教委学校指導課は、早良区のほか城南、中央区の小学校13校と中学校5校に当面の間、登下校時に警戒態勢を敷くよう緊急連絡した。

=2008/04/15付 西日本新聞朝刊=

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通り魔?78歳女性刺殺 先月にも刺傷事件 男逃走、同一犯か 福岡市早良区西新
2008年4月15日 09:11 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡


女性が刺殺された現場付近を調べる福岡県警の捜査員ら=14日午後9時49分、福岡市早良区西新2丁目 14日午後7時すぎ、福岡市早良区西新2丁目のアパートの敷地内で「若い男に女性が刺された」と、アパートの住人男性から110番通報があった。女性はアパート1階に住む田中久子さん(78)で、病院に搬送されたが胸など十数カ所を刺されており、約1時間後に死亡した。死因は失血死。刃物を持った若い男が徒歩で逃走しており、福岡県警は早良署に捜査本部を設置。通り魔的な犯行の可能性があるとみて、殺人容疑で行方を追っている。

 福岡市では3月25日夕にも、約800メートル離れた城南区鳥飼4丁目の路上で、帰宅途中の女性(31)が若い男に現金を要求され、刃物で腹などを刺されて重傷を負う事件が発生し、未解決のまま。男の体格などの特徴が似ているため、県警は同一犯の可能性もあるとみて捜査している。

 調べでは、田中さんは一人暮らし。悲鳴を聞いた通報者の男性が部屋を出ると、男がアパートの通路に立ち、そばに田中さんが倒れていた。男性は男を羽交い締めにしていったん取り押さえたが、振り払って南側に逃げたという。田中さん宅の玄関ドアは施錠されていたことから、県警は田中さんが帰宅したか、外出しようとした際に襲われたとみている。

 男は身長170‐180センチで、20‐25歳くらい。やせ形で耳にかかる程度の黒い髪、上下とも茶色のジャージーを着ていた。鳥飼での事件の男は20‐30歳で、身長約170センチの長髪。1人歩きの女性を自宅近くで、刃物で複数回刺す手口も似ている。

 現場は市営地下鉄西新駅から東に約300メートル離れた住宅街。商業ビルなどが立ち並ぶ幹線道路の「明治通り」から数十メートル北に入った細い路地で、夜は人通りが少ない。

=2008/04/15付 西日本新聞朝刊=


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厳戒態勢下、児童ら登校 保護者ら不安隠せず 福岡市刺殺事件で西新小
2008年4月15日 12:25 カテゴリー:九州・山口 > 福岡


警察官や教諭、保護者らに見守られながら登校する西新小の児童ら=15日午前8時すぎ、福岡市早良区 福岡市早良区西新二丁目の女性刺殺事件から一夜明けた15日朝、現場近くの西新小などでは教職員や保護者が通学路に立ち、児童・生徒が緊張した面持ちで登校した。3月下旬、隣接する城南区の鳥飼小校区で起きた女性刺傷事件との関連も指摘されており、福岡県警は捜査員のほかに制服警官50人を出して厳戒態勢を敷いた。

 西新小では、教職員約40人とPTA役員らが交差点などに立ち、地域住民も校区内を巡回した。マスコミの取材ヘリコプターが飛び交う中、わが子と近所の児童約10人を連れて登校してきた女性(39)は「しばらくは公園で遊ばせず、習い事も車で送り迎えします。とにかく早く犯人を捕まえてほしい」と訴えた。

 校門で子どもを出迎えた久門隆校長は「学年ごとに一斉下校させるなど、安全確保を徹底したい」と話し、午前11時半には新一年生を下校させ、出迎えた保護者らに託して帰宅させた。

 3月に学校近くの路上で刺傷事件があった鳥飼小の周辺もピリピリした空気に包まれた。この日、あらためて警察犬による捜査が行われ、教師や保護者が通学路で目を光らせた。

 一連の事件を受け、福岡市教委は14日、部活動を日没前に切り上げ、夜間外出を控えるよう市立の小中高など計234校に通知した。また私立の西南学院中・高(早良区)も朝の部活動を中止するなどした。

=2008/04/15 西日本新聞=

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福岡市女性刺殺 被害者 金品奪われず 無差別連続殺傷か
2008年4月15日 14:08 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新2丁目の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、田中さんの所持品のバッグが現場に残され、現金なども盗まれていなかったことが15日、福岡県警の調べで分かった。高齢で1人暮らしの田中さんにトラブルは見当たらず、犯人の男は抵抗する田中さんを執拗(しつよう)に刺していることから、県警は無差別に女性を狙った通り魔的な犯行との見方を強めている。

 調べでは、田中さんは帰宅した際、自室前のアパートの通路で襲われたとみられる。遺体には正面から刺された傷が胸などに十数カ所あり、一部は肺に達していた。刃物を避けようと抵抗した際にできる「防御創」と呼ばれる傷も腕に複数あった。15日に司法解剖し、死因や傷の状況を調べる。

 現場から約800メートル離れた城南区鳥飼4丁目の路上で3月25日夕、帰宅途中の女性(31)が若い男に刃物で刺されて重傷を負った事件でも、被害者の所持品のバッグは奪われていなかった。今回の事件現場で男を一時取り押さえた男性は「(鳥飼事件の犯人の似顔絵と)顔が似ていた」と証言しており、同一犯の可能性が高まっている。

