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(回答先: 第一部 <3>ネットTV 世界の人 つなぐ橋に (東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 06 日 11:44:25)
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/media/news/070907.html
【メディア市民革命 米国の最前線から】
第一部 <4>読者発 プロ・アマ連携カギに
2007年9月7日
ニューズ・プレス紙の編集局長メリモント(左)と「ウオッチドッグ」の市民ら=フロリダ州フォートマイヤーズの同紙編集局で
発端は昨年夏、家々に水道会社から届いた請求書だった。「二万ドル(約二百三十万円)をお支払いください」。フロリダ州フォートマイヤーズ。井戸水だけだった地区への水道施設に伴う代金だ。法外な額に「支払えない」と悲鳴をあげる住民が続出した。
地元のニューズ・プレス紙は、なぜこんな事態になったのか解明に乗り出し、住民との「二人三脚」で調査する方法を試みた。
三年前にハリケーンが街を直撃した際、同紙がインターネット版に開いた掲示板には、住民から被害状況、知人や自分の安否情報が寄せられ、地域の役に立った。編集局長のケイト・メリモント(52)は「テーマによっては記者より住民の方がよく知っている」と確信、水道問題でも住民に情報提供を呼びかけた。
読者がネットの掲示板へ書き込んだり、記者にメールを送ったりできるようにしたところ、千件もの情報が殺到した。
ある日、担当記者に一通のメールが届いた。
「工事は談合や詐欺の温床になっており、犯罪の疑いが強い」−。市が第三者に委託した水道会社に対する監査結果の全容で、インサイダーからの情報だった。市から裏付けを取ったプレス紙はネットと新聞に掲載。スクープとなった。
◇ ◇
ネットで個人が気軽に情報発信できるようになる中、米国では「プロ」の報道機関も「個人発」の情報を取り込もうと懸命だ。CNNは個人が携帯電話などで撮った映像をネットを通じて投稿できる「iリポート」の窓口を設置。バージニア工科大銃乱射事件では、学生が携帯電話で撮った銃声の響く生々しい映像を全世界に放送した。
熟練した記者の独壇場だった調査報道にまで市民の参加を促すプレス紙は、こうした潮流の最先端に立つ。
六月からは専門知識を持つシニアを中心としたチーム「ウオッチドッグ(番犬)」をスタートさせた。気候が温暖な同地には他地域から移住してくるシニアが多く、各分野のプロも多いことに着目。元連邦捜査局(FBI)捜査員、元裁判官、軍のアナリストら二十人が、同紙の記者と二人三脚で行政の無駄遣いなどを調査している。
◇ ◇
プレス紙の親会社は、八十を超す地方紙と全国紙USAトゥデーを持つ全米最大の新聞社ガネット社だ。「地域の人々が参加しなければ生き残れない」と最高経営責任者(CEO)のスー・ジョンソン。購読者と広告減に悩む新聞社の経営にとって、読者参加がカギとみて、プレス紙の試みにも触発されながら、新聞メディア活性化の切り札として「情報センター」戦略を構築、傘下の各紙で推進している。
人々が自由に情報や写真などを投稿し、会話する場をネット版に設置する。さらに渋滞情報、地域の犯罪発生状況など、さまざまな地域情報を読者が自分で探索できるデータベースもつくる。
これまで一方通行だった新聞メディアを、ネット上では「読者発」の記事なども含め、あらゆる地域情報が集まる「情報センター」につくり替えようというのだ。
身の回りの情報や特定分野の専門知識を持つ読者と、調査を専門にする記者。ネットが可能にした“プロ・アマ連携”をどう生かすか。従来メディアの生き残り策だけでなく、「報道の質」向上のカギをも握っている。
(フォートマイヤーズで、池尾伸一、写真も) =敬称略
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