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(回答先: 【はがれたベール】第3回 低い問題意識 (新潟日報) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 27 日 23:41:23)
第4回 初歩的ミス (2008年01月05日掲載)
地形学の常識を無視
国の専門家人選に偏り
海底音波探査データを見ながら「きちんとデータを見られる人が解釈せず、安全審査でも見過ごした」と断層評価の不十分さを指摘する岡田教授=大阪府茨木市
「一番問題なのは4本の断層を正断層と書いていることだ」。東京電力柏崎刈羽原発の増設に伴う設置許可申請で繰り返された初歩的なミス。誤りを見破った日本活断層学会会長で立命館大教授の岡田篤正(65)は、語気を強めた。
本県沖を含む日本海東縁では、逆断層が震源となった大規模な地震がたびたび発生。マグニチュード(M)7・5を記録した1964年の新潟地震や、M7・7だった83年の日本海中部地震が代表例といえる。
独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)活断層研究センター副センター長の岡村行信(52)も「(過去の地震など)いろいろな状況を考慮すれば、単純に正断層とは言えない」とする。
一方、逆断層を正断層とするミスを続けていた東電。現在、断層調査の責任者を務める土木技術グループマネージャーの酒井俊朗(49)は戸惑いを隠さない。「当時は活断層と評価していなかったので、重要性が高くないということだったのかもしれないが…。それにしても奇異だ」
事業者の東電はもちろんだが、専門家が集まった国の安全審査で見抜けなかったのはなぜか。
■地形学者不在(読解力に疑念)
原発の安全規制を担う経済産業省原子力安全・保安院長の薦田康久(54)は今も「その時々で最新の知見を踏まえてやってきた」と強調する。だが、岡田は審査の実力自体に強い疑念を向ける。
柏崎刈羽2号機以降の審査メンバーの名簿を見て、「この中に活断層をちゃんと見られる人はいない」と確信したからだ。実際、審査で海底音波探査データを確認した複数の学者も「十分見る力がなかった」と吐露した。
活断層研究のけん引役を果たしてきたのは、地形を見て地殻変動などを読み解く地形学者たちだ。75年に設立された「活断層研究会」のメンバーの大部分を占め、80、91年に日本の活断層の研究成果を刊行してきた。
だが、柏崎刈羽原発の安全審査に連なる名簿には地形学者は見当たらない。背景には、当時の断層評価は、地下の構造から地殻変動などを分析する地質学が主流だったという学界の事情がある。
現在、活断層研究会会長を務め、地形学にも理解が深かった松田時彦(76)は「90年ごろまでは、地形から活断層を見つけても、地質屋さんは『地形に出ているだけで実証はされていない』と言うような時代だった」と振り返る。
■「常識」を無視(不勉強を露呈)
東電の設置許可申請書も国の安全審査も、こうした学界の空気を反映。地表面に明確な断層がなくても、たわんだような「褶曲(しゅうきょく)」と呼ばれる地層の下には断層が存在するという地形学の常識を無視してきた。
ところが東電は03年、活断層ではないとしていた設置申請当時の断層評価を覆した。その根拠になったのは2000年に産総研の岡村が発表した論文。「褶曲の下に断層がある」などの考え方を示していた。
しかし、岡村は「論文は別に、新しいことを書いたものではない」と説明する。実際、70年代後半には、同様の考え方を基にした複数の論文が既に発表されていた。東洋大教授の渡辺満久(51)は「地形学を知らなかったのは電力会社の不勉強に尽きる」と批判する。
「偏ったメンバーで審査されてきたことが問題」。岡田が指摘する安全審査の欠陥からは、設置許可を前提にしたかのような国の姿勢が見え隠れする。
(文中敬称略)
http://www.niigata-nippo.co.jp/rensai/n78/n78h5k4m1.html
*一部、新聞とネット記事の文章の違いがあるため両方記載
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