 また、田中さんの自宅アパート前の路上には所有者不明の銀色の自転車が乗り捨てられており、県警は犯人の若い男が乗っていた可能性もあるとみて押収した。男性に一時取り押さえられた際、男は「自首します」と観念したそぶりを見せて徒歩で逃走しており、県警は125人態勢で周辺の聞き込みや、遺留品の捜索を進めている。

=2008/04/15付 西日本新聞夕刊=

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西新刺殺 22歳男逮捕 福岡県警、強盗殺人容疑などで 鳥飼刺傷も認める 現場近くに居住
2008年4月16日 10:13 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡


女性刺殺事件で、福岡・早良署に入る野地卓容疑者=15日午後11時35分 福岡市早良区西新2丁目の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、福岡県警は15日夜、強盗殺人と銃刀法違反の疑いで、福岡市中央区草香江2丁目、無職野地卓容疑者(22)を逮捕した。県警によると、「その通りで間違いありません」と容疑を認めているという。

 福岡市では3月25日夕にも、約800メートル離れた同市城南区鳥飼4丁目の路上で、帰宅途中の女性(31)が若い男に刃物で腹などを刺されて重傷を負う事件が発生。犯行手口などが酷似しており、野地容疑者は関与を認めているという。

 調べでは、野地容疑者は金品を奪う目的で、14日午後7時ごろ、西新2丁目のアパート前通路で、田中さんの胸などを果物ナイフ(長さ約10センチ)で複数回にわたって刺し、殺害した疑い。アパート住人の男性から発見されたたため、金品の強奪については未遂に終わったという。

 田中さんの自宅アパート前の路上に事件後、盗難自転車が放置されていたことから、県警は犯人の男が逃走する際に放置した可能性が高いとみて捜査。野地容疑者が浮かび、乗っていたことを認めたという。野地容疑者の自宅を家宅捜索したところ、犯行に使用したとみられる果物ナイフと血の付いた服が見つかった。

 西新の刺殺事件と、鳥飼の刺傷事件で目撃された犯人の特徴が酷似していたことから、県警は同一犯による連続殺傷事件とみて捜査していた。

=2008/04/16付 西日本新聞朝刊=

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地域に安堵と波紋 西新女性刺殺容疑者逮捕 “安全な街”でなぜ 「子ども守る」決意も
2008年4月16日 10:52 カテゴリー:九州・山口 > 福岡


夜間パトロールに向かう城南区役所の青パト=15日午後6時すぎ、同区役所前 「安全だと思っていた街でなぜ」「容疑者逮捕でほっとはしたが…」‐。福岡市早良区西新2丁目で14日に起きた女性刺殺事件は15日深夜、容疑者の男が逮捕され、住民や学校に安堵(あんど)が広がる一方で、事件は地域に波紋を広げ、治安に不安を残した。男は隣接する鳥飼校区で起きた女性刺傷事件への関与も供述しており、学校や行政、地域住民は相次いだ凶行に「地域と子どもたちはわれわれが守る」と決意を新たにしていた。

 ■学校・塾

 事件があった西新地区は、修猷館高、西南学院大などが並ぶ文教地区。15日は進学塾も含め、それぞれに対応した。

 近くの西新小では、学年ごとに一斉下校。子どもたちは保護者と手をつなぐなどして帰路を急いだ。6年生と3年生の子どもがいる主婦(38)は「学校や塾へは必ず送り迎えをしている。自宅が近く、人ごととは思えない」と不安げな表情。子どもを迎えにきた主婦、平岩理加さん(40)は「西新は安全だと思っていたので驚いた。自分たちのことはしっかり自分で守らないと」と話した。

 同小の南隣にある西南学院大4年の女性(21)は「明るいうちに友達と帰るよう心掛けている」、同大4年の林唯さん(21)は「夜は1人で出歩けない。暗い路地は走って通っている」と述べた。

 事件現場に近い進学塾「英進館」西新本館には「きょうは授業はあるのか」との問い合わせが相次いだという。同本館では生徒を出迎える講師の数を増員して対応。教室長の土屋慶三さん(40)は「いつもと比べ送り迎えをする保護者の数が多い」。長男(11)を連れてきた同市中央区の主婦(40)は「外での遊びは控えさせている。保護者がしっかり子どもを守らないと」と表情を引き締めた。

 ■地域・行政

 3月25日に事件があった城南区の鳥飼校区では、保護者に交じって、ボランティアの地元住民たちが子どもたちの登下校を見守った。だが、その表情にも事件が続く不安感がのぞいた。

 鳥飼小児童の下校を見守っていた主婦(60)は「(犯人の特徴とされた)若い男の人を見るとつい警戒してしまう」。5年生の男子児童の母親(40)は「次は子どもが狙われるのではないかと思うとすごく怖い」と不安そうに話した。

 同区役所は、小中学校の登下校時に青色回転灯をつけたパトロールカー(青パト)で鳥飼校区などを巡回。「通り魔的な事件が続き、区としても一歩踏み出した対応をしたい」として、職員が青パトなど計10台で夜間パトロールも行った。

