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http://www.janjan.jp/government/0702/0702079629/1.phpより転載。
柳沢新発言で明らかになった日本の「普通主義帝国」ぶり 2007/02/08
「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」……柳沢厚生労働大臣が6日、そう発言した。
この発言について、先の同氏の「女性は子どもを産む機械」発言と結びつけて考える人は、おそらく少なくはないだろう。そのときなら、「例えが不適切」な程度といわれても分からないでもなかったが、今回は言い逃れできまい。むしろ、今回の発言のほうが深刻といえよう。まして前回と違い、記者会見の席上である。今回は、結婚産業や家族産業からお金をもらっているマスコミは大きく取り上げていないが、騙されてはいけない。
女性のみならず私たち男性にもいえることだが、結婚するかどうか、子どもを持つかどうかの選択権は自分自身にある。柳沢氏はそれを認めながらも、今回は発言を撤回しなかった。「若い人たちの意識を説明した」と柳沢氏は述べたが、発言では「健全」という言葉が若者たち自身の見解として使われる文構造になっていない。となるとおそらく、氏は「健全」という見解を押し通したくて仕方なかったに相違ない。
生物の本能は子孫を残すことだ、とはよくいわれることであるが、人間の場合は文化的な影響で本能にとらわれない選択ができる。例えば、小さい頃から両親に喧嘩が絶えなかったり、母親が父親のことで苦労したり、ジェンダーに疑問を持ったりすれば、子どもが結婚しようとも思わなくなる可能性は大いにあり得るだろう。柳沢氏はそうした可能性をバッサリ切り捨てたのである。
だが私は、柳沢氏や政府与党を責めれば済む話だとは思わない。柳沢氏が強気である背景には、多くの国民、特に自民支持者に同様の考え方を根強く持った人が多いということがあると思うからである。彼らこそが、生き方の幅を狭める真犯人なのである。
おそらくお読みの皆さんも聞いたことがあるだろう。長く独身を通していると「結婚しないの?」と言ってくる人々の話。結婚した人に対して「子どもはまだ?」とぶしつけに聞いてくる人々の話。「結婚するのはどうして?」と言われて「どうして結婚するかなんて考えたこともなかった」と言う人々の話。
彼らは、結婚するかどうかや子どもを持つかどうかについて、心底では選択肢だとは思っていないのである。それは、自分自身の生き方について選択をしていないからであり、また、「普通」以外の選択肢を選ぶ人々の現実というものを理解しようとしないからである。自分の周りでそうした現実が起きれば、いとも簡単に考えがひっくり返る人も少なくないだろうが、それだけ考えていない証拠ともいえる。
つまり、今回の柳沢大臣の発言は、国民の民度を映す鏡でもあり、日本の「普通主義帝国」ぶりをも表していた、ということである。そう、日本は資本主義帝国でも社会主義国でもなく、普通主義帝国だったのである。それが憲法に反していようが、「赤信号みんなで渡れば怖くない」でお構いなしである。良心があるのなら、私たちは政府や与党だけでなく、社会そのものも批判せねばなるまい。
もう一言付け加えておこう。これだけ失業者のあふれた社会で、それほどに少子化が問題なのか。長期的には問題だというが、将来的には合理化で解決できるレベルではないのか。第一、問題だといいながら具体的な対策が進まないということは、少子化の黙認ではないのか。
最後に、柳沢議員を選出した静岡3区の人々、特に彼に投票した人々に聞いてみたい。結婚することや子どもを持つことは当然なのですか……と。
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