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(回答先: 政治ブロガー、政界揺るがす行動力 メディア市民革命<1>(東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 04 日 08:44:19)
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/media/news/070905.html
2007年9月5日
「これは私の家。絶対離れるものか」。家具にしがみついて泣き叫ぶ老女。警官が二人がかりで引き離し、荷物のように抱えて車に押し込める。その後、巨大クレーンで一気に破壊される家−。
中国語と英語のサイト「博迅(ボシュン)ニュース」には、こんな当局による住民の家の強制接収の実態や、暴動、警官の暴力など、中国のショッキングな映像や記事が流れている。
ノースカロライナ州ダーラムに住む中国出身のソフトウエア技術者ワトソン・メン(42)が八年前から運営しており、記事や映像はいずれも中国国内の市民が自ら書いたり、ホームビデオで映し投稿したものだ。
同国では、国内の報道機関は当局に厳しく規制されており、政府に都合の悪いこれらのニュースは自由に報道できず、記者が現場に行くことすら禁止されている。
「それなら市民に記事を書いてもらって、中国の真実の姿を伝えようと考えた」とワトソン。
だが、情報をコントロールしようとする中国当局との闘いは激烈だ。中国政府は市民のインターネット利用を監視する「ネットポリス」を数万人も配置。情報をせき止める“情報の万里の長城”を構築しており、検索サイトのグーグルで「民主主義」という言葉すら検索できない。当然、国内の市民は「博迅」を見ることも投稿も厳禁だ。
ワトソンは、シリコンバレーの情報技術(IT)企業が開発した「壁」をすり抜けるソフトを活用する。電子メールで中国国内の人に送る。彼らはこれで海外のネット拠点に直接接続できる。多くの人が中国でも「博迅」をみられるようになり、閲覧者はいまでは毎日二十万人に達した。これまでに市民数千人がニュースを送ってきた。
ワトソンが最も心を痛めるのが、市民記者たちの身の安全だ。
五月末、中国からの電話で飛び起きた。南京市で活動する市民記者、孫林が妻とともに警察に逮捕されたのだった。
多くの人は匿名で投稿してくるが、建設業を引退後に市民記者になった孫は、名刺に堂々と「博迅記者」と印刷。当局の開発政策の下、すずめの涙ほどのお金と引き換えに住居を強制立ち退きさせられる人々を取材、映像で伝えていた。
容疑は「銃器の不法所持」。地元新聞は警察発表をもとに「孫容疑者は暴力団を組織していた」といわれのない容疑を書き連ねた。ワトソンは人権専門の弁護士を派遣。ジャーナリストの国際組織にも連絡して圧力をかけているが、釈放のメドは立っていない。
これまでに逮捕・拘束された「博迅」の市民記者は十人。二年半前には感染症、デング熱の流行をスクープした記者、李長青が「被害を誇張した」として懲役三年の判決を下され、服役中だ。
それでも市民たちは記事を送ってくる。
ワトソンは「情報不足に市民の不満は高まっている。当局が情報を百パーセント、コントロールできた時代は終わった。いつかわれわれの努力が変化をもたらす時がくる」と言う。
米ソ冷戦時代、西側のテレビやラジオの情報は東側に伝わり、ベルリンの壁を崩す原動力となった。いまインターネットによる「市民発」の情報が、世界に残る壁を突き崩そうとしている。
(ダーラムで、池尾伸一、写真も)=敬称略
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