 また、女性刺殺事件の現場から約250メートルの距離にある西新商店街は普段と変わらぬ人出だったが、買い物客らの会話や表情には事件が微妙な影を落とした。洋品店の女性店員(40)は「なじみのお客さんには『夜は出歩かないように』『気を付けて帰って』などと声をかけている」という。

 容疑者逮捕を受け、同商店街のスナック経営吉村由美さんは「深夜に帰るのが怖かったが、ほっとしました」と話した。

=2008/04/16付 西日本新聞朝刊=

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西新女性強殺 「高齢者見かけ狙った」 福岡県警調べに容疑者供述 血付きの靴押収
2008年4月16日 15:01 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新2丁目の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された同市中央区草香江2丁目、無職野地卓容疑者(22)が、福岡県警の調べに「高齢女性をたまたま見かけたので狙った」と供述していることが16日、分かった。県警は、野地容疑者が力が弱く、抵抗しそうにない女性を狙って襲ったとみて調べている。

 県警によると、野地容疑者は盗んだ自転車に乗って住宅地などを徘徊(はいかい)。14日は偶然見かけた田中さんを追って犯行に及んだ疑いが強いという。

 3月25日に城南区鳥飼で起きた刺傷事件でも、被害女性(31)が「知らない男に刺された」と話しており、県警は野地容疑者が1人歩きの女性を見かけて襲ったとみて調べている。

 また、15日の野地容疑者宅の家宅捜索で、犯行に使用したとみられる果物ナイフ(長さ約10センチ)と黒っぽいジャージーのほか、血が付着した靴が見つかったことも判明。いずれも血痕が付いていたが、ふき取った形跡はなかったという。

 田中さんは胸など十数カ所を刺されており、県警は野地容疑者が返り血を浴びた可能性が高いとみている。

 関係者によると、野地容疑者は2006年3月、城南区内から現在のマンションに移った。家賃の支払いは遅れがちで、アルバイトをしていたコンビニは同5月に辞めていたという。野地容疑者は「金に困って金品を奪う目的でやった」と供述しているが田中さんのバッグや現金は奪っておらず、県警は詳しい動機の解明を急ぐ方針だ。

=2008/04/16付 西日本新聞夕刊=

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地域でいかに守るべきか 女性刺殺事件
2008年4月17日 00:06 カテゴリー:コラム > 社説
 この3週間、いつ、どこで刃物を持った暴漢に切りつけられるか分からないという、鳥肌の立つような不安と恐怖が、現場辺りの住宅地だけでなく、福岡都市圏全体を覆っていた。

 容疑者逮捕の報に地域の人々はひとまず胸をなで下ろしたが、その安心の度合いは、心底からの安心とは程遠い。同じような事件が2度と起きないと信じる根拠がないからである。

 自分や家族が犯罪に巻き込まれないかと恐る恐る暮らすような地域社会でなくするために、私たちは何をすべきか。何ができるか。地域の防犯力について、あらためて考えさせる事件である。

 福岡市早良区の住宅地域で起きた女性刺殺事件の容疑者が逮捕された。3月25日の夕方、同市城南区で起きた女性刺傷事件の犯行も認めているという。

 容疑者は、2つの現場にほど近い同市中央区の住宅地に1人で住む若い男だった。調べに対し、金を奪う目的だったと述べているが、犯行の動機や背景の詳細な解明はこれからだ。

 大きな道路からやや入り込んだ住宅地域は、車などの騒音も少なく、落ち着いた暮らしができる。今回の刺殺・刺傷事件は、こうした閑静な住宅地の死角となる人通りが少ない場所で、人目も分かりづらくなる夕暮れ時に起きた。

 人を殺傷する犯罪は、どの時代にも地域を問わず起きてきたし、これからも起きるだろう。多数の人々の集合体である社会では、必然的に人と人のあつれきを生じる。私たちの社会はその意味で、本質的に「殺意」をはらんでいるのだと言っていい。

 だが、地域コミュニティーが希薄化し、個人が社会的に孤立しやすい現代社会では、人の内部に芽生えた殺意は特定の人物に対してでなく、無差別的に暴発する場合がある。

 茨城県土浦市のJR駅構内で今年3月下旬に起きた通り魔的な8人殺傷事件は、おそらく、そのようなケースだったように思われる。

 福岡市での事件は、無防備な女性を選んで狙ったとみられる。無差別的な殺意を振り回した犯行ではないのだろう。

 突然起きる通り魔的な犯行は、ほとんど防ぎようがない。しかし、そうでない犯罪に対しては、まだしも地域の防犯力を発揮する余地がある。

 住民や学校が協力して主に各地域の校区単位で「防犯安全マップ」を作る作業は、その一例だ。子どもと大人を含めた多くの地域住民が、人けのない路地など犯罪に巻き込まれそうな危険個所を出し合って地図に落とし、情報を共有するのである。

 顔を知らないだけで不審者とみなし、警察に通報するような社会は別の意味で恐ろしい。そうではなく、地域で住民の安全をどのように守るかについて語り合える、連帯感のある社会でありたい。


