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(回答先: 第一部 <4>読者発 プロ・アマ連携カギに (東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 9 月 07 日 10:43:39)
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/media/news/070908.html
2007年9月8日
「ユーチューブ」への投稿ビデオで、恋の悩みなどを語る「16歳のブリー」
「もう、うちの親にはウンザリ。彼とハイキングにいくのもだめだって言うの…」。ぬいぐるみだらけの部屋。少女がビデオカメラを前に涙をためて告白する。
視聴者によるビデオ投稿サイトの「ユーチューブ」。「十六歳のブリー」と名乗る女性が投稿するビデオ日記「ロンリーガール15」が昨年、若者の話題に。告白は恋の悩みなど少女の日常に関連するものだが、切実感が共感を呼び、毎回、六十万人が視聴し、少女の悩みに対する真剣なコメントも多数寄せられた。
だが、カリフォルニア州サンフランシスコに住むジャーナリスト、トム・フォレムスキー(49)の息子で、高校を出たばかりのマシュー(19)は編集技術がうますぎるのを不審に思った。ネット上を探し回った結果、同一人物とみられる女性のホームページに到達。これを機に、謎めいたビデオのカラクリが明らかに。
女性は「十六歳のブリー」ではなく、二十歳の女優志望のジェシカ・ローズ。脚本家の卵の二人の若者が発案者だった。三人の目的はこれを機に有名になること。せりふは入念に準備され、少女の部屋とみられた部屋も若者の自室だった。
「すべて考え尽くされた演出に、六十万人が一杯食わされたんだよ」
自分のブログに息子の“スクープ”を載せたトムは言う。
一九三〇年代、俳優オーソン・ウェルズは「火星人来襲」をラジオで実況中継のように放送。聴衆は本物と思い込みパニックに陥った。今はネットでだれでも、有益な情報とともに、虚偽情報を不特定多数に発信することが可能に。ウェルズは冒頭にドラマであると断った。だが、ネットでは匿名や偽名も多く、世論操作の意図が巧妙に隠されていることも多い。
「ゴアのペンギン軍団」−。元副大統領のゴアが映画「不都合な真実」で地球温暖化防止を訴えた際、こんな動画が出回った。ゴアがモデルのアニメキャラクターが、ペンギン相手に、中東紛争から有名タレントの離婚まで何でも「温暖化が原因」と洗脳する内容だ。
素人が作ったように見せかけてあったが、経済紙の調査で、ゴアの主張に異議を唱える共和党や大手石油会社を顧客に持つロビイスト事務所が作った疑いが濃厚であることが判明している。
来年の大統領選挙戦絡みでも、上院議員ヒラリー・クリントンを、ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」に出てくる独裁者にみたてた動画が登場。作者はライバル陣営のコンサルタント会社の社員だった。
もちろん、ネットに自浄作用はある。「ロンリーガール」の正体を突き止めたフォレムスキー親子のように、ブロガーがネット上の疑惑を暴露する例は多い。クリントンのビデオの作者を突き止めたのも著名ブログだ。
ただ、暴かれる情報は氷山の一角だ。ネットには、視聴者が情報の出どころのあいまいさ自体を謎解きのように楽しむという、テレビや新聞などほかのメディアにない特性もある。
ネット社会の矛盾を突く著書のあるアンドリュー・キーンは警告する。
「われわれ一人一人が情報発信のルールを学び、情報選別の目を養う必要がある。でないと、メディア革命どころか、玉石混交の膨大な情報の奴隷になってしまいかねない」と。(サンフランシスコで、池尾伸一) =敬称略
第一部おわり
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