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http://www.janjan.jp/culture/0702/0702049466/1.phpより転載。
ドキュメンタリー「君が代不起立」 ICU上映会レポート 2007/02/07
1月29日に国際基督教大学(ICU)で日の丸・君が代強制問題を扱ったドキュメンタリー映画「君が代不起立」の上映会を開催しました。上映会のレポートをお届けしたいと思います。
当日、上映会の準備をしようと会場がある本館3階に行くと、私が前もって企画した「プレ展示会」を見ている方がいました。ICU外部の方のようだったので「『君が代不起立』を観にいらしたんですか?」と聞くと、「はい。ずっと見たかったんだけど、なかなか機会がなくて」とのことでした。外部の方がわざわざ見に来てくださったのかと、嬉しくなりました。
いよいよ、上映会の開場時刻になりました。ちゃんとお客さんが集まるかと少し不安でしたが、ICU内外からだんだんと人が集まってきました。私の友達も来てくれて、友達を見つける度に手を振る私。空席がだんだん埋まっていくのを見て、ほっとしました。
映画が始まると、会場のみなさんは真剣に映画を観てくれました。映画が終わってもたくさんの人が残って、上映後のゲスト講演会を聞いてくれました。
講演会では、まず映画を制作したビデオプレスの松原明さんと佐々木有美さんにお話をしていただきました。まず、なぜ「君が代不起立」を作ろうと思ったかについて。被処分者である中学校教師根津公子さんの停職1か月の取材をする中でこの問題の重大性・緊急性に気付き、ドキュメンタリー映画を制作しようということになったそうです。次に、私が事前にお願いしていた問題についてお話ししてくださいました。それは、なぜ私達が日の丸・君が代に反対するかということです。ICUでこの問題を友達と話していると、「強制はおかしいし反対だけれど、国のシンボルである日の丸・君が代になぜ反対するのか分からない」という意見を多く聞きます。そこで、この講演会でお2人からその理由を説明していただこうと思ったのです。
まず、松原さんからは歴史的な問題のお話。「民主主義国家として生まれ変わった戦後日本が、戦時体制の象徴である日の丸・君が代を国旗・国歌として持ち続けているのはおかしい。戦後の復興の中で、戦前・戦中に行った行為を清算できなかったのではないか」というお話でした。
佐々木さんは、抵抗する権利について話してくださいました。日の丸・君が代強制問題についてよくある意見に、「日の丸・君が代が制度化されてしまった以上、従うのは当たり前。従わなければ罰せられるのは当然のことで、個人の思想信条によってそれに抵抗するのは甘い」というものがあります。これに対する反論として、佐々木さんはアイヒマンを例に挙げました。ナチスのユダヤ人大量虐殺に関わったアイヒマンは、「私は命令に従っただけだ」と言って裁判で無罪を主張しました。しかし、命令に従っただけでも、その命令が正しいものでなかった場合は従った人にも責任はあるのです。間違った命令に対して、自分の道徳的良心から抵抗する権利があるとのお話でした。お2人ともそれぞれとても重要な観点から、分かりやすく説明してくださいました。
続いて、根津公子さんのお話です。「日の丸・君が代に限らず、国家権力による強制に無批判に従うことは踏み絵を踏むのと同じ。教員として、もし私が踏み絵を踏んでしまったら、『権力には従うしかないんだよ。社会とはそういうものなの』という誤ったメッセージを子供たちに発してしまうことになる。それは教育の現場であってはならないから、私は処分されても不起立を貫きます」根津さんの教育者としての信念を改めて感じました。個人としての信条だけではなく、教育者として子供たちと向かい合う姿勢から不起立を貫いていらっしゃることに、私はいつも感動します。
質疑応答の後、上映会は終了。たくさんの人がアンケートに答えてくれました。集まったアンケートは、全部で55通。参加者は約80名ですから、ほとんどの人が答えてくれたことになります。大部分の方が映画について真剣に考え、好意的な意見をよせてくださいました。
2月2日金曜日に追加上映会を行いました。参加者はわずか4名でしたが、1人でも多くの方にこの映画を観てもらうことに意義があると思います。これから卒業式・入学式シーズンに合わせて、全国各地で「君が代不起立」の上映会が始まります。皆さんのお近くで上映会が催されることがありましたら、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
関連サイト:
長編ドキュメンタリー「君が代不起立」(上映スケジュール・予告編など)
(田島夏樹)
上映会のポスター
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