=2008/04/17付 西日本新聞朝刊=


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西新女性殺害 「悲鳴上げられ刺す」 野地容疑者県警に供述 現金奪えず逆上か
2008年4月17日 09:23 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新2丁目の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された同市中央区草香江2丁目、無職野地卓(のじすぐる)容疑者(22)が福岡県警の調べに対し「『金を出せ』と言ったが、悲鳴を上げられたので刺した」と供述していることが16日、分かった。野地容疑者は生活に困窮しており、県警は、要求を事実上拒まれて逆上し、女性を襲ったとみて調べている。

 調べでは、野地容疑者は「金に困っていた」と話し、自宅マンションの家賃(月3万5000円)の支払いも滞りがちで生活費に困っていた。

 野地容疑者は3月25日に同市城南区鳥飼で起きた女性(31)の刺傷事件についても「自分がやった」と認めているといい、県警はどちらの事件も、刃物を持って夕刻の住宅街を自転車でうろつきながら、女性を襲う機会をうかがっていた疑いが強いとみている。

 西新の刺殺事件について、野地容疑者は「高齢女性をたまたま見かけたので狙った」「田中さんに現金を要求したが『キャー』と悲鳴を上げられたので果物ナイフで刺した」などと供述。

 また、鳥飼での事件の被害女性も、県警の事情聴取に「自転車を止めた男が正面から近づいて来て『お金』と要求した直後に、いきなりナイフで刺された」と証言しているという。

 ただ、どちらの事件も女性にいきなり襲いかかって腹や胸などを執拗(しつよう)に刺す一方、現金が入ったバッグを奪わず逃走するなど不可解な共通点があり、県警は動機を詳しく調べる方針。被害者の傷の形状などから、両事件では同じ果物ナイフ(長さ約10センチ)が使われたとみられ、県警は押収したナイフを鑑定している。


=2008/04/17付 西日本新聞朝刊=

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女性刺殺 簡易精神鑑定を検討 福岡県警 野地容疑者を送検
2008年4月17日 14:34 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新二丁目の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、福岡県警が、強盗殺人などの疑いで逮捕した無職野地卓(のじすぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=について、捜査段階での簡易精神鑑定を検討していることが17日、分かった。県警は同日、野地容疑者を福岡地検に送検した。


 県警などによると、野地容疑者は、精神安定剤などの薬を一時服用していた可能性があるという。3月25日に同市城南区鳥飼4丁目の路上で発生した女性刺傷事件から3日後に市内の整形外科を受診した際、不可解な言動があったため、医師が専門医の診察を勧めたという。ただ、取り調べに対する受け答えははっきりしており、県警は「刑事責任能力は十分ある」とみている。

 野地容疑者のマンション住人によると、野地容疑者は2006年3月に単身で入居して以降、自室で未明に「出て行け」と大声で叫んだり、階下の部屋に「静かにしろ」と突然怒鳴り込んだりするなどの言動が目撃されていた。

 県警の調べに「生活費に困窮しており、金が欲しかった」などと強盗目的を供述したにもかかわらず、(1)被害者に致命傷を与えかねない腹や胸などの部位を執拗(しつよう)に刺した(2)被害者が落としたバッグを物色せずに放置した‐など不自然な点があるという。

 県警はこうした点を踏まえ、動機についてさらに詳しく調べる方針。

=2008/04/17付 西日本新聞夕刊=

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アイスピック隠し持つ 逮捕直前の野地容疑者
2008年4月18日 12:36 カテゴリー:社会
 福岡市早良区の田中久子さん(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、無職野地卓容疑者(22)が逮捕される直前に自宅マンションを出た際、アイスピックを隠し持っていたことが18日、早良署捜査本部の調べで分かった。任意同行しようと捜査員が自室を出た野地容疑者に声を掛け、所持品を調べる中で発見した。

 捜査本部は関与を認めている3月末の強盗致傷事件に続き、田中さん襲撃でも金を奪えなかった野地容疑者が、アイスピックで第3の凶行を企てていた可能性もあるとみている。

 捜査本部によると、田中さん刺殺事件が発生した翌日の15日、現場に放置されていた盗難自転車の鍵の部分に付着していた指紋から野地容疑者を特定し、福岡市中央区の野地容疑者が住むマンションに捜査員が急行。

 マンションから出てきた野地容疑者に事情を聴くと「金目当てで刺した」と田中さん殺害を認め、自室から血の付いた果物ナイフや衣服が見つかったことから強盗殺人などの疑いで逮捕状を請求し、同日夜に逮捕した。

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野地容疑者 「携帯代欲しかった」 料金滞納 利用止められる
2008年4月18日 14:40 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新のアパート前で女性(78)が刺殺された事件で、強盗殺人などの疑いで逮捕された無職野地卓(のじ すぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=が、福岡県警の調べに「携帯電話の料金を滞納して利用を止められたため、金が欲しかった」と供述していることが18日、分かった。県警は犯行に至った動機の1つとみて調べている。

 県警などによると、野地容疑者は2006年3月に現在のマンションに入居。室内にテレビはなく、テレビの視聴やインターネットのほか、外部との連絡はすべて携帯電話で代用しており、容疑者にとっては必需品だったという。

 コンビニなどのアルバイトを転々としていた野地容疑者は最近、無職で収入が途絶え、生活苦に陥っており、調べに対し「消費者金融などから4、50万円の借金があった。金が欲しくて犯行を思い立った」などと供述しているという。

 関係者によると、野地容疑者は友人が少なく、孤立しがちだったとされ、県警は携帯電話を止められたことにより「外部との接点」が失われ、孤立感を深めたとみている。

=2008/04/18付 西日本新聞夕刊=

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野地容疑者 アイスピック隠し持つ 福岡女性刺殺任意同行時 新たな犯行計画?
2008年4月19日 00:18 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新2丁目の女性(78)が自宅アパート前で刺殺された事件で、強盗殺人などの疑いで逮捕された野地卓(のじすぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=が、自宅マンション前で福岡県警に任意同行を求められた際、アイスピックを隠し持っていたことが18日、分かった。県警は野地容疑者が新たな犯行を狙っていた可能性もあるとみて調べている。

 県警によると、野地容疑者は、刺殺現場に乗り捨てられていた盗難自転車から指紋が検出され、捜査線上に浮上した。野地容疑者が外出した15日午後、捜査員らが自宅マンション前で任意同行を求めた。その際、所持品を調べるとアイスピックが見つかった。野地容疑者は「護身用だ」と説明したという。

 野地容疑者は同日夜、強盗殺人容疑などで逮捕され、「生活費に困り、金を奪うためにやった」と供述。3月25日に同市城南区鳥飼で起きた女性刺傷事件についても「自分がやった」と認めたとされる。いずれの事件も、被害者から抵抗されて金品の強奪に失敗しており、県警はアイスピックで新たな犯行を重ねようとしていた可能性もあるとみている。

 一方、野地容疑者は「4、50万円の借金があった。携帯電話の料金を滞納して利用を止められていた」とも供述しており、県警はこうした生活苦が犯行に至った動機の1つとみて調べている。

=2008/04/19付 西日本新聞朝刊=

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野地容疑者 靴に被害者の血液 城南区の刺傷事件 DNA型一致
2008年4月25日 09:18 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市早良区西新2丁目で田中久子さん(78)が刺殺された事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された無職野地卓(のじすぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=の靴に付着していた血痕のDNA型が、3月25日に同市城南区鳥飼4丁目で腹などを刺されて重傷を負った女性(31)のものと一致したことが24日、分かった。捜査関係者が明らかにした。福岡県警は、野地容疑者の関与を裏付ける物証とみて捜査を進めている。

 野地容疑者は14日夕、田中さんに現金を要求したが、悲鳴を上げられたため果物ナイフで首や胸など十数カ所を刺して殺害した疑いで15日に逮捕された。

 県警は同日、野地容疑者の自宅マンションを家宅捜索し、室内から果物ナイフとともに、血の付いた靴を押収していた。

 県警が靴の血痕のDNA型を鑑定したところ、鳥飼の刺傷事件で重傷を負った女性のDNA型と一致したという。

 女性は歩いて帰宅する途中、男から現金を要求され、小型のナイフで体の4カ所を切りつけられており、現場の路上付近には多量の血が残っていた。

 県警は、野地容疑者が鳥飼の刺傷事件についても「自分がやった」と認めていると発表していたが、これまで関与を裏付ける物証は見つかっていなかった。

=2008/04/25付 西日本新聞朝刊=

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福岡連続殺傷 「鳥飼事件」で再逮捕 野地容疑者 強殺未遂、殺意は否認
2008年5月7日 13:55 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡県警は6日、福岡市早良区西新で女性(78)を殺害したとして強盗殺人などの疑いで逮捕された無職野地卓(のぢすぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=が、3月に同市城南区鳥飼で起きた女性刺傷事件にもかかわったとして、強盗殺人未遂などの疑いで再逮捕した。県警によると、殺意を否認しているという。野地容疑者は「凶器のナイフや上着は市内の河口に捨てた」と供述しており、県警は今後、捜索して裏付け捜査を進める。

 福岡地検は同日、西新事件の強盗殺人容疑などについて処分保留とした。捜査当局は野地容疑者の簡易精神鑑定を検討しており、その結果などを踏まえて2つの事件を一括起訴するかどうか判断するとみられる。

 調べでは、野地容疑者は3月25日夕、鳥飼4丁目の路上で、帰宅中の女性会社員(31)に「金を出せ」と要求し、果物ナイフで腹や胸など4カ所を刺して殺害しようとした疑い。女性は約3カ月の重傷を負った。野地容疑者は「金を奪う目的でやったが、殺すつもりはなかった」と殺意を否認しているという。

 県警によると、野地容疑者は当時、盗難自転車に乗って周辺を徘徊(はいかい)し、偶然見かけた女性を襲ったという。自転車は事件後、中央区内のマンション駐輪場に乗り捨てられているのを県警が発見し、押収した。果物ナイフは刃渡り10センチで、着ていた上着と一緒に福岡市内の河口に捨てたと供述しているという。

 野地容疑者の自宅から押収された靴の血痕のDNA型が、鳥飼事件の被害女性の型と一致したことなどから、県警は野地容疑者の関与が裏付けられたと判断。生活費に困窮して女性を狙った連続強盗殺傷事件とみて捜査している。

=2008/05/07付 西日本新聞夕刊=

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凶器の刃物?発見 福岡連続殺傷供述の川捜索
2008年5月15日(木)17:30

 福岡市の連続女性殺傷事件で、福岡県警は15日午前、同市城南区鳥飼で女性(31)を刺して重傷を負わせたとして強盗殺人未遂などの疑いで逮捕した無職野地卓(のぢすぐる)容疑者(22)が、犯行に使用したとみられる果物ナイフを樋井川の河口付近(同市早良区)で発見した。

 県警によると、野地容疑者は、女性を刺した果物ナイフについて「事件の数日後に、樋井川の河口に(当時着ていた)上着と一緒に捨てた」と供述していたという。見つかったナイフは形状などが野地容疑者の供述と一致しており、県警は鑑定して確認を急ぐ。

 捜索は午前10時ごろから、県警の潜水隊員5人が樋井川の歩道橋の下を中心に川底を調べた。ヤフードームに近く、鳥飼の刺傷事件の現場から北に約1.7キロの地点。野地容疑者を立ち会わせて、実況見分も行った。

 野地容疑者は、同市早良区西新で女性(78)を刺殺したとして強盗殺人容疑などで逮捕されたが処分保留となり、鳥飼の刺傷事件で再逮捕された。

=2008/05/15付 西日本新聞夕刊=

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女性刺殺事件から1カ月 6月3日 自主防犯組織発足 福岡市西新校区
2008年5月16日 10:48 カテゴリー:九州・山口 > 福岡

ボランティアに見守られながら登校する児童たち。地域全体の連携が求められている=15日午前8時すぎ、西新小近く 福岡市早良区西新二丁目で女性(78)が刺殺された事件から1カ月が過ぎた。地域の住民に大きな衝撃を与えた事件を機に西新校区では、行政や警察、学校と連携しながら、自主防犯組織が6月3日に発足するなど、住民の防犯、連携意識が高まっている。 (地域報道センター・易永美香)

■住民の連帯感強まる スクールガード実施へ 西新小

 発足するのは「西新校区自主防災・防犯協議会」。自治会長や公民館長など地域の世話役を務めている約20人が参加して会を立ち上げる。4月下旬、自治協議会の総会で設置が承認され、今月になって早良区役所と早良署も同防犯協議会と連携しながら、一緒に防犯対策を強化していくことを確認した。

 同校区自治協議会の林曉男会長(75)は「事件を受け、住民の危機意識や結束意識が高まった」と、同防犯協議会の態勢を強化できた背景を説明する。6月3日の発足式で今後の具体的な取り組みを決める。

 まずは子どもたちの安全確保に重点を置く。西新小学校が早急に始めようとしている「スクールガード」に協力する。スクールガードは、地域住民が学校と連携して子どもたちを見守る取り組みだ。同小の久門隆校長(56)は「登下校時の見守り、休み時間や始業前などの校内の見回りなどをお願いできれば」と話す。

 地域住民から協力者を募り、100人をめどに登録制にして継続可能な活動にしていきたいという。久門校長は「(事件後)保護者の子どもを守る意識が高まり、校門まで児童を送る保護者の姿が多くなった」と指摘。地域住民と協力することで「見守りの目を増やし、児童の安全確保に努めたい」と期待を寄せる。

 同防犯協議会では、できる限りの協力をしていく方針で、「この取り組みをきっかけに、高齢者、女性へと見守りの対象を広げていきたい」としている。

 さらに、校区内の危険個所の洗い直しや、防犯灯の増設や移設なども検討していきたいと意欲をみせている。早良区地域振興課も「地域の防犯力向上のため、関係課すべてが課題解決に向け長期的にサポートしていく」と話している。

=2008/05/16付 西日本新聞朝刊=


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連続女性殺傷 野地容疑者 鑑定留置へ 福岡地検 責任能力見極め必要
2008年5月17日 09:48 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
 福岡市の連続女性殺傷事件で福岡地検は16日、強盗殺人未遂などの疑いで逮捕した無職野地卓(のぢすぐる)容疑者(22)=同市中央区草香江2丁目=を精神鑑定するための鑑定留置を福岡地裁に請求し、認められた。期間は19日から7月25日まで。

 調べに対し、野地容疑者は「生活費に困り、金が欲しかった」と供述する一方で、2人の被害女性をナイフで執拗(しつよう)に刺すなど動機と行動に開きがあることから、捜査当局は本格的な精神鑑定で犯行時の精神状態を調べ、刑事責任能力を慎重に見極める必要があると判断した。

 野地容疑者は、福岡市早良区西新で4月14日に女性(78)をナイフで十数回刺して殺害したとして強盗殺人容疑などで逮捕され、処分保留のまま、今月6日には同市城南区鳥飼で3月にも女性(31)の首や腹などを刺し、3カ月の重傷を負わせたとして強盗殺人未遂容疑などで再逮捕された。

 県警や関係者によると、野地容疑者は精神安定剤を一時服用していたという。また、2006年3月から住んでいたアパートでは未明に大声で叫んだり、階下の部屋に突然怒鳴り込んだりするなどの言動が目撃されていた。

=2008/05/17付 西日本新聞朝刊=


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福岡・連続女性殺傷事件、野地容疑者の精神鑑定留置認める
2008年5月17日(土)12:33

 福岡市の連続女性殺傷事件で逮捕された野地卓容疑者(22)について、福岡地検は、犯行時の精神状況を明らかにする必要があるとして、精神鑑定のための鑑定留置を福岡地裁に請求し、認められた。

 留置期間は19日から7月25日まで。

 地検は野地容疑者の刑事責任能力の有無などを調べた上で、起訴するかどうかを判断する。

 捜査関係者らによると、野地容疑者は以前、精神状態が不安定になり通院治療を受けていたという。

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MSN 産経ニュース
ニュース: 事件

【衝撃事件の核心】福岡女性殺害 「狂気宿る目」明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで  (1/4ページ)
2008.5.6 10:18

このニュースのトピックス:衝撃事件の核心

にらみつけ、その後ニヤリと笑い…。送検のため車に乗り込む野地卓容疑者=4月17日、福岡・早良署 福岡市早良区の早良警察署の裏口に姿を見せた男は、眼光鋭く報道陣をにらみつけ、そして笑った。福岡市の女性刺殺事件で強盗殺人などの容疑で逮捕された同市中央区の無職、野地卓容疑者(22)。明るく活発な少年だったが、高校退学後はアルバイトを転々とし、「この国はおれに合わねぇ!」と社会への鬱憤(うっぷん)を吐き出すことも。最近では奇行が目立ち、その果てにか弱い女性を狙って、執拗にナイフを突きつけた。送検される時の野地容疑者の目には“狂気”が宿っていた。


 ■「おい、ばばあ、金を出せ」…断られ、十数カ所を刺す執拗さ


 早良署捜査本部の調べによると、事件の概要はこうだ。


 「おい、ばばあ、金を出せ」


 4月14日午後7時ごろ、福岡市早良区西新2丁目の住宅街で、自宅アパートを目の前にした田中久子さん(78)に野地容疑者が詰め寄った。

 手には刃渡り約10センチの果物ナイフ。

 田中さんが助けを求めて騒いだ瞬間、野地容疑者は田中さんの首や胸など十数カ所を刺したり、切りつけたりした。

 胸の傷は肺に達する深さで、田中さんはほぼ即死状態だった。

 騒ぎを聞きつけたアパートの男性住民が、野地容疑者をいったん羽交い締めにしたが、容疑者はこれを振り払い、刃物を持ったまま逃走した。

 捜査本部は目撃情報などから似顔絵を作成した。すると、現場から南に約700メートル離れた同市城南区で3月25日、女性がナイフで刺され重傷を負った事件の容疑者の似顔絵とそっくりであることが分かった。

 あごがとがり、目が細く切れ長という特徴が一致していた。

 3月25日の事件の発生時刻は午後6時半ごろ。城南区鳥飼4丁目の建設会社社員寮の敷地内で、歩いてきた男が女性会社員(31)に向かって「お金」と口走り、女性が悲鳴を上げると、いきなりナイフで腹など4カ所を刺した。腹の傷は胃に達していた。

【衝撃事件の核心】福岡女性殺害 「狂気宿る目」明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで  (2/4ページ)
2008.5.6 10:18

このニュースのトピックス:衝撃事件の核心

にらみつけ、その後ニヤリと笑い…。送検のため車に乗り込む野地卓容疑者=4月17日、福岡・早良署

 2つの事件は、(1)発生時間や現場が近い(2)金を要求している(3)ナイフを何度も深く突き立てており、強盗目的にしては攻撃が執拗−という手口も似ていた。

 捜査本部は同一犯による犯行とみて捜査。田中さん刺殺事件の現場に放置されていた盗難自転車に付いていた指紋が野地容疑者のものと一致したことなどから、15日夜、田中さんに対する強盗殺人などの容疑で逮捕した。


 ■アイスピックを持つ…「第3の犯行」を計画?


 調べに対し、野地容疑者は田中さん刺殺事件について「間違いありません」と容疑を認めた。

 女性会社員への犯行についても「自分がやった」と話した上で、無差別殺人だったことを認める供述をしている。


 「3月に女性を襲ったが、抵抗されて金を奪えず、次はもっと弱い人にしようと、高齢の女性を狙った」


 「路地でたまたま見かけたおばあさんを襲った」


 供述から、自分より弱い女性を狙った卑劣な犯行であることは明らかだ。犯行の動機については「金がなく、生活が苦しかった。金目当てだった」と供述した。捜査本部は野地容疑者が生活費に困った末の犯行とみている。

 連続して起こった無差別殺傷事件。周辺住民の中には被害に遭わないように外出を控える人も多く、野地容疑者の逮捕で安堵(あんど)が広がった。近くの主婦は「これで一安心。ゆっくり眠れます」とほっとした表情を浮かべていた。

 実際、野地容疑者は逮捕される直前の15日、福岡市中央区の自宅マンションを出た際、アイスピックを隠し持っていた。任意同行しようと捜査員が野地容疑者に声をかけ、所持品を調べる中で発見した。

 野地容疑者は「護身用」と捜査員に説明したが、2件の犯行ではいずれも金を奪うことができず、「第3の凶行」を企てていた疑いも出ている。


 ■思春期にいったい何が? 失われていく明るさ


 「中学生のころは明るい性格で、おもしろい子だった。友達もたくさんいた」


 小中学校の同級生がこう証言する野地少年は当時、福岡市城南区のマンション1室(約70平方メートル)で母と兄、姉と暮らしていた。普通の活発な少年という印象だ。


■これまでの【衝撃事件の核心】はこちら


【衝撃事件の核心】福岡女性殺害 「狂気宿る目」明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで  (3/4ページ)
2008.5.6 10:18

このニュースのトピックス:衝撃事件の核心

にらみつけ、その後ニヤリと笑い…。送検のため車に乗り込む野地卓容疑者=4月17日、福岡・早良署

 ところが、高校生になる前後から、彼は変わり始める。家族に反抗することが多くなり、不良グループにも顔を出すようになった。市内の私立高校に入学したが、1カ月で退学。高校によると、出席したのはわずか13日間で、学習意欲がなかったほか、家庭の経済的な事情も退学の引き金になったという。


 「明るい性格だが、多少自己主張が強い」


 高校に残る指導要録にはそう記されていた。

 岡山市のJR岡山駅ホームから岡山県職員の男性=当時(38)=を線路に突き落とし、殺害した18歳の少年=大阪府大東区=と「貧乏」という点では境遇が似ている。少年は貧乏から大学進学をあきらめていた。くしくも、野地容疑者が女性会社員を刺した3月25日は、少年の犯行日と同一だった。

 高校退学後はアルバイトを転々とした。コンビニエンスストア店員、ホテルの宴会場でウエーター、ガソリンスタンド店員…。しかし、人とのコミュニケーションがうまくできず、長続きする仕事はなかった。平成17年夏には東海地方のレジャー施設で住み込みのプール監視員をした。


 「客にきちんと声をかけられず、仕事はできなかった。キョロキョロして、人と目を合わせない感じだった」


 一緒に働いていた男性は当時をこう振り返る。

 その半年後の18年3月、福岡市中央区のマンション4階の1室で一人暮らしを始めた。間取りは1K(約20平方メートル)で家賃は月3万5000円。このころはまだ、仕事仲間と酒を飲むこともあり、当時の写真からも、持ち前の明るさは完全に失われていないように見える。

 ただ、酒に酔うと、社会に対して鬱憤がたまっていることをうかがわせるような言葉も口にした。


 「この国はおれに合わねぇ」


 「インドに修行に行く」


 「日本のルールなんか守る必要ないんだ」


■これまでの【衝撃事件の核心】はこちら

【衝撃事件の核心】福岡女性殺害 「狂気宿る目」明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで  (4/4ページ)
2008.5.6 10:18

このニュースのトピックス:衝撃事件の核心

にらみつけ、その後ニヤリと笑い…。送検のため車に乗り込む野地卓容疑者=4月17日、福岡・早良署

 ■万引発覚→奇行の末に…


 野地容疑者の奇行が目立ち始めたのは、昨年秋以降という。

 野地容疑者の部屋から深夜たびたび、「出て行け」「開けろ」などの叫び声が聞こえるようになった。

 野地容疑者は昨年11月、市内のスーパーで約2000円分のコンタクトレンズ関連商品を万引し、現行犯逮捕された。このことが奇行に関係しているともみられている。


 「いつも充血した目をしていて、何をするか分からない怖さがあった」


 マンション住民はこう証言する。

 昨年暮れには、住民の一人が野地容疑者の奇異な言動について福岡県警に通報。警察官が駆けつける騒ぎとなった。しかし、警察官がインターフォンを押しても野地容疑者はドアを開けず、接触できなかった。

 「第1の凶行」直前の今年3月には、階下の部屋に突然「うるさい! 静かにしろ」と怒鳴り込んだこともあった。

 「第2の凶行」直前の4月10日前後の朝には、野地容疑者の部屋から「僕じゃないと思う人」と意味不明な言葉を叫ぶ声が聞こえたと証言する住民もいる。

 野地容疑者には最近、ほとんど収入がなく、消費者金融には約50万円の借金があったという。

 携帯電話は料金滞納のため止められていた。

 家族とも離れ、仕事もうまくいかず、生活費にも事欠くようになり、次第に孤立感を深めていった姿が浮かび上がる。

 17日午前10時ごろ、野地容疑者が福岡地検に向かうため、早良署の裏口に姿を見せた。半袖シャツとジャージー姿。待ちかまえていた報道陣をにらみつけ、そして一瞬笑った。

 犯罪心理学者で聖学院大客員教授の作田明氏はこう分析する。

 「今回の犯行は計画性がなく、攻撃的な感情が積もり積もって爆発したケース。瞬間的なムラムラとした、むしゃくしゃした気持ちの赴くままに殺害していると考えられる。殺す相手は誰でもよかった。何度も刺すという行為は、自分が痛めつけられてきた社会に対する恨みがこもっているのではないか」


■これまでの【衝撃事件の核心】はこちら


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続報。
野地卓氏は強盗殺人で起訴される。
狙い撃ちであり、冤罪だ。
自白もしていないだろう。容疑者には知識があると思われる。

女性殺傷で22歳男起訴=責任問えると判断−福岡地検 福岡市で3月に起きた強盗殺人未遂事件と4月の強盗殺人事件で、福岡地検は1日、強盗殺人などの罪で、無職野地卓容疑者(22)を起訴した。同地検は約2カ月にわたる鑑定留置を実施。吉浦正明次席検事は「これまでの捜査や精神鑑定結果などを踏まえて、十分その刑事責任を問えると判断した」としている。(2008/08/01-18:57)
 

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